著者
沖原 巧
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

多糖のひとつであるプルランをリン酸化したリン酸化プルランと抗菌性を持つカチオン性界面活性剤との複合体を骨や歯の硬組織への接着する薬剤徐放体として開発し、その構造および物性を解明した。この複合体では、界面活性剤の正の電荷とリン酸基の持つ負の電荷の中和と、リン酸化プルランの糖鎖と界面活性剤のアルキル鎖の間での疎水性相互作用のバランスで成り立っていることがわかった。リン酸化プルランのリン酸化率を制御することにより徐放期間を制御可能であることがわかった。さらに他のリン酸化多糖との比較からプルランが、最も徐放させる担体として優れていることが明らかとなった。
著者
狩野 光伸 正宗 淳
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

膵がんの五年生存率は1割前後であり30年来改善していない。とりわけ進行性膵がんでは、予後は6か月未満と短く、投与薬剤が有効に奏功していないと考えられる。その原因を腫瘍細胞以外の腫瘍組織構築因子に求め、本研究では、ヒト膵癌由来細胞を用いた新規三次元培養系の構築を通じて、薬剤送達経路である1)腫瘍血管と2)腫瘍線維組織に求める仮説の実証を進めた。ヒト患者由来膵星細胞(PSC)を用いた立体培養系を構築し、分子生物学およびナノ薬剤挙動という観点から解析を行った。これにより、PSCを用い、立体培養・立体共培養の方法を再現性良く構築することが可能となり、薬物送達の解析に用いることに成功した。
著者
日下 卓也
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

電子透かしの透かし情報として二元線形符号のReed-Muller符号と拡大BCH符号の最小重み符号語だけを透かし情報として用い,かつ復号法の復号失敗を積極的に用いることで,透かし情報の取り出しにおける誤判定の確率を低減する手法を提案し,コンピュータシミュレーションにより有効性を確認した。また,近年応用が進んでいる軟値入出力復号法において,浮動小数点数の加減算における量子化誤差の透かしの検出率への影響が実用上無視できることを確認した。これらの符号と復号法を用いることで,電子透かしにおける冤罪の発生の抑制に効果があることを確認した。
著者
平田 健太郎
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

まず, むだ時間の伸縮を考慮した繰返し制御に関する研究を推進した. また, 概周期信号の適応推定を元に, フィードフォワード的な制御をおこなうことを検討した. 概周期信号の生成機構のダイナミクスに基づく状態推定, LPVシステム理論に基づく周期外乱オブザーバや, 時変周期信号のための自己回帰モデル(TVSARモデル)を用いて, 概周期信号そのものの適応推定をおこなう方法についても検討した. さらに, 適応ノッチフィルタの採用によって, 制御構造そのものを適応化することも検討した.
著者
久保田 尚浩 小野 俊朗 小原 章男 福田 文夫 片岡 郁夫
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

(1)ブドウ栽培用ランプの開発:発光ダイオードを使って、450と660nmにピークを持つランプおよび両波長を半分ずつ持つランプを試作した。(2)ブドウの生長と花房分化に対する光の作用性:ピオーネを供試し、上記のランプおよび730nmにピークを持つランプで長日処理(16時間日長)した。660nmでは新梢生長が最も優れ、花房原基数も他区の約2倍であった。ブドウ3品種を供試し、自然日長の異なる3時期(12月、2月、3月)からシリカ電球、育成用ランプおよび赤色光ランプで長日処理した。長日処理効果は、新梢生長ではピオーネで最も大きく、次いでデラウエア、マスカット・オブ・アレキサンドリアの順であり、また花房分化ではピオーネで大きかった。長日処理効果は、自然日長が短い時期ほど大きく、一方ランプによる差は小さかった。(3)ブドウ栽培における電照技術の開発:ピオーネの二期作において、二作目の新梢や果粒の生長を促すには14時間以上の日長が必要なこと、日長時間が長いほど処理効果が大きいこと、暗期中断処理は16時間日長よりも長日処理の効果が大きいことが明らかとなった。(4)紫外光によるブドウ果粒の着色促進技術の開発:UV-A照射はブドウ果皮のアントシアニン蓄積を促すが、その程度は品種によって異なること、成熟期後半だけの照射でもアントシアニン蓄積が促されること、その効果はPAL活性を介したものであること、品種によってはアントシアニン組成に違いが生じることなどが明らかとなった。(5)ブドウ果皮のアントシアニン合成におけるPALおよびmyb遺伝子の関与:幼果期の高いPAL活性は果実生長、成熟開始期の小さなPAL活性は着色に関係していると思われた。RT-PCR法によって3種類のPAL遺伝子断片と6種類のmyb遺伝子断片を得た。このうち、アントシアニン合成に関わる遺伝子は主としてmyb11.PAL5およびPAL14であると推察された。
著者
田中 雅人 尾崎 敏文 沖原 巧 渡邉 典行 瀧川 朋亨 塩崎 泰之
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

