著者
中村 豊 佐藤 勉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1341-1344, 2001 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5

1999年8月17日のコジャエリ地震 (Mw7.6、イスタンブール市基盤で最大加速度41Gal) の発生前と後において、イスタンブール市内にあるスレイマニエ寺院、アヤソフイア博物館、シェザーデ寺院、および完成直後の14階建オフィスビルの常時微動調査が実施された。地震前後の測定を比較した結果、最大9%(HS) の固有振動数の変化が検出された。地震前の常時微動測定結果から推定される建物の地震被災危険度avKb値は固有振動数の変化とよく対応しており、建物の危険度をavKb値やKb値により事前に的確に把握できるものと期待される。
著者
北井 芳典 泉宮 尊司 石橋 邦彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_389-I_394, 2015 (Released:2015-09-04)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

微気圧変化による津波の発生および規模の検知の可能性を探るために,まず平常時の微気圧変動観測を新潟大学の建物屋上で行った.観測は,微気圧変化,風向・風速および雨量の同時観測を行った.観測の結果,微気圧変動は降雨や寒冷気流の降下等によって発生していることが分った.津波発生・伝搬に伴う微気圧変動の3次元数値解析では,津波の初期水位の上昇領域では正の微気圧波が,水位の下降領域では負の微気圧変動が発生することが分った.また,微気圧変動が津波よりも速い速度で広範囲に伝搬する様子が再現された.さらに,地殻変動時間が短いほど強い微気圧波が発生する結果が得られた.このことにより,微気圧変動の観測により津波の発生の有無および規模を推定できることが分った.
著者
嶋田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_319-I_324, 2021 (Released:2021-11-04)
参考文献数
6

沖縄諸島・奄美群島周辺において漂流漁船,タンカー事故による流出油が漂着した事例より,漂流物が沖縄諸島・奄美群島周辺へ移動する経路を調べた.気象庁提供の漂流型海洋気象ブイロボット(以下,ブイ)の観測データを解析した.南向きの風を受けたブイは黒潮流域から時計回りに奄美群島北部へ移動し,あるいは沖縄諸島・奄美群島の西側に沿って南下する傾向を示す.このブイの軌跡は上記の事例と対応する.伊豆・小笠原海嶺周辺を始点とするブイは,奄美群島周辺へ移動する軌跡が沖縄諸島周辺へ移動する軌跡よりもばらつきが小さい傾向を示す.
著者
菅野 健 大森 宣暁 長田 哲平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_809-I_816, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
27

少子高齢社会に直面する我が国において,近年,大学生の東京一極集中の進行など,地方都市における若年人口の減少が問題となっている.今後の大学キャンパスおよび周辺の施設立地を検討する上でも,大都市と地方都市の学生生活の実態と生活の質との関係を探ることが有効であると考えられる.本研究は,首都圏および地方都市の大学生を対象に,学生生活の実態と意識,特に余暇活動と主観的幸福感との関係を明らかにすることを目的とする.分析の結果,大学所在地が東京都心寄りであるほど余暇活動施設数や余暇活動に対する満足度および主観的幸福感が高く,学年,交際相手の有無,サークルや部活動への所属,アルバイトに対する意識,自宅内外の嗜好,余暇活動の頻度,余暇活動の満足度が,主観的幸福感に影響を与えることが明らかとなった.
著者
鈴木 弘司 志村 連
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_971-I_980, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本研究では,複数の大規模交差点で観測調査を行い,挙動データに基づき自転車と右左折車の交錯危険性を分析した.まず,交差点構造と自転車の危険行為の関係について相関分析した結果,左折角が大きく,横断歩道設置角が小さい場合に自転車は横断歩道外側の車道を通行する傾向があることを示した.次に,PET指標に基づく分析より,左折車と自転車の交錯頻度は横断歩道,エリアによって異なり,右折車との交錯ではエリアによる差異がないことを示した.また,判別分析の結果より,危険な交錯事象の発生要因として,横断歩道のセットバック長が長いこと,青開始後の経過時間が長い自転車の交差点進入が影響を与えていること等がわかった.また構築したモデルの感度分析より,セットバック長の縮小に伴う危険事象発生予測率の減少傾向を確認した.
著者
井川 友裕 森岡 信人 小宮 朋弓 白井 隆裕 小浪 尊宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00235, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
12

