著者
佐川 馨
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:13485288)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.63-71, 2011-03

This paper takes up the two songs of the Prefecture-"Song of the People of Akita Prefecture" and "Song of the People of the Prefecture"一and aims, in its first part, to deal with the history leading up to the establishment of the 80-year-old "Song of the People of Akita Prefecture" in the back drop of the first half of the Showa Era(1926-1989), in an effort to clarify the relationship between the establishment of the prefectural songs and the development of education in the local area. The following is a summary of the results of this research.1. Between the time that words for the prefectural songs were elicited from the public for entry into competition and the time that decisions on the selection and establishment of the songs were made, there was only a short span of time, which was a rare case as a project by a municipality.2. Tokyo Music School, which was entrusted with the composition of the music for the songs, spent only 9 days from the receipt of the request to the selection and revision of words, to the composition of music and to the dispatch of its products.3. The words selected for the songs shared common features in that they all incorporated the nature, the industry and the history, along with the various achievements by forerunners in the area-which has traces of influence from "songs of geography and history."4. The governor of the prefecture at the time of the establishment of the prefectural songs was Hiroki Hiekata, whose previous job was the head of the Department of Internal Affairs at Kanagawa Prefectural Government and from this fact it is very likely that he arranged the establishment of the prefectural songs for Akita modeling after his pilot project of establishing a prefectural song for Kanagawa Prefecture.5. The local education in Akita Prefecture in the early years of the Showa Era owes a great deal to Michitoshi Odauchi, a native of Akita City, to say nothing of the prefecture's pioneer efforts of various kinds and thus, the "Song of the People of Akita Prefecture" was born out of the prefecture's policies toward education and enlightenment of its people as well as the successful development of education in the local community.
著者
立花 希一
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 人文科学・社会科学 (ISSN:1348527X)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.57-66, 2012-03

There were two psychologists, Karl Buhler and Alfred Adler, who had taught Popper. Popper rarely confessed his intellectual debt, but he exceptionally said that he owed to Karl Buhler. On the other hand, Popper condemned Adler's Individual Psychology as a pseudo-science. However, as we read Adler, we are surprised to find that Popper was greatly influenced by Adler in various points such as the logic of social situation, optimism, the regulative idea of the absolute truth, the view of science as modified commonsense and so on. Popper accepted Buhler's psychology of learning. Viewing from these contexts, it seems to us that Popper's thought was not original at all. However Popper changed the psychology of learning into the logic of scientific learning and proposed falsificationist methodology of science. His originality is found in this point.
著者
兒玉 英也 篠原 ひとみ 志賀 くに子 渡邊 美奈子
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

妊娠末期の妊婦の定常状態の自律神経活動と妊婦のQOL(睡眠、メンタルヘルス、疲労感)との関係を調査したパイロットスタディの結果、睡眠の満足度と有意な関係が認められた。そこで160例の妊婦を対象とし、睡眠障害と安静時の心拍変動との関係を調査したところ、習慣的にいびきをかく妊婦の自律神経活動は交感神経優位にあると考えられた。64例の妊婦の夜間の動脈血酸素飽和度のモニタリングを行い心拍変動との関係を調査したところ、夜間に重度の低酸素症を経験した妊婦において副交感神経活動の減弱が認められた。妊婦の自律神経活動には潜在的な睡眠時無呼吸の影響が考えられ、看護介入を考慮する場合には考慮する必要がある。
著者
佐川 馨
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:13485288)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.93-102, 2007-03

The purpose of this research was to investigate the transition of "Japanese Music" in the "Course of Study for Music". This paper analyzed how the Course of Study had been revised between the tentative plan in 1947 and the revised one for high school in 1960. This research presented two findings. First, "Japanese Music" had been incorporated since the tentative plan in 1947. Second, every time the Course of Study was revised, the importance of learning "Japanese music" was emphasized, which led to the development of the common teaching materials and the publication of relevant guide books. However, if the teachers themselves do not appreciate "Japanese Music" , the teaching of "Japanese Music will be neither developed nor matured. It is important to reconfirm the idea and the meaning of the teaching of the other areas of music education as well as the teaching of "Japanese Music".
著者
篠原 ひとみ 兒玉 英也 吉田 倫子 成田 好美
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.9-15, 2008-10

