著者
坂口 昂吉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.141-143, 2006-06

研究余滴
著者
白石 孝
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.27-44, 1997-12-25

本稿は,昭和7年に,現在の日本橋堀留町1丁目となった江戸から明治・大正・昭和にかけての古い町,新材木町の商業史視点にたつ歴史的素描である。すでにこの隣の町,新乗物町(同じ現堀留町1丁目)については,本誌40巻4号に記載してあるが,いずれも,拙著の「日本橋界隈の問屋と街」の延長線上にある研究覚書である。「新材木町」の町名由来記から始まり,江戸時代におけるこの町の特色を,堀留川と椙森稲荷神社の存在から把えてみた。東堀留川に沿った細長いこの町は,竹木薪炭・米の集散地として賑わったが,本稿では同じ堀留川に接する堀江町と比較して,ロケーションがもたらす町の商業活動の相異に着目する。一方,新材木町の東側は椙森稲荷神社があり,下水石新道がある坂道のような裏通りであったために,このあたりの様相は河岸側とは違うということをみて,新材木町はいわば相異なる二面性を持つ町であったことを指摘する。次いで明治期に入って,どのような店がこの町に生れたか,特に洋反物問屋の繁栄がこの町にもたらした影響と町の様相をみる。織物問屋が増え,なかでも杉村甚兵衛がここに大きな拠点を持つに至ったこと,堀留町2丁目の前川太郎兵衛・薩摩治兵衛のような金巾木綿問屋,日比谷平左衛門のような洋糸問屋の発展との関係でこの町をみ,同時にこの町の東側の裏通りに群生する店々にふれ,新しい町の二面性を明らかにする。またこの町と当時の成長品モスリンとの関係に論及する。こうした織物の発展にともない,新材木町も,多くの織物問屋が生れたが,それは人形町通り界隈の織物問屋街化と軌を一にするものといってよい。新材木町もこの観点から把えられるが,同時に,この町のもつ裏通りの店々をみるとき,人形町通り界隈にとっての生活同心円を形づくる町だったといえるのである。これを各町の生活関連商い業種別店数で明らかにしておいた。
出版者
慶應義塾大学
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.359-368, 1993-12-31

松本隆信名誉教授追悼記念論集
著者
千葉 恵
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.19-45, 1982

In the first book of Physics, which is said to belong to his early Academia period, Aristotle investigates the principles of change in general - matter, privation and form. The most important of his discoveries in that book is, it seems, the concept of matter analysed in terms of the underlying thing (substratum) of change; the thing underlying is the terminus a quo and the thing constituted is the terminus ad quem of change. The relation of both termini consists in the fact that matter is the proximate cause of the thing constituted, such as bronze becoming a statue and wood becoming a bed, so that an analogy is found in the relation between the matter qua terminus a quo and the thing constituted qua terminus ad quem as between bronze and statue, wood and bed, and so on. It follows that Aristotle devised at first the concept of matter in relation to the thing constituted, not in relation to the formal cause as seen in later writings, for matter is consistently. in Physics, A the proximate cause of the thing constituted, and not in such a way that prime matter is claimed to be the ultimate cause of all things as many commentators interpret the text.
著者
前田 富士男
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究の根本的な課題は、「歴史記述(Histriographie)」の現代的可能性の追究にある。具体的には4つの研究課題を提起した。すなわち、アナクロニズム論、ハプティク(内触覚)問題、モニスムス的自然観、グノーシス的存在論である。2018年度は、10月から、5件の研究会・シンポジウム参加、講演を行った。年度当初より、そのための一次資料ならびに研究史の収集と把握を目指し、また2019年2月には、私費(助成費年度予算執行済みのため)にてドイツ・ミュンヘンの美術史中央研究所、またヴァイマルのゲーテ・シラー・アルヒーフほかで、資料調査を行った。ほかに年度当初から秋季にかけて、申請者の研究の今後のオープンな状況の基盤をなすドイツ語論文を作成した。上記5件の研究会・講演とは、アナクロニズムに関して1.「近代美術における<旅>の非・神話化」(慶應義塾大学アート・センター、2018年10月、慶大)、モニスムス的自然科学に関して2.「建築の時間と彫刻の物語――美術の歴史とゲーテ」(ゲーテ自然科学の集い、同11月、慶大)、および3.「ゲーテの鉱物学と C.G.カールスの地景画」(形の文化会、同11月、秋田大)、4.「大地(Land)の芸術学」(慶應義塾大学教養研究センター、2019年1月、慶大)、そしてグノーシスとプロテスタンティズムに関して5.「20世紀美術のモダニズムとエキュメニズム」(明治学院大学言語文化研究所、2018年12月、明学大)である。助成費のもとで、順調に多くの成果をあげることができた。とくに上記5のモダニズム美術とプロテスタンティズムに関する講演と論文(2019年3月)は、わが国ではほとんど着手されてこなかった問題圏の追究を開拓する貢献となった。
著者
岩井 大慧
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.283-291, 1935-08
著者
松本 信廣
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.111-132, 1936-05
著者
高宮 利行 松田 隆美 アーマー アンドルー 鷲見 洋一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

