著者
吉田 正夫 大津 浩三 山本 雅道
出版者
岡山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

受容膜のターンオーバーに関しては, 感桿型をもつ甲殻類, 昆虫, 繊毛型をもつ脊椎動物の各視細胞で知られている. 本研究のナメクジウオは同一動物が再種の型の視細胞をもつが, 明暗によりターンオーバーを示すものは感桿型であるジョセフ, ヘッセ細胞のみであった. 繊毛型のラメラ細胞でターンオーバーが見られなかったが, 脊椎動物の円盤膜も, それ自身がターンオーバーするのではなく色素上皮細胞に喰われることによる現象であること, 即ち視細胞自身の活性に基くものでないことに着眼, 進化的2型と対応したターンオーバーの意味を探ることを本年度の目標とし, 繊毛型視細胞(クラゲ, ホタテガイの遠位網膜)の明暗順応過程の調査を行っている. 現在のところ上記の作業仮説に反する結果は得られていないが, 進化的にも, 膜の生理機能の上でも広く且重要な結論となり得るので, 今少し調査の必要がある.
著者
稲田 利徳
出版者
岡山大学
雑誌
研究集録 (ISSN:04714008)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.(1)-(6), 1997-11

一.本稿は耕雲の紀行文「耕雲紀行」の注釈である。一.底本は東京大学史料編纂所蔵本(貴41.2)で、次の方針に従って校訂本文を作成した。(1)漢字・仮名を原則として通行の字体に変え、新字体のある漢字はそれを用い、獨点、句読点を施した。(2)底本の仮名を漢字に改めた場合は、表記を改めた本文の右側に、もとの仮名を記した。漢字の訓みを()の内に示したものである。(3)仮名遣いは原文のままとし、送り仮名を補った場合は()内に記した。また歴史的仮名遣いと一致しない場合は、()を付して歴史的仮名遣いを傍記した。ただし、仮名に漢字を宛てた場合は、これを省略した。(4)反復記号は底本のままとし、踊り字の場合はもとの仮名に直し、右側に「ゝ」を付した。(5)底本の丁数などを省略し、本文も適宜改行した。(6)虫損などで判読するのに、やや支障をきたす個所は□とし、その中に推定した文字を記した所もある。(7)本文の不審な所には、(ママ)を付した。(8)全体を適当な個所で区切り、通し番号と内容に即した見出しを付した。一.注釈は〔本文〕〔語釈〕〔通釈〕〔考〕の順序で進める。一.「耕雲紀行」の翻刻を御許可くださった東京大学史料編纂所に対し、厚くお礼を申し上げます。
著者
中谷 文美 宇田川 妙子 石川 登 今野 美奈子 宇田川 妙子 石川 登 金野 美奈子 松前 もゆる
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、日本、オランダ、イタリア、ブルガリア、マレーシアという5つの異なる社会において、広い意味での「仕事」をめぐる事象や社会通念が、それぞれの社会におけるジェンダー規範や政治的・経済的変化との相互作用の中で、どのように変容し、あるいは維持されてきたかという問題を比較・検討した。その結果、何が仕事で、何が仕事でないか、といった区分も含め、多様な労働観が各社会に存在すること、また急速な産業化、政治体制の変化、社会政策の展開などが、仕事の水準をめぐる規範や特定の労働の担い手などに変化をもたらす過程を明らかにできた。
著者
荒木 勝
出版者
岡山大学
雑誌
岡山大學法學會雜誌 (ISSN:03863050)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.256-328, 2002-10
著者
竹内 栄
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ニワトリの雛や成鶏雌にみられる保護色パターン, 及び成鶏雄に特徴的な婚姻色パターンが, ASIP遺伝子の同一プロモーターの働きによって形成されることが明らかになった。これは, 体色における性差発現の分子機序に関する初めての成果である。また, ニワトリ視床下部におけるASIP発現は, 絶食負荷や高エネルギー食負荷により変動しないことから, 摂食制御以外の機能を持つか, 変異に起因する異所発現である可能性が示唆された。
著者
竹内 栄
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

鳥類ではオスが派手な婚姻色を示し,雌は地味な保護色を示すことが広く知られている。しかし,この羽装色の性差を作り出す仕組みはわかっていなかった。本研究では,おかやま地どりを用い,この問題の解明を試みた。その結果,ニワトリの羽装色が,羽が形成される羽包内の局所ホルモン系(メラノコルチン系)により制御されていることが判明した。また,ニワトリの羽装色はオス型がデフォルトであり,メスでは卵巣由来のエストロジェンがASIP(アグーチシグナルタンパク)の産生を制御することでメス型の羽装色を作っている可能性が示唆された。さらに,本研究では羽形成の仕組みを解明するために重要と考えられる新規の遺伝子が同定された。
著者
田中 共子
出版者
岡山大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