乳児期の夜泣きに関して母親211人に対しアンケート調査を行い, 児の夜泣き経験をもつとの回答のあった64人を対象として, 本研究では夜泣きの重症度に関わる要因を検討した. 夜泣きの重症度を測る尺度として「一週間の夜泣きの総時間数」を設定した. 夜泣きの重症度は, 平均6.8±10.1時間(0.09〜42.0時間) で, 10時間を越えると, 母親の「寝不足感が常にある」, 「疲労感が常にある」との回答が多くみられた. 夜泣きの重症度は出生体重と関連があり, 10時間を越える児の出生体重は有意に少なかった(p<0.05). また, 10時間を越える児では, 日中に30分以上持続する泣きがみられる頻度の高い傾向があり(p=0.08), 昼寝の回数が有意に少なかった(p<0.01). 本研究から, 夜泣きの重症度が10時間を越える場合は, 何らかの看護介入を考慮する必要があると思われる. 夜泣きの重症度は児の出生体重や日中の睡眠パターンとの関連が認められる.
著者
天野 恵美子
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

海外市場において広く受け入れられ、各国固有の食文化との相互作用の中で独自の変容を遂げてきた日本食の「普及と現地食文化との融合過程」を明らかにするため、1980年代から北米および中国市場で事業を行ってきた複数の食品企業のマーケティングについて文献調査および現地ヒアリング調査を行った。市場参入に際して、現地市場(生活習慣や商慣習等)に精通している事業者と共同でマ十ケティング活動を行い、製品開発・販売段階においては現地の食嗜好や食習慣を調査し、現地消費者に受容されるよう適応化(マーケティング戦略の変更・修正)努力を行っていた。また市場開拓・普及期においては、「異文化・外来食」として知られていない食品そのものの認知度を高める地道なプロモーション活動や調理方法などについての啓蒙活動など、新規市場参入ゆえに必要となるマーケティング努力もあった。注目すべきは、食品企業が市場拡大を見据えて、「外来食」に対して先入観のない子ども世代の味覚形成にはたらきかけ、「次世代の顧客獲得」を目指すマーケティング活動を積極的に展開してきたことであり、日本食を提供する従来型の飲食店だけではなく、海外出店を加速させてきたコンビニエンスストア(CVS)が、日本の食(おにぎり、弁当、寿司、おでん等)を紹介する有力なチャネルとして現地に定着し、日本食普及の1大拠点となってきているということである。こうしたマーケティング手法やCVSの動向については、今後も継続的に検証・分析していく必要がある。以上、文化伝播・交流経路としての食品企業のマーケティング研究を通じて、食の異文化接触と受容、普及にともなって生ずる現地食文化との融合、現地食文化の変容という国際化時代の食の今日的位相を検証した。
著者
佐藤 一幸
出版者
秋田大学
雑誌
秋大史学 (ISSN:0386894X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.55-68, 1991-02
著者
妹尾 春樹 佐藤 岳哉 今井 克幸 佐藤 充
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

