著者
柿井 一男 ANUSHREE Malik
出版者
宇都宮大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

通気撹拌混合下で自然発生的に生ずる微生物凝集体(フロック)を有機性排水処理に積極的に利用する手法が活性汚泥法である。この水処理法の運転においては、混合培養系である微生物群が相互に沈降性・圧密性に優れたフロックを形成することが必要最低条件である。そこで、この凝集機構を明らかにする目的で、下水活性汚泥から無作為に分離した細菌株を用い、主に二者混合系におけるヘテロ凝集挙動を前年度に引き続いて調査した。これにより、以下のような結果を得た。分離した52株について、二者混合系におけるヘテロ凝集を調査したところ、16S rRNA遺伝子のホモロジー解析からAcinetobacter johnsoniiと同定されたS35株が、その他の複数の分離菌株と良好なヘテロ凝集体を形成することを明らかとした。このAcinetobacter johnsonii S35株の凝集のパートナーは、16S rRNAの遺伝子解析から、Microbacterium、Oligotropha、Xanthomonasの3種類の細菌種に分類されることを示した。また、凝集のメカニズムについて、タンパク質分解酵素、キレート試薬であるエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、過ヨウ素酸などを用い、菌体処理を行って調べたところ、凝集メカニズムはいずれも同様ではなく、菌種の組み合わせによって異なることが明らかとなった。その詳細は継続して実験中である。これらの実験で明らかとした結果は次頁の4つの国際的な学術論文誌に受理され、すでに公開している。さらに最後に、Acinetobacter属細菌の16S rRNAに相補的な約20塩基からなるオリゴヌクレオチドを合成し、これを赤色の蛍光試薬であるCy3で標識し、蛍光in situハイブリダイゼーション法を用いて、下水処理場の流入水や汚泥フロック中におけるAcinetobacter属細菌の存在を調査した。用いた2箇所の下水処環場のサンプルにおいて、いずれの場合もAcinetobacter属細菌の存在が確認された。現在は、現場のサンプルにおける凝集のパートナーを同法を用いて調査中である。
著者
酒井 一博
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

Anosov-Bowen以来,擬軌道尾行性(shadowing property)の概念は力学系理論の研究において様々な場面で現れ,力学系の研究において常に重要な役割を担ってきた。近年,SP理論の発展には特に目覚しいものがあり,力学系の数値計算的研究の基盤を固めるだけでなく,多くの興味深い定性論的研究結果も生み出されている。本研究の目的は,SPをもつ力学系あるいは部分力学系を微分幾何学的力学系理論の立場から特徴付けることである。
著者
東海林 健二 森 博志
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、対象物体や人物を手持ちのカメラで同時に撮影したスナップ写真群から少ない手間で対象物体形状を得ることを目指し、視体積交差と投影を繰り返すことにより、カメラ撮影画像から物体のシルエットを矛盾の少ない形で取り出す方法と、視体積交差のためのカメラ姿勢を最適化する方法を提案した。また、視体積交差のためのよいカメラ配置とは、各カメラから得たシルエット形状が相互に異なり、なるべく複雑であるようなカメラ配置であることを実験的に示した。
著者
原田 淳 宇佐美 繁 野見山 敏雄 谷口 吉光 久野 秀二 中島 紀一 大木 茂 細川 允史 原田 淳
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では対象とした事例はいずれもWTO体制下にあっても確実な成長を実現してきた産直産地組織と総称される農家グループである。その特徴は、新政策がサブ戦略として打ち出した環境保全型農業を早い時期から経営の基本戦略に位置づけ、主として生協との産直という形で、卸売市場への無条件委託販売ではなく、産地組織自身の手で消費をつかみ、継続的な事業システムを構築してきたという点にあった。産直産地組織は環境と安全性重視の農業生産体制の確立と戦略的マーケティングによる農産物販売を機軸とした農家の連合組織であり、法人形態としては農事組合法人、有限会社、株式会社、系統農協、法人格のない任意組織などさまざまである。既存の農業組織のなかでは組織形態や活動内容は農協に類似している。本来ならば系統農協が果たすことを期待された諸機能を、現実には多くの農協が果たし得ていないなかで、意志のある生産者たちが自ら農協類似の組織を作り上げ、時代を生き抜く道を拓いてきたと理解できる。マーケティングを軸とした戦略的経営についてのこれまでの議論は個別経営に視点をあてたものが多かったが、本報告の事例は意志のある農家によるグループとしての組織的な経営展開である。環境・安全など新時代農業のポリシーが確立されているという点、先端的マーケティングを展開する活力ある集団的経営構造が構築されているという点、地域における幅広い農家の結集などの諸点に際だった特色があり、個別経営主義に傾斜しがちだった戦略的経営論と農業を面として集団として捉えようとする地域農業論・産地形成論との断絶を埋める方向としても注目すべき取り組みである。
著者
菅野 長右エ門 元島 英雅 飴谷 美智子 東 徳洋 栗城 均
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

