著者
上村 佳奈
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.128, 2017

<p>強風による森林風害の発生は、これまで経験/力学的モデルや統計解析によって、 被害発生の風速閾値(限界風速)の推定や要因の解明が行われてきた。しかし、強風時の被害がどのように始まり連鎖(拡大)していくのかという動的プロセスの分析が限られているため、被害推定の精度が向上しないという問題点が指摘されている。動的プロセスについては、通常数値計算などの膨大な計算処理が必要であるため、多様な林分の空間配置などを考慮した解析は少ない。本研究では、ゲーム理論やコンピュータサイエンス技術等を統合したAgent-based modelling手法に既存研究から得られた森林被害に関する理論および風況パラメタを組み込み、森林風害の発生と連鎖のシミュレーションを行った。その結果、林縁での耐風性が高く、林縁から林内への距離が長くなると耐風性は低下した。この傾向は、風洞実験や野外計測結果と類似していることから、 動的プロセスに着目した風害発生メカニズムの解析について本手法は有効であることが示唆された。また、風向に対し立木の配置を変えると、被害の発生場所や連鎖状態が異なることが確認された。</p>
著者
徳永 淳 TOKUNAGA Atsushi
出版者
創価大学日本語日本文学会
雑誌
日本語日本文学 = Studies in Japanese Language and Japanese Literature (ISSN:09171762)
巻号頁・発行日
no.31, pp.20-31, 2021-03-18

昭和四十二(一九六七)年に発表された野坂昭如「子供は神の子」は、その表題を反転させた内容の小説である。妹の葬斂で大人たちからの賞讃を享受した小学校二年生の冽は、その晴れがましさを再度味わいたいがために「祖母」を死に至らしめる。しかし、大人たちは冽が「祖母」を死に至らしめたことなど知る由もなく、再び彼を優遇する。 本作は、子供を純粋無垢な存在として扱う大人たちを批判していると捉えられてきた。しかし、その批判もまた大人たちを主眼に置き、冽の内面に焦点をあてていない。 本稿では、大人たちの誤認を指摘した上で、冽の内面も分析し、「子供は神の子」を捉え直していこうと思う。
著者
森井 健介
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.1031, pp.A34-A35, 1970-12
著者
木村 弘 御園生 義良
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.855-859, 1974-12-10

開腹手術後の患者の健康管理は医師として常に気を配つているところである。特に体力回復については補助的に注射して栄養補給を行なつているとはいえ,その主力は食物の経口摂取に頼つているのが現状である。1959〜1962年にLavenstein1,2)らが枯草熱の治療にペリアクチンを投与していたところ,偶然に食欲が増進し,体重が増加することに気づき,さらに喘息患者にこれを用いてその両効果を確認して発表以来Bergen3)など多くの人たちがペリアクチンの食欲増進,体重増加の効果を認めている。 わが国においてはペリアクチンは昭和36年3月より抗アレルギー剤として市販され,広く一般に使用されてきたが,昭和44年頃より小児科や結核科領域において抗アレルギー剤としてのみでなくさらに食欲増進,体重増加効果をも認める発表がなされはじめ,昭和46年1月からは食欲増進剤としても市販されるようになり今日におよんでいる。
著者
浅井,保至
出版者
日本AEM学会
雑誌
日本AEM学会誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, 2011-03-10

Linear resonant actuators (LRAs) have been used in wide range of application because they can reciprocate in comparatively short stroke in spite of their compact size and lightweight. However, the amplitude of LRAs severely decreases in response to an external load. This paper proposes a control method to maintain constant amplitude against an external load by adopting the PID control in the PWM feedback control by the back-EMF detecting from the coil. The effectiveness of this method was clarified by both 3-D finite element analysis and the measurement.
著者
原田 澄子 深井 康子 守田 律子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.117, 2011

<B>目的</B>:平成21~23年度日本調理科学会の特別研究「調理文化の地域性と調理科学―行事食・儀礼食―」の一環として、行事食の認知度や喫食状況などを調査することにより、富山県の地域性と調理文化を把握し行事食の伝承状況を明らかにした。<BR><B>方法</B>:富山に在住する富山短期大学の学生277名およびその親159名を対象に全国統一様式の調査用紙を用いて行事食の調査を行った。<BR><B>結果および考察</B>:富山県は、東日本と西日本の接点に位置し、関東と関西の両方の食文化を受けている。認知度が高い年中行事は、学生その親ともに正月、節分、上巳、端午、七夕、土用、月見、冬至、クリスマス、大晦日であった。認知度も経験も少なかった行事は、学生その親ともに重陽の節句であった。親が多く学生が少なかった行事は、盂蘭盆、春祭り、秋祭りで逆に親が学生より少なかったのは七夕であった。正月の屠蘇は、親50%に対し、学生が8%と少なかった。雑煮はいずれもほとんど食べており、調味は「清まし」、もちは「角餅」、調理法は「焼かない」が多かった。赤飯は正月料理では食べる習慣が少なかった。月見団子は学生その親ともに食べていたが富山県では小芋を食べる習慣がなかった。<BR>
著者
水野 肇
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.53, 1965-04-10

許可基準内なのだが… アンプル入りカゼ薬「強力パブロン」(大正製薬)「強力テルミックス」(大正製薬)「エスピレチン」(エスエス製薬)が,2月27日からいっせいに販売中止となった。厚生省の要請を受け入れて業者側が自シュクしたものである. アンプル入りカゼ薬が販売中止となったいきさつは,新聞紙上に報道されたとおりで,わずか10日間に5人がこの薬を飲んで死に,重大な関係があるとみられたためである.目下,その原因を調査中のため,かるがるしく言うべきではないが,死亡した5人の状態をみると,過敏体質,くすりののみすぎ,体力の衰え,他の薬との併用が,表面的には問題になってくるようだ.そして,昨年はアンプルのカゼ薬で死んだ人は3人,34年から38年の4年間で,ピリン剤で死んだのは11件ある.