北緯80度に位置するスバルバール群島(ノルウエー領)にて、知事の許可を得て、以下の哺乳類および鳥類を捕獲して肝臓を、高速液クロによるビタミンAの分析、および形態学的手法(塩化金法、ビタミンAの自家蛍光観察のための蛍光顕微鏡、透過型電顕、石井-石井鍍銀法、アザン染色、HE染色、Sudan III脂肪染色)によって解析した。捕獲した哺乳類は北極グマ(3頭)、北極キツネ(8匹)、ヒゲアザラシ(6匹)、ワモンアザラシ(6頭)、スバルバールトナカイ(7頭)であり、鳥類はシロカモメ(22羽)、ウミガラス(4羽)、ニシツノメドリ(6羽)である。高速液クロによる分析では、北極グマ肝臓が最も高濃度にレチニルエステル(23,300nmole/g wet weight)を貯蔵しており、ついで北極キツネ(18,439±2,314)、ヒゲアザラシ(5,956±5,857)、ワモンアザラシ(1,551±2,486)、スバルバールトナカイ(921±264)であり、鳥類ではシロカモメ(4,710±3,164)、ウミガラス(1,589±225)、ニシツノメドリ(1,183±589)であった。塩化金法では肝臓星細胞が特異的に黒染し、蛍光顕微鏡下にこれらの細胞の脂質滴から強いビタミンAの自家蛍光が発していた。北極グマおよび北極キツネ、ヒゲアザラシの肝臓ではHE染色、Sudan III脂肪染色でも容易に星細胞の脂質滴が認められた。また、これらの動物は自然のなしたビタミンA過剰症といえるが、肝臓には線維化などの病理学的所見は見られなかった。透過型電顕を用いたモルフォメトリーでは、星細胞の数はヒトやラットを含む他の動物と差は無かった。しかし、透過型電顕で星細胞に含まれる脂質滴の占める面積は北極グマおよび北極キツネ、ヒゲアザラシでは有意に大きかった。北極グマおよび北極キツネ、シロカモメ、ヒゲアザラシなど北極圏における食物網(food web)の上位に位置する動物は大量のレチニルエステルを肝臓星細胞に貯蔵している。モルフォメトリーでは、これら動物においては星細胞の数は他の動物と差は無かった。しかし、各細胞に含まれる脂質滴の占める面積が有意に大きかった。すなわち、各々の星細胞のビタミンA貯蔵能が高いことが示唆された。北極圏の食物網の上位に属する哺乳類と鳥類は星細胞にヒトやラットなどの動物の20-100倍高濃度のレチニルエステルを貯蔵していた。さらに興味深いことに北極キツネでは肝臓からビタミンAが溢れ出し、腎臓に貯蔵されていた。このことは内分泌かく乱物質による汚染を示唆している。
著者
神林 崇
出版者
秋田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

(1)各年代と性別におけるオレキシン(ox)値の推移では、男性157名と女性115名で計272名の人の検体を測定した。年齢分布は生後2週間から79歳である。男性と女性の間で有意な差は認めず、また世代間での有意差も認めなかった。ナルコレプシーの5人の患者(6-68歳)は全例で測定限界(40pg/ml)以下であった。0歳児が12人含まれていたが、成人と同様の値であった。様々な疾患の検体の中でも、ギランバレー症候群(GBS)を除けばナルコレプシーでのみOXが低下していることは非常に特微的なことであった(Kanbayashi(a)2002)。OXの減少がいつ起こるのか興味が持たれるところであるが、6才と8才でナルコレプシーを発症し、OX低値であった2例と(Kanbayashi(b)2002,Tukamoto2002)、7才と10才で過眠出現後の反復睡眠脳波検査で入眠時のレム睡眠が出現する以前に(-例は脱力発作も出現する前)既にOXが低値の2症例を経験し報告した(Kubota2003)。また小児におけるOX検査の有用性を確かめるために、100例以上の小児疾患でのOX値を測定し、疾患特異性を検討し報告した(Arii2003)。ナルコレプシーの発症のピークは14才であるので、早期発見/治療開始のためには重要な報告と考える。(2)自己免疫性神経疾患におけるOX値の研究では、17人の患者から脳脊髄液の提供を受けた。GBSが10人、多発性硬化症が7名である。対照患者群として、計30名の患者を選んだ。脳脊髄液中のOX値は対照患者とこれまでに報告されている健常人(280pg/m)では差が無く、多発性硬化症の患者も対照患者と差がなかった。一方GBSの患者では対照患者と比べて有意にOX値が低下していた(p<0.01)。しかしながら測定値の分布は大きく、正常値の患者もみられた。200pg/mlで区分するとGBSの患者では10名中4人が200pg/ml以下であり、一方、対象患者と多発性硬化症の患者では37名中の1名のみが200pg/ml以下であった(Kanbayashi(c)2002)。現在も検体を集めており、GBSが計23検体まで増えているが、4名がナルコレプシーと同様に測定限界以下であった。Fisher症候群とCIDPもあわせて検討中である。低値の症例は重症例が多いことと、症状の改善と共にOX値も正常化することが判明している。2例では過眠の度合いを調べる検査も行い、入眠潜時の短縮を認めた(Nishino2002)。自己免疫疾患であるGBSにて髄液中のOX値の一時的な低下の機序を明らかにすることを通じて、ナルコレプシーでの永続的な脱落の原因解明の一助になると考えている。
著者
對馬 達雄
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:13485288)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.51-64, 2005-03-31