ラクトフォリン(LP)は、牛乳のホエータンパク質の約10%を占め、主に27kDaと17kDaの糖ペプチドの分子間結合による糖タンパク質複合体(約150kDa)で、その一次構造における疎水性アミノ酸残基の含量と局在性から高い乳化機能をもつことが期待される機能性糖タンパク質である。本研究では、1)LPをチーズ製造における副産物であるホエーから分離するための簡易な方法をまず研究室レベルで試験し、これをパイロットプラントスケールで追試し、簡易に分離できる方法を開発すること、2)得られた分離品の乳化機能及びリポプロテインリパーゼに対する抑制効果の試験を行ってその機能を評価することを目的とし、次の結果が得られた。1.チーズ酸ホエーからLPに富む画分を分離精製する方法を研究室スケールでの研究成果を基盤にパイロットプラントスケールにおいて確立した。すなわち、363kgのチーズ製造で生じた酸性ホエーを限外濾過装置(分画分子量50万)で濃縮し、加水による膜透析、逆浸透膜装置での濃縮後、pHを4.0に調整し、95〜100℃で30分間加熱処理し、上清を凍結乾燥してLPに富む画分を54g得ることができた。本研究によって、ホエー中のLPを主要成分とする画分をpH調整用試薬等を用いただけで、物理的な方法のみで高度に精製できる実用的な方法を初めて開発した。2.より高い純度のLPは、分離したLPに富む濃縮画分をゲルろ過クロマトグラフィーによって分離精製することができた。3.LPに富む画分と乳脂肪からなるエマルションを、タンパク質濃度、乳脂肪濃度及びpHを変えて調製し、その乳化活性、粘度、粒子のメジアン径、比表面積、乳化安定性等の乳化特性を測定し、LPに富む画分の乳化能が高いことを確認した。4.LPに富む画分は、リポプロテインリパーゼによるリポリシスの52%の阻害効果を示したのに対して、高純度に精製したLPは約70%の阻害を示し、LP量を増大すと90%阻害した。
著者
高際 澄雄
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.123-140, 2003-03-01

