著者
滝沢 翼
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

片頭痛は若年者に好発する慢性頭痛疾患であり、有病率(約10%)、生活支障度ともに高い。片頭痛患者の一部ではストレス、生活習慣、天候の変化など何らかの頭痛発作の誘発因子を有している。本研究では片頭痛の誘発因子の実態について調査を行い、科学的な検討を試みる。最終的には片頭痛患者のQOL向上を目指す。
著者
西本 智実
出版者
慶應義塾大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 ムーンショット型研究開発事業
巻号頁・発行日
2020

2050年までに、月面・火星等の宇宙居住空間と地球を結ぶムーンショット音楽芸術祭を開催し、地球文化の普遍性を宇宙に響鳴させることを提案します。五感の境界、五感や身体の制約、生物種の境界、惑星間の境界を超越する感動芸術の共創で世界を牽引し、芸術文化による持続的な幸福実感社会を実現します。本調査研究では、有識者との議論、参加者が超越感動芸術を体感する機会等を通じ、2050年へのロードマップを描きます。
著者
馬渕 春菜
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

網膜色素変性症では進行性に重度の視力障害をきたしうるが、有効な治療法は確立されていない。本疾患では、光に暴露すると増悪しやすいことが知られているが、光による網膜障害のメカニズムには未だ不明の点が多い。そこで今回、光障害による視細胞死のメカニズムに関し、酸化ストレスの観点から研究した。そのために抗酸化剤であるルテインを投与した際の、光暴露による網膜障害の予防効果を解析した。
著者
中川 敦夫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

わが国での実施に適した新規認知行動療法プログラムである反芻焦点化認知行動療法(rumination-focused CBT: RFCBT)の実践を目的に、本研究ではRFCBT治療者用ハンドブックを作成し、パイロットケース(5例)としてRFCBTを行い、そのfeasibilityを確認した。さらに、原著者のEdward Watkins教授らのもと、面接音声ファイルを用いたスーパービジョンを受け、この経験を踏まえRFCBT治療者用ハンドブックの改良を図った。そして、うつ病に対するRFBCTの前後比較研究プロトコール(UMIN000037191)を作成し、実施した。
著者
山口 まり子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.65-85, 1997-03

(1) ミルの名辞論 : 指示(denotation)と含意(connotation)(2) ミルの本質命題,或いはverbal propositionsと定義についてJ.S. Mill's theory of meaning seems to be opposite to ones which leads us to philosophical solipcism. This can be seen apparently in his statement: 'What does any one's personal knowledge of things amount to, after subtracting all which he has acquired by means of the words of other people?' He insists, 'Names are names of things, not of our ideas of them'. According to him, terms can be devided into two types: nonconnotative names and connotative names. All names (terms) are names of something, i.e. denote something. A connotative term 'connotes', i.e. 'implies' or 'means' an attribute or a set of attributes of the thing denoted by the term, while he says that nonconnotative names have no connotation and therefore no meaning. For Mill, meaning of a term is its connotation, i.e. an attribute or a set of attributes of the thing denoted by the term, something objective, not something mental. I think we can say that Mill's intention in his System of Logic is to depsychologize the theory of meaning, though whether he has succeeded in it is problematic. In this paper, I would like to clarify his theory of meaning, in which 'denotation' and 'connotation' play important roles, and criticise it, sometimes referring to other philosophers like Husserl and Wittgenstein.
著者
徳川 博武
出版者
慶應義塾大学
巻号頁・発行日
1946

博士論文
著者
本田 賢也 KEARNEY SEAN
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2018-10-12

研究では、微生物叢-宿主相互作用の理解を加速・深化し、健康・医療技術を創出するために、以下の2つのプロジェクトを推進した。1)トリプシンを分解する細菌単離:腸管バリアに関する研究を推進する過程で、炎症性腸疾患患者の便中では、膵由来酵素であるトリプシンの濃度が健常人と比較して高いことを見出した。無菌マウスの便中トリプシン濃度も、SPFマウスと比較して高いことが明らかになった。即ち膵臓から分泌されたトリプシンは、通常小腸においてその役割を終えた後、回盲部の細菌によって分解される必要があるが、炎症性腸疾患ではそうした細菌種が減少して、分解されずに大腸に残存すると考えられた。本研究では、健常ボランティア由来の便サンプルから細菌株を分離培養し、トリプシン分解細菌をスクリーニングし、Paraprevotella claraに属する細菌株がトリプシン分解能がある事がわかった。さらに、同定分離した株をIL10欠損マウスに経口投与すると、腸炎発症を抑制する事がわかった。Paraprevotella claraに由来するトリプシン分解プロテアーゼを同定するため、P. claraのゲノム配列のマイニング、P. claraの発現ライブラリーの作製、P. claraのmutant株の作製を行った。2) 長寿と腸内細菌との関係を調べる目的で慶應義塾大学・百寿総合研究センターと協力し、100名を超える百寿者の腸内細菌叢についてメタゲノムシークエンシングと胆汁酸組成解析を行った。コントロールとしての平均80才前後の高齢者の便サンプルを用いた。百寿者は3-oxo-LCAやallo-iso-LCAといった特殊な胆汁酸を代謝合成する細菌種が多く存在する事がわかった。そこで、3-oxo-LCAやallo-iso-LCAという百寿者に特徴的な胆汁酸代謝胆汁酸代謝を司る細菌株の同定を試み、候補細菌の同定に成功した。
著者
中村 雅也 戸山 芳昭 石井 賢
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

