著者
山口 喜雄 天形 健 福本 謹一 新関 伸也 奥村 高明 結城 孝雄 中島 望 佐藤 昌彦 安東 恭一郎 村上 尚徳 渡邊 弘 本田 悟郎 株田 昌彦 森田 香緒里 田和 真紀子 石野 健二 茅野 理子 渡辺 浩行 山田 有希子 村松 和彦
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

(1)『芸術教育文献解題ブックレット:英日対訳』2012・2013刊行 (2)雑誌論文72、国内外での学会発表55、図書5 (3)アジア・欧米・オセアニア・アフリカの13ヶ国・地域の学校・美術館等に国際調査と研究成果の還元 (4)宇都宮大学で映画会・シンポジウム等を5回実施 (5)『美術教育の世界ドキュメント2015+日本美術科教科書研究2015+芸術教育文献解題ブックレット2014・2015』刊行 (6)英日対訳Webサイト「アーカイビング研究会」http://www.ae-archiving.jp/art-e/で情報発信
著者
川原 誠司 増渕 裕美 星 奈見
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.11-22, 2004-04-01

2003年8月〜2004年3月にかけて,宇都宮大学教育学部附属教育実践総合センター教育臨床研究部門臨床心理研究分野で実施した,集団プログラムならびに個別プログラムについての報告である。8月の夏季プログラム開始時は9名の参加者であったが,最終的に年度末の卒業式まで継続出席できたのは3名であった。本稿では,集団プログラムと個別プログラムの概要を述べ,中途でやめていった子どもの様子を中心に,留意しなければならない参加者側の要因をいくつかに分けて詳細に検討し,次年度以降プログラム運営を行う際に,受け入れ側である筆者らスタッフが考慮しなければならないことを考察する。
著者
中村 祐司
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

スポーツ基本法の制定を含むスポーツ振興事業をめぐる諸改革が、スポーツ団体や企業スポンサー、日本体育協会、日本オリンピック委員会、地方自治体のスポーツ行政担当組織、さらには地域コミュニティのスポーツ活動環境にどのような影響を及ぼしたのかという視点から、東日本大震災後の状況の変化に注目しつつ、以下のようなテーマを設定し、日本におけるスポーツ行政のガバナンス変容に関わる諸論文を作成した。すなわち、「スポーツ行政・ガバナンス研究の分析枠組み」「東日本大震災による地域スポーツガバナンス拠点の損失」「スポーツガバナンスにおける好循環・連携・協働の分析枠組み」といったテーマで、論文作成と提言等を行った。
著者
松尾 昌樹
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.65-81, 2007-10

Imamate of Oman was constructed in the series of arguments of the United Nations, the Question of Oman, in which representatives of Arab, Asia-African and communist countries criticized the British aggression against Oman. At the first stage of its arguments, Arab representatives insisted that the Imamate is the only one sovereign state of Oman. The position of Arab representatives representing Omani people was authorized by pro-Arab countries in spite of the lack of coincidence of their contents of representation of the Imamate with descriptions on the historical work written by Salimi, asserted as authentic source of historical information by Arab representatives themselves. Although this could be criticized from positivism of history, such arbitrary use of historical source is common in the construction of a national history. It should be treated not as inaccuracy but as a vestige of constructing efforts of the history of the Imamate. Apart from historical matter, arguments of Arab representatives about Oman contain so many contradictions such as the definition of the area governed by the Imamate whether it contains coastal area governed by the Sultanate of Muscat, or area governed by the trucial sheikhs, Dhofar region or whole these areas. At the second stage, Arab discourse was disconstructed through the visualization of groups of these regions potentially advocatory of their sovereignty. The Imamate lost its position advocating only one sovereignty over Oman. The focus of the Question of Oman changed from establishing the sovereignty of the Imamate to the liberation of colonized Oman. Finally the Imamate was disconstructed and fell into the oblivion. Here we can find structural power determining frames to represent groups as potentially sovereigns. Elements constructing this structure are subalternity and nationalism, not "accuracy" nor consistency of the contents of representation.
著者
中島 宏和 小堀 志津子
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.453-462, 2007-07-01