Welchen Einfluss ubte der Nationalsozialismus als zuvor pragende Kraft nach 1945 in der westlichen Besatzungszone im Bereich der Erziehung aus, und welche Zusammenhange konnen aufgezeigt werden? Diese Fragestellung ist sehr wichtig, weil die Bewaltigung der nationalsozialistischen "Vergangenheit" eine Hauptaufgabe der Bildung seit 1945 war und blieb. Diese Frage wurde ursprunglich bereits von oppositionellen Gruppierungen im Rahmen des burgerlichen Widerstandes wahrend der NS-Zeit gestellt. Ein zentrales Motiv der Gruppen war das Ziel, ein "geistiges Erwachen" fur die Zeit nach einem Umsturz des Hitler-Regimes herbeizufiihren. In diesem Sinne kann der zivile Widerstand als stark menschenbildend charakterisiert werden, wobei eine vom christlichen Humanismus gepragte ethische Ideologie zur Neuerziehung der Bevolkerung ein zentrales Anliegen war. In der vorliegenden Arbeit mochte der Autor am Beispiel des Widerstandes versuchen, bisher unbewaltigte Probleme der Erziehung in der Nachkriegszeit aufzuzeigen und Erklarungsansatze zu formulieren, wobei vor allem Bezug auf die sogenannte Westzone genommen wird. Der Inhalt ist wie folgt ; Einleitung I Zur Periodisierung der deutschen Nachkriegsgeschichte und die sogenannten "Lizenzzeitschriften" II Kirche, Christliche Erziehung und die Familie 1 "Rechristianisierung" der Nachkriegsgesellschaft - Kontinuitat im Zeichen der Ideen des Widerstandes in der Kriegszeit 2 "Umerziehung", Religionsunterricht und die Familie Schlusswort
著者
三宅 良美
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 人文科学・社会科学 (ISSN:1348527X)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.85-94, 2013-03-31

今日の日本のメディアにはお笑いショーがどこにおいても見られる。ニュース番組にもお笑いの要素が入る。この論稿は,なぜ笑いを誘うコメディアンが横行しているのかを,主要なお笑いキャラクターの性質と話の特徴をつかむことにより,説明しようとするものである。伝統的なボケとつっこみの関係が今日においてどのように変わったのかについても考える。日本のコメディショーは自虐的で自己を卑下するものが多く,それが観る側の心理に作用することを指摘した。
著者
久米 裕 藤田 尚子 阿部 勇太 石井 奈智子 石井 良和
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 (ISSN:18840167)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.47-56, 2011-03