損傷脊髄に対する神経幹細胞移植とC-ABCの併用損傷部脊髄内にはコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)が発現し軸索再生を阻害することが知られている。そこで、損傷脊髄に対する神経幹細胞移植にCSPGを分解するChondroitinaseABC(C-ABC)を併用した。損傷脊髄内のCSPGは正常脊髄レベルまで分解され、移植細胞はグリア瘢痕を越えて広範囲に移動し、旺盛な再生軸索が損傷部にみられた。Bio-imagingを用いた損傷脊髄に対する神経幹細胞移植時期の検討損傷脊髄に対する神経幹細胞移植の至適時期を検討するために、bioluminescence imaging system(BLI)を用いて移植神経幹細胞の経時的動態(生存率、体内動態など)を評価した結果、損傷脊髄に対する神経幹細胞移植は損傷後急性期よりも亜急性期のほうが適していると考えられた。自家組織由来神経幹細胞の培養の確立損傷した中枢神経組織に対する神経幹細胞や胚性幹細胞を用いた細胞移植治療の有用性が報告されているが、倫理的問題のため臨床応用には至っていない。そこで、自家組織成体幹細胞である神経堤幹細胞に着目して、その局在と特性を明らかにした。今回の解析より、神経堤幹細胞は胚葉を超えて各組織に成体になってからも潜伏していることが明らかとなり、従来の報告では胚葉転換によると考えられていた骨髄などの組織幹細胞が、実は神経堤に由来していることが示唆された。腫経幹細胞移植による運動機能回復メカニズムの検討損傷脊髄に対する神経幹細胞移植による機能回復メカニズムを明らかにするために移植後生着した細胞のみに特異的細胞死を誘導する方法を確立した。その結果、神経幹細胞移植によってもたらされる機能回復は液性因子によるもののみではなく、移植細胞が神経回路網に組み込まれている可能性が示唆された。
著者
清水 竜瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.p67-96, 1993-10

ヨーロッパの国々は,現在,景気後退と失業率の上昇に悩んでいる。通貨調整の失敗,消費の低迷,東欧などからの移民の増大がその原因と考えられている。ヨーロッパの経営者は,日本の現在の不況について熟知しているが,それでも貿易黒字1500億ドル,失業率2.5%,勤労意欲の高い労働者の存在に深い関心をもっている。日本の市場は,巷間言われているように閉鎖されていず,経済的,制度的には完全に開放されている,と考えている。ただ文化的,心理的に開放されていないという。ヨーロッパの経営者は,市場・技術動向について長期的に予測して,その経営戦略をたて成功しているようである。ただ日本の市場開放については,それに対する長期的視野が欠け,日本市場への参入に戸迷っている。建設会社の指名入札制度は工事の公平な配分と工事の品質という二つを保証する制度である。現物の所長,職人などの人心の機微についてのノウハウが利益の源泉である。外国人単純労働者でもまじめに働く人間は雇用してもいいのではないか。海外施工について設計から施工まで一貫した体制をもっている(東急建設)。企業の目的は,株主,顧客,従業員の3者を満足させることだが出発点はやはり株主である。日本市場は経済的には完全に開放されている。ただ文化的バリアーがある。これらは,日本人が日本国内の供給者から買いたがる傾向に現れる(ユニリーバ)。これからの通信革命は強力なPCを結びつけたネットワークの構築が中心になる。そのためのソフト開発では日独は米に大きく引きはなされている。日本市場に進出するには長期的な日本語教育が必要。日本の参入障壁にはメンタルなものが大きい。欧州の自動車部品メーカーが日本の部品メーカーと同品質,低価格のものを提供しても,日本の自動車メーカーは買わない(ドイツ銀行)。ロシアのアルミニウムの無秩序な輸出,欧州通貨の混乱,家計消費のマイナス成長などのマクロ経済的問題が経営上の最大の問題となる。日本はヨーロッパに余り関心がない。欧州の対外赤字は米国のそれよりも大きいし,失業率も高い。日米2国間交渉でもなく,GATTの成功に力を入れるべきである(ペシネ)。ぜいたく品を買う富豪が少なくなり中産階級の所得がふえた。彼等に買わせるために,大衆消費財まで,ぜいたく品と同じデザインにした。ぜいたく品と大衆品のデザインの差がなくなり,売れなくなった。対処策としてぜいたく品の品質アップとラコスタと組んだ大量生産品の製造・販売に力を入れる。自分の家が建てられなくても一生けんめい働く,日本人が羨しい。フランスでは社会保障がよすぎるから失業率が高くなる(ジャン・パトゥ)。出版を輸送関係,社会関係の雑誌から年金,税金,会社法などの分野に多角し,さらにそれらをCD-Romに変える。市場拡大と技術革新とを同時に行っている。これらを弁護士,中小企業オーナーなど,個人向けにし,彼等に利用しやすいようにデータバンクをつくっている(ラミー)。人間的側面が重要。経営者能力で最も重要なものは,相手の立場にたってものを考える能力。独学の人にはこれが欠けるので,アメリカでは成功するかもしれないがフランスでは成功しない。グラン・デコールなど正規の教育機関出身者が非常に少ないので,ヘッドハンティング重要な仕事になる。59歳で経営者を採用するのは遅くない。彼等は,先がないから大胆な仕事ができる(ジュウヴ・エ・アソシエ)。
著者
根岸 毅
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.11-34, 1997-02-28

