著者
杉本 耕一
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2007-03-23

新制・課程博士
著者
平竹 潤 渡辺 文太
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ヒトアスパラギン合成酵素(hAS)は、急性リンパ性白血病のアスパラギナーゼ療法において、再発や薬剤耐性を引き起こす原因酵素として注目されている。本研究は、hASを特異的に阻害することで、薬剤耐性を獲得した急性リンパ性白血病細胞に対して有効な新しい化学療法剤を開発することを目的としたものである。hASの反応機構にもとづき、その遷移状態アナログとなるN-adenosylsulfoximine およびその誘導体を合成した。その結果、hASを時間依存的に強力に阻害する化合物を得ることに成功し (Ki* = 7.6 nM)、アスパラギナーゼ耐性の白血病細胞に細胞死を引き起こすことを、世界で初めて示した。
著者
松田 道行 今村 健志 清川 悦子 宮脇 敦史 根本 知己 岡田 峰陽 石井 優 福原 茂朋
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

平成26年度までの計画班員および公募班員の研究報告書を取りまとめ、編集作業を行った後、評価報告書を作成し、関係者に送付した。また、研究終了後も要望の強いDNAの配布や技術講習会も開催した。さらに、Web情報の更新も行った。平成27年度に新しい新学術領域研究「レゾナンスバイオ」が始まったので、この領域への情報の引き継ぎを行った。
著者
浅野 泰仁
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,集合知をさらなる発展段階に導くための基盤技術として,(1) 集合知の情報構造を利用してウェブから集合知を補完する手法と,(2) 得られた知識を整理して提示する手法を構築することを目指した.成果は,(1)としては,Wikipediaに不足しているテキスト情報をウェブから取得する手法,Wikipediaに不足している画像情報、特にエンティティ間の関係を説明するものをウェブから取得する方法,などの提案であり,(2)としてはウェブから取得した、エンティティ間の関係を説明するような画像をWikipediaの知識と合わせて提示する方法などの提案である.
著者
中溝 和弥
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究においては、民主制の下で社会集団間の暴力的対立を解決する条件を探ることを目的とした。手法として、宗教暴動、カースト間対立、階級対立の激しさで知られるインドのビハール州、グジャラート州、アーンドラ・プラデーシュ州の比較分析を行った。その結果、次の三点が明らかになった。第一に、暴力的対立が起こる要因として社会・経済的格差の存在が重要であること、第二に、暴力的対立を克服するために、NGOなどの市民社会のアクターが重要な役割を担っていること、最後に、暴力の克服のためには、市民社会の活動に頼るばかりではなく、暴力的対立を防ぐための制度改革が必要であることである。
著者
高垣 直尚
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

上部に降雨発生装置を取り付けた風波水槽を用い,風波の波高減衰実験を行った.その結果,波高減衰が起こるか否かは,風速および吹送距離よりもむしろ風波の大きさ(高さ)に強く依存することを明らかにした.また,降雨を伴う風波乱流場における気液両相の速度変動および水位変動計測,および単一の着色液滴を使用した液側界面極近傍の流動場の可視化実験を通して,気液両相の乱流場が降雨により強く影響を受けることを明らかにし,また,低風速時には雨滴の界面衝突により波高減衰が起こるにもかかわらず下降流が生じることも確認した.
著者
永尾 雅哉
出版者
京都大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.可溶性エリスロポエチン受容体(_sEPO-R)をビオチン化し、6残基のランダムなペプチドを粒子表面に持つファージライブラリー液と混合後、ストレプトアビジンでコートしたプレート上にパニングして、_sEPO-Rに特異的に結合するものをスクリーニングしようとしたが、特異的に結合するファージは得られなかった。一方、_sEPO-Rを抗原として得られたモノクローナル抗体1G3をコートしたプレート上で同様にファージライブラリー液をパニングしたところ、特異的に結合するファージが濃縮されてきた。現在、このファージを精製し、_sEPO-Rのどの配列を有しているかを検討することにより、1G3の認識する配列を決定している。2.エリスロポエチン(EPO)は赤血球系に特異的に作用すると考えられてきたが、神経系にも作用することを明らかにした。先ずコリン作動性ニューロン株SN6や副腎髄質由来クロム親和性細胞PC12上にEPO受容体が存在することを発見した。そして、EPO添加によりPC12細胞内のカルシウム濃度の一過的上昇や、モノアミン含量の上昇を検出した。PC12細胞は神経成長因子を添加すると神経突起を伸展するが、EPO添加では変化せず、増殖も促進されなかった。これらの結果からEPOは神経系では栄養因子として作用すると考えられた。また、マウスの胎児発生過程の神経系の形成にEPOが作用するするのではないかと考えて、RT-PCR法または免疫組織化学的手法でEPOとEPO受容体の胚および胎児における発現について検討した。その結果、胎生7日目の原始線条、胎生8日目の神経褶にEPOおよびEPO受容体の存在が認められた。さらに胎生10日目になると神経上皮の辺縁側および脊髄の原基にEPOの存在が認められた。以上の結果は、胎児の神経系形成にEPOがオートクリンまたはパラクリン様式で作用することを示唆しており、現在EPOの神経系での生物学的機能についてさらに検討している。
著者
原田 和典 西山 峰広 山崎 雅弘 權 寧璡
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