Milton's poems, L'Allegro and Ill Penseroso, and Dryden's A Song for St Cecilia's Day and Alexander's Feast were essentially important for Handel's career in that they showed him how rich the English literary tradition was so that he completely abandoned writing Italian opera for the composition of oratorio in English after the setting of music to these poems. Not only the English literary tradition, but also the musical one was important for him, though the precise influence of the late seventeeth-century English music on Handel's career has never been fully described. This paper analyses the six predecessors of Handel's Odes for St Cecilia's Day, i.e. the odes by Henry Purcell, Giovanni Baptista Draghi and John Blow, showing how quickly English music developed after the restoration of monarchy in 1660. It also tries to prove how rich the English musical activities had already been before Handel's arrival in London in 1710.
著者
酒井 保藏 石川 進 荷方 稔之 加藤 紀弘
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1日30m^3の水処理可能な大型の実験プラントを用いて、パイロットスケールでの磁化活性汚泥の実証実験をおこなった。最初沈殿池(約1m^3)、曝気槽(7.6m^3)、最終沈殿池(約1.5m^3)からなる活性汚泥プラントにおいて、曝気槽上部に小型の回転磁石ドラム(長さ80cm×直径30cm)を備えた磁気分離装置を1基設置し、大部分の高濃度の磁化活性汚泥を磁気分離により分離に、最終沈殿池でさらに残りのSS分を分離する磁気分離・沈降分離ハイブリッド方式を適用した磁化活性汚泥法について検討した。約5000〜10000mg/Lの高濃度汚泥を曝気槽に保持することで、自己消化による汚泥の減量を実現し、余剰汚泥を引き抜くことなく、半年間の実証試験に成功した。沈降分離槽から流出する最終的な処理水はCODCr=20〜30mg/L、SS=10〜20mg/Lと良好な処理水が得られた。また、汚泥滞留時間が長いことから、硝化が良好に行なわれることも確認された。7月に行なわれた下水道研究発表会ではポスター発表において最優秀賞を得た。また、10月に行なわれた磁気分離開発研究に関するワークショップでは、応用部門の優秀ポスター賞を得た。3月には、問い合わせのあった、イギリス・水処理企業まで出向き、国際的な共同研究・共同開発に関する打ち合わせを行なうことができた。パイロットプラントは世界初の実証規模での磁化活性汚泥法として、イギリスの磁気分離の著名研究者、荏原製作所、栗田工業などの多くの企業の見学を受けた。これらの結果は昨年3月28日にNature Science Update他に記事が掲載されたのをはじめ、6月にはアメリカ化学会のオンラインニュース誌、さらに7月にはアメリカ化学会のオンラインマガジン誌に繰り返し取り上げられるなど大きなインパクトを世界に与えたといえる。世界中の水環境関連のWebニュース、30誌以上で活性汚泥法の新しい技術として報道されている。
著者
横山 幸満 石井 紘 鈴木 将之 上野 勝利
出版者
宇都宮大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

1.大谷石の間隙は全体の40%で、間隙中の水と気体の挙動が強度に影響を及ぼす。岩というより超過圧密土としての性質が卓越する。2.地下水面下にある大谷石を地上で自然状態に放置すると、急速に脱水が進行する。これを吸収させても飽和度は80%にしか戻らない。3.完全飽和及び完全乾燥状態の大谷石の一軸圧縮強度は共に100kgf/cm^2程度で大きいが、上記の乾燥履歴を受けたものは強度が50%以下になる。4.大谷石は多孔質材料であるコンクリートと同様にクリープ挙動をする。50年以上安定している残柱の応力状態を考えると、応力比70%がクリープ破壊のめやすとなる。5.深い陥没は、残柱の逐次クリープ破壊に起因するもので、広い範囲の支持体を失った天盤が曲げ破壊することによって生じるものである。6.浅い陥没は、残柱破壊を必ずしも伴わず、地下水位上で風化を受け易い天盤の曲げ破壊によるものである。7.天盤のドーム状崩落やせん断破壊は曲げ破壊より起こりにくい。8.陥没・落盤等の事故の時系列解析の結果、これらのイベントは地球潮汐応力の球テンソル成分が圧縮の時に起こり易いことが分かった。限界状態にある天盤に対して、地球潮汐応力がトリガー効果を与えたものと考えられる。9.陥没前の地盤振動を解析した結果、約15日の卓越周期を得た。これも地球潮汐応力の影響を示している。10.実際の空洞直上のボーリング孔に高感度ひずみ計を埋設して計測を続けているが、地球潮汐力によるひずみを明確に捉えている。付近の地震計の動きとの相関を追っている状況である。
著者
早崎 芳夫 田北 啓洋
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では, ホログラムを用いたガラスのフェムト秒レーザー加工において, レーザー照射において起こる高速な現象の動的な変化をポンプ・プローブ干渉顕微鏡により観測した. 特に, レーザーパルスを同時並列に照射した時に起こる特有な現象として, マイクロプラズマの衝突や衝撃波の合波・反射を発見できた. さらに, ライン状に成形したパルスによる回折格子の作製や計算機ホログラムの2光子吸収最適化法の開発に成功した.
著者
阪本 公美子
出版者
宇都宮大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2010

