著者
宮田 知幸
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学医学部紀要 (ISSN:00724521)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.157-162, 2003-03-31

Purpose Intercellular adhesion molecule-1 (ICAM-1) expressed on colorectal carcinoma was reported to be related to grades of its malignancy. The purpose of this study was to investigate whether the distribution of ICAM-1 expression in colorectal carcinoma correlated with their pathological findings and prognoses after surgical resection. Materials and Methods Forty-two patients with colorectal carcinoma underwent surgical resection. Their ICAM-1 in colorectal carcinoma was stained with immunohistchemical method. We compared the distribution of ICAM-1 with pathological stages, tumor diameter, tumor infiltration depth and vessels involvement, lymph node and liver metastasis, peritoneal dissemination, and survival after surgical resection, respectively. Results The distribution of ICAM-1 expression were classified into three types : Type D or diffuse type, Type I or intermediate type and Type S or sporadic type. Tumor diameter in Type D, I and S were 5.9±1.4, 9.2±2.5 and 3.3±1.2cm, respectively (p<0.0001). Tumor diameter in patients (DL : n= 6) who survived longer than 5 years after surgery and those (DD : n=14) who died with in 5 years, in Type D and those (SL : n=10) who survived longer than 5 years and those (SD : n=4) who died within 5 years, in Type S were 5.1±1.3, 6.2±1.4, 2.9±1.0 and 4.1±1.1cm, respectively (p<0.0001). The grade of lymph node metastasis was SD, DD, SL and DL in order (p<0.0089). SL was significantly different from DD (p<0.0349). There were no significant relations between the distribution of ICAM-1 expression and other parameters. Conclusion These results suggest that the distribution of ICAM-1 expression is useful as an index for survival of the patients with surgical resection of colorectal carcinoma.
著者
高橋 奈知子 杉村 誠 鈴木 義孝 阿閉 泰郎
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
no.51, pp.p137-150, 1986-12

ニホンカモシカ腎臓の形態を肉眼的および組織学的に観察し,合成樹脂の注入によってその動脈走行を調べ,次の結果を得た。ニホンカモシカ腎臓は単腎で,外形は右腎臓が豆形,左腎臓は遁走腎で三角形を呈し,割面では総腎乳頭を形成していた。成獣ニホンカモシカの腎重量は左右とも約70gであった。また,大きさの平均は左が7.1×4.8×3.2cm,右が7.1×4.9×2.9cmで,左の方が厚みがあった。左腎動脈は腹大動脈からの分岐が右よりも後位で発し,しかも右よりも長かった。腎動脈は腎門内で前・後枝に分岐し,前枝が腹側に,後枝が背側に偏在していた。また,葉間動脈は一般に前・後枝から各6本,計12本が出ていた。前枝の背・腹側枝の分岐と,背側中核の分岐状態から,動脈分布様式をIa〜d,IIa〜dの8型に想定区分したが,そのうち実存したものは6型あり,なかでもニホンカモシカの最も基本的な型は,前枝が背・腹側枝に分岐し,背側中枝が後枝から出るIIa型であった。被膜に分布する動脈の中には,葉間動脈から分岐して被膜に向うperforating arteryが存在していた。旁髄質の糸球体は皮質表層のものよりも大きく,また糸球体は二半球性,内外二展性で,ヤギに類似したpartly coveredの状態である様子がうかがわれた。
著者
岩田 吉弘 福士 秀人 鈴木 義孝 平井 克哉
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.201-205, 1987-01-10

某輸入愛玩鳥卸売業者において,流涙,結膜の浮腫と充血,眼瞼腫張,角膜の混濁と潰瘍などの症状を示すオウム・インコ類の疾病が観察された。アオボウシインコ11羽中9例ならびにオカメインコ5羽およびボタンインコ4羽の全例からボックスウイルスが分離された。また,これらの症例からグラム陽性菌がほぼ純粋に検出され,混合感染によって病性が悪化すると考えられた。
著者
稲生 勝 鈴木 恒範
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学地域科学部研究報告 (ISSN:13428268)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-11, 1998-09-10

本稿は、G.W.F.Hegel:Enzyklopadie der philososophischen Wissennschaften im Grundrisse, 1817(エンチクロペディー初版、いわゆるハイデルベルク・エンチクロペディー)のB. Philosophie der Naturの翻訳である。おそらくは、初めての日本語訳である。なお、テキストは、グロックナー版ヘーゲル全集第6巻(Georg Wilhelm Friedrich Hegel Samtliche Werke., hrsg. von Hermann Glockner, Band 6,1968)を用いた。稲生が下訳をつくり、鈴木が確認し、その後、二人で討議した。
著者
福井 博一 山本 哲也 浅野 正 中村 三夫
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.139-145, 1988-12-25

