著者
伊藤 一秀 八木 久晴 山口 一 西川 和男 林 徹夫
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.134, pp.21-29, 2008-05-05
被引用文献数
2

本研究は、気中に放出された負イオンならびに正イオンの移流・拡散性状、固体壁面に対する沈着現象、正負イオンの再結合現象等の物理化学現象に着目し、その工学的モデリングと支配パラメータの推定を行うと共に、実空間に適用可能なイオン濃度分布の予測法を開発することに主眼がある。本報(第1報)ではCFDをベースとしたイオン濃度予測モデルの概要を示すと共に、特に、イオンの不均一密度分布に起因する体積力の程度、壁面沈着モデル、再結合モデルといった各モデルの適用が負イオンの濃度分布予測結果に与える影響に関して、2次元居室モデルを対象として検討した結果を報告する。
著者
斎藤 隆雄 五町 善雄 中原 信生 蜂須賀 舜治 佐藤 浩 井内 松三郎
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.67-76, 1980-06-25

無風時における自然通風冷却塔の塔内気流について模型実験を行った.模型の高さは800mm,底部と頂部での直径は,それぞれ672mmと424mmである.熱交換部は電気ヒータによって模擬し,気流への通風抵抗はグラスウールフィルタによって与えた.煙による塔内気流の観察と,頂部吐出し口における速度と温度の分布の測定を行い,発熱量・通風抵抗・空気取入れ口の大きさなどが,塔内気流に及ぼす影響について調べた.
著者
鳥海 吉弘 倉渕 隆 嵐口 晃宏 今野 雅 鎌田 元康 水谷 泰三
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.91, pp.11-19, 2003-10-25
被引用文献数
1

本研究は,風圧係数と気象データから算出した建物外壁に作用する風圧力の発生頻度と,換気回路網計算を組み合わせて,機械換気を行う居室の換気量充足度予測を行ったものである。前報ではセンターコア型超高層集合住宅を対象とし,新鮮外気量のみについて検討した。本報では片廊下型高層集合住宅を対象とし,評価法に実効換気による換気回数およびホルムアルデヒド濃度評価を加え,多数室における換気性状を評価した。その結果,ホルムアルデヒド濃度に関する換気性状は新鮮外気による換気回数と関係が深いことが確認されたため,"給気専用ダクト"の設置を想定したところ,換気性状および換気量充足度の改善が確認された。
著者
小林 光 加藤 信介 村上 周三
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.68, pp.29-36, 1998-01-25
被引用文献数
11

居室の空気環境の設計は,室内が完全混合の状態にあると仮定して行うことが一般的である.しかしこの仮定を用いると,居住域空調などのように室内局所の環境を合理的に制御することは難しくなる.本研究は,気流分布,温度分布性状を中心とする室内の熱・空気環境場形成に作用する各種要因が室内環境場に寄与する程度と範囲を評価し,これにより合理的な環境制御を可能とすることを目的とする.本稿においては,筆者らが以前提案した換気効率指標(SVE:Scale for Ventilation Efficiency)第1,2,3に加えて,第4,5を定義し,CFDに基づく算出法を提案する.これは,室内の空気環境を制御する際に最も有効な制御要因である,吹出し・吸込み口の室内環境形成に対する寄与を評価するものである.また同じくSVE 6を定義し,CFDに基づく算出法を提案する.これは室内各点の空気が排出されるまでの時間(空気余命)を評価するものである.これらの指標を用いて換気性状の異なる二つの機械換気室の評価を行い,その有用性を確認する.
著者
村上 周三 加藤 信介
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.91-102, 1986-10-25
被引用文献数
30

室内における汚染質の拡散性状を基礎とする3種の新たな換気効率の指標を定義する.これは,(1)各場所で汚染質が発生したと仮定した場合の室内平均濃度,(2)同じく,汚染質が発生したと仮定した場合の平均拡散半径,および(3)吹出し空気の平均到達時間,である.これらを用いて,実在のクリーンルーム内の換気特性を考察する.換気効率指標の分布は,(1)吹出し口・吸込み口などを変化させた場合の気流分布の変化による換気効率特性の変化を効果的に示す,(2)室内汚染源の発生位置の変化が室内の清浄度に与える影響を直接的に示す,(3)清浄空気到達の程度を具体的に表す,などの特徴を有し,室内の換気設計を行う際の指標として有用なことが示される.
著者
永田 明寛 石野 久彌 郡 公子 長井 達夫 相賀 洋
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
学術講演会論文集
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.513-516, 2004-08-20

The underground open space in OASIS 21 is a semi-outdoor space. It has a glass roof with a pond but has no wall above ground. Therefore its environment is strongly influenced by the natural wind. In this study, ultrasonic anemometers are placed above the glass roof and in the underground space to measure wind speed and direction. The vertical velocity distribution in the underground space and the wind speed and direction of underground pathways are also measured.
著者
村川 三郎 飯尾 昭彦 佐藤 光男 田辺 邦昭
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.31, pp.45-58, 1986-06-25
被引用文献数
1

本研究は,各種建物の使用水量を精度よく推定するため,幾つかの水使用要因を考慮した多元的な予測式の導出を目的としており,その第2報として,ホテル・旅館を対象に論述している.すなわち前報と同様に,全国の主要9都市で実施した水使用アンケート調査を基に,建物の諸特性・使用水量の関連分析により得た回帰式および建物管理者の水使用意識・節水対策の実状を示すとともに,建物特性・水使用意識・使用水量をアイテム・カテゴリーにとり,数量化理論第III類によって相互の関連を分析している.使用水量の予測は重回帰分析によって検討し,延べ床面積・従業員・宿泊可能人員あたりの使用水量を3〜4個の変数で説明する重回帰式を提案した.
著者
一瀬 茂弘 相良 和伸 石川 幸雄 小林 利文 深谷 [ゲン]三郎 河上 郁哉
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.100, pp.27-37, 2005-07-05
被引用文献数
3

室内環境を良好に保つために,ビル管法をはじめ各法規に室内環境基準が定められている。しかし冬期において実施される室内環境調査では,相対湿度の基準を満たすことができない建物が非常に多く見られるので,原因を究明し対策を講ずることは急務である。本研究では,冬期における事務室内の湿度環境の改善を念頭に中部地方の事務所ビル69箇所を対象に調査を行い,相対湿度低下の要因分析を行った。また,既往加湿器と比較して加湿効率が良い産業用加湿器である二流体ノズルを空調用加湿器として開発し,事務所ビルに導入することによって,大幅な湿度環境の改善が確認できた。
著者
岩渕 善美 東野 達 仁井本 貴庸 笠原 三紀夫
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.88, pp.13-23, 2003-01-25
被引用文献数
4

本論文では,一般廃棄物処理・処分の広域化による環境負荷量を定量的に把握することを目的に,自治体が個別に一般廃棄物の処理・処分を行った場合と,広域化し全地域を一つとして処理・処分を行った場合のシナリオについて,ごみの排出から収集運搬,中間処理,最終処分までを比較の対象範囲とし,各段階における,投入資材,製造・建設及び運用エネルギー消費量,CO_2排出量,NOx排出量,SOx排出量のインベントリ分析を行い,検討する.広域化処理の時は発電を行うことにより,一般廃棄物処理・処分のエネルギー・環境負荷量の削減効果があることが明らかになった.