抗菌薬をリン酸化プルランに含有した新規骨補填材の有用性について検討した。骨補填材からの抗菌薬徐放能を検討し、新規骨補填材では従来の骨補填材と比較し良好な徐放能を示した。また、黄色ブドウ球菌をマウス骨髄内に注入し作成した骨髄炎マウスモデルを用いて検討を行い、従来の骨補填材と比較し有意に強い抗菌作用を認めた。以上より抗菌薬含有リン酸化プルランは感染治療に有用であることが示唆された。
著者
西堀 正洋 劉 克約 和氣 秀徳 大熊 佑
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

High mobility group box-1(HMGB1)は、組織障害に由来する炎症惹起物質として、今大きな注目を集めている。研究者は、これまで取り組んできた脳虚血や脳血管攣縮に対する抗 HMGB1抗体の治療効果に大きなヒントを得て、現在治療法のない交通事故や転落事故後の脳外傷に対する抗体治療の応用について検討した。 その結果、ラットの脳外傷後に局所の神経細胞の核から細胞外へと HMGB1 が放出されること、HMGB1 の活性を抗 HMGB1 抗体の投与で中和すると、血管-脳関門の破綻が抑制され、脳浮腫を著明に抑制できることを実験的に証明した。抗 HMGB1 抗体による脳外傷治療は有望である。
著者
冨士田 亮子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

子どもの出産や成長の段階で入手される子ども専用生活財や子供室は、子どもの独立後には主たる目的を失う。家族縮小期の生活財と住空間のあり方に影響の大である子ども専用生活財や子供室は、子ども独立後にはどのように考えていったらよいのかについて1,集合住宅及び戸建て住宅居住者を対象としたアンケート調査、2,戸建て住宅居住者を対象とした聞き取り調査、3,住宅情報誌編集長、及び木材の製材及び加工業者などによる聞き取り調査を行った。1.集合住宅及び戸建て住宅居住者に対するアンケート調査集合住宅では、子ども独立後には、学習机と椅子は処分、オーディオやテレビは子ども自身の住まいに持参、節句人形は収納空間に収納、冷暖房機器、本棚やシングルベッドは他の家族が使用しており、元子供室にそのまま置かれている家具は少ない。子供用生活財は、子ども独立後には現住宅内で家族が活用したいと考えている。一方、子供室は、子ども独立後もそのままにされている。戸建て住宅では、子供用生活財は、元子供室にそのままの状態が多い。2.戸建て住宅居住者への聞き取り調査元子供室は、夫や妻の専用室、また下の子の居室に用いられることもあるが、そのままの状態である。子ども用生活財も使われないまま室内に置かれている。床面を占める家具ばかりでなく、衣類や学用品などについても課題が多い。3.企業への聞き取り調査住宅情報誌編集長からは、子ども独立独立後には、現在の住宅に住み続けるのではなく,住み替えの希望が都市部でみられる。木材の製材及び加工業者からは、木廃材をパーティクルボードにし、これからユニットボックスやサイズオーダーデスクに製品化し、使用後は製造会社に返却でき、それを更に新たなパーティクルボードに蘇らせるリサイクル保証付きの家具が試みられ冠家具そのものとして使用できない場合にも再生の方法があることが明らかになった。
著者
小林 英紀 関口 猛 山本 泰 山本 泰
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ユビキチン依存タンパク質分解は、細胞内外の環境ストレス応答における制御システムに重要な役割を担っている。本件研究では、出芽酵母と葉緑体を用いて、ストレス応答とタンパク質分解の制御について解析した結果、酵母の塩ストレスではUBL-UBAユビキチンレセプターが、栄養ストレスではGタンパク質Gtr1-Gtr2複合体が、葉緑体の光ストレスではD1タンパク質分解とFtsH-チラコイド構造が分解制御に関与することが示された。
著者
井口 文男
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