最近の作業療法では,クライアントの主観性を評価するアプローチが行われるようになってきた.本研究の目的は,作業活動における目標設定の違いがどのように自己効力に影響を及ぼすのかを検討することである.成人の健常群(n=42) と精神科に入院している患者群(n=28) を対象とし, それぞれの群を2つの条件で分けた.条件Aは手順冊子を見ながら最後まで行い,革細工のコインケースを完成させることである.条件Bは全工程を8分冊したものを順番に完成させながら最終的に一つの作品を完成させることである.一般性自己効力感尺度,課題特異的セルフエフィカシー尺度,難易度,技能,興味のデータを解析した.結果は,精神科の入院患者群では条件にかかわらず,General Self-Efficacy Scale (以下GSES) における失敗に対する不安因子が変わりにくい特性があり,この群の条件Bでは実際に最後まで行って完成に至っても,GSES における行動の積極性因子は改善されにくかった.しかしながら,課題の難易度の感覚は減少し,技能と興味の感覚に向上が見られた.本研究は,精神科入院患者グループの自己効力感を変化させることは健常群よりも難しいという結果を示したが,同時にクライアントの課題に対する難易度感,技能,興味に焦点を当てたアプローチが必要ということも示唆している.
著者
近藤 克幸
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,最近各方面で注目されている電子タグのベッドサイド注射業務への応用における医療安全面の効果を明らかにするとともに,その効果的な活用法を検討する事を目的としたものである.本研究で使用しているシステムは,13.56MHzの電子タグリーダー内蔵携帯端末(PDA)を用い,ベッドサイドにおける注射業務施行時に利用者・患者リストバンド・注射ラベルに内臓した電子タグの読み取りを行うもので,読み取った情報は無線LANを通じて病院情報システム上の指示内容と照合される.照合結果が正しければ実施記録が電子カルテシステムに記録され,取り違えの場合はPDA上にアラートが表示されるため実施入力が出来ない.本システムを研究代表者所属施設の病棟で全面的に運用し,導入前後の注射関連インシデント報告を比較した結果,有意にインシデント件数が減少し,システムの有効性が示唆された.また,利用者アンケートの結果でも,本システムによる医療者の安心感増加が明らかとなり,インシデント抑止効果とともに業務への優れた適合性が示唆された.さらに,システムのログ取得機能を強化し,バーコードで認証を行なった場合との比較検討を行なったところ,1回の注射業務にかかる時間の合計は,(1)全て電子タグの場合は31.0秒,(2)注射ボトル:バーコード・リストバンド:電子タグでは38.2秒,(3)注射ボトル:電子タグ・リストバンド:バーコードでは40.7秒,(4)全てバーコードでは63.6秒(いずれも平均)となり,一般に使われているバーコード認証システムでは電子タグシステムの2倍強の時間を要している事が明らかになった.医療安全を考えた場合,チェックの確実性に加えてユーザビリティが高いシステムが必要である.本研究により,電子タグは医療現場での行為の確実性と優れた業務適合性が明らかになり,今後もさらなる適用範囲の拡大が可能と考えられた.
著者
山本 建郎
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

アリスティデス・クィンテリアヌスの『音楽論』全三巻を翻訳し、詳しい注釈を付した。それによって、これまで不明として不問に伏せられていたいくつかの点に決着をつけ、古代ギリシアの音階理論のほぼ全容を明らかにした。
著者
林 信太郎 井門 正美 林 良雄
出版者
秋田大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

自治体の防災担当者などの噴火危機管理訓練用ゲーミングシミュレーションサーバ開発のため,今年度は訓練用ゲーミングシミュレーションの開発を行った。主な研究・開発事項は、1)火山警戒避難シミュレーション「リブラ」「リブラ2」のルールの洗練化およびオンラインゲーム化、2)訓練用シナリオ「コスモス島の噴火」の開発、3)火山版クロスロードの制作である。1)については、何度かの試行の結果、リアリティの追及を行わないと良い訓練結果が得られないことが明らかになってきた。そのため、仮想世界の火山の噴火史、研究論文、確率樹などを作成した。また、「リブラ2」のオンラインゲーム化を行い、試行を繰り返した。2)については桜島をモデル火山とした訓練シナリオである。過去の噴火史を参考に架空の噴火をつくり、様々な事件が発生する中、適切な対処を行う訓練シナリオである。3)については、噴火の際に発生する様々なジレンマについて資料収集を行い、およそ20のクロスロードゲームを作成した。そのうち、10の問題を完成版に収録した。林信太郎・赤塚彩・伊藤英之(2006)では、「リブラ2」について発表を行い、ポスターセッションの場で「リブラ2」の実演をすると共にその場での議論に基づいてルールの改善を行った。これらの研究を行った成果と、研究の過程で得られた副産物的知見について学会発表や論文化を行った。林ほか(2006)、伊藤ほか(2006)では、ゲーミング制作過程で調査した火山災害史について述べている。また、林の著書「世界一おいしい火山の本」にも研究の過程で得られた火山噴火サバイバル法について述べられている。
著者
高樋 さち子 首藤 登志夫 下渡 敏治 小川 克郎 福岡 克也 成田 堅悦
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は,環境負荷を低減するパーム油の利用促進とパーム油生産の大規模プランテーション開発に伴う環境破壊の修復との両側面から進められた。パーム油などから作られるバイオディーゼル燃料にバイオエタノールを混合し,環境負荷の減少を試みるとともに,今後持続的水質修復効果を進めるため,現地生産品の"炭"の有効利用を研究することに発展した。