2020年10月,菅内閣総理大臣(当時)による2050年カーボンニュートラル宣言が,2021年4月には,2030年に温室効果ガスを2013年度から46%削減する目標が日本政府により表明された.土木・建築分野における,建設段階を中心とした温室効果ガス排出量削減に向け,筆者らは,カーボンニュートラルに資する日本企業の土木・建築分野のソリューションに関する情報を調査・とりまとめ,今後の関連施策の検討に資することを目的とした分析を行った.具体的には,本邦企業の主な低炭素建設技術に関する調査を通じ,低炭素技術情報の集約と開発促進,統一的な排出量算定手法の確立,関連技術基準の整備,ライフサイクルアセスメント(LCA)の実施,入札契約制度を通じた支援等の施策について検討を行った.
著者
丸山 晃平 吉田 郁政 関屋 英彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00252, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
17

鋼橋において適切な維持管理を必要とする損傷の1つが疲労き裂である.疲労き裂の主な要因は活荷重によって生じるひずみであることから,活荷重の実態把握,すなわち交通荷重とその台数の計測が重要となる.交通量を計測する手法は様々あるが,本研究では加速度センサによる車軸通過時刻の検知手法の提案を行った.計測データには,車軸がセンサ直上を通過した際に生じるパルス波的なピーク応答以外にも,反対橋脚側や隣接車線から伝達する応答が含まれるため,誤検知を極力減らし,高精度にて車軸を検知するアルゴリズムを構築することが重要である.閾値のみによる検知手法の場合,再現率と適合率の調和平均であるF値は54.4%であったのに対し,提案手法では94.1%まで向上し,高精度に車軸の検知を実施できることを示した.
著者
尾崎 允彦 佐藤 靖彦 吉田 英二 竹内 彩 山田 雄太 永島 史晟
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00289, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
24
被引用文献数
1

過去のFRPシートの付着に関する研究は,FRPシートの剛性(シート剛性)が比較的小さい範囲が対象とされてきた.しかし,実際の補強では,構造物のスケールが大きいためFRPシートを積層化させる場合が多い.そこで,本研究では幅広い範囲のシート剛性を対象としたCFRPシート及びポリウレア樹脂を用いた付着試験を実施した.その結果,CFRPシートの積層化によりシート剛性が大きくなると付着耐力は増加するが,シート剛性が200kN/mm以上の範囲では既存の付着耐力式は実験値を過大評価することが明らかになった.また,剥離後のCFRPシートに接着したコンクリートの厚さである剥離深さを測定した結果,界面破壊エネルギーはシート剛性や樹脂の特性により決まるのではなく,コンクリート破壊面の表面積に強い関連性があることを見出した.
著者
大野 沙知子 中村 俊之 薄井 智貴 手嶋 茂晴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_799-I_807, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
14

Wi-Fi対応のスマートフォンなどの機器が発信しているProbe Requestを受信するWi-Fiパケットセンサーにより収集されるデータは,設置の高さや屋内外の設置位置,設置周辺の建物の密集度合,人や自動車の密度などにより影響を受けることが既往研究で報告されている.本研究は,Wi-Fiパケットセンサーにより収集されるデータの特徴をスマートフォンより収集されるGPS位置情報との同期により求めること目的としている.本稿では,街中に設置した13基のセンサーからデータを収集する実験を試みた.そして,設置条件を考慮し,捕捉率,カーネル密度推定ならびに受信距離について分析した.その結果,高い設置,屋外設置,道路幅員により広く受信すること,市町村道や生活道路におけるデータ収集には設置の工夫が必要であることを示した.
著者
上田 茂
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集H(教育) (ISSN:18847781)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.31-42, 2018 (Released:2018-09-20)
参考文献数
16

戦後70年,我が国は経済復興を果たし,科学立国としてその地位を確立し,産業基盤および生活基盤となる道路,鉄道,港湾,ダムなどの社会基盤施設整備がなされ,国民は豊かで,便利で快適な生活を享受するまでになった.小学校教育の目標の一つは,「日常生活に必要な国語を,正しく理解し,使用する能力を養うこと」であるが,教材を通して自然科学,社会の発展などについても,関心を持たせるよう配慮するものとされている.その意味で,国民生活の安心・安全の要である社会基盤施設の整備について,初等教育において児童にその重要性を伝えることは重要であると考える.本論文では,戦後日本の小学校国語教科書における「土木とくらし」に係る教材の傾向を示し,課題と提言を述べる.
著者
関口 達也 林 直樹 寺田 悠希 大上 真礼 杉野 弘明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.23-00006, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1

