著者
長崎 暢子 篠田 隆 田辺 明生 石井 一也 油井 大三郎 酒井 啓子 清水 耕介 井坂 理穂
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

本研究は、近年再評価されつつあるガーンディーに関する文献購読、史資料調査、および現地調査(インドのアフメダーバード、ワルダー、イギリスの大英博物館、南アフリカのダーバンなど)を行い、ガーンディーの歴史的役割の重要な一端(非暴力的な紛争解決)の詳細とその影響を明らかにすることが出来た。具体的には、彼は、当時の南アフリカに存在した紛争(人種差別)を非暴力的に解決する「方法としての非暴力」をこの時代に編み出し、それによって有色人種(インド人 & 中国人)に対する白人の人種差別の一角を崩すことに成功したのである。のみならず、この方法は、北欧、中東(イラン)の紛争解決、米国の人種差別反対運動にも影響を与えた。
著者
宮治 昭 市川 良文 入澤 崇 岩井 俊平 岡本 健資 小泉 惠英 佐藤 智水 田辺 勝美 永田 郁 芳賀 満 福山 泰子 山田 明爾
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

パキスタン,インド,日本,欧米に散在する多量のガンダーラ美術(彫刻)を実地調査し,写真資料を収集して(総計1,849件),それら画像に関する文字情報を入力して,データベース化のための基礎資料を作成した。これらの資料をもとに,インド・ヘレニズム・イランの諸文化を吸収しつつ独自の仏教美術を形成した様相を明らかにし,仏教信仰の実態にも迫った。その成果は中間報告書(平成23年5月),全体報告書(2冊)と国際シンポジウム報告書(平成25年3月)として刊行した。
著者
入澤 崇 宮治 昭 吉田 豊 山田 明爾 井上 陽 山田 明爾 井上 陽
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

アフガニスタン中央部バーミヤーンを中心としたハザラジャート地域において仏教がどの程度広がりをもっていたか、またバーミヤーン以西へどれほど仏教が及んでいたかについて現地調査を行った結果、8世紀前半にバンデ・アミール川流域に仏教が及んでいたことが判明した。
著者
時本 義昭
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.A1-A20, 2008-01

尾高朝雄のノモス主権論においては、抽象的な理念であるノモスに主権が帰属させられる。また、純理派は、革命期において、主権の帰属主体が「個別的で具体的」であったことが議会による無制限な支配や多数派による圧制をもたらしたとして、抽象的な存在である理性に主権を帰属させることを主張した。いずれにおいても、主権の帰属主体が抽象化されることによって主権の帰属主体自らによる主権の行使は不可能となり、その結果として主権の帰属と現実における主権の行使とが分離され、主権の行使は内在的に制限される。ところで、カレ・ド・マルベールの国民主権論における国民も抽象的な存在であることから、ノモス主権=理性主権=国民主権となる。さらに、宮沢俊義の国民主権論も、「誰でも」によって構成される国民が抽象的な存在であることから、この等式における国民主権に含まれる。その結果、意外にも、主権の帰属主体に関する限り、宮沢・尾高論争における理論的な対立的要素はなくなるのである。
著者
角岡 賢一
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.169-189, 2008-01

この小論では、仏教語彙が本来の教義を離れて意味が一般化した過程を語彙誌的に跡付ける試みを行う。まず直近20年間の新聞記事をデータベースによって検索し、共時的視点から分析を行う。次に時代を遡り、本来の意味から逸脱し始めたのがどの時代であったかを探る。検証の対象としたのは、次の八語彙である。他力本願、お題目、一蓮托生、億劫、極楽浄土、唯我独尊、後生大事、〓啄同時各語彙が新聞記事でどのように用いられているかによって、仏教語彙本来の意味であるか一般化した意味かに分類した。その比率の比較は、語彙項目毎に大きな偏りがあった。「極楽浄土、〓啄同時」の二語は九割以上という高率で本来意味での記事が見られた。それ以外の六語はいずれも、この比率が一割未満であるという極端な偏りが見られた。
著者
辻本 桜子
出版者
龍谷大学
雑誌
國文學論叢 (ISSN:02887770)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.A97-A111, 2007-02
著者
大島 堅一 上園 昌武 木村 啓二 歌川 学 稲田 義久 林 大祐 竹濱 朝美 安田 陽 高村 ゆかり 金森 絵里 高橋 洋
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