従来の異文化適応のための心理学的介入は、「医学モデル」的な対症療法が主であったが、本研究では「心理教育モデル」に基づいて、異文化適応能力を向上させる介入方略を開発することを試みた。具体的には、在日外国人にとって、異文化環境下において必要になるソーシャル・スキルを明らかにしたうえで、その学習プログラムを構成し、実験的に試行し、ソーシャル・スキル学習プログラムの開発を試みた。セッション形式の介入実験を企画し、教材を作成して、実験協力者の参加を得てプログラムを試行した。そしてセッションの効果と構成について検討した。さらに、ソーシャル・スキル獲得の異文化適応促進仮説について検討するため、異文化滞在者を対象とした面接調査を実施した。協力者は、在日外国人であるATL、すなわち外国語学習のための外国人補助教員、および在日留学生であった。彼らに自分自身の異文化適応過程について振り返ってもらい、特にソーシャル・スキルの向上とその実施との関わりについて振り返ってもらった。次いで在米日本人留学生及び、在米日本人入居住者を対象として面接を実施した。上記と同様に、ソーシャル・スキルと異文化適応を中心に体験を振り返ってもらった。その結果、海外から日本への異文化移動と、日本から海外への移動との異文化移動にみられる共通点と相違点が明らかにされた。これはソーシャル・スキル学習のプログラム構成に反映すべき知見である。
著者
稲葉 振一郎
出版者
岡山大学
雑誌
岡山大学経済学会雑誌 (ISSN:03863069)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.417-160, 1996-08

The aim of this paper is to present a new way of theorizing liberalist political / social doctrines. Formerly, most supporters of liberalism have constructed their political / social theories on the base of "methodologicalindividualism". But here I try to found a discriptive / normative theory of liberal societies on the ground ofa sort of "wholism". A main idea of this paper is to conceptualize "personhood" as one type of institutions. I define "institution" as a expected pattern of actions, or a system of rules of conducts, and see "person" as the special type of institution, the institution enacted by one physical humane individual. And I make a thoretical modell of liberal society as a band of different types of institutions. In this modell, "person" is not a sort of "social atom",but have a very specific functioning.
著者
村松 幹夫
出版者
岡山大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

イネ科コムギ族に属する種について、類縁関係が遠い属間に交雑を行ない、遠縁雑種における体細胞染色体の安定と不安定性に関する細胞遺伝学的研究を行なった。カモジグサ属(Agropyron)はコムギ族の系統発生の比較的起源点に近く位置すると考えられるが、この族の2種、カモジグサ(A.tsukushiense)及びアオカモジグサ(A.ciliare)、を用い、コムギ属(Triticum)、Aegilops属、ライムギ属、ハイナルディア属、オオムギ属の種などと行なった合計13,015小花の交配から、胚培養によって319本(2.45%)のF_1雑種を得た。それらの雑種植物の葉身に生じるキメラ状の稿による判定では、体細胞染色体数の不安定性はオオムギとの組合せに常に生じたほか、一粒系コムギではT.monococcumとのF_1に稿がみられる。この他のコムギ亜族の属間組合せはすべて正常なF_1雑種となった。オオムギとの雑種の体細胞染色体数は幅広く変異し、両親の半数染色体数の和による期待染色体数よりも増加、または減少した細胞がみられた。染色体不安定性にもかかわらず、カモジグサとのF_1はアオカモジグサとのF_1に比べ生育が良好であり、詳細な研究が可能であった。その結果、増加染色体数と減少染色体数との比は、交配組合せ間で異なるので、遺伝的な差異と考えらる。[増加染色体数/減少染色体数]の比が0または0に近い交配組合せでは雑種植物がカモジグサ親の多倍数性半数体を比較的高い頻度で生じた。F_1雑種の染色体数が安定する組合せについても、アオカモジグサと二粒系コムギのT.polonicum及び普通系のT.aestivumそれぞれの雑種から育成した複倍数体の後代や戻し交雑世代に体細胞染色体数の変異個体の分離出現がみられた。これは複倍数体や戻し交雑世代の低キアズマ頻度によって形成された1価染色体の消失による不安定性の抑制遺伝子をもつ染色体欠失のためと考えられ、そのような遺伝子の存在が推定される。
著者
松三 昌樹 溝渕 知司 高橋 徹
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

