著者
加藤 雅人
出版者
関西大学
雑誌
関西大学哲学 (ISSN:0910531X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.1-16, 2011-03
著者
野間 晴雄 野中 健一 宮川 修一 岡本 耕平 堀越 昌子 舟橋 和夫 池口 明子 加藤 久美子 加納 寛 星川 和俊 西村 雄一郎 鰺坂 哲朗 竹中 千里 小野 映介 SIVILAY Sendeaune 榊原 加恵 SOULIDETH DR.MR. Khamamany BOURIDAM MS. Somkhith ONSY Salika CHAIJAROEN Sumalee 岡田 良平 的場 貴之 柴田 恵介 瀬古 万木 足達 慶尚 YANATAN Isara 板橋 紀人 渡辺 一生
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

東南アジア大陸部に位置する天水田農業を主体とした不安定な自然環境における平原地帯(東北タイドンデーン村とラオスのヴィエンチャン平野ドンクワーイ村)における多品種の稲や植物,魚介類や昆虫など様々な動植物資源の栽培・採集・販売などの複合的な資源利用の実態とその変化の態様を地域の学際的・総合的共同調査で明らかにした。両村ともグローバル市場経済の影響が認められるが,ドンデーン村ではかつて存在した複合的な資源利用が平地林の消滅や都市近郊村落化によって失われており,ドンクワーイ村はグローバル化や森林伐採で変容を遂げつつあるが,インフラの未整備によって伝統は保持されている。
著者
岡田 博美 六浦 光一 榎原 博之 大月 一弘 棟安 実治 和田 友孝 堀井 康史
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、主に車両間/モバイル端末間情報通信に特化した未来型ネットワーク構築技術として、基地局や情報センタなどの情報通信インフラを用いず、数Km程度のエリア内で移動中の車両やモバイル端末間で、アドホックな通信ネットワークを瞬時に構築し、リアルタイム交通情報やホットな地域情報、事故・災害情報などを、不特定なユーザ間で必要に応じて自由に交換する、新たなネットワーク機能の実現である。これは移動中の未知で不特定なユーザ間で情報交換し各種の周辺情報を即時に獲得しようとするものであり、以下の解決すべき技術的課題が挙げられる。A)高速移動する車両問で瞬時にネットワーク構築。B)エリアが不特定で時々刻々変化するため、ポータルサイトやWebサイトを利用不可。C)問い合わせる相手が不明。URLやアドレス・車両番号が未知。D)文書や音楽・映像などタイトル・キーワード類で識別される情報とは異なり、必要とする発生事故情報や車両情報などを明確に定義不可。本研究者らは、この課題の解決を目的としてコンテンツ指向型通信という斬新な情報通信方式を提案し、方式動作アルゴリズムの考案・開発を行った。具体的には、1)周辺を走行する車両間で即時に位置情報を交換し、車両問の衝突回避を行う、2)車両一歩行者間で同様の情報交換を実現し歩行者交通事故を劇的に減少、3)近辺の道路トラピックを各走行車両がリアルタイムでモニタし、相互に告知、4)突発的な地震・火災やテロ・銃乱射などが発生した場合、現場近辺に居合わせた人々の行動を情報通信でモニタし、その発生や避難・救助などを即時に表示、を可能とするシステム開発を行った。アルゴリズム開発の多くはコンピュータ上でのシミュレーションで検証したが、車両間通信ならびに車両一歩行者間通信については複数の実車両を用いて実装化し、実証実験により動作確認とその有効性の検証を行った。
著者
与謝野 有紀 高瀬 武典 安田 雪 高坂 健次 草郷 孝好
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、自殺、犯罪率と社会関係資本、不安感の関係を解明するために、兵庫県下における1800名を対象とした面接調査を実施し、9区市町より1080票を回収した。この調査データと、自殺、犯罪率の公開されたデータとの地域比較から、以下が明らかになった。1)自殺は生活満足、サポートネットワーク、近隣への信頼と関係している。2)生活満足、サポートネットワーク、近隣への信頼の規定因は、人口によって大きく異なる。3)都市部では経済要因の影響が強く、人口規模が小さいほど近隣関係が強く影響し、因果関係は複雑化する。
著者
岡本 哲和 石橋 章市朗 脇坂 徹
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