新型コロナウイルス感染症の蔓延(コロナ禍)は,人々の日常生活の様々な場面で大きな変化を引き起こした.本稿では,このうち東京都内在住の一般の人々の食料品の購買行動に起こった行動・意識の変化に着目する.コロナ禍が始まり,緊急事態宣言下を経てさらに一定期間が経過し現在までの食料品の購買行動の変遷状況を整理することで,今後の類似事例発生時の対策検討に役立てること,さらに「買い物不便」に対する人々の意識構造とその変化を把握することが主な目的である.東京都を対象としたアンケート調査の結果を用いて,人々の食料品購入行動(例:店舗選択,交通手段,買い物頻度など)や意識に対する変化の内容と,コロナ禍前の状況との乖離度合いを,複数時点の比較分析から明らかにした.
著者
吉野 和泰 山口 敬太 川﨑 雅史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00224, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
10

近年,歩行者中心の道路空間への再編が注目されており,歩行者の自由な滞留や歩行など場所性の機能を実現しつつ,車によるアクセス性や安全性を確保し,合意形成を導くための,実践的方法論の構築が求められている.本研究では,欧州最大規模の歩車共存道路を実現したマリアヒルファー通りの事例を対象とし,計画調整と合意形成の過程の分析を通じて以下の知見を得た.1) 空間の活用を優先する調整管理,検討案の評価において,市民参加・社会実験が大きな役割を果たした.2) 歩車共存の計画・設計においては,アクセス性と安全性の調整が重要な課題であり,利用者による自律的な安全性の確保とその制度運用によって実現した.3) 合意形成においては,調整の段階ごとに適切な関係主体を同定・招集し,主体間の相補的な対話を導くことが有効であった.
著者
西堀 泰英 嚴 先鏞
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00193, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
29

本研究は,COVID-19感染拡大による商業集積地の滞在人口の変化とその影響要因を明らかにすることを目的とする.交通ビッグデータを含む各種データを用いて21都市の商業集積地を滞在人口の時系列的な変化傾向により分類し,商業集積地と居住地との位置関係に着目した分析や,産業構成の影響を分析した.本研究の主な成果は次のとおりである.1)商業集積地が所在する区(以下,同区)または隣接市区町村からの滞在人口は増加する一方,県外のように遠方からの滞在人口は大きく減少している.2)感染拡大後に滞在人口が増加した地区では,同区だけでなく隣接する区からの滞在人口も増加している.3)東京や京阪神の都市圏では医療等の生活を支えるサービスが多いと滞在人口が増加する傾向にあるが,地方中枢や地方中核の都市圏では同様の傾向は認められない.
著者
高木 泰士 Md Rezuanul ISLAM Le Tuan ANH 高橋 篤平 杉生 高行 古川 郁貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.12-21, 2020 (Released:2020-02-20)
参考文献数
20
被引用文献数
3 5

2019年9月9日に東京湾を直撃した台風15号の調査結果を速報する.神奈川では相模湾側で大きな高波被害は生じていなかったが,東京湾では直立護岸を乗り越える越波で被害が生じていた.千葉では九十九里浜ビーチ内の施設が被害を受けていた以外,目立った高波被害はなかった.一方,強風被害は激甚で,屋根の飛散や電柱の折損など各地で被害が生じていた.茨城でも高波被害は見かけなかったが,防波堤が堅固であることや,震災後の堤防改修が強靭化に寄与している.波浪追算の結果,ピーク波高は横浜で3.4m,東京や千葉で2.6mと推算された.湾内で急速に発達した高波が1m以下の高潮と相まって局地的な被害をもたらした.関東に上陸した過去の台風との比較では,今次台風はゆっくりと進んだ小型で強い台風と特徴づけられた.
著者
三村 泰広 山岡 俊一 富永 哲史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00181, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
9

