著者
前田 昌隆 東郷 泰久 松山 金寛 本木下 亮 俵積田 裕紀 眞田 雅人 小倉 雅 藤井 康成 瀬戸口 啓夫 小宮 節郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.565-567, 2017-09-25 (Released:2017-12-14)
参考文献数
4

大腿骨頸部疲労骨折を発症した女性長距離走選手2例の治療経過と発生機序の推察を報告する.【症例1】20歳女性,18歳から稀発月経で体脂肪率8%台,腰椎骨密度Young Adult Mean(以下,YAM値)110%.受傷前から左鼠径部に違和感あり,左股関節痛が増悪.MRIでtransverse typeの疲労骨折と診断.左腸腰筋と外旋筋部にもT2で高輝度変化を認めた.【症例2】19歳女性,15歳から続発性無月経で体脂肪率13%台,エストラジオール値(以下,E2)17%・骨代謝は高回転型・腰椎骨密度YAM値90%.受傷前から右鼠径部痛があり,痛みが続き,MRIでcompression typeの疲労骨折と診断.【考察】症例1は,左腸腰筋・外旋筋の筋損傷に伴う機能不全が荷重時の支持性低下を来し骨折に至り,症例2は,Female Athlete Triad(以下,FAT)が主要因と考えた.
著者
森本 忠嗣 會田 勝広 西田 圭介 角田 憲治 前田 和政 佛淵 孝夫
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.356-360, 2003 (Released:2004-04-28)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

This study was designed to investigate the changes of low back pain and saggital pelvic inclination over time after total hip arthroplasty (THA) in osteoarthrosis (OA) of the hip. Fifty OA cases were classified into three groups according to age: Adult; 40 to 64 years of age, 19 hips; Young-Old; 65 to 74 years of age, 16 hips; Old-Old; 75 years of age ∼16 hips. The incidence of low back pain before THA was about 60% in all groups, but the transition of low back pain after THA was that the low back pain tended to improve more in the younger group. No improvement was seen in the “Old-Old” group. The degree of saggital pelvic inclination was calculated from the transverse axis length (b/a) ratio of the radiological shape of the pelvic cavity in antero-posterior radiographs. As a result, we found that the pelvis tended to incline posteriorly with increasing age. Therefore, pelvic anterior inclination was found in all “Adult patients” and pelvic posterior inclination in most “Old-Old patients”. After THA, the pelvis in most patients tended to slightly incline posteriorly over time.
著者
中川 憲之 萩原 博嗣 久我 尚之 寺本 全男 田中 智顕 花田 麻須大 河村 好香
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.82-84, 2009-03-25 (Released:2009-06-02)
参考文献数
7

日本では,猟,クレー射撃などでの散弾銃の所持が許可されているため,事件,事故により散弾銃創を治療する可能性はある.今回我々は2007年12月に佐世保市のスポーツジムで発生した散弾銃乱射事件の被害者の治療を経験した.当院に搬送された被弾者は4例で,1例は死亡,3例は待機的に散弾摘出を行った.1例はすべて摘出できたが,2例は全摘困難であり一部残存した.散弾銃創における治療,合併症について報告する.
著者
上田 幸輝 佐々木 大 田中 宏毅 溝口 孝 伊東 孝浩 内村 大輝 水城 安尋 萩原 博嗣
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.13-15, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
14

症例は43才女性.バイク事故による右脛骨プラトー骨折で創外固定と2回のプレート固定術を施行後,創より浸出液がつづき,培養でMRSEが検出されインプラント周囲感染と診断したが,インプラントが抜去できなかったため,術後2週よりリネゾリド,ミノマイシン,リファンピシンで治療開始した.開始後7日でCRP陰転化,16日で排液がなくなりその後再増悪を認めていない.骨接合術後に感染を生じた際はbiofilmの存在を考慮して,骨髄移行性とバイオフィルム透過性に優れた抗生剤を使用するべきである.
著者
甲斐 之尋 小山 正信 黒瀬 眞之輔 犀川 勲 入江 努 今村 寿宏
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.634-636, 2002 (Released:2004-04-28)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