2007年参院選における候補者ウェブサイト調査によって、以下のことが明らかにされた。第1に、中小政党よりも大政党からの候補者が、そして新人候補よりも現職がより高い確率でサイトを開設している。第2に、有権者が投票意思決定のためにアクセスしている可能性は否定できない。候補者サイトへのアクセス数の増加は、その候補者への投票を増加させることが統計分析により確かめられた。
著者
熊谷 信男
出版者
関西大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

チタン合金を高品位・高能率に研削するために、従来の砥石低周速度研削法に代わって、砥粒の熱伝導率が高いダイヤモンド砥石を使用し、研削点に高圧力の注液を行いながら通常(32m/s)の砥石周速度で研削した。この方法で研削した仕上面の品位を解明するために、Ti-6A1-4V合金の焼純材などをプランジ研削した。その結果、砥粒には靱性が比較的高いダイヤモンドが適し、ボンドの砥粒保持力が強力で、砥石表面に研削液が充分に浸入しうる気孔をもつダイヤモンド砥石が適することがわかった。また、砥粒の粒度には最適値が存在する。仕上面品位は、研削液の注液圧力の増加に伴って向上し、圧力2MPaでは、材料除去率が約5mm^3/mm・s以下で砥石の目づまりや研削焼けなどがない加工が可能であり、仕上面直下の残留応力分布は圧縮タイプになる。材料除去率の増加に伴って変質層の深さは増加するが、研削表面に残留応力が発生することは少く、内部のピーク応力は引張り側へ移行する傾向がある。仕上面の性状は工作物速度を速くし、切込みを少なくすると向上する。また、βチタン合金はα+β合金より仕上面の品位が悪くなり難削である。次に、焼純したTi-6A1-4V合金薄板疲労試験片の表裏両面を長手方向に平面トラバース研削して、これを両振り平面曲げ疲労試験を行った。その結果、次のことが明らかになった。疲れ強さは、上述の砥石を使用すると向上して焼純材よりも強化される。また、注液圧力を増加すると向上する。研削液は冷却性が重要であるが、冷却性以外の油性も強さを支配している。水溶性研削液の濃度は、気泡が発生しない範囲で高くするのが良く、供試研削液の中ではW1種1号相当品の10%希釈液の場合に最も高い疲れ限度が得られた。研削によって仕上面に生じる残留応力及び加工変質層は、仕上面粗さ以上に疲れ強さに大きい影響を及ぼす。
著者
与謝野 有紀 林 直保子 都築 一治 三隅 一百 岩間 暁子 佐藤 嘉倫
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は、経済資本、人的資本、文化資本に続く第4の資本としての社会関係資本の形成プロセスと機能について、社会的諸資源、近隣ネットワークや社会参加といったライフスタイルとの関連で理論的、実証的に明らかにしようとするものである。手法としては、質問紙調査、実験、コンピュータ・シミュレーション、フィールドワークをもちいた。また、2004年1月に面接調査法による調査を行い、ランダムにサンプル1000ケースに対して707ケースの回収をみた。日本での社会関係資本に関する本格的な面接調査は本調査が最初であり、日本の社会関係資本の状況を知る上での基礎データを提供するとともに、他の手法と補完しながら、以下の知見を最終的に得た。(1)社会関係資本の主要素として一般的信頼感に焦点を絞って解析した結果、信頼の生成メカニズムに関する現行の主要理論(「信頼の解き放ち理論」)のプロセスは、日本では一切確認されない(2)一般的信頼感の生成のためには、近隣ネットワーク、自主的な参加を前提とするクラブへの参加など、中間集団に対するコミットメント関係の形成が重要であり、これらの中間集団において醸成された個別的な信頼感は、他者一般に対する信頼感を形成する重要な基礎となる。また、この知見は共分散構造分析によるデータ解析とコンピュータ・シミュレーションによって同時に確認されており、頑健性が高い。(3)社会関係資本の形成のための投資と回収のプロセスを「社会関係基盤」概念を提出することで定式化し、さらに近畿調査データを用いて、この点を実証し、社会関係資本のセーフティーネットとしての機能と階層固定化機能の両者を確認した。(4)社会関係基盤については、フィールドワークからも投資、回収概念の高い適用可能性が確認された。これらの研究成果については、論文、著書のほか、日独先端科学技術会議(学術振興会・フンボルト財団共催)や本研究を中心に企画された第39回数理社会学会シンポジウムで報告されている。
著者
矢野 秀利
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.71-94, 2009-03