敗血症(Sepsis)に脳症(Encephalopathy)を合併するとその予後が悪化することは良く知られているが、敗血症性脳症(Septic encephalopathy)の病態生理は未だ完全に明らかでない。低分子モノオキシドである一酸化窒素(NO)は、神経伝達物質でもあることから敗血症性脳症にも関連することが推察されるがその役割には未だ不明な点が多い。一方、同じ低分子モノオキシドである一酸化炭素(CO)も神経伝達物質として機能する可能性が報告されている。我々は、内因性のCOが敗血症性脳症の病態に関与するのではないかと考え、生体内のCO産生酵素であるヘムオキシゲナーゼ(Heme Oxygenase ; HO) mRNAの発現をラット脳初代培養細胞用いて検討した。その結果、HOはLPSによりグリア細胞には誘導されるが、神経細胞には誘導されないことを明らかにした(Res.Commun.Mol.Pathol.Pharmacol.2000)。昨年、COがヒトの敗血症性にも関与するのではないかとの着想のもとに、ヒト培養グリア細胞7エンドトキシン(Lipopolysaccharide : LPS)を投与し、HOの発現を検討した。その結果、HOのprimary inducerであるHemeによっては、ヒトグリア培養細胞にHOが著明に誘導されたが、LPSでは量、時間両者を変化させて検討したが、HOは誘導されなかった。そこで、脳症には、脳だけではなく、敗血症性多臓器障害が関与するのではないかと考え、bacterial translocationを介して脳症の発展に関与する腸管に焦点をあてて、エンドトキシン投与による敗血症性多臓器障害モデルにおける腸管HOの発現を検討した。その結果、腸管には著明にHO-1が誘導されたことから、敗血症性脳症には、腸管で産生されたCOが脳に運ばれ、神経伝達物質としてその病態生理に関与している可能性が考えられた。
著者
喜多 雅一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究により,日本の小学校・中学校・高校が,アジア・アフリカの学校と連携し,互いの教員が相互に訪問し,自然環境教育の題材に関する授業実践を通して,互いの自然環境・文化の違いや類似点,児童・生徒の自然環境に対する認識,学校間の連携のあり方を追究した。4年間に50人以上の相互訪問を実現し,互いに授業実践や研究協議を行った。互恵となる連携のモデルを構築できた。
著者
神山 敏雄 佐久間 修 恒光 徹 垣口 克彦 浅田 和茂 斉藤 豊治
出版者
岡山大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、経済犯罪の総論的課題については、従来の日本の経済犯罪研究の歩みと研究方法を分析・検討することによって経済犯罪研究の全体像を明らかにし、そして日本における経済犯罪現象の諸相を概観することによって今後の研究課題を模索した。各論においては、以下の諸分野の経済犯罪を取り上げて研究した。先物取引の分野においては、当該取引をめぐる犯罪の現状を分析した上で、判例、捜査実務、学説の役割を検討し、今後の当該犯罪についての経済刑法の課題を指摘した。企業秘密の分野においては、企業秘密の概念やその侵害に対して刑法とその他の法律はそれぞれどのような役割を果たすべきかを検討した上で、刑法の限界を明らかにした。証券取引の分野においては、特に、インサイダー取引の現状分析とその犯罪化立法の問題点を取り上げて検討した。出資法の分野においては、従来の犯罪形態を分析した上で、これらの犯罪対策手段として行政処分と刑罰はどのような役割を果たすべきかを検討した。連鎖取引の分野においては、無限連鎖講と連鎖販売取引をめぐる犯罪を取り上げ、その実態と対策を検討した。クレジット・カード濫用の分野においては、その実態、当罰性、刑法の役割について検討した。コンピュータ濫用の分野においては、コンピュータ犯罪の動向とコンピュータ・ウイルスの問題について詳細な資料を駆使して検討を加えた。外国における経済犯罪の実態と理論については掘り下げて研究する予定であったが、当初の計画通りには進展しなかった。これまで外国の経済犯罪に関する文献について5篇を取り上げ、紹介・論評することができたが、引き続き今後の研究に委ねることにする。
著者
小塚 真啓
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では,特にエージェンシー理論の知見に基づき,法人所得課税を正当化する先行研究に着目し,当該先行研究の分析に課税権者を加えることにより,その帰結がどのように異なることになるのかを主として検討したところ,課税権者を含めた利益最大化(あるべき所得課税の実現)という観点からすると,パス・スルー課税に代えて法人所得課税を実施するということにより十分なエージェンシー・コストが削減されることはない,との結果が得られた。
著者
浅沼 幹人 宮崎 育子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