火災時の高強度コンクリートの爆裂は,発生機構が未解明の厄介な現象である。本研究では,空隙圧力と熱応力が複合して発生する応力が爆裂発生の原因であるとの仮説を立て,これを検証することを目的とした。外周圧縮実験と耐火加熱実験を行い,部分加熱時のように不均一な温度分布下で爆裂が起こりやすいこと、また爆裂に先立って亀裂が生じて空隙圧力が低下しても爆裂が生じることを示し、空隙圧力よりも熱応力の方が影響が大きいことを実験的に明らかにした。並行して熱伝導解析と弾性熱応力解析を行い、爆裂が生じた部分における熱応力の集中傾向を考察した。
著者
風間 啓敬
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

生体内において、死細胞はその死に方により炎症を伴う場合と伴わない場合がある。炎症を引き起こす能力を持ち貪食能を備えたマクロファージや樹状細胞などは、死細胞に付随する抗原を取り込み、提示する能力を備えているため、死細胞の除去後における免疫応答惹起の決定において重要な機能を担っている。末梢における自己抗原に対する免疫寛容の破綻は、リュウマチをはじめとする自己免疫疾患の原因機構と考えられるが、免疫寛容の誘導機構に未だ不明な点が多いため、疾患の原因も不明である。これまでの研究から、死細胞を貪食する樹状細胞か分子レベルで細胞内のHMGB1の酸化還元状態を感知し、獲得免疫を担う細胞の活性化を調節していることを報告した。そこで本研究では生体内でのHMGB1の酸化還元状態を検出する方法を確立し、生体内での機能を探索することを目的とした。そのために樹状細胞をはじめ、貪食細胞の活性化を簡便に検出するためのマーカーを探索するために、免疫寛容を誘導する機構の解析を行った。HMGB1のCys106の酸化により、次亜硫酸化システインが生成されると仮定してその検出を試みた。ビオチン化maleamideを用いて還元型を、ビオチン化dimedoneを用いて酸化型(キャッピングされた次亜硫酸化基)の検出をウェスタンにより試みたが、検出できなかった。他の研究室からの報告では亜硫酸化、硫酸化システインが質量分析により検出されたことから、化学修飾法による不安定な次亜硫酸化システインの検出はできなかったと考える。一方、末梢での免疫寛容の機構を解析するため、ハプテン化アポトーシス細胞の静脈注射によりハプテンを抗原としたアレルギー反応(DTH応答)の抑制実験を、PD-1を遺伝的に欠損したマウスにおいて行った。予想通り、PD-1を欠損したマウスではDTH応答が抑制されなかった。CD8T細胞がDTH応答抑制に関与していること、さらにCD8T細胞におけるPD-1の恒常的発現により本来の機能である細胞障害活性を阻害すること、が報告されていたことから抑制性CD8T細胞でのPD-1の発現上昇が予想されたが、実験結果からCD8T細胞でのPD-1の発現は抑制性CD8T細胞への分化や機能には直接必要ないことが示された。しかしこれまでの研究では、抑制性CD8T細胞分化に関わる、PD-1陽性細胞に同定には至っていない。
著者
平芳 幸浩
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2004-01-23

新制・課程博士
著者
溝上 慎一
出版者
京都大学
雑誌
京都大学高等教育研究 (ISSN:13414836)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.107-118, 2009-12-01
被引用文献数
9

In past studies by the author regarding university students' learning and development, mainly three results were found; first, there was too little time for out-of-class studies regardless of the recent trend of hard studies in the classrooms. Second, nevertheless, those who studied hard outside classes felt they were developing; and third, the particular ways they spent outside classes were effective in acquiring new knowledge and skills. Through these results, this study examined university students' learning and development from a college life perspective. Past results implied that, if you would like to examine student learning and development, you should approach not only classroom studies but out-of-class studies and extra-curricular activities, too; that is, students' whole college lives. The survey was administered nationwide in November 2007. A total of 2,013 students participated (988 first year and 1,025 third year students). The analyses were done by using four student types (Type 1 to Type 4) which were determined using cluster analysis with scores of college lives. The main result was that Type 3 significantly felt more of their development than other types through many different activities, including in-class and out-of-class studies. Type 4 students, who enjoyed their college lives without being much involved with out-of-class studies, were as satisfied with their college lives as Type 3 students. However, Type 3 students scored significantly higher than Type 4 students on future perspectives, acquisition of knowledge and skills, etc. I concluded that well-balanced activities including studies were important for student learning and development.
著者
石合 正道
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ファンコニ貧血(FA)経路は、活性化され、その中心的役割を担うFANCD2がモノユビキチン化されるが、モノユビキチン化FANCD2の生理的役割はいまだ充分には解明されてない。我々はFANCD2の会合分子探索を行い、ユビキチン結合ドメインをもつUBR5とUFD1を同定した。本研究では、ubr5欠損細胞、ならびにsiRNAによるufd1ノックダウン細胞の作製・解析、FA経路分子との相互作用、マイクロレーザー照射によるDNA損傷部位へのタンパク質の集積などの検討を行った。当初の予想に反し、UBR5、あるいはUFD1ならびにその関連分子ともFA経路との機能的相関が弱いことが示唆された。
著者
貴志 俊彦 川島 真 陳 來幸 佐藤 卓已 佐藤 卓己 北村 由美 小林 聡明
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