奈良和重教授退職記念号一 規範的な議論の特徴二 規範的な議論の構成要素 A 個人の思考の局面 ・価値意識の源泉 ・評価の基礎となる思考方法 ・目的の実現と問題解決 B 集団の規準への転化の局面 ・他者の説得 ・政府による行動規制の提案三 規範的な議論の必要性 ・社会科学における「科学崇拝」がもたらしたもの ・問題解決に対する学問の手引きの必要性 ・規範的な議論の必要性と限界四 規範的な議論から問題解決のための議論へ五 放送制度の分析視角 A 放送制度の目的 ・法解釈の一般的な問題点 ・表現の自由 B 手段としての放送制度 ・「未成熟な基本権」論と経済学の貢献 ・番組編成の「政治的公平性」
著者
石川 透
出版者
慶應義塾大学
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.403-438, 1992-03-31

資料紹介
著者
石川 透
出版者
慶應義塾大学
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.233-275, 1991-03-31

資料紹介
著者
松田 美和子 鈴木 恵美子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

ヒトが生まれつき体内でビタミンCを合成できない体内状態を模倣するため、ビタミンC生合成能を失ったGNL/SMP30ノックアウトマウスを用いた。ビタミンC欠乏が不安症・うつ病の誘発リスクとなる可能性を検証した。心の病に影響する成育環境に着目し、仲間が常に同じ安定群または仲間がたえず入れ替わる不安定群を比較した。ビタミンC欠乏では、ビタミンCを十分与えた期間に比べて、不安様行動とうつ様行動が悪化した。社会的安定群は新規ストレッサーに脆弱であり雄で顕著だった。社会的不安定群は血中グルタチオン濃度が有為に低かった。本研究の結果から、ビタミンCは精神疾患の予防に重要であることが示唆された。
著者
清水 竜瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.p98-141, 1992-06

大企業経営者に,その企業のもつ問題点,それに対する対処策ないし戦略,それを支える人間の組織,人間の評価についてインタビュー・サーベイを行った。問題点としては組織の硬直化が最も多い。創業時代のイメージを持ち続けたままの大規模化(セゾン),過度の堅実経営による大企業病(八十二銀行),図面通りつくるまじめ体質からの硬直化(日本エアブレーキ),旧い枠をたえず崩す必要のある体質(三菱油化),生産続行しながらの工場移転(三菱製鋼),モノカルチュアによる利益の不安定性(三井製糖),リストラのための就職斡旋(三菱マテリアル)など。対処策ないし戦略としては,トップの果敢な意思決定,研究開発の強化,多角化などがある。みんなが反対のときゴー(三菱油化),60%賛成があれぼゴー(三井製糖),経営者の体臭を企業文化に浸透(セゾン),社長の研究現場まわり(日本新薬),制御技術を応用した多角化(日本エアブレーキ),地域密着型の販売系列会社を使った多角化(井関農機),自社の力の限界を前提とした多店舗展開(ユニー),東京の一極集中を県の活性化に積極的活用(埼玉県),現場職長クラスのノウハウの活用(三菱製鋼),孫下請会社の積極的協力(島津製作所)など。人間の組織,人間の評価については業績主義・能力主義を主張するものが多い。人事評価の基準は環境と企業の関数であって変化する(セゾン),人事評価基準は業績プラス能力(三菱マデリアル),人事評価基準は業績プラスプロセス(八十二銀行),不適材不適所の配置による人材育成(八十二銀行),東南アジア出身のドクター採用による活性化(太陽化学),従業員持株制度の強化による不満解消(東洋水産)など。
著者
有馬 成甫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.181-216, 1933-05

一 鐵砲の初傅來二 異説の一, メンデス・ピントの記事三 異説その二, 雜説四 異説その三, 長沼賢海博士の説五 異説その四, シャビエルと鐵砲六 異説その五, 大友宗麟と鐵砲