カエル調査の活動への参加者を地域の児童・生徒及びその保護者から募集し、地域社会で行う環境学習のあり方について検討した。分布調査や観察会、学習会を行った後、学習の成果を発表する場としてシンポジウムを開催した。その結果、子どもも大人も今回の活動が、改めて自然を見つめ直すきっかけとなったり、世代を超えた新たな人間関係の構築につながる様子が伺えた。また、活動に参加した児童は、参加しなかった児童に比べ、生物と生物や生物と自然環境とのつながりなど、環境を幅広くとらえていることが分かった。
著者
北島 滋
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本調査報告書は,調査対象とした非成長型中小都市を東北・北海道地区に限定している。北海道深川市,ニセコ町は,典型的非成長型の小都市であり,岩手県北上市は中枢・中核都市の臨接地域でないにもかかわらず,極めて例外的な成長型の小都市である。この3つの小都市の変動を構造分析の方法で分析し,それらを「街づくり」の視点から比較的に考察してみた。それらの分析結果については本文を参照していただきたいが,ニセコ町は,現在全国の街づくりで最も注目されているそれである。本報告書では,ニセコ町のまちづくり条例,情報公開条例に至る経緯を分析し,結論的には,町民の知恵が行政を変え,行政のリーダーばかりでなく,市民サイドのリーダーをも生み出したということである。言い換えれば,市民サイドのリーダーの輩出及びそのリーダーシップの在り方が行政に先行したということである。これに対して,深川市は従来見られてきた典型的な行政主導型の街づくりである。しかしこれとても,駅前再開発までであり,これからの街づくりは市民の創意でという方向に行政のスタンスが変化してきている。但し,創意を引き出す仕掛けづくりが必ずしも双方から提起されていないというのが現状である。深川市の街づくりはまさに転換期にある。北上市は,中枢・中核都市以外の中都市でありながら成長型に属する稀有な事例である。但し,工業化それ自体が街づくり(=職の確保)というその域から未だ脱することができていない。したがって,NPOを含む市民参加,行政との協働の街づくりが現在進行形で模索されている。この意味でも市民参加への転換期にある。
著者
佐々木 和也 清水 裕子
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

伝統染織の手仕事を取り入れた幼児教育の可能性を探る一方で,それら開発教材の感性評価指標の模索を試みた。結果として,衣生活文化の視点から伝統染織プログラムを多数実践し,現場型で改良を重ね,主観的には多くの成果を上げることができた。しかしながら,それらを客観的に評価する感性指標を十分に考究するには至らなかった。今回は,歩行解析を用いた足の評価を試み,日常の保育形態による足の発達が異なることを見出せたことから,保育内容の設定の重要性を示唆することができた。
著者
神代 英昭
出版者
宇都宮大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,(1)フードシステムの変貌メカニズムの解明(特に2000年以降の食料供給構造の国際化を重点的に),(2)地域農業再編と川上(農業部門)主導型のフードシステム発展の可能性の検討(特に生産・加工・販売を一体的に行う「六次産業」的活動を行う事例研究を重点的に),の2点を中心に研究を進め,「地域農業再編と川上主導型フードシステム発展の可能性」について検討した.特に,こんにゃく,砂糖,大豆などの地域特産物を素材として研究を進めた.
著者
中村 祐司
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1-10, 2007-10

This paper is to clarify the measures against homeless in Japan. Central government and local governments took measures to support homeless in 2002. There are important actors which are engaging with supporting homeless, such as the Ministry of Welfare, Tokyo Metropolitan Government, Sumida Ward Office and voluntary organizations. Since "the homeless' independent support law" was enacted, homeless policy is changing because of uncertain situations. While the homeless policy which was taken by the metropolitan government and the Sumida Ward Office, were rewarded with good results (a big decrease of homeless population), the result fell short of our expectations in terms of substantial improvement of living conditions of homeless.
著者
福村 一成
出版者
宇都宮大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

事前調査でレンガ造り構造物遺跡のうち東南アジア(タイ、カンボジア)に多くみられる(低温の)焼成レンガ遺跡では塩害による劣化が報告されているがその範囲・程度は、日干しレンガ遺跡建造物に比較して限定的であった。これは東南アジアでは雨季に乾季中にレンガに蓄積した塩分が洗脱されること、さらに降雨侵食対応した焼成レンガ(日干しレンガより塩分結晶成長による劣化を受けにくい)が用いられていることが報告されている。それに対し、乾燥・半乾燥地域(南西アジア〜北アフリカ)の遺跡では日干しレンガ(焼成していない)日干しレンガを使った遺跡構造物が多くみられ、その構造物基底部(地表面近く)で塩類集積による日干しレンガの劣化が報告されている。日干しレンガの塩害実験を行うために模擬日干しレンガの作成を行った。文献にある日干しレンガ材料の情報、土質(砂混じり粘土)、補強材料(スサ、麦わら)と現地の日干しレンガ作成過程の写真を参考に、日本家屋の土壁施工職人からアドバイスを得つつ、20×10×30cmの模擬日干しレンガ(乾燥密度1.5Mg/m3)を作成して電気浸透験の供試体とした。電気浸透による水分、塩分移動実験では電極に白金メッキしたラス電極を用いた。実験結果から塩分移動量と印加電圧、印加時間、電流の条件と水分、塩分移動量の関係を解析した。その結果、水分、塩分移動量と消費電力量に有意な相関関係を得ることができたが、当初予想した印加時間、印加電圧初期塩分量と水分、塩分移動量の間に有意な関係を見出すことはできなかった。また初期含水量の大小は水分、塩分の移動量に顕著な影響を与えるとの結果が得られたが、統計的に有意な関係を得るには至らなかった。以上の結果から、除塩に電気浸透を利用できる可能性を示し、除塩量の指標として消費電力量が有用であることを示した。しかし、初期水分量を大きくすることで移動量が大きくなることが指摘ができたものの、日干しレンガの含水量のコントロールと除塩の関係については十分な知見を得るに至らなかった。
著者
田巻 松雄 狩谷 あゆみ 文 貞実 中根 光敏 山口 恵子 山本 薫子 稲月 正 稲葉 奈々子 野村 浩也 佐藤 繁美 西澤 晃彦
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

