著者
小枝 壮太
出版者
近畿大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ボリビア原産のトウガラシNo.3341は果実に辛味成分カプサイシノイドをまったく蓄積せず,その原因は既知の情報では説明できない.本研究では辛味品種Habaneroと既知の遺伝子変異により辛味を呈さない非辛味品種としてNo.2,No.80,NMCA30036を供試した.これら品種の交雑後代を調査したところ,No.3341は単一の劣性遺伝子により辛味を呈さず,新規因子が関与していることを明らかにした.また,Comtの変異が原因である可能性についても棄却した.そこで,Rad-seq解析を行ったところ,No.3341の非辛味性に強く連鎖するマーカーを作成することに成功した.
著者
松久 和彦
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、EU各国の法制度の比較法研究を通じて、共同生活の経済的基盤に関する法制度(基礎的財産制)の意義と法実務の運用状況、夫婦財産の清算での公平性を確保するための法実務の運用状況を明らかにすることができた。とりわけ、日本の新しい夫婦財産制への提言のために、EU各国の共通項としてまとめられた「欧州家族法原則」とEU各国への影響をさらに検討する必要があることが明らかになった。
著者
堀端 章 松川 哲也
出版者
近畿大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

紀の川流域の地域遺伝資源である薬用紫蘇の1系統について、外観特性および機能性成分含有量に関する遺伝を調査した結果、本系統は形態的特徴および機能性成分含有量に関して固定していると考えられた。一方、この高機能性シソの機能性向上と周年生産技術の確立を目指して、単色光補光による生育調節を試みたところ、青色光補光が花成を顕著に抑制し、ペリルアルデヒド含有量が高く維持する効果をもつことが明らかとなった。
著者
辻本 典央
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大學法學 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.274-180, 2006-09-30

[目次] 一.はじめに, 二.接見交通権の意義, 三.接見指定制度の問題点 1.接見指定制度の合憲性 2.指定方式(一般的指定と具体的指定) 3.指定要件 4.余罪との関係, 四.戎護および施設管理上の理由による接見制限 1.「接見所」以外での接見, 「面会接見」について 2.書類および信書等の検閲 3.執務時間外の接見 4.食事時間中の接見, 五.接見交通権の展望 1.立法動向 2 .準抗告審の充実, 六.まとめ本文データは, CiNiiから複写したものである。
著者
南 武志 武内 章記 高橋 和也 今津 節生 徳田 誠志 寺沢 薫 河野 一隆 島崎 英彦 豊 遙秋 河野 摩耶
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

弥生時代後半から古墳時代に重点を置き、墳墓より出土した朱の産地推定を硫黄・鉛・水銀同位体分析から行った。その結果、北部九州では古墳時代に入っても中国産朱と思われる朱が一部の墳墓に用いられていたが、それ以外の地域では古墳時代に入る前から国内産の朱が墳墓に使用されていた可能性が高く、古墳時代前期には東北地方まで畿内産の朱がもたらされたと考えられる。以上より、朱の同位体分析により古墳時代黎明期の権力推移が考察され、考古学分野に一石を投じることができたと考える。
著者
河野 又四 寺下 隆夫 奥本 光図庸
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.37-51, 1971-03-15