タンザニア南東部の母系的社会では、離婚女性などの女性世帯主世帯やシングル・マザーが目立つが、彼女たちの脆弱性と自在性、コミュニティ内の相互扶助ネットワークの内包性について、質問票調査やライフ・ヒストリーの聞き取りから明らかにした。女性世帯主世帯は、夫婦世帯と比較すると食料生産が不足することが多いが、収入の有無では顕著な差はなく、若い未婚女性や離婚女性は商売、年配の寡婦の女性は(個人差は大きかったが)周囲による支援による生計戦略がみられた。他方、独立以前の母方居住の時代は男性が結婚前に婚労働をし、出産後、女性の判断で未婚の事例もあるのに対し、ウジャマー集村化した現在は、男性の判断によって未婚である事例が目立つ。
著者
伊東 明彦 人見 久城 南 伸昌 渡辺 一博
出版者
宇都宮大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、中学生高校生を中心に彼らがどのような力概念を持っているのかを調査し、中学校や高校で行われている初歩の物理学の授業の問題点を洗い出すことができた。それらをまとめると次のようになる。1) 中学校1年生において行われている力の学習において、力とは何かを明確に定義すべきである。少なくとも、「力とは押したり引いたりすることである」、ということを生徒に理解させる必要がある。さらに、付け加えるなら、力とは物体の速さを変える働きである、ということもとらえさせたい。2) 中学生は日常生活で使っている力という語と、理科学習に置いて使われる力の区別ができていない。3) MIF的な力概念は現在でも広く中学生高校生に認められる。以上の所見から、言葉による説明だけでは生徒に力とは何かを十分納得させることは困難であるといえる。本研究ではこのような調査結果を受けて、物体に働く力を視覚的に表示できる教材「Fi-Cube」を開発した。Fi-Cubeを用いた授業実践において、これまで習得することが困難であると思われていた慣性の法則に関する理解か大きく促進され、同時にMIF的な力概念が払しょくされることが明らかとなった。Fi-Cubeを効果的に利用することによって、これまで様々な方策が講じられながら決定的な改善策が見いだせていなかった力概念の獲得に大きく一歩踏み出すことができるものと考えられる。
著者
藤重 宣昭
出版者
宇都宮大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

根菜類を円筒形のロックウールを用いて養液栽培を行うと、円筒空間に貯蔵根を形成する。この方法を用いて根菜の養液栽培を確立するため、ゴボウを用いて検討した。まず給液法を検討した。間断給液では地上部の生育は良好であったが、地上部に比べて根部の肥大が劣り、さらに岐根の発生が多かった。連続給液では岐根の発生が著しく減じた。根菜の水耕での給液法は連続給液に近い方法が望ましいと考えられた。円筒形ロックウール内の夏期の高温下での温度経過を測定した。90cm高の円筒において、1/2高の円筒空間の温度は底面の温度に比べて、高温で経過したのは6〜10時の間であり、最大で+1℃であった。それ以外の時間は低温で経過し、その差の最大は-5℃に達した。すなわち、円筒空間は昼は涼しく、夜は暖かくなり、他の部位に比べて温度較差が小であった。貯蔵根の直接観察をファイバースコープを用いて試みた。ゴボウでは主根の肥大が他の根菜に比べてそれほど大きくない上に、細根が主根に絡んで主根の正確な計測が困難であった。主根の肥大が著しい他の根菜を用いて、引続き検討する予定である。
著者
ライマン アンドリュー
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.137-151, 2007-10

