著者
槇野 博史 和田 淳 小川 大輔
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

糖尿病性腎症の病態の初期には細胞肥大が重要であり、その後慢性炎症が糖尿病性腎症の進展を促進させている。核内受容体のmodulatorはこれらの病態を総合的に改善する薬剤の候補である。Peroxisome proliferator-activated receptor (PPAR)-δアゴニストおよびLiver X receptor (LXR)アゴニストは抗炎症作用によって治療効果を発揮し、Retinoid X receptor (RXR)アンタゴニストは主として細胞周期の異常を是正して細胞肥大を抑制することが判明した。核内受容体のmodulatorは糖尿病性腎症に有効であると考えられる。
著者
河原 祐馬 谷 聖美 佐野 寛 近藤 潤三 玉田 芳史 島田 幸典 小柏 葉子 麻野 雅子 永井 史男 木村 幹 中谷 真憲 横山 豪志
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、移民外国人の社会統合問題について、その政治的成員資格と新たなナショナル・アイデンティティをめぐる議論に焦点を当て、ヨーロッパや日本をはじめとするアジア太平洋地域の事例を比較地域的な観点から考察するものである。本研究の成果は、トランスナショナルなレベルにおける地域協力の取り組みについての議論が活発化する中、今後のわが国における移民政策の基本的な方向性を模索する上での一助となるものである。
著者
岡山 聖彦 山井 成良
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ソフトウェアの不正コピー対策として、組織保有のPCにインストールされたソフトウェアの厳格な管理が求められている。しかし、既存の管理システムでは対象となるPCの管理者権限を要するため、大学のようにPCの利用者が管理者であるような環境では、確実にソフトウェア情報を収集することが困難である。これに対し、我々の研究グループでは認証・アクセス制御システムと連携するソフトウェア資産管理システムの研究開発を進めており、当該研究期間においては、実用化のための機能強化および機能拡張を行う。
著者
近森 秀高 永井 明博
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

近年の気候変動に伴う降雨パターンの経年変化を日本全国で観測された長期の日雨量, 時間雨量, 10分間雨量を統計解析することにより調べ, 確率雨量が主に太平洋側で経年的に増加すること, 降雨は時間的に集中する傾向にあること, 少雨の頻度が全国的に増加する傾向にあることを示した。また, 長期の気象データを用いて長期流出解析を行い, 全国的に渇水時の流量が減少する傾向にあることを示した。
著者
豊田 和弘
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

植物に固有の細胞壁が病原体による感染を未然に防ぐ物理的な障壁となることは周知の事実であるが、外界からの生物的あるいは化学的な情報を受信(認識)し、それらを正確に伝達して細胞あるいは組織全体の防御機構を成立させる動的な小器官であることが最近の申請者らの研究によって明らかとなってきた。本研究は、細胞の外側で行われる高次の情報処理システムの分子基盤について、病理学の視点からメスを入れ、細胞(組織)の統御と恒常性の維持を図る植物細胞壁の新たな機能に迫るものである。
著者
小阪 美津子 水野 伸彦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