We have been investigating positional problems and symptoms that TOS patients complain of when going to bed, and herein report the results of 1201 cases treated with the TOS-pillow over the past 8 years. Problems related to sleep included patients inability to sleep on their back at night, therefore they slept in the lateral position; they usually did not use their pillows and would often have neck pain, stiffness and numbness when they got up in the morning. The TOS-pillow consists of a head and neck portion designed originally according to the patient’s posture and bilateral shoulder parts. At our outpatient department, patients were instructed according to our pillow guidance, and they purchased the pillow after a 2-week trial. The TOS-pillow fits the shape of patient’s head, neck, and shoulder, enlarges their costoclavicular space, relaxes the surrounding muscles, and allows satisfactory sleep. TOS-pillow treatment has been well received by many patients in the long-term follow-up.
著者
千々岩 芳朗 金澤 和貴 戸倉 晋 泉 秀樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.89-90, 2022-03-25 (Released:2022-05-06)
参考文献数
9

100歳以上の大腿骨近位部骨折9症例9股の術後生命予後と歩行能力の変化について検討した.術後30日以内死亡率は22.2%で,平均余命は1.77年であった.術後歩行再獲得率は43%であり,術前より約1.3段階の歩行能力の低下を認めた.100歳以上の超高齢者であっても生命予後及び術後歩行再獲得率が有意に低下するわけではなく,充分な術前評価と周術期管理を行った上で積極的に手術療法を行うべきであると考えられる.
著者
川口 耕平 中原 信一 崎村 幸一郎 衛藤 正雄
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.417-421, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
7

比較的稀な小児歯突起骨折症例の1例を経験したので報告する.症例は10歳男児.主訴:頚部痛.既往歴:脳性麻痺(低緊張型).現病歴:平成21年4月20日自動車の後部座席乗車中に後方から自動車に追突され受傷した.翌日当科受診した.著名な頚部痛を認めたが,身体所見では脳性麻痺による四肢不全麻痺あるものの新たに招じた麻痺はなかった.CTにて後方転位した軸椎歯突起骨折Anderson分類type 2を認め,8週間フィラデルフィア装具にて保存治療行い,骨癒合が得られ良好な経過となった.一般に幼小児の脊椎は柔軟で弾力性に富み,生理的可動域も大きいため脊椎損傷は稀とされおり,小児歯突起骨折は報告例が少ない.受傷した場合も患者の協力が得がたく臨床所見の把握が困難であることが多いが,損傷を見落とすと成人同様に偽関節を形成し,環軸関節が不安定となる危険性があるため注意が必要であると考えられた.
著者
岡本 渉大 米倉 暁彦 岡崎 成弘 中添 悠介 千葉 恒 樋口 尚浩 尾﨑 誠
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.242-246, 2022-03-25 (Released:2022-05-06)
参考文献数
18

【はじめに】当院で経験したDFOにOWHTOを併用した症例(DLO群)とTCVOを併用した症例(DFOTO群)とで比較検討を行なったので報告する.【対象と方法】2015年から2019年までにDLOまたはDFOTOを施行した17例20膝を対象とし,術前および最終経過観察時のX線計測値,膝関節可動域,JOA score,KOOSを評価した.【結果】膝関節可動域は,DLO群がDFOTO群と比較して術前伸展制限が大きい傾向にあったが有意差はなかった.術後の伸展可動域はDLO群が-5.5°,DFOTO群が-1.6°であり,伸展制限はDLO群が有意に大きかった.両術式間で術前後のX線計測値と臨床スコアに有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAとKOOSのPainやSymptomsとの間に相関係数がそれぞれ0.66および0.72の正の相関を,ΔJLCAとKOOSのSymptomsとの間に相関係数-0.75の負の相関を認めた.【結語】DLO群とDFOTO群とで臨床スコアやX線計測値に有意差はなかった.DFOTO群において術後%MAやΔJLCAと臨床スコアの間に相関を認めた.
著者
井上 三四郎 村岡 辰彦 児玉 博和 竹本 翠
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.53-55, 2019-03-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
6

鎖骨骨幹部骨折に対しプレート固定とりわけ上方設置法は,標準術式として確立されている.その術前作図には,単純X線像とメーカーが提供するテンプレートが使用される.当院のルーチン鎖骨2方向は,鎖骨正面像と20度尾頭撮影である.テンプレートにはプレートを正面と真上から見た2方向が印刷されている.このうちプレートを真横から見た像は従来法でテンプレーティング可能であるが,プレートを真横から見た像は不可能である.そこで,50度尾頭像を撮影し,テンプレーティングを行っている.
著者
松田 匡弘 王寺 享弘 徳永 真巳 松田 秀策 井浦 国生 富永 冬樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.657-662, 2021-09-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