[Author abstract]In generally HIIROTAKE (Trametes sunguined) is known as a saprophyte of a wood. Polyporin that was reported by Bose (1946) were thought different components to over pigments on the properties. We examined on the cultural conditions (inorganic salts, temperatures, light and water) physical and chemical properties, antibacterial activities of the pigments. As resuts of the examination, we may conclude that obtain a best amounts of the pigments a addition of MgSO_4・7H_2O and KC1, 27°~37℃ in the dark, and solubility of the pigments was a maximum on pH 9.6 at 20℃ in ethanol and also the pigments was separated the four components by Thin Layer chromatography. Stability to the ultraviolet ray irradiation found the fading rate 35% for 24 hours, and Tartrazine was 10% in the same conditions. Concerning with the antibacterial activities, mycelium of HIIROTAKE took precedence with bacteria, and occasionally showed obvious bacteriostatic activities on the serial dilution method, but careful consideration should be given to these problem.[要約]①ヒイロタケ菌糸発育、色素生成に関して、7種(麦芽寒天培地、2%グルコース加用ジャガイモ煎汁寒天培地、Czapeak-Dox培地、Czapeak-Dox+N源培地、Czapeak-Dox変法培地、混合培地、混合培地 +MgSO_4・7H_2O+KCl)の培地を用いて特に色素生成の良好なる培地の選択と色素生成の至適温度、および明暗の影響について検討した。短期間培養では、2%グルコース加用ジャガイモ煎汁寒天培地が最も良好で温度は28°±1℃であった。長期培養では混合(MgSO_4・7H_2O+KCl)培地、麦芽寒天培地が良好で温度はやはり、28°±1℃であった。。高温度では(37℃以上)では菌糸発育は良好だが、色素生成が極めておそい。明・暗所の差は暗所に色素生成が多く見られた。混合培地にMgSO_4・7H_2O、KClを添加したものは27°~30℃、暗所が色素生成が良好である。②ヒイロタケ色素の溶媒に対する溶解性は、エチルアルコール(99.5vol%)で完全ではないが、比較的溶解性大であり、また水で適当な条件を加えれば、かなりの溶解性を示すことを認めた。本色素は酸性よりもアルカリ性、特にpH(9.2~9.6))に於て、いちじるしい溶解性を示したが、温度との関係も重要で、アルカリ性で橙色~赤橙色を示し、安定なpH域は8.8付近である。③ヒイロタケ色素の化学的相性では、薄層クロマトグラフィー法、吸光度試験の結果より色素の種類を推定した。吸収スペクトルを可視部、紫外部について試験した結果、314mμ, 426mμ; 付近に極大吸収スペクトルを示した。又色素のTLCにより4スポットが得られ、それらの紫外部吸収スペクトルを調べた結果、214mμ, 216mμ, 219mμ, 221mμに極大吸収が認められた。カビの産出する色素のキノン(p-キノン)はアルコーに溶解性であること、および極大吸収波長等からキノン核を有した物質が本色素に含まれているのではないかと推定される。先に述べたように糸状菌から得られる色素にはキノン系化合物が多い事と、高等植物や、地衣類の色素と関連があることが、特徴である。特にアントラキノン系のChrysophanolの側鎖のメチル基、あるいは核の水素が酸化されて生ずる一連の色素が多い^<14, 15)>。さらにヒイロタケ菌糸培養沪液中から得られた抗生物質「 Polyporin」もキノン核をもつと思われるし、またこれら色素を、FLANK等がヒイロタケと同属のPolyporus rutilans^<16)>からも分離している。④ヒイロタケ色素の安定性に関する実験では、熟に対しては、比較的安定で、著るしい退色は示さなかったが、光に対して、特に紫外線に対しては、24hrsで約35%の退色を示した。⑤ヒイロタケ色素は、天然色素から得られる着色用添加物として利用できるかもしれない。また抗菌性の利用についても今後さらに検討の余地がある。4%エチルアルコール抽出、液体ブイヨン培地上で抗菌性を示し、4%エチルアルコール単用および水溶性色素の抗菌性は共にいくらか認められることはアルコールと本色素の相乗効果があるとも考えられる。また、2%グルコース加用ジャガイモ煎汁寒天培地上で十字線法、一字線法により、ヒイロタケ色素と細菌の対時培養の結果、ヒイロタケ菌糸の発育が優勢であった。S. aureus, P. fluorescens, B. subtilis, B. mesentericus, E. coli、共、赤かっ色のかく線を生ずるか、あるいは著しい桔抗現象を示した。いずれにせよ、本色素は極めて複雑な色素であって、今後の研究によって、一層興味ある知見が得られるであろう。
著者
竹原 幸生 江藤 剛治 鈴木 直弥 高野 保英 森 信人 水谷 夏樹 THORODDSEN Sigurdur T.
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

大気-海洋間の気体輸送現象に対するホワイトキャップの影響を明らかにするため,3台の高速ビデオカメラを用いた画像計測法により,風波界面近傍の流れ場計測技術を開発し,ホワイトキャップが生じている近傍の流れ場を明らかにした.さらに,気流と風波発達の関係も画像計測により明らかにした.また,砕波により生じた気泡の特性を画像計測により明らかにした.さらに,全球規模での大気-海洋間の気体輸送に対する砕波の影響も現地計測データや衛星データを用いて評価した.
著者
河野 又四 吉川 賢太郎
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.207-213, 1972-03-15