西洋中世写本及び初期印刷本のデジタル撮影をするにあたって、研究素材への物理的負担を最小限にとどめさらに短時間で高精細の全ページデジタル・ファクシミリを製作するための撮影環境を整備するために、独自のデザインによる専用撮影架台を制作し、撮影対象ページの平面性やサイズの同一性の確保のために実験を重ね、短時間で均質な高精細画像の取得が可能となった。その環境で通常のアナログカメラ(4×5及び6×7)と2048×2048pixelの画像の撮影が可能なSHD View-2デジタルカメラ(NTT/オリンパス製)の両方を用いて、稀覯書のデジタル化作業を進めた。その結果、慶應義塾大学内はもとより、海外の大学や研究期間との国際的協力のもとに、2年間で「グーテンベルク聖書」(慶應義塾大学所蔵、マインツ市、グーテンベルク博物館所蔵、英国図書館所蔵)、チェーザレ・リーパ『イコノロジーア』全5巻(1764-67)、西洋中世写本零葉コレクション、15世紀の時祷書写本(以上、慶應義塾図書館所蔵)などをデジタル撮影して、その経過をウェブサイト(http://www.humi.keio.ac.jp)やCD-ROMで公開した。またネットワーク上でデジタル画像を用いて書物文化研究を遂行するための研究環境の整備につとめ、オンライン比較校合、初期印刷本へのOCRの応用、画像のデータベースのキーワード検索、画像比較のための部分拡大などの実験を、ケンブリッジ大学などの協力を得ておこなった。デジタル撮影、デジタル画像のデータベース化、ネットワークを介した公開、ネットワークを利用した研究環境の構築をひとつの流れとして確立し、その環境の物で各研究分担者及び研究協力者は、初期印刷本の印刷行程に関する書誌学的研究、写本および初期印刷本におけるテクストと挿絵の相互作用に関する研究、デジタル撮影美術のさらなる改良などの個別研究を推進した。
著者
国枝 悦夫 斉藤 秀敏 川口 修
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本補助金により、M.Cristyらの楕円による人体数式ファントム(成人男性胸部を単純化し、肺内中央部に直径2.0cmの球体を孤立性肺癌(GTV)として挿入したモデル)に基づいて、胸部の人体構造を模したファントムを作成した。X線をコリメータにより直径3cm程度に絞り、細ビームとし、このファントムに照射するというEGS4モンテカルロコードを使用した解析をおこなったところ比較的低いエネルギーの場合、ビーム軸に垂直方向、水平方向とも平坦性がよかった。一方、不均一部分の影響から、これまでの放射線治療で使われている、高エネルギーX線では、腫瘍と肺組織の境界面でなだらかな勾配が生じ、標的体積内での均一性が損なわれる傾向にあった。標的体積の中心点の線量で正規化した場合、エネルギーが小さいほどGTV内の均一性は高く、平均線量は100%に近くなる。さらに、CTV内の肺組織(sub-clinicalな浸潤)に対しても均等な照射が可能である。14年度は既存のヘリカル式高速CT撮影装置を改良した。実際に企業との共同研究で設置した実験用CT装置で、X線をコリメータにより細ビームとし照射が可能となった。実測で、線量計および測定用フィルムで基礎データを取得した。また、呼吸移動を模擬するため、前年度に作成した人体型ファントムを3軸方向に周期的に移動させる装置を作成し通常の呼吸状態での照射した場合のデータも取得した。前年の線量分布、コンピュータ・シミュレーションのデータを総合的に解析し、さらに実際の治療条件に近い形で基礎データ測定と、動物実験などを進めた。なお、コンピュータ・シミュレーションと線量計算に関しては、当初の計画の予定外ではあるが、さらに進んで将来の研究計画に必要な、ネットワークを介したスパーコンピュータ利用を計画し、基礎的な検討をおこなった。これらの成果の一部はすでに発表し、論文としており、さらに投稿中である。
著者
矢可部 軍司
出版者
慶應義塾大学
巻号頁・発行日
1943