Cyclamen persicum Mill.'バーバーク'の種子を無機成分を1/2にしたMurashige & Skoog培地(1/2MS)に播種し,発芽した幼植物の各組織からの器官分化に及ぼす生長調節物質の影響及び大量増殖法の検討を行った。子葉柄からは塊茎様組織(TLO)が形成されたが,その形成量はNAA濃度が高くなるに従い促進された。生長点近傍組織及び塊茎組織からの塊茎肥大にもNAAが密接に関与していた。不定芽の分化はBAPによって促され,不定根の分化はNAAによって促進された。カルス形成はNAAを10^<-5>M,BAPを10^<-7>〜10^<-6>M添加された場合に最も促進された。個々に分割した不定芽を,高濃度のBAPを添加した培地に移植すると各々からフローラルトランクが形成され,実生植物に近い形態の幼植物となった。カルスをNAA 10^<-6>M及びBAP 10^<-6>M添加した培地で液体振とう培養すると多数の不定胚が得られた。
著者
章 開訓 大野 勝利 葛野 浩
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.163-173, 1987-01-10

本研究は30頭の健康な警察犬の心電図について記録測定し,それに基いて分析を試み以下の心電図波形ならびに数値を確定した。これらの数値はシェパード犬の心電図検査の参考指標となり得る。1)心調律:すべて洞性調律であった。2)心拍数:心拍数は60〜147回/分で平均値は106±4回/分であった。3)平均電気軸:平均電気軸はQRS波で測定した72.3±7.1°であった。4)P波:P波の形態は肢誘導とA-B誘導のIおよびIIは陽性,aVRでは陰性,aVFは陽性を主とし,IIIおよびavLは陽性,陰性および二相性を呈した。P波の振幅はA-B誘導より肢誘導が大きい。P波の持続時間は0.03〜0.50秒であった。5) P-R間隔:P-R間隔は0.10〜0.14秒であった。6) QRS波群:QRS波形はA-B誘導と肢誘導I,IIおよびavFではR波が主波となり陽性であり,avRはQ波を主波とし陰性であった。 A-B誘導I,肢誘導II,aVFはqRSでA-B誘導IIおよびavFはRS,aVRはQrとなる。肢誘導ではavRはrSr型が主で,その他の誘導では変位が多く各種の波形が認められる。またQRS波の持続時間は0.03〜0.08秒であった。7) S-T変位:S-T変位のなかでS-T上昇はA-B誘導I,IIおよびavLで常にみられ,S-T下降はA-B誘導のIIIおよびavRに常にみられた。8)T波の形態:T波の形態はA-B誘導I,IIおよびavLでは陽性が多く,IIIおよびavRでは陰性になることが多い。avFは陽性のことが多く陰性の場合は二相性となる。肢誘導ではI,II,III,aVLおよびavFは陽性にも陰性にもなり得るが陽性の出現率が高い。avRは陰性となることが多い。9)Q-T間隔:Q-T間隔は0.16〜0.24秒であった。
著者
青柳 孝洋
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

現代アラブ世界の音文化、特にアラブ・ポップと称される大衆音楽が本研究の中心課題である。調査をする際、グローバル化、原理主義とも称されるイスラーム的な宗教復興運動、そしてインターネットや衛星放送をはじめとするメディアの発達を考慮した。20世紀末頃からのこれらの環境的な変化は、情報の伝達を容易にし、国境を越えた人や文化の交流を増大化させており、現在に至るまで、アラブ音文化の質的変化に大きく寄与している
著者
韋 保耀 原 昌弘 山内 亮 上野 良光 加藤 宏治
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.133-138, 1991-12-25

キクイモおよびヤーコンの塊茎からオリゴ糖を80%エタノール溶液で抽出し,Bio-gel P-2 カラムクロマトグラフィーを用いてオリゴ糖の重合度分布を検討した。抽出物のオリゴ糖組成は,キクイモではフラクトオリゴ糖のみであったのに対して,ヤーコンでは,フラクトオリゴ糖とともにフルクトースとダルコースが検出された。塊茎を数ヵ月保存すると,キクイモでは重合度の高いオリゴ糖が減少し,低重合度のオリゴ糖が増加した。一方,ヤーコンでは,すべてのオリゴ糖が減少し,フルクトースとグルコースが増加していた。これらの抽出物中には,いずれの場合にもイヌロオリゴ糖は全く検出されず,このことより,両塊茎中に存在するイフリン加水分解酵素はエキソ型であり,キクイモに比べてヤーコンの酵素は低重合度のオリゴ糖に対して高い親和性を有するものと推定した。本研究結果は,ヤーコン塊茎に比べてキクイモ塊茎が,フラクトオリゴ糖の工業生産原料に適することを示している。
著者
小川 克正
出版者
岐阜大学
雑誌
治療教育研究紀要 (ISSN:09162682)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.15-34, 1995
著者
板野 志郎 大久保 忠旦
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.109-117, 1997-12-26