幼弱期のマウス網膜組織内に、光受容体細胞(視細胞)の形質を獲得しているにもかかわらず、取り出して培養すると増殖を開始して他の網膜神経細胞へ分化転換するという細胞を発見した。その細胞は組織傷害時などに細胞分裂を開始し他の神経を生み出す幹細胞として機能しうる可能性が器官培養系の結果から得られ、全く新規の網膜幹細胞であることが示唆された。またその細胞の遺伝子発現を網羅的に解析し、網膜の発生・分化・疾患に関わる遺伝子候補を多数同定した。
著者
藤森 祥一
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ワイエルストラス型表現公式をもつ曲面の性質を調べた. 3次元ユークリッド空間の極小曲面と3次元双曲空間の平均曲率1曲面について今まで知られていなかった高種数の例を構成した. また, 3次元ミンコフスキー空間の空間的極大曲面と3次元ド・ジッター空間の空間的平均曲率1曲面についてある種の特異点を許容し, その特異点や無限遠方における挙動を解析した。さらに3次元ミンコフスキー空間の平均曲率0曲面の性質を調べ, 特異点を持たない非自明な埋め込みを構成した.
著者
堀内 孝
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究では,「自伝想起の生成・再認モデル(堀内,2004a)」における再認プロセスを精緻化するために,自伝想起の意識的成分と自動的成分の性質の相違に関して実験的な検証が行われた。実験1,2では,想起時間を操作した検討が行われた。実験1では,実験参加者にはあらかじめ想起時間(2秒,6秒)を告知した上で自伝的記憶を想起させた。実験2では想起時間を告げず,想起開始から2秒あるいは6秒で強制的に打ち切った。いずれの実験においても,意識的成分は6秒条件と比較して2秒条件の方が少なかったが,自動的成分では有意な差が認められなかった。この結果は,自動的成分は意識的成分と比較して,想起開始後の早い段階から惹起し,2秒後には十分に機能していることを示している。実験3では想起する自伝的記憶の新旧の違いを操作した検討が行われた。大学3年生を実験参加者として,想起する自伝的記憶が古い条件(中学の3年間)と新しい条件(大学の3年間)における意識的成分と自動的成分を比較した結果,いずれの成分に関しても古い条件の方が新しい条件よりも少なかった。一般的に自動的成分は時間耐性があるが,6年もの歳月が経過するとさすがに減少すると考えられる。実験4では事象関連電位を使用した検討が行われた。Czにおける1600msから2000msの平均電位を比較した結果,"思い出せる(Remember)"判断の方が"わかるだけ(Know)"判断よりも有意に高かった。1600ms以降の両判断の波形の違いは,意識的成分と自動的成分の生起速度の違いを反映しているものと解釈された。これらの実験結果は,自伝想起の意識的成分と自動的成分が基本的に異なる特性を有しており,独立したプロセスであることを示すものである。本研究の知見にもとづき「自伝想起の生成・再認モデル2008」が提唱され,その応用可能性と評価に関する議論が行われた。
著者
五福 明夫 永井 伊作 永谷 圭司
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

人間が生活する環境において移動マニピュレータが対象物を探索・把持することは,現在のセンサ技術では,非常に困難である.そこで本研究では,対象物にデバイスを取り付け,このデバイスとロボットに搭載したマーク認識デバイスが通信を行うことで,対象物の識別と位置の確認を行うシステム(インテリジェントマークシステム:IMS)を構築し,さらに獲得した情報をもとに,移動マニピュレータによる対象物の把持・運搬の動作の実現を目指した研究を行った.IMSは,環境に存在する様々な物体に貼付し,それぞれのIMSは識別コードを記憶することが可能である.このIMSから発信する情報を,ロボットに搭載したマーク検出デバイスにより獲得することで,対象物の認識を行うことができる.平成15年度には,平成14年度に作成したプロトタイプのマークを,2cm角の基板上に搭載し,小型のマークを実現した.また,マーク検出デバイスについては,多数の物体に貼付した識別コードの中から特定のグループまたは特定のマークだけを呼び出し交信する機能を実現した.また,このマーク検出デバイスを小型移動マニピュレータに搭載した.さらに,マークの位置認識を行うため,マーク検出デバイスには,視野の広い全方向カメラと,視野の比較的狭いハンドアイシステムを利用したステレオ視システムを導入した.以上に示した通り,本申請研究の2年目には,環境内や対象物体に貼られた小型の複数のIMSとロボットが通信を行う基本システムが完成した.さらに,このシステムを利用し,環境に固定されたIMSとロボットの通信によるロボットの自己位置の推定,環境中の障害物に貼られたIMSとの通信による,障害物の位置認識,さらに,対象物に貼られたIMSによる対象物の把持動作を実現した.
著者
赤江 剛夫 諸泉 利嗣 守田 秀則 石黒 宗秀 濱田 浩正 濱田 浩正
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

(1)インド洋津波による農地海水被曝事例を調査した。衛星画像と地形情報を用いて被害域を推定する方法を提案した。(2)現地除塩枠試験により、海水被曝地の除塩方法として湛水リーチング法が最も効果的であることを見出した。(3)湛水リーチングによる除塩用水量を評価する除塩特性指標を提案し、その有用性をカラム実験と数値シミュレーションで確認した。(4)除塩特性指標を対象地域にマッピングし、人為的な除塩必要性を判定した。(5)沿岸低平農地の除塩のための最適用水配分の策定法を開発した。
著者
表 弘志
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

小胞型グルタミン酸トランスポーター(VGLUT)はV-ATPaseがATPの加水分解によって形成するH+の電気化学的勾配を駆動力とし、グルタミン酸を小胞内に輸送するトランスポーターである。この研究ではVGLUTによるグルタミン酸輸送の分子機構を明らかにすべく、VGLUTを含むSLC17型ファミリートランスポーターの輸送機構を速度論的に解析した。
著者
釣 雅雄
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

