著者
浦西 和彦
出版者
関西大学
巻号頁・発行日
1986

博士論文
著者
谷本 奈穂
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.39-52, 2011-01-21

科学は女性と疎遠なものであると捉える認識がある一方で,美容という領域においては,科学は女性をアピールするものとして扱われて続けてきた.本稿は,化粧品広告,および美容雑誌における科学的言説の特徴を考察するものである. 考察の結果,第二次世界大戦以前の科学とは,西洋を模範とする衛生を目指すものであったのに対して,1980年代以降の科学とは,成分を全面に押し出すものであると分かった.また80年代以降,一方で科学そのものが権威として機能し,それへの信仰や依存があること,ところが他方で,科学がわざわざ自然と融合した形で表現されることも見いだした. つまり,近年の科学信仰の中には,科学に対する潜在的な不安も同時に存在する.そこで,不安を和らげるような自然物イメージが,科学に付与されることになる.科学と自然が共犯関係を結ぶことで,より強固な科学信仰を生み出すというパラドックスが,美容の科学における言説に発見できる. People commonly think that women have been alienated from the field of science, however the science of beauty (for example, cosmetics) has appealed to women. In this study, I attempt to explore the features of scientific discourse in advertisements on cosmetics and in beauty magazines.Through this analysis, I find that people believe ads’ science claims and have trusted science blindly since 1980’s, where as before World War II , we focused on hygiene modeled upon the West. I also find that scientific words are tied with natural images.Blind faith in science, ironically, leads to potential distrust of science. To ease this anxiety, natural images are associated with scientific words.In analyzing the beauty science discourse, I examine the paradox that belief in science is strengthened by its unscientific association with natural images.
著者
澤井 繁男
出版者
関西大学
雑誌
關西大學文學論集 (ISSN:04214706)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.A27-A52, 2007-07
著者
松本 渉
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.81-93, 2022-01-30

データサイエンスが注目されている.しかし,データサイエンスが語られる際,データの分析手法へ目を奪われがちである.データには収集されるプロセスがあり,データサイエンスの真の理解には,収集プロセスの理解も重要である.本稿では,あらためてデータのサイエンスとは何かについて,林知己夫が提唱した「データの科学」の意義を確認することを通じて,分析手法バイアスともいうべき,データ分析手法へ傾倒しがちな風潮に警鐘を鳴らす.さらに,選挙情勢調査と世論調査の現状を検討することを通じて,データ収集プロセスへの真摯な取り組みが必要であることを主張する.
著者
平田 重和
出版者
関西大学
雑誌
關西大學文學論集 (ISSN:04214706)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.1-25, 2007-10
著者
岩井 浩
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.15-54, 2003-03

失業・雇用統計は、国際的に、主に2つの統計系列一世帯を調査対象にする労働力調査と失業救済の行政記録による請求者登録からなっているが、各国において、その源泉と作成方法に相違があり、直接にそれらを比較することができない。雇用・失業統計の国際基準は、ILO統計局で定められている労働力調査方式であるが、失業統計と公表失業率の事実反映性をめぐって、国際的論議が展開されており、その方式の意義と限界が問題とされ、失業の単一指標である公表失業率を補足・代替する指標として、不完全就業指標と失業の代替指標の概念規定が国際的に論議されている。 本稿では、歴史的に失業統計(請求者登録)の先駆をなし、失業統計の意義と限界の批判、隠された失業と本当の失業の推計、失業の代替指標の開発について論議が積み重ねられているイギリスの事例をとりあげ、批判統計学の視点から、若干の考察をおこない、残された研究課題を明にする。
著者
岩田 年浩 大石 太郎
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-31, 2002-08-20

ランダムに見える株価や経済データの変動に対する予測の可能性は,長く研究者の関心事であったが,それを分析する有効な手段は存在しなかった.ランダムな変動においては要素間の複雑な相互作用が関係しており,従来の回帰分析という近似では妥当し難い.近年, カオス研究の重要性については,自然科学や社会科学という枠組みを超えて議論がなされている.この新しい見解は,株価や経済データの分析においても新たな予測の可能性につながるものであるといえよう.本研究では,数値データそのものを定性的に分析する実証的カオス分析という新しい手法を用いて,株価や経済データの持つ独特の性質を抽出し,それが示す規則性から予測の可能性について検証した.
著者
上田 睦
出版者
関西大学
巻号頁・発行日
2009

博士論文
著者
植原 亮
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.41-56, 2018-10-15