泌乳期間中の乳牛のエネルギー代謝の基礎知見を得るため,乳牛の心拍速度と熱発生量,泌乳エネルギー間の関連性を分析した。泌乳中のホルスタイン種4頭に対し,ガスマスク法と心拍数のテレメトリーを利用して熱発生量と心拍速度を同時測定し,それらの間の回帰モデルを作成した。また各試験牛の泌乳期間中の24時間連続心拍速度(beats/min)と泌乳エネルギー(Y:mj/mbs/day)の変化を測定し,この日平句心拍速度(DHR:beats/min)の動態から,上記の回帰モデルを利用することで泌乳期間中の日熱発生量(DHP:mj/mbs/day)の動態を推定した。以上のことをふまえて日平句心拍速度,泌乳エネルギーおよび日熱発生量間の関係を解析した。結果は以下の通りである。1.心拍速度と熱発生量の間には明確な一次の回帰関係(r=0.8303-0.9733, P<0.01)が示された。2.日平均心拍速度,日熱発生量は分娩後100日以内にピークを持ち,泌乳エネルギーと同様に泌乳期が進むにつれて減少した。3.日平均心拍速度と泌乳エネルギーの間に正の相関があり(全体r=0.7215, P<0.01),日平均心拍速度1拍当たりの泌乳エネルギー増加量は0.0108mj/mbs/dayを示した。4.泌乳エネルギーと日熱発生量は強い正の相関を示した(全体r=0.8495, P<0.01)。5.泌乳エネルギーと日熱発生量間の回帰モデルから泌乳牛の維持代謝エネルギー要求量として0.4237mj/mbs/dayもしくは0.4901mj/mbs/dayが推定された。6.泌乳のための代謝エネルギーの利用効率(k_1)として53.76%もしくは57.00%が推定された。これらの結果は,泌乳牛の211ネルギー収支の泌乳期間中の変動が心拍速度と強く関連していることを示しており,心拍速度の変動が血流量に影響し,その結果泌乳代謝に影響を与えることが示唆された。
著者
大友 弘士 日置 敦巳
出版者
岐阜大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

ネズミマラリアを病態モデルとして用い、宿主における組織低酸素症の発現と主要臓器障害との関係を調べた。7周令、雄のBALB/cマウスにネズミマラリア原虫Plasmodium berghei NK65感染赤血球【10^7】個を腹腔内接種した場合、マウスは接種後7-8日で死亡した。宿主マウスの貧血は原虫接種6日後には血液中ヘモグロビン5.7g/dl(非感染対照群14.5g/dl)と著明となり、組織低酸素症はこの時期に急速に進行するものと考えられた。感染の進行に伴う重要臓器障害について検索を行った結果・肺水腫もしくは肝不全はマウスの死因としては重要ではないと考えられた。腎機能を調べるために感染マウスの血中尿素窒素,クレアチニン,尿量,尿中への尿素窒素排泄および尿中N-アセチルグレコミニダーゼ活性の変動を調べるとともに腎組織中アデニンヌクレオチドを測定した。血中尿素窒素は死亡前に増加したがマラリアで惹起される大量溶血から推定されるような血中尿素窒素の著増、もしくは尿中への尿素窒素大量排泄は認められなかった。また血中クレアチニン濃度も軽度上昇したのみであった。尿中N-アセチルグルコサミニダーゼは原虫接種4-6日後に高値となる傾向を示したが7日後には低値となった。腎組織中のアデニル酸エネルギーチャージには接種7日後に低下が認められた。これらの結果から、組織低酸素症が惹起されると考えられた接種6日後には腎機能がかなり低下し、尿細管上皮が傷害されてN-アセチルグルコサミニダーゼが逸脱した結果、7日後には低値となったものと示唆された。マラリア感染では腎障害は重要な病態であり、血中尿素窒素で腎不全を評価する場合には過小評価しないよう注意する必要があると考えられた。