著者
松井 京子 島村 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_111-I_119, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
24

近年頻発する竜巻災害に対しレーダー観測等を用いた警報システムの開発が切望されているが,精度の経済評価および効率的運用の指針は欠如している.低頻度・局所事象警報の空振り削減は難しいが,誤警報は警報の信頼性を減じ事業者損失を発生させる.そこで,直前警報によって被害の軽減が可能な個人・事業者を対象に,竜巻警報の経済価値定式化を行った.これは,警報の精度特性と対象者の損益構造によって経済価値を最大にする捕捉率・誤警報率を導き出すものである.本研究の結果は,「警報には最適な誤警報率・捕捉率の組み合わせが存在し,これは受け取り手の損益構造によって異なる」「誤警報による損失が大きい場合には,『閾値を高く設定してカタストロフィックな災害は回避するが,弱い竜巻を見逃す』戦略が有効である」の2点を示唆する.
著者
青島 亘佐 宮内 芳維
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.274-284, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
34

今後の生産年齢人口の減少が進行する社会情勢の中で,社会インフラの維持管理においては,構造物点検の省力化および効率化を図ることが喫緊の課題の一つとなっている.近年,その課題の対応策の一つとしてAIの活用が注目を集めており,画像データ,波形データ等を中心に多くの研究が進められている.しかし,自然言語データに関する研究はまだ少ないのが現状である.そこで,本稿では,昨今の対話型AIの普及を踏まえて,大規模言語モデルを活用した橋梁点検調書作成の省力化について検討を行った.検討の結果,大規模言語モデルの活用が,橋梁点検調書作成の省力化に有効であることを確認した.
著者
藤井 純一郎 大久保 順一 緒方 陸 天方 匡純
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.779-785, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
17

ChatGPTをはじめとして,大規模言語モデル (Large Language Model, 以下 LLM) を用いた文章生成モデルの発展が目覚ましい.土木分野においても,LLMを活用した業務効率化が期待されるが,LLMの学習は主にWebで集めた文書を中心としているため,土木分野の専門知識に対しての学習不足が予測され,正確な文章を生成できない懸念がある.そこで,土木分野において正確な文章生成を実現するための基礎的な研究として,本研究ではLLMを土木ドメインに適応することを試みた.正確性の評価手法を提案した上で,LLMの事前学習済み公開モデルと,ファインチューニングによるドメイン適応を行ったモデルで,土木分野に関する文章生成の正確性を評価し,LLMを土木ドメインに適応するための課題について論じた.
著者
作中 祐介 阪本 真 屋井 鉄雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.I_657-I_666, 2020 (Released:2020-04-08)
参考文献数
13

新興経済国を中心に世界の航空需要は年々増加しており,首都圏空港では早急な機能強化が最優先課題となっている.海外では効率的な管制処理システムの導入といったソフト面の整備が進んでおり,管制官のワークロード改善や燃料消費の削減,環境負荷の低減などの効果を上げている.本研究では,羽田空港に適した新たな管制処理システムを検討し,その導入効果を分析することを目的とする.そこで,管制処理システムの導入効果を管制面や運航面,環境面に関して,定量的に評価できる空域シミュレータの開発を行った.次に,都心上空を活用した管制処理システム案を作成し,その導入効果について開発した空域シミュレータによるシミュレーション分析を行った.分析結果から管制処理システムの導入効果に関して検討を行った.
著者
鳥居 大和 菊 雅美 水谷 法美 中村 友昭
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.17, pp.23-17098, 2023 (Released:2023-11-01)
参考文献数
2

河口閉塞は流域の氾濫の危険性を高めるため,対策が必要である.河口閉塞対策として,大規模河川では導流提や防潮堤が建設されているものの,中小河川を対象とした対策工の検討はほとんどされていない.そこで,本研究では,礫浜に接続する中小規模河川の河口閉塞対策工として沿岸方向に連杭を設置し,対策工が地形変化に及ぼす影響や,対策工の有効な配置形態について水理模型実験にて検討した.その結果,対策工を初期汀線近傍に千鳥状に配置することで,対策工がない場合に比べて,バームの形成や汀線位置,砕波地点を沖に移動させることがわかった.さらに,千鳥状に配置した対策工は,陸上への礫の堆積を抑制し,地形の平衡化を遅延させる効果が認められた.
著者
箱石 健太 一言 正之 善光寺 慎悟 西口 亮太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.539-546, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
11