政府債務が増大した我が国においては,政府が破綻することなく財政運営を行いつつ,効率的な財政政策を行う必要がある。しかしながら,社会保障費の増大や,地方交付税交付金などに代表される地方への国の役割が固定化された状況では,財政政策の自由度は限られている。さらに,政府債務の増大によって,今後利子率が上昇した場合には,国債費の増大などが生じ,さらに財政状況は悪化する。このような中で,中期的な財政政策運営を行うことの意義を財政政策ルールという視点から分析を行った。
著者
岸 幹二 繁原 宏 若狭 亨 杉本 朋貞 窪木 拓男
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究の目的は、第1に顎口腔領域における各種感覚刺激のfMRIに最適の撮像条件の設定、頭部の固定法、画像処理を確立することである。第2に味覚など体動や筋肉の動きを伴わない刺激および嚥下運動におけるfMRIの描出能について健全例について種々条件を変えて検討を加え、fMRIの顎口腔領域各種感覚刺激の研究、臨床応用の可能性を追及することである。平成12年度にまず撮像法の検討を行った。手指の運動に対し、gradient echo type EPI(GE-EPI)とspin echo typeEPI(SP-EPI)の2種類の撮像シーケンスを用いて、fMRI画像の比較検討を行った。その結果、SP-EPIが信号検出の特異性、正確度共に高いため、このシーケンスを用いることにした。頭部固定は、ヘッドコイルと頭部に対し、ヘアバンド、スポンジ等を組み合わせることにより施行し、アイマスクと耳栓で視覚、聴覚刺激を遮断した。画像処理は、Magnetom Visibn付属のソフトウエア-(Numaris)内のz-scoreを用いて行った。次に、味覚刺激は、濃度1Mの食塩水と3mMのサッカリンを被験者の口腔へ挿入したチューブより滴下することにより与え、fMRI撮像を行った。その結果、味覚刺激による脳賦活領域はpariental operculum、frontal operculumとinsulaに分布することが明らかになった。味覚刺激の種類による分布の差異は今回の研究では認められなかった。平成13年度は、主に嚥下運動によるfMRI studyを行った。すなわち、被験者の口腔に挿入したチューブより、蒸留水を3ml/秒注入し、断続的に嚥下してもらうことにより行った。その結果、primary motor cortex、primarys somatosensory cortexが主に賦活されることが明らかになった。
著者
松木 武彦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

日本列島と朝鮮半島における紀元前5世紀頃から紀元後7世紀までの武器・武具の発達過程を考古資料によってあとづけ、それぞれの地域における武器組成の変化から戦術および軍事組織の変遷過程を考察した。その結果、日本列島では紀元後1世紀以降に武器組成が単純化して儀器化が著しくなるのに対し、朝鮮半島では武器組成が複雑さを保ち、騎馬戦用の武器も含みながら日本列島よりは実戦的な発達を示すことが明らかになった。その背景として、北部の騎馬勢力との軍事的緊張が継続した朝鮮半島と、そこから離れた島嶼部であった日本列島との間の政治的・軍事的環境の違いを想定した。さらに、日本列島と朝鮮半島の武器・武具の組成・技術・形態を時期ごとに比較し、その変化をたどった。その結果、両地域の武器・武具は当初は共通するが、紀元後1世紀から4世紀にかけて親縁度が低くなり、5世紀に再び接近し、6世紀にはまた親縁度が低下する状況がみてとれた。その背景として、5世紀に両地域の政治勢力間で、軍事的側面を含む相互交流がもっとも強まったという歴史的事情を推測した。最後に、両地域の武器の比較を象徴性や認知の側面から深化させ、組成の差、意匠の選択、形態パターンという、言説的なものから暗黙的なものにいたるさまざまな位相での差異が、全体として「地域色」と総称される器物の空間的な変異を構成していることを分析し、それが両地域間のアイデンティティの形成に重要な影響を与えた可能性を指摘した。
著者
許 南浩 阪口 政清 片岡 健
出版者
岡山大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