1 19世紀にイタリア統一の主体となったサルデーニャ王国においては、1848年の憲章により、カトリック教が国の唯一の宗教であり、既存の他の宗派(ワルドー派とユダヤ教)は寛容の精神により法律でもってその存在が認められ、他の宗派は法外のものとされていた。2 しかしながら、実際には、憲章公布と相前後して、ワルドー派とユダヤ教はもちろん他の宗派にもカトリックと同等の権利が付与されることになった。他方、カトリックに対してはその特権を剥奪する政策が実施されることになるが、これはサルデーニャ王国における自由主義的政治家の意向に即したものであった。3 まず、1848年法律第777号により、イエズス会が王国から追放されることになった。ついで、1850年には、教会裁判権、聖職者特権、教会庇護権が廃止され、教会法人に財産が蓄積される<死手>という制度が除去されることになった。さらに、1855年には、教会の役割を本来の霊的役務に限定し、従来行っていた広義の営利活動を禁止するとともに国家は教会に課税権を行使するようになった。そしてイタリア統一王国形成後の1866年には教会の資産を没収する法律が制定され、経済的にも国家が教会に優位することが明白になった。4 このようにしてイタリア自由主義国家においては、憲章の規定にもかかわらず、カトリック教は他の宗派と等しいものとされたが、普遍教会として特性から特別の配慮を受けることにはなった。すなわち、1871年に教皇と聖座の特権、国家と教会の関係を定める法律が制定された。これにより領土特権を喪失した教皇は、全世界のカトリック信者に対して霊権を自由に行使しえることにはなったが、教皇はこの法律を受け入れることはなかった。結局、この問題の最終的解決は1929年のラテラノ協定でなされることになる。
著者
河原 研二 永井 教之 長塚 仁 GUNDUZ Mehmet
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

近年インターネットの発達は目覚ましいものがあるが、高齢社会の生活習慣病(高血圧、糖尿病)の多遺伝子性疾患、オーダーメイド医療への転換のための疾患感受性遺伝子(SNP)の解析が行われている。これらの多量の個人情報の解析及び研究技術のグローバル化を目指し、無料のネットワーク、インターネット回線を利用し、国内で最も太い回線のTAO (Japan Giga Network : JGN)によるデータ配信をサーバー構築して試みた。今回、LIVEの実験操作として、総務省直轄の(TAO)ギガネットの接続許可を戴き、本学部にセットされた光ファイバー155Mbps超高速インターネット回線による動画像配信と教育効果の改善を目指した。研究代表者がTAO回線での接続経験を有する岡山市内の岡山理科大学との双方向けの動画像配信(70Mbps)のテストを数回行い、カリキュラム発信のHPやTV会議用のサーバーとしても役立つことを示した。1年目は本学部に設置したATM回線(155Mbit)に接続するサーバー(購入備品)の構築を行った。稼働できる整備が備わっていた。2年目は研究計画としてネットワークを構築する必要があり、以下の通りに行った。(1)セキュリティーの面で接続先のインターネット、グローバルIPを現在使用のIPv4・プロトコールから個別を特定できるIPv6・プロトコールに変更した。ルーティング作業は河原が約3ヶ月かけて実証実験した。(2)接続先には高速インターネット回線ギガビットネットワークセンター経由で英語により国内外に向けて発信を計画し、学会セミナーの企画、開催で韓国ソウル大学歯学部を訪問し、両者が接続できることを確認した。(3)研究代表者の永井、長塚、Gunduzは口腔癌等の遺伝子を解析し、国内外に情報発信することを可能にした。
著者
能年 義輝
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