【はじめに】今回,若年者アスリートにおける外側半月板損傷に対する縫合術の成績を報告する.【対象と方法】2012年から2018年4月まで17例であった.男性14例,女性3例で,平均19.2歳(14-35歳)で,経過観察期間は平均21.6か月であった.断裂形式は縦断裂が11例,横あるいは斜断裂が6例であった.再断裂率とスポーツ復帰率,術後臨床成績と画像所見を調査した.【結果】再断裂なしが14例(82%),ありが3例(18%)であった.再断裂なし群は,Tegner scoreは術後平均6.8点,Lysholm scoreは術後平均97.4点であった.再断裂ありの3例は部分切除後にスポーツ復帰した.【考察とまとめ】臨床成績良好であったが再断裂例も認めた.今後も強固な縫合や慎重な後療法の検討が必要と考えた.
著者
藤井 陽生 播广谷 勝三 小早川 和 松本 嘉寛 川口 謙一 林田 光正 岩本 幸英
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.58-61, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
10

思春期特発性側弯症患者の発見理由を調査した.【対象と方法】2008年から2015年に当院を受診した259例(女性236例,男性23例,平均13.7歳)の発見理由,主カーブCobb角,初期治療を調査した.【結果】発見理由は学校検診(S群)115例(44.4%),家族・本人(F群)79例(30.5%),病院・医院(H群)65例(25.1%)であった.発見時年齢は各々平均12.9歳,13.1歳,13.7歳であり,S群は,H群よりも年齢が低かった.3群間の性差に有意差はなかった.主カーブは各々平均36.8°,40.4°,36.0°で,有意差はなかったが,40°以上の患者の割合はF群に比べてS群,H群で低い傾向にあった.3群間で初期治療に相関はなかったが,S群およびH群は,F群よりも手術率が低い傾向にあった.【考察】学校検診のあり方や早期発見方法について検討の余地があると考えられた.
著者
野田 明生 伊藤 伸一 脇岡 徹 密川 守 仲摩 憲次郎 永田 見生
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.369-371, 2013-03-25
参考文献数
6

術後感染(SSI)は,患者の術後成績に大きく影響するだけでなく,術者にとってもその負担は大きく,最も避けたい合併症のひとつである.今回我々は,中規模救急病院における単年度のSSI発生について検討し,施設単位の総括的なSSI予防と対策について検討した.対象は2010年度一年間に手術を施行した360例.抗生剤は点滴によるセフェム系抗生剤を手術当日および術後1日間を原則とし,ガーゼ交換は術後一週目に行い,その間創部は開放せず,ドレーン抜去は創閉鎖のまま施行した.SSI発症率は360例中3例,0.8%で,うち2例は基礎疾患の無い若年者であった.起炎菌は1例がMRSAで,他の2例は同定不能であった.全例感染確認後早期に追加手術を行い,全例でSSIは治癒できた.若年者であっても感染の危険性は常に存在しており,一旦SSI発症が認められた場合は,躊躇せず追加手術を検討する必要があると考えられた.
著者
國武 真史 胤末 亮 井戸川 友樹 篠原 道雄 井上 雅文 白濵 正博 志波 直人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.474-476, 2019-09-25 (Released:2019-12-17)
参考文献数
7

大腿骨頚部骨折に対するTresLock(以下T群),Prima Hip Screw(以下P群)を用いた骨接合術の治療成績を比較検討した.対象は2016年8月から2018年3月に手術を行ったT群7例,P群16例である.平均手術時間はT群:43.1分,P群:24.9分で統計学的に有意差を認めた(P<0.001).Garden Alignment Index変化量や歩行再獲得率に有意差はなかったが,平均telescoping量はT群で少ない傾向を認めた.術後合併症はP群で大腿骨転子下骨折を2例認めた.2群間で統計学的な差があったのは手術時間のみであったが,T群でtelescoping量が少ない傾向を認めた.TresLockは強固な固定力があり,日本人の大腿骨頚部骨折に対して,有用な内固定材料であると考えられた.
著者
田島 智徳 西田 圭介 會田 勝広 森本 忠嗣 北島 将 小河 賢司 馬渡 正明 佛淵 孝夫
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.626-629, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