国際公用語としての英語がもたらす様々な影響に関する研究の中で、近年、第二外国語学習・教育に不可欠な要素として、文化的な認識や能力に着目した研究が進んでいる。国際的な移動、経済のグローバル化、コミュニケーション技術の発展が飛躍的に増大し、異文化間交流の機会も増大する中で、単なる言語能力取得をめざすのは適切ではなくなってきている。以前に増して必要とされているのは、微妙なニュアンスを理解したりコミュニケーションや交流を円滑に進めることができるような、総合的に語学を使いこなせるメタスキルの運用能力である。本稿では、語学学習者がいかにして異文化コミュニケーション能力を身につけることができるかを、民族誌的研究を通じて検証する。
著者
Monreal Pedro
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.59-71, 2005-03-01

La recuperacion del crecimiento economico en Cuba durante el periodo 1994-2004, luego de haberse experimentado la profunda contraccion economica de la primera mitad de los noventa, ha constituido un logro notable pero aun insuficiente para superar estrategicamente la crisis. Quedan todavia, como tareas pendientes, la redefinition de las bases materiales de acumulacion de la economia cubana y su reinsercion eficiente en la economia internacional. El argumento central presentado en este trabajo sostiene que la estrategia de desarrollo mas adecuada para Cuba en las actuales condiciones exige la adopcion de un patron de acumulacion intensiva -basado en un salto de eficiencia-- y un patron de desarrollo que tenga como componente central un proceso de reindustrializacion con sustitucion de exportaciones que permita hacer avanzar al pais en trayectorias ascendentes de aprendizaje tecnologico y organizativo.
著者
中村 清
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.93-104, 2007-07-01

教育において、思想信条の自由はどのように理解されるべきか。教育は、思想信条の自由を尊重する人間を育成することをめざす。この目的によって、そしてこの目的のために必要とされるかぎりにおいて、教育において思想信条の自由は制限される。社会において現に対立しつつも平和的に共存している諸思想信条について、教育が特定の立場に立つことは許されない。しかし、各教師は特定の立場に立つほかない。教育における思想信条の自由は、公平な教育をめざす各教師の努力と教育界における思想信条の多様性とによって維持される。
著者
軍司 敏
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.89-101, 2003-03-01

Toutes les theories politiques concernent au probleme difficile de pouvoir. Deux questions peuvent etre posees sur le pouvoir. La prmiere qestion est celle-ci: <<Qu'est-ce qui rend le fonctionnement de pouvoir legitime?>> Les theories fondees sur le contrat social s'interessent a cette question. Ici, le modele de pouvoir est juridique, centre sur le seul enonce de la loi et le seul fonctionnement de l'interdit. Ce pouvoir est lie au fonctionnement negatif. La deuxieme question est cell-ci: <<Comment fonctionne le pouvoir?>> C,est a cette question que Michel Foucault s'interesse. Il demande pourquoi on rabt les dispositifs de la domination sur la seule procedure de la loi d'interdiction, et il insiste sur lemergence du nouveau mecanisme de pouvoir au XII^e et XIII^e siecle. C'est l'emergence du pouvoir disciplinaire qui rend les forces sociales plus fortes. La discipline est le procede technique unitaire par lequel la force du corp est aux moindres frais reduite comme force politique, et maximalisee comme forece utile. Les dispositifs disiciplinaires secretent une penalite de la norme si bien que le domaine indefini du non-conforme est penalisable. Ainsi la discipline normalise des individus et exclut l'anormal. Il faut voir dans les disciplines une sorte de contre-droit, puisque la discipline est le pouvoir normalisateur. Les Lumieres qui ont decouverfe libres ont aussi invente les disciplines.