抵抗性誘導剤(プラントアクチベーター)は植物の免疫力を活性化することで病害防除効果を発揮する薬剤である。植物免疫を司るホルモンであるサリチル酸(SA)に糖を付加して不活性化するサリチル酸配糖化酵素(SAGT)を阻害すると免疫応答を増強できる。そこで本研究ではシロイヌナズナのSAGTを用いたSAGT阻害剤の標的ベース探索を行った。東京大学創薬機構が保有する約21万個の化合物から、SAGT阻害剤12個の同定に成功した。それらはシロイヌナズナ培養細胞の免疫応答を活性化した。現在、植物体への抵抗性誘導能と阻害定数の同定を進めている。植物における機能が証明されたものを特許化し、実用化の可能性を検証する。
著者
冨田 栄二 佐々木 浩一 赤松 史光 池田 裕二 河原 伸幸 明石 治朗
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

マイクロ波プラズマの性質を診断して、予混合バーナーおよび火花点火機関の着火に適用した。マグネトロンを電源に用いた場合から研究を始め、このプラズマ発信源を半導体に置き換えることによって安定したプラズマを生成することができた。エタノールのように含水性のある燃料に、マイクロ波プラズマを利用した着火システムは、含水の効果により有用であることが分かった。さらに、含水エタノール燃料の場合、レーザーブレークダウンによるプラズマ生成によっても着火を促進するなど有益な知見を得た。
著者
平松 祐司 増山 寿 鎌田 泰彦 中村 圭一郎
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

糖尿病は年々増加し,わが国の国民病といっても良い状況にある.血糖を下げるインスリンは妊娠,多嚢胞性卵巣症候群,子宮体癌などの産婦人科疾患では,効かなくなるインスリン抵抗性が出現している.今回はこのインスリン抵抗性がこれら疾患にどのように関係しているかを研究し,そのメカニズムを明らかにし,一部の疾患では予防法の開発を目指した.また胎児期の栄養と将来の糖尿病,肥満の発症についても検討した.
著者
高橋 敏之
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

平成10〜13年度を通しての研究成果は、以下の通りである。1.学術論文「幼児の頭足人的表現形式の連続描画に見られる対象の重要度による描き分け」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児は、それぞれ自分の人物描画における描画課題を独自にもっている。そして描画対象の重要度に応じて新旧の型を併用すると推察できる。2.学術論文「幼児の頭足人的表現形式に関する先行研究の問題点-W.L.Brittain(1979),鬼丸吉弘(1981),林健造(1987),長坂光彦(1977)の研究を中心にして-」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児の頭足人的表現形式に関する先行研究を俯瞰し、批判的に考察した。3.学術論文「幼児の頭足人的表現形式の理論的説明における主知的見解とG.H.Luquetの描画発達説」の複数審査制全国的学会誌への掲載…有力な描画発達理論であるG.H.Luquet(1927)の学説は、幼児の描く頭足人的表現形式にも及んでいる。その理論を批判的に考察した。4.学術論文「幼児の頭足人的表現形式に関するH.Engの主知説批判」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児の描画活動の縦断的事例研究者であり描画心理学の創設者でもあるH.Eng(1927)は、幼児の描く頭足人的表現形式について考察している。その理論を批判的に考察した。5.学術論文「幼児の初期人物描画の理論的説明における主知的見解への批判」の複数審査制全国的学会誌への掲載…本論では、L..S.Vygotsky(1930)、V.Lowenfeld(1947)、W.Grozinger(1952)、W.L.Brittain(1979)などの研究を取り上げ、主知説による頭足人的表現形式の説明を再吟味した。6.学術論文「幼児の人物画研究における用語問題」の複数審査制全国的学会誌への掲載…幼児の初期人物描画と頭足人的表現形式に関する学術用語は、各研究者によって使い方が違い、不統一である。本論では、先行研究を概観・整理し、新しい学術用語を提起した
著者
喜多村 真治
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