アストログリアでのグルタチオンおよびメタロチオネインの発現誘導およびその放出が,ドパミン神経特異的酸化ストレスであるドパミンキノンによるドパミン神経障害に対する抗酸化機構として重要であるであることを明らかにできた.神経・グリア培養系およびパーキンソン病モデルマウスを用いた検討により,セロトニンアゴニストがアストログリアの増殖誘導ならびにドパミンキノンセンサー分子賦活を介したドパミン神経保護作用を併せ持ったパーキンソン病治療薬となり得る可能性を示すことができた.
著者
阪口 政清 片岡 健 村田 等 許 南浩
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

がん幹細胞クローニング用プラスミドベクターを完成させたこと、このベクターを使用して、がん幹細胞の特性を備えたクローン化がん幹細胞株を樹立できたこと、があげられる。クローン化の高効率化を目指し、独自のプラスミドベクターを完成させるまでに多大な時間を費やした。現在、膜タンパク質を調製し、免疫のステップに移行している。
著者
佐野 訓明
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

トポIIを標的とする複数の阻害剤がトポIIβの選択的な分解を引き起こす。トポIIβは分解に先立って1259番目のリジン残基がSUMO-2/3により修飾され、その修飾が起きない変異体(K1259R)では分解も起きなかった。一方、トポIIαは同様に阻害されるにも関わらず分解されない。強制発現実験やSUMO修飾部位の解析から、両者の阻害後の処理のされ方の違いは発現時期・局在の違いに依るのではなく、SUMO修飾部位の有無によると考えられる。
著者
本村 昌文 渡辺 道代 和田 有希子
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

介護と看取りの現場と近世日本思想史研究の接点を構築し、現代日本社会に生じている介護と看取りの諸問題の解決に資する死生観の解明を行った。本研究では、17世紀日本の死生観と介護・看取りの現場とのつながりを検討し、伝統的な死生観のもつプラス面とマイナス面を明らかにした。またこうした作業を通して、伝統的な死生観をもとにして、介護と看取りを支える精神的基盤を再構築していく端緒を得ることができた。
著者
清水 耕一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

フランスの法定労働時間は雇用創出のために2000年から週35時間に短縮されたが,右派政権は左派政権の雇用政策を否定し,2003年以降に長時間労働を促進する諸法を制定した。本研究は企業規模別超過勤務時間データの検討,金属産業とルノー,プジョー,トヨタ・フランスの労使間協定と労使関係を調査検討し,右派政権の諸法が実効性を持たなかったことを明らかにした。35時間労働制が維持された原因は,35時間労働制への移行交渉によって労使間の信頼関係が生まれると共に,企業が労働時間編成のフレキシビリティーを獲得したことにあった。
著者
笹尾 登 中野 逸夫 吉村 太彦 川口 建太郎 旭 耕一郎 酒見 泰寛 杉山 和彦 藪﨑 努 福山 武志 田中 実 志田 忠正 梶田 雅稔
出版者
岡山大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、新学術領域全体「原子が切り開く極限量子の世界」の目標達成を促進するため以下の活動を行った。総括班会議を定期的に開催し(総計21回開催)各計画研究の進行状況を監督、必要に応じて評価・助言活動を行った。また理論・技術面から領域全体の方向づけを行った。総括班の監督のもとに国際会議「Fundamental Physics using Atoms」を毎年開催し (第4から第7回)、そのプロシーディングスを発刊した。異分野の共同協力を更に推し進めるため、研究者ネットワークの発展拡大を図った。全ての成果をウエッブや紙・電子媒体を活用して、広く国内外へ発信した。
著者
藤井 和佐 西村 雄郎 〓 理恵子 田中 里美 杉本 久未子 室井 研二 片岡 佳美 家中 茂 澁谷 美紀 佐藤 洋子 片岡 佳美 宮本 結佳 奥井 亜紗子 平井 順 黒宮 亜希子 大竹 晴佳 二階堂 裕子 中山 ちなみ 魁生 由美子 横田 尚俊 佐藤 洋子 難波 孝志 柏尾 珠紀 田村 雅夫 北村 光二 北川 博史 中谷 文美 高野 宏 小林 孝行 高野 宏 白石 絢也 周藤 辰也 塚本 遼平 町 聡志 佐々木 さつみ
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

研究課題に関する聞きとり調査、質問紙調査等から、地方社会における構造的格差を埋める可能性につながる主な条件として(1)地域住民の多様化の推進及び受容(2)生業基盤の維持(3)定住につながる「地域に対する誇り」が明らかとなった。過疎化・高齢化が、直線的に地域社会の衰退を招くわけではない。農林漁業といった生業基盤とムラ社会の開放性が住民に幸福感をもたらし、多様な生活者を地域社会に埋め込んでいくのである。