[Author abstract]The cause of soft fruits in immature Ecuador-banana were unknown. Formosa and Ecuador-banana, normal, soft-immature and anthracnose fruits were investigated on the olation, survival bacterial numbers, identification, inoculation-test, quantities of sugar and vitamin C. As a results, banana fruits were isolated about 30 kinds of Micrococcus, Staphylococcus, Streptococcus, Bacillus, rod-shaped bacteria, chained-rod-shaped bacteria, Aspergillus sp., Asp. niger, Penicillium sp.,P.italicum, P.digitatum, Gloeosporium musae, Fusarium, Monocillium spp.. However causal micro-organism of soft-immature-fruit were unfound. Inoculation test were used these isolates (30 kinds) and Candida albicans, Saccharomyces cerevisiae, Zygosaccharomyces soja, Clostridium welchii, Alkaligenes faecalis, Colletotrichum sp., Aspergillus oryzae, Aspergillus niger, Mucor sp. Penicillium islandicum. As a results were inoculated at flower-scar, fruits were caused rot, browning, blacking but not were caused soft-immature fruits. The quantities of sugar and vitamin C in banana fruits producing Ecuador were recognized high sugar (21.6mg) and low vitamin C (5.4mg%) on the immature soft fruit high vitamin C (18.7mg) and low sugai (3.3mg) on the normal fruits and middle sugar or vitamin C on the anthracnose fruits.[要約]1)エクアドル産バナナの未熟軟質果は低温輸送中の変質で微生物が関与していると推定されることから、昭和45~47年、京都市中央市場、神戸埠頭において入手した材料について正常、未熟軟質、炭そ病などの果実の果皮、果肉別に生菌数、分離菌の同定、接種試験、糖、ビタミンCの定量などを行い検討した。2)正常果の果皮、果肉にも汚染菌を認め、嫌気性菌も存在する。未熟軟質果、炭そ病果にも共通する微生物が認められるが未熟軟質果から固有の微生物を明らかにすることはできなかった。3)接種試験の結果からも特定の原因菌を明らかにできなかった。しかしながらバナナに変敗を生ずる菌の範囲は従来報告されているものよりも広範囲におよぶものと推定される。4)糖の含有量は熟果に多く、ビタミンCは未熟果に多い。未熟軟質果は糖が多く、ビタミンCは少ない。以上の結果から低温輸送中のバナナのうち一部のものは温度条件などが変り、代謝に変化を生じ、果肉が徐々に成熟し、これに非特定の汚染微生物が関与しているものではないかと推定される。
著者
チャールズ・クラーク
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学語学教育部紀要 (ISSN:13469134)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-25, 2003-11-30

著者専攻: 英語教育学
著者
森部 陽一郎
出版者
近畿大学
巻号頁・発行日
1999

学位の種類:工学 学位授与年月日:1999/3/23 指導: 黒須, 顕二 教授 報告番号:甲第501号 学内授与番号:産4 NDL書誌ID:000000335701
著者
秋濃 俊郎 中谷 友樹 豊永 昌彦
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学生物理工学部紀要 = Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.49-62, 2004-09-30

標準セル方式に基づく大規模集積回路のセル配置処理は、概略配置と詳細配置から構成される。概略配置では、セルの大まかな位置が決められ、詳細配置へ重要な影響を与える。前稿では、シミュレーテッド・アニーリング(SA)法による概略配置のコンピュータ実験により約12,000〜69,000個のセル数を持つ8種のベンチマーク回路を用いて座標精度について詳細に調べ、「約2.5個×平均セル横幅」のスロット幅において総配線長のコスト関数が最小になることを見出した。この結論は、SA法による最適化で、特にセルの初期概略配置(以降、初期配置と言う)で限定されたシミュレーション条件下のものであった。本稿では、約67,000〜69,000個とトップ3となる最大規模のセル数を持つベンチマーク回路に限定し、初期配置、初期温度、温度冷却スケジュール、Metropolis's Monte-Carlo(MMC)法の回数、熱平衡への繰り返し回数など全てのシミュレーション条件を変化させて再度詳細にSA法によるコンピュータ実験を行い、この最適なスロット幅と最終コストがほぼ変わらないことを示した。結果として特に初期温度に関しては、かなり低温からコンピュータ実験を行っても最適な最終解が得られた。また、各ベンチマーク回路で用いられているセル横幅が大きいトップ2から9の平均セル横幅が、コスト改善を妨げる第一要因であると結論付けられる。更に、他のシミュレーション条件の最終解への影響について論ずる。
著者
多田 宜文 小椋 義俊
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学生物理工学部紀要 = Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-11, 1998-06