REIC/Dkk-3発現アデノウイルスベクター(Ad-REIC)のスキルス胃癌への適用スキルス胃癌は進行が早く腹膜やリンパ節に転移しやすい難治性のがんの一つである。現在、本がん種を標的とした有効な治療法がない。本年度では、Ad-REICのスキルス胃癌への有効性を検討する目的で、胃がん腹膜播種動物モデルを新規に開発した。Ad-REICを服腔内に投与したところ、胃がん細胞株の腹膜播種の有為な抑制が観察された。これは、Ad-REICの直接効果(がん細胞特異的細胞死誘導)とAd-REICにより誤標的された正常細胞を介した間接効果(正常細胞がIL-7を産生してNK細胞の活性化を誘導)によることが明らかとなった(論文準備中)。Ad-REICの改良Ad-REICによるアポトーシス誘導作用を高めるために、強力な遺伝子発現システムを独自に開発した。結果、従来のプロモーター(CAGやCMV)を用いた遺伝子発現システムに比較して顕著な遺伝子発現増強効果(各種遺伝子で、100倍から1000倍)が達成された。このシステムをAd-REICに組み込むことにより、現存のAd-REICを上回る治療効果が期待できる(論文準備中)。分泌REIC/Dkk-3タンパク質の機能の解明分泌型REIC/Dkk-3も免疫系を介した間接的抗腫瘍効果を示す。REIC/Dkk-3の発現組織と分泌されたREIC/Dkk-3を積極的に取り込む細胞の同定を行ったところ、分泌されたREIC/Dkk-3は末梢血単球の樹上細胞様細胞への分化・増殖を制御している可能性が示唆された。REIC/Dkk-3ノックアウトマウスの作製癌抑制遺伝子REIC/Dkk-3の主要ドメインであるEXON 5、6を全身性にノックアウトしたマウスの作成を行っていたが、2009年10月に、ホモノックアウトマウスの作成に成功した。
著者
合田 榮一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

肝細胞増殖因子(HGF)は肝細胞をはじめ様々な組織の上皮系細胞の増殖を促進し、組織再生に重要な役割を担っていることが知られている。本研究でヒト線維芽細胞におけるHGF産生が天然物であるニガウリ胎座抽出物、冬虫夏草抽出物及びポリミキシンBにより促進されること、その作用機序並びに活性成分の性状を明らかにした。また、ポリミキシンB投与によりラット血漿及び肝臓中のHGFレベルが増加した。
著者
阿部 康二
出版者
岡山大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、今日までその原因が充分には明らかにされていない進行性難治性筋疾患ある。ALS発症者の5-10%は遺伝性で(FALS)、1993年には細胞質内の活性酸素消去機構であるCu/ZnSOD(superoxide dismutase)遺伝子に点突然変異が見い出されてきて、これが一部のFALSの原因遺伝子であることが強く推定されるに至った。すでに以前の研究により日本人の家系を用いた予備的な研究によって2家系のCu/ZnSOD遺伝子に、症状の進行が極めて遅いなどの際立った臨床的特徴を持った新しい遺伝子変異(点突然変異)を見い出して報告している(H46R変異)。さらに本年度の研究により、もう5家系においても、白人家系にはまだ報告のないCu/ZnSOD遺伝子の5つの異なった異常を見い出した。異なった遺伝子変異は、それぞれに特徴的な臨床所見を示しており遺伝子変異と臨床的特徴の関連が注目される。さらにCu/ZnSOD遺伝子変異による蛋白チロシン残基のニトロ化が運動ニューロン死のメカニズムに深く関与していることを明らかにし、変異SOD導入マウスにおいて筋肉に大腸菌LacZ遺伝子を発現させることに成功したことは、本病の原因解明と治療法確立の足掛りとなり、本年度の当初目的は達成できたものと考えられる。
著者
Minami Haruo
出版者
岡山大学
雑誌
Mathematical journal of Okayama University (ISSN:00301566)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.177-186, 1995-12
著者
富岡 尚敬 安東 淳一
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

高温・高圧・高酸素分圧が惑星物質に与える鉱物学的影響を調べるため,石質隕石の高温酸化実験と衝撃回収実験を行った.この結果,1)鉄に富むカンラン石の酸化による超構造への相転移と赤外スペクトル変化との関連性,2)1万気圧程度の弱い衝撃の加熱においては,含水鉱物の脱水反応は顕著ではないこと,を明らかにした.また,石質隕石の主要鉱物である斜長石の静的圧縮実験を行い,3)斜長石の圧力誘起非晶質化は温度及び時間依存性を持つことを,明らかにした
著者
沈 建仁 神谷 信夫 梅名 泰史 川上 恵典 高坂 賢之 岩井 雅子 池内 昌彦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

光化学系II複合体(PSII)の構造制御機構を解明するため、各種低分子量サブユニット欠損株由来PSIIの構造・機能解析を行った。Ycf12(Psb30)欠損株由来PSIIの結晶構造解析によりその存在位置を確認し、PsbZ欠損株を用いた研究では、PsbZがPsbKとYcf12のPSIIへの結合に必要であることを示した。また、PsbMはPSII二量体の安定性を維持するのに必要であるが、PsbIは二量体の形成に必要であることを示した。