日常生活における前屈動作は股関節と脊椎の協調動作であり互いに密接に関わりあっている.変形性股関節症患者における股関節と脊椎の前屈時の動作関係を明らかにするために,立位中間位および座位前屈位の単純X線側面像を用いて股関節可動域と腰椎可動域を測定した.対象は初回人工股関節全置換術を受けた40~88歳(平均62歳)の変形性股関節症の女性患者164例であり,術前の単純X線で評価した.中間位からの前屈動作で股関節と腰椎と合計して80~120度屈曲していた.腰椎変性の強い高齢者ほど前屈時の腰椎可動域が小さく,変形性股関節症があるのにもかかわらず主に股関節で前屈していた.中高年者は腰椎変性が進行していないため,主に腰椎で前屈しており股関節可動域は小さかった.そのため変形性股関節症の罹病期間が長くなると腰椎へ過度の負荷がかかることとなり,腰痛や腰椎変性の原因となることが予想される.
著者
石川 樹 當銘 保則 大城 裕理 青木 佑介 山城 正一郎 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.765-768, 2021

<p>【はじめに】当院での骨原発Langerhans cell histiocytosis(LCH)の単一病変(Single system single site: SS-s)と多発病変(Single system multi-site: SS-m)の診断と予後に有用な因子に関して調査した.【対象と方法】2004年1月から2020年1月までに当院で診断された骨原発LCH 14例を対象とした.評価項目は年齢,性別,発生部位,CRP値,FDG-PETのSUVmax値,腫瘍体積とした.統計はStudent t検定とカイ二乗検定を使用した.【結果】SS-sは10例(男性8例),SS-mは4例(男性2例)で,平均観察期間は40ヵ月であった.発生部位は頭蓋骨と脊椎に多く,SS-sとSS-mの平均年齢は各々9.0歳と5.0歳,平均CRP値(mg/dL)は0.71と0.5,平均SUVmax値は8.7と9.8,平均腫瘍体積(mm3)は3353.4と4694.1であった.2群間で有意な因子を認めなかった.診断後5ヵ月でSS-sの1例に再発を認めたが,化学療法で寛解した.最終観察時,全例で寛解を維持していた.【考察】本研究では1例で再発を認め,慎重な経過観察を要すると考えられた.SS-sとSS-mの2群間の診断に有用な因子を認めず,両者の鑑別にはFDG-PETなどの全身検索が必要であると考えられた.</p>
著者
島袋 全志 新垣 和伸 東江 拓海 川越 得弘 渡慶次 学 上原 史成 比嘉 浩太郎 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.663-665, 2021

<p>【はじめに】当院では早期荷重歩行の実現を目指し,DLO施行時に大腿骨anterior flangeに前方からCCS固定を追加している.【対象および方法】対象は,2018年11月から2019年11月にDLOを施行し半年以上観察可能であった22例(男性15膝,女性7膝).平均年齢は67才(48~78才).観察期間は平均44週(25~75週).後療法は裴らの平行棒内プロトコールに準じて術後3日目より痛みに応じて荷重を開始した.評価項目は,術後3日目,1ヵ月毎のCTにて大腿骨側の骨癒合時期とヒンジ骨折の有無とした.【結果】平均19週(8~37週)で全例骨癒合した.術中ヒンジ骨折は認めなかったが,術後2ヵ月でヒンジ骨折を2例に認め,どちらも転位せずに骨癒合した.【結論】CCS固定は簡便であり,早期荷重の一助となり,ヒンジ骨折に対しても効果があると思われた.</p>
著者
東江 拓海 上原 史成 島袋 全志 渡慶次 学 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.578-581, 2021

