- 著者
 
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             中条 潮
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 慶應義塾大学
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 三田商学研究 (ISSN:0544571X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.43, no.3, pp.89-109, 2000-08-25 
 
          
          
          
        
        
        
        競争が有効に機能するためには,単純に規制撤廃だけを行えばよいわけではなく,競争を阻害する要因を除去するように競争政策を運用していかなければならない。本稿では,そのうちの重要な2つの要因であるエッセンシャル・ファシリティの配分方法と,補助金の配分方法について議論し,前者については混雑空港における発着枠の配分方法のありかたを,後者については不採算路線の補助制度のありかたを例にあげて検討した。まず,スロット配分ルールについては,均等配分ないし抽選制,点数評価制,運賃による競争入札,付け値競争入札に分けて,これら配分方式の優劣を議論した結果,透明性の確保と合理性の点で競争入札方式が望ましいとの結論を得た。また,補助制度についても,補助金に関して競争入札制をとることが,補助の目的を満たしながら,経営効率を維持する方法として望ましいとの結論を得た。