The concept of Basic Income(BI) is well known in welfare economics. This paper aims to explain the BI system in camparison with public assistance and the negative income tax. Public assistance has many problems such as the means test, work disincentive and the stigma of receiving welfare payments. Some economists have proposed the negative income tax system in place of public assistance. The new guaranteed income system which is called BI has been proposed in the last decade. This new tax system may replace the existing income tax and social security contribution by abolishing poblic assistance, unemployment insurance and the minimum public pension. BI may be a better tool for redistribution policy, but it has some problems, for example, the financial difficulty for much tax burden and the question abouto work incentive effects.ベーシック・インカムの考えは最近の厚生経済の分野で知られるようになってきた。本稿はベーシック・インカムシステムを公的扶助、負の所得税との比較をしながら説明するものである。公的扶助には資産調査、就労意欲へのマイナス効果、そしてある種のスティグマのような問題点があり、専門家からは公的扶助に換えて負の所得税の導入が提案されてきた。そして、今、新しくベーシック・インカムのと呼ばれる所得保障制度が提唱されている。ベーシック・インカムを内蔵した新しい所得税制度は現存の公的扶助、基礎年金、失業保険を廃止して、所得税と社会保障を統合することを目指しているという意味で画期的な提案である。だが、この新しい制度にも問題点はある。つまり、新しい制度を支える財源的な困難と、就労へのインセンティヴが働くかどうかである。
著者
青山 千彰 日本山岳レスキュー協議会
出版者
関西大学
雑誌
情報研究 : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-58, 2004-10-30
被引用文献数
1

我が国における山岳遭難事故者は,1994年より増加し始めて以来,右肩上がりに増加し続け,2003年には1666人まで達した.この増加の背景には中高年の登山ブームがあると言われている.事故の全体的な傾向については警視庁の事故統計以外は分からず,加えて本調査データの大部分は公表されないため,事故者数の増加に関する分析ができない現状にある.そこで,三団体(日本山岳協会,日本勤労者山岳連盟,東京都山岳連盟)の山岳遭難保険請求時に事故調査を行い,2002年よりデータベースを作成した.その内容は事故者の基礎情報(体力,経験),計画・装備,事故発生時と発生前後に関して約150に及ぶ項目から構成される.警視庁データと併せて,山岳遭難事故の実体,原因,発生のメカニズム等について言及し,知見を得たので報告する.
著者
春日 淳一
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.403-418, 2007-03

本稿はルーマンの後期の著作に登場する新概念のひとつ「イリテーション」をとりあげ、その意味を明確にしようとするこころみである。まず、ルーマン理論の解説書等に手がかりを求めたのち、イリテーション概念を主題にした原典のいくつかにあたってみた。この概念自体のまとまった理論的説明は見いだせなかったが、時代状況とかかわらせた「イリテーションと価値」と題する論文が含蓄に富んでいるので、その内容を中心に関連概念を含めて解説した。「イリテーション」もまた、ルーマンのシステム論的思考法の枠組みにしっかり位置づけて理解することが肝心である、というのが得られた教訓である。
著者
北川 勝彦
出版者
関西大学
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.123-142, 2004-06-15