<p>【はじめに】距骨脱臼骨折は稀な外傷であるが,距骨無廃性骨壊死,距骨下関節症等の合併症のため,治療困難な骨折の一つである.今回我々は,距骨脱臼骨折の1例を経験したので報告する.【症例】30歳男性.野球の試合中,捕球の際に味方選手と接触し右足を蹴られて受傷.受傷翌日に当院を受診し,右距骨脱臼骨折(Hawkins typeⅢ)と診断された.同日観血的整復固定術を行った.術後早期から可動域訓練を開始し,術後12週から部分荷重を開始した.術後1年2か月でHawkinsの改変評価基準でexcellent,JSSF ankle/hindfoot scaleは73点,SAFE-Q scoreは合計584点であった.距骨無廃性骨壊死,距骨下関節症は認めなかった.野球のプレーにも復帰した.【まとめ】稀な距骨脱臼骨折を経験した.術後1年2か月で良好な結果が得られた.今後も慎重な経過観察を要する.</p>
著者
大中 敬子 普天間 朝上 米田 晋 西田 康太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.426-429, 2021

<p>【対象と方法】症例は3例(男性2例,女性1例)。手術時年齢は17,18,61歳。診断は尺骨茎状突起偽関節2例,尺骨頭骨折変形治癒1例(橈骨遠位端骨折合併1例)であった.回旋障害の機序,尺骨茎状突起骨片の転位量,手術内容,可動域,疼痛を調査した.【結果】尺骨茎状突起は基部骨折2例,基部から骨端部骨折1例で,全例に尺骨頭の背側亜脱臼を認めた.また,1例では尺骨頭関節面の変形も合併していた.転位量は2.5,2.7,5.0mmであった.手術は,全例でTFCC深層の整復を行った.尺骨頭関節面の変形を合併した1例では,尺骨頭関節面の矯正を追加した.可動域は,術前主に回外制限を認めたが,術後回内外ともに改善した.疼痛は全例で改善した.【考察】TFCC深層が付着した骨片の転位癒合による前腕回旋軸の変位のため回旋障害をきたしたと考えた.1例は尺骨頭関節面の変形も一因となった.尺骨茎状突起骨片の転位量とDRUJの不安定性を3D-CTのaxial像で評価した.</p>
著者
市川 賢 前山 彰 小田 大嘉 中山 鎭秀 石松 哲郎 小林 知弘 鎌田 聡 山本 卓明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.630-633, 2021-09-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
6

【背景及び目的】内側型変形性膝関節症に対するOWHTOは良好な長期成績が報告されている.インプラントの長期留置に伴う破損,違和感等の合併症が報告され,本邦では抜釘術が行われる傾向にある.一方,抜釘術自体に伴う感染・神経損傷等の危険性もあり海外では抜釘術に関しては一定の見解はない.また,これまでに抜釘術の術後評価を行った研究はない.研究の目的はOWHTOの抜釘術の満足度を調査することである.【対象及び方法】2015年4月から2020年3月までにOWHTOの抜釘術を施行し術後満足度を調査可能であった25例28膝.抜釘術の満足度をアンケートを用いて評価し,術前後の臨床評価スコアとの関連を調査した.【結果】VAS,NRSが術前後でそれぞれ有意に低下を認めた(P<0.05).82%の患者に抜釘術に対して満足/非常に満足との回答が得られた.【結論】OWHTO後の抜釘術により患者満足度は向上する.
著者
杉山 健太郎 古市 格 渡邉 航之助 川口 耕平 秋山 隆行 井上 拓馬 小河 賢司
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.640-643, 2015-09-25 (Released:2015-12-03)
参考文献数
5

完全隔壁型の膝蓋上滑膜ひだ障害の1例を経験したので報告する.〈症例〉68歳女性.半年前から右膝痛を自覚,その後症状改善ないため当科受診した.当科初診時,右膝蓋上部に径約3 cm大の圧痛を伴う腫瘤を触知した.MRI上,膝蓋上嚢に隔壁を有する嚢胞性病変を認め,内部は炎症性変化が疑われた.関節鏡視下に隔壁を確認し,同部と膝関節腔内とを交通させるよう隔壁および滑膜切除を行い,術後は右膝痛改善を認めた.〈考察〉膝蓋上滑膜ひだ障害の画像的特徴として,MRIで膝蓋上嚢部にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号の関節液貯留を認め,内部に低信号の隔壁を有するとの報告がある.治療は関節鏡下での隔壁切除で症状軽快すると報告されている.本症例でも同様の画像所見を認め,関節鏡視下での隔壁および滑膜切除術が症状改善に有効であった.