博士論文
著者
岡 朋治 竹川 俊也 西山 正吾 野村 真理子 浅山 信一郎 松本 浩典
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究課題は、銀河系(天の川銀河)中に1億個以上浮遊すると考えられる「見えない」ブラックホール、および銀河中心に遍く存在すると考えられる「超巨大ブラックホール」の種となる「中質量ブラックホール」を、星間空間に広がる分子ガスの分布・運動の情報を使用する全く新しい手法によってくまなく検出しようとするものです。この研究によって、銀河系内のブラックホールの空間・質量分布が明らかにされます。これからブラックホールの合体・成長の様子を把握することができ、これを礎にして「ブラックホール天文学」が創始されることが期待されます。
著者
石井 裕正
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田評論 (ISSN:1343618X)
巻号頁・発行日
vol.1038, 2001-08-01
著者
石井 貫太郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.327-340, 1995-11-28

松本三郎教授退職記念号一 問題の所在二 現代政治学の再構成三 現代政治学の課題
著者
高橋 美樹
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.p49-60, 1992-12

本稿では取引コスト・モデル(経済学)を応用して,「ネットワーク型産業組織・企業間関係」の下での「中小企業問題」を論じる。中小企業による「戦略的提携」あるいは,その全体像としての「ネットワーク型産業組織・企業間関係」というときには,中小企業全般の研究開発力・マーケティング力・経営管理力の向上や,新しい企業間関係が積極的に評価される。しかしながら,「ネットワーク型産業組織・企業間関係」の下での「中小企業問題」の解明は,十分になされているとはいえない。そこで,ここでは,上に述べたような「積極評価」と「問題性」との双方を視野にいれた新しい分析を試みる。そして,中小企業分野を中心に,「技術の専有可能性」(技術の模倣されにくさ)と「補完資産」(開発技術・製品から利益を得るために必要な,補完的製造技術,販売網など)という2つの概念を用いて,イノベーションと企業間関係の関連を分析し,結論として,「ネットワーク型産業組織・企業間関係」の下でも「問題」が無くなったわけではなく,「新しい」問題,すなわち「技術取り引き」に関わる問題が生じうることを示し,今後,予想される傾向として,次の諸点を示す。(1)中小企業経営戦略の一貫として,「技術の専有可能性」を高める戦略,すなわち他企業の追随を許さないような「ダントツ技術」の開発戦略や知的財産権・特許管理戦略がますます重要になる。(2)中小企業分野でも,「技術取引の適正化」という(独占禁止政策上の)課題の重要性が高まる。(3)「ネットワーク型産業組織・企業間関係」の下での「企業規模間格差」問題というときも,「企業規模」の基準は単なる従業員や資本金の大きさではない。従業員や資本金の大きさは,本稿で考察してきた「技術の専有可能性」向上や「補完資産」獲得の上での有利・不利を左右して初めて意味を持つ。
著者
森本 六爾
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.39-67, 1927-03
著者
尾崎 康
出版者
慶應義塾大学
雑誌
斯道文庫論集 (ISSN:05597927)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.419-441, 1965-03-30