AI技術の発展により様々な流入量予測手法が提案されているが,より信頼性を高め社会実装を実現するためには予測に至るまでの根拠を示し,予測結果の妥当性を確保する必要がある.本研究では対象流域を江の川水系土師ダム流域とし,気象庁の解析雨量を入力条件とする畳み込みニューラルネットワークによる流入量予測モデルを構築した.このモデルに対し,XAI(説明可能なAI)の技術を適用し,どのような根拠に基づいて予測を行ったかを可視化し考察を行った.考察の結果,流入量予測モデルの妥当性を確認した.
著者
原田 紹臣 永井 雅章 櫻井 崇光 吉田 恭平 石原 孝雄 家戸 敬太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.233-244, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
47

藍子の皿ねぶりとして知られている藻食魚類のアイゴは,美味として珍重されている未利用魚の一種である.一方,モクライ(藻食らい)としても知られており,磯枯れの原因の一つとして考えられている.本稿では,徳島県美波町における地域活性化及び沿岸域の磯焼け対策の一つとしてのアイゴを用いた地場商品の開発と,その際にChatGPTを実践的に活用して考察されたChatGPTの適用性等について報告している.なお,アイゴ料理の試食を通じた官能検査の結果,燻製,リゾット等が高評価であった.一方,被験者の属性によって,料理の嗜好が異なる傾向であることが分かった.また,一般的に課題であったアンケート調査における自由記述文(意見)の分析に対してChatGPTを活用したところ,妥当性のある分析結果を簡易に得られる可能性が示唆された.
著者
西口 亮太 善光寺 慎悟 高木 康行 一言 正之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集 (ISSN:24366714)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.31-36, 2023 (Released:2023-10-31)
参考文献数
11

本報告では,機械学習を用いた流出解析において,画像解析を得意とするCNNを用いて,気象庁解析雨量のみを入力条件とする手法を提案し,江の川水系土師ダム流域を対象として検証を行った.また,入力条件となる解析雨量の時系列や空間分布の設定が,計算精度に与える影響について比較検討を行った.本手法では,過去48時間分の解析雨量データを入力条件に与えるだけで,実用上十分な精度で流量を推定可能であった.さらに,解析雨量データを合理的に平均化処理することで精度が向上することを示した.また,地上雨量による流域平均雨量を用いたDNNモデルより,解析雨量を用いたCNNモデルのほうが,高精度であることを示した.
著者
三崎 岳郎 池本 良子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.III_461-III_470, 2020 (Released:2021-03-17)
参考文献数
30

固形バイオマスのメタン発酵処理の導入を検討するためには,各バイオマスのメタン転換率の評価が重要である.本研究では,肥料等試験法に準拠した簡易CODCr分析方法を提案し,142種類の様々なバイオマスのCODCr値を本方法で求めて,JIS方法で求めたCODCr値と比較した.その結果,提案した方法は,特に高固形分バイオマスにおいて,JIS法よりも高い値を示した.回分試験によりメタンポテンシャル(BMP)を測定し,CODCr値に基づくメタン転換率および,炭素含有量に基づくメタン転換率を評価した結果,提案した方法で求めたメタン転換率と炭素ベースのメタン転換率の間には高い相関が認められた.これらの結果から,提案した方法により,メタン発酵の導入のための固形バイオマスのメタン生成の評価に適用可能であると考えられた.
著者
宇多 高明 松浦 健郎 大崎 康弘 大木 康弘 三波 俊郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_643-I_648, 2016 (Released:2016-11-15)
参考文献数
2
被引用文献数
2 2

茨城県の大洗磯浜海岸にある大洗水族館前には,1961年頃までは幅130 mもの砂浜が広がっていたが,急速に侵食が進み,護岸が波に曝される状態となった.2015年10月には階段護岸の空洞化が始まって陥没の危険性が高まり,2015年11月18日には階段護岸を強制的に崩落させねばならない事態となった.本研究では,最終的に破壊に至った大洗水族館の護岸を実例として,護岸の被災原因について考察した.空中写真とWorldView-2衛星画像を用いて大洗磯浜海岸の長期的な汀線後退状況を把握した上で,数回の現地踏査とドローンによる低空(150 m)からの空中写真撮影により護岸の被災原因について考察した.
著者
菅野 一輝 篠原 隆佑 中島 颯大 村岡 敬子 崎谷 和貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集 (ISSN:24366714)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.233-238, 2023 (Released:2023-10-31)
参考文献数
20