土壌からより多くの種類の微生物を分離することを目的として、土壌の懸濁液を超音波で処理することを試みた。土壌懸濁液を氷水中で超音波処理すると、3分間処理を行った土壌から分離される生菌数(分離生菌数)は最大になるが、処理時間が10分を越えると無処理の場合より生菌数の分離率は低下した。30秒から60秒の処理を行った土壌からの分離生菌数は処理をしなかったものに較べて約3倍に増加した。コロニーとして分離できなかった菌(寒天培地上で増殖できなかった菌)も含めた全菌数では約7倍の増加がみられた。細かく処理時間を区切って行ったところ、処理時間が5分以内でも処理時間に比例した分離生菌数の増加は見られなかった。土壌の種類によって若干異なるが、処理時間5秒から10秒、30秒から1分、2分から5分の3点で他の処理時間よりも生菌数の高い分離率が見られた。それぞれのピークにおける分離生菌数はほぼ同数であった。これは試験に用いた5種の土壌すべてに観察された。菌体を染色して直接顕微鏡下で菌数を数え、コロニーとして分離されなかった菌も含めた全菌数も生菌数と同様に、どの土壌でも処理時間に比例した直線的な増加は示さず、処理時間が1分を越えると一旦は土壌粒子から遊離された菌が超音波によって物理的な破壊をうけることが示唆された。それぞれのピークに存在する微生物の種類を形態学的に調べると最初のピークには糸状菌がほとんど見られなかったことを除けば、それぞれのピークに存在する糸状菌、酵母、細菌の種類の割合はほぼ同じであった。特にグラム陰性桿菌について同定を行った結果、それぞれのピークに存在する細菌の種類はすべて異なっていた。以上の結果は超音波処理によって土壌粒子に強く結合している菌が遊離され、菌の数が種、数共に増えていることを示している。したがってpH調整や緩衝液の使用を含めて適当な条件下で超音波処理を行えば従来の方法では分離できなかった菌の分離が可能になるかもしれない。
著者
石井 健司
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大學法學 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.315-369, 2002-02-28

[目次] はじめに, 一. ボザンケとへーゲル, (1)イギリス理想主義学派とボザンケ, (2)へーゲルの国家論とドイツ軍国主義, 二. 社会と自由の観念, (1)有機体的社会観, (2)積極的自由と消極的自由, 三. 真実意思と一般意志, (1)真実意思と一般意志の一致, (2)国家における〈真実意思=一般意思〉の体現, むすびにかえて
著者
平井 篤造 日下部 健 梅原 隆
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-7, 1972-03-15