1.システム改革と市場設計に関する研究:電力システム改革の背景にあるエネルギー転換や世界的なエネルギー政策の構造改革について調査し、日本の状況との比較検討を行った。また、エネルギー転換の一環として世界的に盛り上がる国際連系線について、電力システム改革の観点から研究した。2.地域分散型エネルギーの普及、省エネルギーの促進政策研究:地域分散型エネルギーの普及については、特に欧州の国際連系線の潮流分析や市場取引状況について定量的評価を行なった。また国内の系統連系問題に関して主に不適切なリスク転嫁の観点から、参入障壁について分析を行った。 省エネルギーの促進政策の研究については、対策技術種類と可能性、対策の地域経済効果、技術普及の際の専門的知見活用法について検討した。3.新しいビジネスと電力会社の経営への影響に関する研究:電力の小売全面自由化の影響にいて整理・分析し、その研究成果の一部を「会計面からみた小売電気事業者の動向」として学会報告した。加えて2020年4月からの発送電分離と小売部門における規制料金の撤廃の電力会社の経営面に与える影響について制度面ならびに国際比較の観点から分析を行った。4.エネルギーコストに関する研究:昨年度の研究成果を踏まえて、風力発電事業者複数社等への追加ヒアリング調査を行い、疑問点の解決を図った。加えて、原子力のコストについて、現時点での新たな知見に基づく再計算と、電力システム改革下における原子力支援策についての分析を行った。5.経済的インパクトに関する研究: 2005年版福島県産業連関表を拡張し、再生可能エネルギー発電部門を明示化する作業を行い、拡張産業連関表の「雛形」を完成させた。これを福島県の実情を反映したものにするための準備作業として、風力、太陽光、小水力、バイオマス、地熱の業界団体・専門家に対してヒアリングを行った。
著者
小長谷 大介
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷紀要 (ISSN:02890917)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.1-16, 2006-01-31
被引用文献数
1

19-20世紀転換期における科学的諸成果は、当時の社会的状況を背景としながら、理論・実験両者からの地道なアプローチによってもたらされたのである。エネルギー量子発見に絡む熱輻射研究もその例外ではないが、従来の熱輻射研究に関する科学史研究は、「量子論の起原」を探ることを主な目的として理論的文脈に偏る傾向をもっていた。そのためか、熱輻射研究史において、理論的成果と動的に結びつかないように映る実験家の研究内容は、陰の部分に属しがちであった。だが、改めて当時の実験科学的文脈を見直すならば、実験家の仕事の異なる側面が見えてくるのである。ここでは、実験科学者フリードリヒ・パッシェンの熱輻射研究に対して諸評価があるなかで、天野清のパッシェン評を取り上げて、それに対する十分な考察とパッシェン評の再考を行った。その結果、天野によるパッシェン評の3点、空洞による熱輻射の理解不足、ヴィーン法則の「常数」αに関する「不正確な」認識、固体熱輻射源への「重要な材料」の提供というのはいずれも相応な評価と判断できた。また、当時の熱輻射研究の文脈を詳察するならば、さらに異なるパッシェン評を加える必要があった。新たなパッシェン評は、彼が1890年代後半の固体ないし固体-空洞折衷型の熱輻射実験から得た成果についてである。ルンマーらの空洞熱輻射源の実験には長い開発期間が必要だった一方、パッシェンの固体熱輻射源を利用・応用する実験は、当時としては最先端の測定データを短い時間で提供できるものだった。1899年までの熱輻射研究において、パッシェンのデータは大きな存在感をもち、それは当該分野の他の実験家、理論家にとっても重要な価値をもっていた。
著者
大坪 秀敏
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷史壇 (ISSN:03869210)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.19-52, 1999-10-25