汽水域における環境DNA 調査では,捕獲調査との一致率が河川淡水域と比べて低いことが知られており,潮汐の影響や多様な岸際環境から地区を代表する採水箇所・採水タイミングの設定が課題である.本研究では,汽水域における調査精度を向上に資する情報を得るため,汽水域における時空間的な環境DNA の検出特性を把握することを目的とした.那珂川河口域の2km 区間内に9 地点を設定し,潮汐の異なる4 回(下げ潮,干潮,上げ潮,満潮)の採水を行い,MiFish法による環境DNA メタバーコーディングを実施した.検出された魚類相の類似性をNMDS により可視化した結果,下げ潮・干潮では地点間の魚類相が類似し,上げ潮・満潮では地点ばらつきが大きくなり,採水場所の空間的な違いより,潮汐タイミングによる時間的な違いが,環境DNA の検出種に大きな影響を与えることが分かった.また,検出種数は,干潮が満潮よりも有意に多く(P < 0.01),干潮と上げ潮・下げ潮の間には差がなかったことから,汽水域における採水は,満潮時を避け,干潮時を中心とした採水を行うことで,多くの魚種が検出しやすいと考えられた.
著者
石川 靖晃 西尾 浩志 八木 洋介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00003, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本論文では,3次元的に任意形状を有するコンクリート構造にPC鋼材によりプレストレスを導入する際に,摩擦によって生じる緊張力減少,PC鋼材の任意の形状配置による腹圧力などを精度よく考慮可能な緊張解析手法を開発した.本提案手法の開発により,コンクリートの変形を考慮した緊張端でのPC鋼材の抜け出し量の計算が可能となり,セット量による緊張力緩和の影響が合理的に考慮されることになった.実橋の張出架設のPC緊張事例やヘリカルな曲面を有するPC構造に対して提案方法による解析を行い,提案手法の妥当性および初期ひずみ法適用の問題点を論じた.さらに実際のPCコンポ桁の緊張管理事例を基に,本提案手法により緊張管理図を作成し,従来の緊張管理図の作成方法の改善を検討した.
著者
北川 尚男 内田 賢一 池田 博司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.22-00330, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
17

亜熱帯の激しい波浪海域で海洋鋼構造物を防食するには,電気防食の効果および炭素鋼や耐海水性ステンレス鋼に流入するカソード電流密度を把握する必要がある.本研究では海水中から飛沫帯にかけて炭素鋼および耐海水性ステンレス鋼を用いた電気防食試験を行った.海水中の炭素鋼に対して電気防食は有効であった.しかし,海水中の炭素鋼試験片に流入する平均カソード電流密度は,試験片の間で約10倍の差があった.また,海水中から朔望平均干潮位の耐海水性ステンレス鋼に流入する平均カソード電流密度は,一般的な防食電流密度とほぼ同じであった.
著者
山崎 基浩 安川 和博 愛川 遼
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.II_416-II_424, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
14

わが国における交通事故死者数は減少傾向にあるものの「歩行中」など致死率の高い事故の減少率は低く,安全対策の必要性が高まっている.愛知県豊田市では「歩行者保護モデルカー活動」と称した人対車両事故削減を目的とした交通安全啓発に取組んでいる.本研究では「横断歩道での歩行者優先」を取り上げ,ドライバーへの意識調査で得られた知見を踏まえ,地域住民らによる交通安全街頭啓発運動を活用した効果的な啓発方法を検討した. ドライバーとのアイ・コンタクトを取りながら「止まってくれてありがとう!」等のメッセージを掲示し停止したドライバーに会釈する等,街頭において「能動的な啓発活動」の実証実験を行った結果,「能動的な啓発活動」実施時には通常の街頭活動時よりも歩行者優先率が向上することが明らかとなった.
著者
村上 麻紀 森 俊勝 溝上 章志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00056, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
27