[Author abstract]Nuclear dimension in barley stripe mosaic virus (BSMV)-infected barley leaves was measured and the presence of inclusion bodies was tested using light microscope. When the 1st leaves of susceptible barley varieties were mechanically inoculated and the mosaic symptom appeared on the 2nd or 3rd leaves, the nuclear dimension in the 1st leaves (no symptom) was not altered from that of noninoculated leaves. However, the nuclear dimension in the 2nd or 3rd leaves whose mosaic symptom was evident, was larger than that in the respective leaves of noninoculated plants. Increases in the length of nuclei by infection were much more than those in the width of nuclei We found granular and crystalline inclusion bodies in the infected barley leaves by staining with pyronin-methyl green (P-MG) or by "Luxol" brilliant green BL (LBL) and calcomine orange 2RS (CO) and by observing under light microscope. Granular inclusions were stained olive green by LBL-CO stain. Crystalline inclusions were most evidently found in the cells treated with heat (60℃, 5 min.) and with half day starving. Granular inclusions were found simultaneously with the symptom appearance and the number increased later on in the susceptible varieties. On the other hand, in the resistant varieties, granular inclusions appeared before the symptom appearance and afterwards increases in the number stopped. These bodies were found in the 1st (no symptom) and the 2nd (mosaic symptom) leaves. The relation between the nuclei abnormalities and the production of inclusion bodies is discussed.[摘要]1. オオムギ斑葉モザイク病感染オオムギの葉の表皮細胞内の核の面積を測定した。病徴の現れない接種または感染葉では、核の面積は健全葉のそれと変らなかった。モザイクの出現した葉では核の面積は健全葉より約20%大きくなった。長径の増加は短径の増加より大きく、感染によって核は膨大して細長くなったといえる。2. 感染葉内に顆粒状封入体が認められた。それは核に近接して現われ、病徴の出現しない接種葉内にも存在した。また抵抗性品種では病徴の出現前から認められた。3. 60℃温湯5分処理と半日老化処理を併用して、感染葉内に結晶状封入体が現われた。4. 顆粒状封入体の出現と核の変形の関係について考察した。
著者
杉山 昌史
出版者
近畿大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究においては、マウス糸球体腎炎としてウシ血清アルブミン(以下BSA)による血清病腎炎を用いた。8週齢の雌IL-18R KO S129/B6マウスと、同じく8週齢の雌S129/B6マウスに、BSAを投与して血清病腎炎を作製し比較検討を行った。投与方法は前感作として、BSA 0.2mgを完全アジュバンドと混合し、マウス皮下に2週ごとに4回投与し、その後抗原として、BSA1.0mg/日をマウス腹腔内に連日4週間投与した。投与前、前感作中、抗原投与中は2週間ごとに検尿を実施し、蛋白尿定量を行った。投与終了後、屠殺し腎臓を摘出して、パラフィン包埋によるPAS染色標本と凍結切片を作製し、検鏡により糸球体病変、尿細管病変の評価を行い、蛋白尿の所見とともに腎炎の評価に用いた。評価についてはいずれも病理標本よりスコア化した。すなわち、糸球体病変については、正常糸球体の0点から、硝子化や半月体形成を来している高度糸球体病変の3点までの4段階で評価し、尿細管病変については、障害尿細管の割合よりスコア化を行った。マウス生存率はいずれも100%であった。BSA投与終了時の蛋白尿は、正常対照マウスにおいては10匹中4匹が3+、6匹が2+であったのに対して、IL-18R KOでは10匹とも1+であった。糸球体病変については正常対照マウスにおける平均スコアは、3.52であり、IL-18R KOにおいては0.85であった。尿細管病変については、正常対照マウスにおける障害尿細管の割合は、45.7%であり、IL-18R KOにおいては7.5%であった。また、凍結切片における糸球体免疫グロブリンの沈着も同様にスコア化したところ、正常対照マウスの平均1.8に対し、IL-18R KOでは平均0.9と抑制されていた(0〜3点)。これらのことから1L-18の抑制はマウス糸球体腎炎の進展を抑制することが示唆された。
著者
畑 泰子 秋山 浩之 石川 欽司
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学医学雑誌 (ISSN:03858367)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.345-348, 2001-12-25
被引用文献数
1

症例は19歳男性で, 潰瘍性大腸炎のため副腎皮質ステロイド剤投与中に腰部激痛を訴え入院となった.入院翌日に小水疱が出現したため, 水痘疹と考えアシクロビルの投与を開始し, 副腎皮質ステロイド剤を減量した.しかし, 入院後3日目には血小板が低下, FDP上昇, GOT, GPTが上昇し, 播種性血管内凝固症候群(DIC)と肝炎を併発した重症水痘感染と思われた.メシル酸ナファモスタットとヘパリンナトリウムおよびアンチトロンビンIII製剤の投与を開始し, 濃厚血小板輸血も行った.これにより血小板数, 凝固能ともに改善し, GOT, GPTも低下した.また副腎皮質ステロイド剤を減量した後も排便回数の増加や血便は見られなかった.副腎皮質ステロイド剤使用中に水痘などの感染症に罹患した際には重症化することがあり, ステロイド〓瘡により水痘疹の発見が遅れ, 早期に治療が開始出来ないとさらに予後不良となることがあるので留意を要する.
著者
辻本 典央
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大學法學 (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.33-61, 2007-12

[目次]一.はじめに, 二.攻防対象論の理論的背景, 三.攻防対象論の当否及び範囲, 四.攻防対象論の展開(近時の判例から), 五.おわりに