本稿の目標は,徳と人間本性をめぐるアリストテレス的な主題に関連する現代的な議論の見取り図を描き出すことである.そのために,この主題を構成する要素のうちの三点を取り上げて批判的に検討を加える.第一に,卓越した性格特性としての徳という見方に関する状況主義論争を手短に振り返る.第二に,人間本性にもとづく特定の徳のセットやそれがもたらす繁栄という概念の抱える困難を指摘する.第三に,人間本性という考えそのものを発生システム論などの現代の理論的枠組みから吟味する.
著者
二階堂 善弘
出版者
関西大学
雑誌
東アジア文化交渉研究 (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-19, 2011-03-31

In Mainland China, while many academies of classical learning traditionallyworshiped Confucius; some academies however, worshiped Wenchang Dijun. In Taiwan,many of these academies were established during the Qing dynasty. In order to researchthe relationship between the academies and the Wenchang belief, this author visitedsome of the Wenchang shrines in academies located near Taipei.
著者
水野 由多加
出版者
関西大学
巻号頁・発行日
2006

博士論文
著者
西本 昌弘
出版者
関西大学
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.A1-A23, 2005-04-01

The original Portraits of the Five Patriarchs of the Shingon Buddhism that Kukai brought back from Tang have been handed down in Toji Temple. With the portraits of Ryumo and Ryuchi newly added in Japan in the 12th year of Konin (821), the portraits of the seven patriarchs were completed. It is generally believed that the inscriptions on the seven portraits were handwritten by Kukai, but there were some doubts about it in the old days. In this paper, based on the study of the historical research works, we support the opinion that the biographies on the four patriarchs (Ryumo, Ryuchi, Zenmui, and Ichigyo) out of the seven were not written by Kukai. On the other hand, in the collection of Kukai's letters, 'the Koya Collection of Letters', is the letter concerning the restoration of the Portraits of the Five Patriarchs. The letter addressed to the Left Chief of the Guards (Fujiwara no Fuyutsugu) is the one. It has been believed that the letter was written around the 6th year of Konin (815), but based on our study, it has been made clear that it was written around the 12th year of Konin. In this letter, Kukai requested Emperor Saga to restore the Portraits of the Five Patriarchs, and at the same time, he requested the emperor to write the biographies on the Portraits of the Five Patriarchs following the historical fact about the Emperor of Tang Dynasty. It is highly possible that the Emperor wrote them to reply to Kukai's request. So it can be considered that the inscriptions on the fourpatriarchs, in a different handwriting from Kukai's, should have been written by Emperor Saga.
著者
小川 博司 石田 佐恵子 長谷 正人 川崎 賢一 河原 和枝 遠藤 知巳 岡田 朋之
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

近年、現代メディアを取り巻く文化は、世界的な広がりを見せ、急速に変化している。だが、日本においては、その文化の具体的なありようや展開、日常生活に及ぼす影響などは十分に明らかになってはいない。本研究は、「クイズ形式の文化とその歴史的な変化から見る現代生活の諸相」に焦点を当て、メディア社会における文化のありようを明らかにしようとしたものである。本研究の目的は大きく分けて3つある。第1に、歴史社会学的観点からクイズ形式の文化が社会の中にどのように出現し、広がっていったかを明らかにすることである。第2に、歴史的な観点から描き出されたクイズ番組の変遷、クイズ文化の浸透に並行して、人々の日常生活における知識や情報のあり方の変化を明らかにすることである。第3に、アメリカ文化の強い影響を受けて導入されたクイズ形式の文化が、当初の輸入物の文化のありようを越えて、日本文化の一部として定着する際に、どのような形で加工され、「日本文化」化されたのか、明らかにすることである。具体的な作業としては、ラジオ時代のクイズ番組、テレビ時代のクイズ番組のデータを収集しデータベース化するとともに、クイズ番組関係者からのヒヤリングを行った。それらと並行して、アメリカ合衆国における「クイズショー・スキャンダル」についての検討、日本のクイズ文化について専門家からのヒヤリングなど、クイズ文化の歴史をどのように見るかの検討を積み重ねた。ここから、「高度情報社会」と呼ばれる現代の日常生活における知識や情報のおかれた意味について明らかにする、さまざまな知見が得られた。
著者
孕石 泰孝
出版者
関西大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2019

本研究では, 「科学とは何か」「科学を学ぶ意味は何か」という科学との関わり, 科学との向き合い方を科学哲学を通して児童に注目させようとした。成果物として, 科学哲学の内容を扱う小学生向けのテキストの具体的な教材, 電子ブック『科学哲学入門』を作成した。本教材は, 抽象的な内容を扱ってはいるが, 小学生でも読みやすいよう, 対話形式で話を進めるように工夫されている。本ブックは, ブラッシュアップをかけ, 「Apple Books」より無償配信されている。