本研究ノートでは、1930年代中頃において、日本商品のアフリカ市場への進出を可能にした国際的枠組、すなわち「コンゴ盆地条約」とその改廃をめぐる動向について考察した。中央アフリカにおいて通商の自由と外国人に対する均等待遇の原則が定められたのは、1885年のベルリン会議の一般議定書においてであった。本議定書は、1890年のプリュツセル会議の一般議定書および宣言書により追補され、1919年、サンジェルマン・アン・レーにおいて締結された条約により更に修正されたが、通商上の均等待遇の原則に関しては変更されなかった。こうした背景の下で、日本品市場としてのベルギー領コンゴの可能性が調査されている。『白耳義領コンゴー経済事情』では、タンガニーカのダルエスサラームを拠点とする通商戦略が提案された。というのは、日本品の販路としてコンゴ市場を確保するには、インド洋岸の東アフリカを切り離しては困難であると判断されたからである。ベルギー領コンゴでは、アフリカ人向け商品の大部分は綿布で、全体として見れば、日本品の競争振りには驚嘆すべきものがあったが、しかし捺染綿布キテンゲを主とするイギリスの地位は牢固たるものがあった。コンゴ盆地条約は、実施日から10年を過ぎると改訂が可能であり、イギリスより1935年7月には条約改訂会議を開催したい旨の提案がなされた。日本政府は、他の署名国に反対がない限りなんら異議がないとの回答を行なったが、コンゴ盆地条約は、植民地通商に関する理想的基準をなすものであり、平和を希望する関係各国政府の努力によって存続させねばならないとの立場に立った。
著者
鵜飼 康東 長岡 壽男 竹村 敏彦 峰滝 和典 高橋 洋一
出版者
関西大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、第一にマルチエージェント・シミュレーションの手法を用いて、いかなる社会的および個人的条件の下で、金融パニックが発生するかを解明することである。第二に、社会シミュレーションの関数系のパラメータを確定して、金融パニックを回避するための妥当なミクロ金融政策の支援ツールを開発することである。なお、金融パニックは、本研究では、預貯金の取り付け騒ぎ、金融機関の連鎖倒産、金融資産価格の暴落をもたらす経済状況と定義される。シミュレーションに入力するデータとして、ウェブ調査により収集した個票データを用いる。平成21年度には、鵜飼が、平成20年度に設計した金融パニックシミュレーションを二つの英文査読誌に投稿して採択された。レフェリーに高い評価を受けた点は預金者行動に地域的特性が強いということを新たに発見した点である。さらに、韓国慶北国立大學校情報科学部、中国復旦大学社会主義市場経済研究所および上海社会科学院において当該論文の報告を行った。最も重要なコメントは、銀行信用度が預金者行動に大きな影響を与えているという韓国の研究者の指摘であり、第二の重要なコメントは、マルチエージェント・シミュレーションにこだわらず、遺伝的アルゴリズムなどの他の社会シミュレーションツールも有効ではないかという中国の研究者の指摘であった。竹村と峰滝は、シミュレーションツールをコンピューターネットワークに実装するツールを開発してハワイにおける国際会議で報告した。長岡は、平成20年度の「金融機関における取り付け騒ぎの事例研究」の英語版をトルコにおける国際会議で報告した。いずれの国際会議もツールの現実妥当性を強める上で非常に有益であった。竹村は、データの統計的分析結果を英文査読誌に投稿して採択された。レフェリーに高い評価を受けた点は預金者行動の心理的特性パラメータを推計したことである。
著者
福 康二郎
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

過酸化水素(H2O2)を利用した環境調和型物質変換反応系の実現を目指し、『光触媒的なH2O2製造』と『H2O2を利用した有機合成反応』について、低環境負荷な触媒反応(プロセス)を実現するための設計指針を得ることを目的とした。主には次の項目を検討することで、上記反応系の発展に貢献し得る触媒設計指針が得られた。『(1)Pd-BiVO4光触媒を利用した酸素からのH2O2製造』、『(2)アルカリ土類金属酸化物で修飾したBiVO4光アノード上での水からのH2O2製造』、『(3)無機アニオンを固定化した層状複水酸化物触媒によるスルフィド酸化反応』、『(4)BiVO4熱-光触媒を利用したオレフィン酸化反応』