我々は、成体腎臓から得られた腎臓幹/前駆細胞を使用して三次元培養することにより腎臓の最小構成単位であるネフロン構造を試験管内で作成することに成功したが、遺伝子学的にも胎生腎臓との比較検討をすることにより、再生研究の基礎的な検討を行うものである。成体腎臓幹/前駆細胞から腎臓構造再構築と発生腎である胎生13日腎、胎生17日腎、成体腎との遺伝子発現についてDNAアレイにて解析を行った。遺伝子学的に発生腎とほぼ同じ程度の一致率が見いだされ、顕微鏡レベルの構築のみならず、遺伝子発現などにおいても発生と同様の遺伝子発現と近似していることが確認された。しかし、形態構築過程との相違もあり、更なる検討が必要と考える。
著者
兵藤 好美 田中 共子
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、「医療事故生成プロセス防御モデル」を背景理論に、リスク認知を中心とした新たな「医療安全の心理教育」を開発することであった。2009~ 2011年度において事故生成プロセスを反映した疑似体験を工夫し、体感と具体的理解をもたらす人工空間の創作を試みた。そして、人間のヒューマンエラーに関するバイアスやヒューリスティック、環境要因の影響をシミュレーションゲーム法を適用し、医療安全教育に使用した。さらに効果の検証も行った。
著者
山崎 修 森実 真 金子 淳
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

パントンバレンタインロイコシジン(PVL)は黄色ブドウ球菌が産生する好中球により特異性の高い毒素で、PVL陽性の黄色ブドウ球菌はおできや市中肺炎に強く関連する。我々はPVL陽性のおできの特徴は基礎疾患のない若年者に多く、多発性で発赤が強いことを明らかにした。しかしながら、せつ腫症におけるPVLの役割は明らかではない。我々はPVLの毒素産生制御因子を解析し、PVLのケラチノサイト、線維化細胞、血管内皮細胞に与える影響について検討した。さらにせつ腫症におけるPVL変換ファージの多様性について調査した。
著者
宮崎 育子 浅沼 幹人 中村 一文
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

農薬でミトコンドリアComplex I阻害剤であるロテノンを慢性皮下投与したラットを用いた検討により,ロテノン神経毒性は中枢よりも末梢神経の方が脆弱であること,また中枢神経系と同様に,腸管神経叢周囲にもGFAP陽性アストログリアが存在し,ロテノン神経障害発現に伴って,GFAP陽性アストログリアの活性化が惹起されることを明らかにした.初代培養細胞を用いた検討により,ロテノン神経毒性発現にはアストログリアが関与しており,とくに中枢神経系においては,ロテノン曝露により中脳アストログリアから特異的に分泌される何らかの因子がドパミン神経障害を惹起すること,さらに抗酸化分子メタロチオネインがこのドパミン神経障害を阻止しうる分子であることを見出した.
著者
早見 武人 村田 厚生 松尾 太加志
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

視線方向を高精度で検出する技術を獲得するために,視線の移動に伴って眼球が動く様子を特殊な照明を用いてハイスピードカメラで撮影した.録画に対して画像処理を施すことにより眼球の回転角を計測した.実験の結果,眼球が静止状態から視線方向を変えようとして加速する際は加速が急に始まるのに対し,目的の姿勢に近づき減速する際の回転は比較的滑らかであることが確認された.