本研究は,これからの地方都市における幹線道路,生活道路といった道路種別ならびに,中心市街地,郊外,中山間地域の道路における道路維持管理について,多様な地域に住まう住民の意識を把握することで,今後の地方都市における道路維持管理の在り方に関する基礎的知見を得ることを目的としている.政令市を除く愛知県,三重県,岐阜県の東海3県に居住する方(n=1,039)を対象に道路維持管理の重要性,維持管理方法の受容性を調査した結果,それぞれ,当初想定した道路種別や整備される地域性によって当該意識に差が生じており,これらの傾向を踏まえた道路維持管理の在り方が重要であることが明らかとなった.
著者
竹口 祐二 鈴木 聡士
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00074, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
18

近年,我が国では高齢者の運転免許自主返納者が増加している.さらに,地方部では公共交通の衰退や生活施設の統廃合が著しく,高齢者にとって移動手段の確保は生活の質や定住性の確保に関わる深刻な問題となっている.そこで本研究では,徒歩,運転,被送迎,公共交通の選択可否に着目したカテゴライズを行い,外出状況,主観的健康感,主観的幸福感,定住意向といったQOL(Quality of Life)に関する評価指標の属性差異を分析した.さらに,分析の結果,主観的幸福感の低かった運転依存群を対象にその要因分析を行った他,クラスター分析を活用して移動手段属性と転出可能性との関係性を考察した.これらの分析から,地方部の高齢者のQOL向上や定住性確保に向けて,移動手段確保の重要性とその施策方向性検討に関する示唆を得た点が本研究の特長である.
著者
黄 宇成 川端 祐一郎 高野 裕久 宮沢 孝幸 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00047, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
6

COVID-19の感染拡大を踏まえ,度重なる緊急事態宣言が発令されたのにも関わらず,医療体制の緊迫,そして過度な自粛による経済の後退や社交の減少などの問題が存在する.また,COVID-19の危険性やワクチンの接種に対する正しい認識は広まっておらず,医療関係者の意見より,政府の見解や社会の空気が世論に大きく影響しているのが現状である.そこで本論文は,大阪府の医師に対しアンケート調査を実施し,236名分の回答から,COVID-19対応の医療現場にあるべき行政支援策,COVID-19の法的な位置づけの妥当性,そして新型コロナワクチンのリスクや医療関係者の接種への態度を,COVID-19治療経験の有無に分け,統計的に検証した.こうした知見は,都市・地域の活力増進や公衆衛生増進に向けた公的実践に資すると期待できる.
著者
松原 仁 屋比久 雄斗 西村 伊吹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.22-00328, 2023 (Released:2023-06-20)
参考文献数
39

短繊維材を土に混合することで土の靭性を高めることができる.短繊維材には,鉱物繊維,人工繊維,天然繊維等があるが,繊維の経年劣化に伴う補強機能の低下が懸念される.したがって,繊維材の効果を持続させるためには,劣化を抑制できる新しい技術が必要である.本研究では,天然由来および人工の繊維を混合した砂試料に微生物を添加し,繊維材の劣化抑制効果について検討した.室内実験の結果,天然由来の繊維材を混合した砂試料において,繊維材表面・内部に多くの炭酸塩が析出し,繊維材を保護することが明らかとなった.また,炭酸塩の析出過程を明確化するために,反応拡散理論に基づく数値解析を実施したところ,天然由来の繊維で見られた保護作用には溶媒中の各種イオンの分散抑制が深く関与していることが明らかとなった.
著者
八木 綾子 稲垣 厚至 神田 学 藤原 忠誠 藤吉 康志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_325-I_330, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
11

Horizontal turbulent flow fields within atmospheric boundary layer above an urban area (Tokyo, Japan) measured by Doppler lidar in autumn and winter were visually classified into six groups, Streak, No streak, Mixed, Fish net, Front, The others. The conditions of each flow occurrence were examined with observed surface meteorological data and related scaling parameters. The following results were obtained: (1)Streak dominates 64% of all valid data, while Fish net does only 2%. No streak and The others, look more laminar rather than turbulent, reach to 20% contribution in total. (2) Each flow patterns can be categorized by . and Re ( is boundary layer height, is the Monin Obukhov length. Re is Reynolds number, the length scale of which is .). (3) Each flow patterns can be categorized by . and Resurf (z is observation height. Resurf is Reynolds number, the length scale of which is .) as well as . and Re. (4) The diagrams of . and Re, and . and Resurf qualitatively illustrate the flow regimes.