本研究から得られた主な知見は以下の通りである。1.近年における野宿者の増大と寄せ場における労働市場の縮小とは密接な関係にある。ただし、寄せ場の縮小は不況の単なる反映ではなく、建設産業の大きな再編に起因する。建設日雇労働市場の就労経路が多様化するとともに、飯場の実態に見られるように、建設日雇の労働条件が一般的に悪化している。2.近年の寄せ場の著しい変容には、寄せ場を都市下層の姿を隠蔽しつつ同時に労働力をプールする場として利用してきた行政の寄せ場対策のドラスティックな政策転換が関係している。3.野宿者の増大と可視化にともなう社会問題化によって国及び自治体でのホームレス対策が本格化しているが、従来、福祉面での対応に比べて労働対策の遅れが著しかった。近年、「就労自立」を軸とするホームレス対策が急展開しているが、行政的な狭い枠組みでの「自立」をもとに野宿者を分類・選別するなど、改善すべき課題は多い。4.従来、寄せ場や野宿の問題を語ることは、とりわけ高齢単身の男性を語ることであった。しかし、女性の野宿者が増大している事態、さらに寄せ場の歴史を捉えなおす上でも、ジェンダー的視点を盛り込み、男性野宿者の周辺部にいる女性野宿者の位置から探題設定することが必要になっている。5.野宿者問題は産業構造の変容・再編に伴う労働問題や行政施策の仕組みなどが深く係わる現代の貧困問題であり社会問題であるが、野宿者や日雇労働者、さらには外国人労働者を社会に適合しない特殊な人々と見る社会的風潮は依然強く、このことに起因すると思われる社会的排除の現象が様々な形で生じている、
著者
杉田 昭栄 前田 勇 蕪山 由己人 佐藤 雪太 青山 真人 加藤 和弘 竹田 努
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、カラスの病原体と感染症のキャリアの可能性を探るため保有病原体や飛翔の動態について調べた。多くのカラスが鳥マラリアHaemoproteus属とLeucocytozoon属原虫に感染していた。また、腸内細菌叢は、Caulobacteraceae、Bradyrhizobiaceae、Streptococcaceae、Helicobacteraceae、Leuconostocaceaeであることが分かった。GPSの解析結果、カラスの飛翔速度は時速10~20kmであり、その多くは4~5km圏内で生活していた。また、畜産農家の多い地域では、畜舎から畜舎と移動して採餌していることも分かった。
著者
森 大毅 有本 泰子 能勢 隆 永田 智洋
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

(1) 叫び声を誘発しやすいオンラインゲームをプレイする状況のコーパスを開発した。このコーパスには既存コーパスの10倍以上の頻度で叫び声が含まれている。叫び声の音響分析により、通常語彙や感動詞との音響的特性の違いを明らかにした。(2) 感情表出系感動詞の形態を分類し、多様な形態を持つ「あ」を合成した。合成音声を用いた知覚実験により、形態とパラ言語情報との関係を明らかにした。(3) 自然対話コーパスから笑い声の構成要素の変動要因を明らかにするとともに、コーパスベース音声合成を応用した多様な笑い声合成を実現した。知覚実験により、定義した変動要因を考慮することにより自然性が向上することがわかった。
著者
佐々木 英和
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
no.28, pp.341-350, 2005-04-01

教育を「教えること」に還元する形で定義してしまうような固定観念は、教育実践にとって必ずしも有益ではない。というのは、教育関係の原点である「教える-学ぶ」関係は、相互に間接的な関係であるのみならず、偶然性にも満ちた関係だからである。それゆえに、この関係は、「教える-教わる」の小さな循環に閉じこめる方向にではなく、「生きる-学ぶ」の大きな循環へと開いていく方向で理解せざるをえない。その上で、非常に複雑な「教わる-学ぶ」関係の可能性を探っていくと、教育について「学び」を起点に置いて組み替えてみれば、それを「教え育てること」と「教わらないがゆえに育まれるもの」とを絶妙に組み合わせながら、学ぶ側の「自ら学ぶ」営みを支援する営為だと定義づけることにこそ、その実践的意義を見出すことができるのである。
著者
塚原 直樹
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、「カラスがディストレスコールのどの音響的特徴を忌避するか?」を明らかにする。動物の声帯模写を得意とする演芸家の協力を得た鳴き真似などにより、ディストレスコールの音響的特徴を変化させた音声を用意し、カラスに聞かせ、忌避行動が誘発された音声とそれ以外を比較することで、忌避行動の誘発に重要な音響的特徴を炙り出す。本研究は、知能が高いとされるカラスの認知能力や、音声コミュニケーションに関する種を超えた普遍性に迫り、動物心理、行動生態、行動進化に関わる学術的価値の高い発見につながることが期待できる。また、カラス被害を防ぐ方策の開発に繋がり、応用研究と直結する社会的意義の高い研究課題である。