この国際共同研究では、日本国内、台湾、韓国などで展開された学術交流によって、今後の関連研究に貢献できる次のような論点を明らかにできた。(1)エスニック・メディアに掲載された見解を分析することで、太平洋戦争終結による時代性の非連続的側面よりも、社会の環境および観念の連続性をより検出できた。(2)華人、金門人、日本人、コリアンとも、戦後直後においては、東アジアと東南アジアといった地域を移動する流動性が顕著であったため、時空間横断分析を進め、地域相関型の研究を推進することの重要性が確認された。(3)エスニック・メディアは、文字資料のみならず、映画、ラジオなど多様な非文字資料の役割が重要であるとともに、集団的、個人的コミュニケーション手段がコミュニティの拠点どうしを結ぶ機能を果たしていることを明らかにできた。なお、エスニック・メディア・データベースの構築は、引き続き課題として残された。
著者
満久 崇麿
出版者
京都大学
雑誌
木材研究資料 (ISSN:02857049)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-25, 1975-03-31
著者
柳原 一広 西村 貴文 松本 繁巳 北野 俊行 福島 雅典 石黒 洋 金井 雅史 三沢 あき子 安田 浩康 平出 敦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

医学部学生が、各がん腫の標準療法の確認と最新治療の情報を信頼おけるがん情報・医療情報サイトより検索・取得し、有害事象の程度判定基準であるCTC-AE、効果判定基準であるRECIST等のがん診療の基本となる知識を体得し、TAPSによる文献的考察能力が研鑽できるように、臨床腫瘍学の教本化を進めることで、医学部教育における、従来の縦割りの診療科別、臓器別ではない、新たな教育システムの礎となった
著者
小関 祥康
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

特殊な性質を持つアーベル多様体の個数の有限性に関する予想の一つである『Rasmussen-Tamagawa』予想を研究し、特別な場合に進展を与えた。より正確には、ガロア表現の法 l 表現から元の表現の情報がどの程度復元できるかを研究し、一定の成果を挙げた。これにより、特別な場合の予想のある種の一般化が正しいことが従う。一方で、ガロア表現を分類する Liu 加群を研究し、その基本的な線形代数的性質を研究した。また、ねじれクリスタリン表現に関する「充満忠実性定理」を証明した。これは Kisin により 2006 年に示された Breuil 予想と呼ばれるもののねじれ表現類似である。
著者
末石 直也
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

モデル選択の目的は、観測されたデータを基に「最適な」モデルを選ぶことである。しかしながら、最適なモデルはモデルの使用目的に応じて異なる。 本研究では、モーメント制約によってモデルが記述されているときに、経験尤度推定量を用いて、興味のあるパラメータを正確に推定するためのモデル選択の方法を考察した。また、推定量の平均 2 乗誤差を最小にすること目的とした、モーメント制約モデルのためのモデルアベレージングの方法を提案した。
著者
平井 広志
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

離散凸解析と離散距離空間の理論と応用に関して,本年度は以下のよう研究を行った1.6月と1月に韓国のPohang工科大学のJack Koolen教授を訪問し,Tight SpanやSplit分解法,正則多面体分割について有益なディスカッションを行った.特に2度目の訪問においては,私の研究すなわち,Tight SpanやSplit分解法の拡張や関連する話題のチュートリアル講演を行った.これにより,互いの研究のより良い理解が得られた.2.前年度に明らかになった4点条件を拡張した「木の上の部分木族間の距離の特徴付け」とTropical行列式との関連を調べた.特に「木の上のパス間の距離」が距離行列の「任意のサイズ4の主対角行列の行列式のTropical化が消える」ことによって特徴付けられることが分かった.これを踏まえて,関連するTropical幾何学に関する文献調査等を行った.また1月に開かれたRIMSの研究集会「計算可換代数と計算代数幾何」において,この結果の一部を講演した.3.私が提案した拡張スプリット分解法の系統学への応用に関して調査研究を行った.前年度の調査によって欠損のあるデータへの応用の可能性が見つかったのであるが,特に生物の形態学データからの系統樹構成問題において,絶滅した生物と現存する生物を混ぜて解析する場合にこのような問題が発生する.すなわち絶滅種は化石からデータを取るしかなく数多くの欠損データを含むのである.この問題を扱った論文をいくつか調査し,そこにあるデータに対し,実際に距離を構成して拡張スプリット分解を適用してみた.すると,いくつかのデータに対しては化石種が得られた系統樹内の部分木に対応させられた.これはこの手法の将来的有望性を物語るものと考えている.
著者
吉田 朋子
出版者
京都大学
雑誌
京都美学美術史学 (ISSN:13471627)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.197-227, 2003-03-10