本研究では,熊本県荒尾市において2020年10月から運行を開始したリアルタイムオンデマンド配車による区域運行型乗合タクシー「おもやいタクシー」について,その導入経緯とサービス概要を紹介する.また,その利用と運行についての1年間に渡る継続的な実態分析,利用者アンケートの分析,既存公共交通機関との競合関係,従来のタクシーサービスとの運行効率性比較について,分析を行った.その結果,利便性の周知により利用者は倍増していること,公共交通不便地域におけるバスの補完的サービスとなっていること,高頻度利用者の約半数は目的地や時間帯が決まった利用をしていること,通常のタクシーより総運行距離が短縮するためCO2排出量や燃料費を削減できることを明らかにした.
著者
田中 尚人 坂井 華海
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.22-00350, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
19

高齢社会を迎え,国際的な気候変動や頻発する災禍のなか,持続可能な地域運営のため地域風土に根差した知恵や技を継承することは有用である.本研究では,クロスロードゲームのアーカイブ機能に着目し,対話を重視し,日常と非日常とを繋ぐ追体験を可能とする記憶の継承について考察した.本研究の目的は,クロスロードゲームの作問における語り継ぎの場の構造とその内容の諸相を明らかにすることである.研究対象地は,近年様々な災禍を経験してきた熊本県熊本市,菊池市,あさぎり町の3市町とした.クロスロードの作問内容を分析した結果,自分⇔他者,能動⇔受動の2軸をもって,語り継がれた場を理解することできた.また作問された内容と場は,他者の経験も含め誰もが追体験可能なジレンマとして語り継ぎの場において継承される可能性が示された.
著者
山崎 諒介 竹嶋 夏海 岡田 誠司 宮下 剛 宮嵜 靖大 小野 潔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00093, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
33

SBHSの中で最も遅くJIS化されたSBHS400および未だ道路橋示方書に規定のないSBHS700の機械的性質や耐荷力に関する情報は,従来鋼やSBHS500に比べ不足している.本研究では,SBHS400とSBHS700の引張試験を実施し,機械的性質に関する情報を収集するとともに,従来鋼やSBHS500との比較をおこなった.続いて幅厚比パラメータの互いに異なる短柱軸圧縮試験を実施し,両縁支持板としての耐荷力特性を詳細に検討した.その後,鋼材の応力-ひずみ関係や残留応力分布の違いが軸力-軸方向変位関係に与える影響を解析的に検討した.最後に,実験結果と解析結果を基に,SBHS400およびSBHS700製両縁支持板の軸圧縮耐荷力評価式を提案した.
著者
渡邊 保貴 横山 信吾
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.26-39, 2020 (Released:2020-01-20)
参考文献数
32
被引用文献数
2 2

メチレンブルー吸着量を用いてベントナイトのモンモリロナイト含有率を評価するため,メチレンブルー吸着試験の測定精度を確かめた上で,分散性の劣るCa型ベントナイトを用い,これから抽出したモンモリロナイトのメチレンブルー吸着量を測定した.メチレンブルー吸着試験にはスポット法と比色法がある.ブラインドプリディクションによりスポット法の標準誤差は2mmol/100g未満であることが分かった.また,比色法と試験後試料の粉末X線回折分析により,スポット法による測定値を飽和吸着量とみなせることが分かった.モンモリロナイトの抽出は粒径0.2µm以下の回収により行った.このメチレンブルー飽和吸着量を使用することがモンモリロナイト含有率の評価,及び,有効モンモリロナイト密度を用いた透水性・膨潤性評価の精度を高める上で重要である.
著者
辻本 哲郎 Marie THOMAS
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
河川技術論文集 (ISSN:24366714)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.529-534, 2012 (Released:2023-03-31)
参考文献数
8

On a heavy rainfall in September 2011, Nagoya city issued evacuation recommendation to more than a million citizens and resultantly only around 4800 citizens followed. When we have to prepare for coming serious disaster due to climate change to overcome remained vulnerability, it is necessary to study how to manage risk against severe heavy rainfall and subsequent flood disasters. Then it is important to compare this time event with Tokai heavy rainfall disaster in 2000 when we discussed how to overcome urban flood disaster due to a torrential downpour and continued improvement of preparedness against it. This study aim to compare two events in 2000 and 2011 each other, to clarify how we have advanced our preparedness against heavy rainfall disasters, and how to overcome remaining difficulties, from the conceptual discussion of risk management composed of the concepts of hazard, exposure and vulnerability (or resilience).