著者
福田 八寿絵
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.52-59, 2009

Human papillomavirus (HPV) causes cervical cancer, and efforts to develop vaccines against this virus have been proceeding. In June 2006, the U.S. FDA approved a vaccine that prevents HPV. There is now a political controversy over how to use this HPV vaccine in the clinical setting. Because of the high prevalence of cervical cancer in Japan, this vaccine has been eagerly awaited. This paper examines the experience in the U.S. and discusses how this vaccine might be used in Japan where it has not yet been approved and considers how the cost should be borne as well as the ethical problems involved in selecting individuals to receive preventive vaccination.
著者
前田 直樹 荒川 豊 安本 慶一
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.477-478, 2016-03-10

初対面の人物とコミュニケーションを取るには切っ掛けとなる要因が必要である。要因の一つとして記念撮影が挙げられるが、初対面の相手に記念撮影を申し込むのは難しい。本システムでは、会場内を巡回する掃除ロボットと顔認識装置を用いることで初対面の人間同士の記念撮影を行いコミュニケーション支援を行う。コミュニケーション支援として、本システムが人間に対して話題を投げかけることで記念撮影を行った人間同士での会話を誘発させるコミュニケーションの円滑化や、本システムが異なる人間との記念撮影を要求することで新たな初対面の人物とのコミュニケーションの誘発を行う。
著者
佐伯 潤 山本 精治 矢部 眞人 長崎 淳一 林 健一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.135-140, 2015
被引用文献数
1

狂犬病予防法は91日齢未満の幼齢犬にワクチン接種義務を課していない.このようなワクチン未接種幼齢犬は,移行抗体による防御免疫を有する場合もあるが,その消失に伴い免疫を失うと考えられる.狂犬病発生時,幼齢犬が本病の拡大や人への伝播に関与する可能性もあるが,国内での抗体保有状況に関する報告は少なく,その実態は明らかではない.そのため,91日齢未満の幼齢犬における狂犬病中和抗体の保有状況を調査し,狂犬病発生時を考え,家庭で飼育されている幼齢犬の狂犬病ワクチン接種後の中和抗体価の推移を調査した.その結果,中和抗体価8倍以上の幼齢犬は,216頭中34頭と少なかった.幼齢犬への狂犬病ワクチン接種後の中和抗体価は,一時的な上昇にとどまるか,十分に上昇しなかった.しかし,その後の追加接種により感染防御が可能な有効抗体価が得られた.
著者
中洞 正 雨田 章子
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.117-126, 2013-01

日本の酪農は大きな岐路に立たされている。それまでのある種神話化された牛乳滋養論の瓦解・大手メーカーの不祥事,BSE,穀物相場の高騰,牛乳否定本の相次ぐ発刊など戦後酪農の手法がことごとく否定されている観を否めない。戦後の酪農は日本農政の基幹となった農業基本法(1961年)において選択的拡大作目として米や果樹とともに生産の拡大と内外価格差の是正を目指した。モノカルチャーによる拡大政策は輸入飼料に過度に依存した工業型酪農の普及であった。これは生命産業といわれる酪農を自然から遊離した歪な業界にしてしまった。著者は山地を利用した放牧酪農を30年余に渡り実践してきた。これは戦後まもなく,植物学者の猶原恭爾博士が提唱した「山地酪農」が背景になった。しかし,工業的酪農の激流に押し流された山地酪農は1987年に乳業界が取り決めた脂肪分3,5基準によって崩壊してしまった。一方EUが先鞭を切った「家畜福祉」という概念はいみじくも山地酪農の手法と合致するという皮肉なこととなった。食の安全や家畜福祉,環境問題が百家争鳴のいまこそ虐待的飼育におかれてきた乳牛たちの思いを真摯に受け止め乳牛,酪農家,消費者それぞれが共通の幸せに基づいた新たな日本型酪農構築をしなければならない。幸いわが国には全ての動植物と共生を重んずる仏教的思想を先人達が継承してきた歴史がある。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1171, pp.38-40, 2002-12-16

メガヒット不在の今年。それでもヒットした商品のキーワードは「機能性食品」と「復刻版」だった。 明治乳業の「明治プロビオヨーグルトLG21」に代表される機能性ヨーグルトは6位、キリンビバレッジの「アミノサプリ」に代表されるアミノ酸食品は16位、花王の「健康エコナマヨネーズタイプ」は25位に入った。振り返ると、今年ほど食品メーカーの不祥事が相次いだ年は珍しい。
著者
梅澤 慎吾 岩下 航大 大野 祐介 興津 太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101921, 2013

【はじめに】両側大腿切断は左右の膝を失う固有の障害像から,実用歩行を困難にする要素が多い。しかし,優れた立脚・遊脚制御を備える膝継手(以下:高機能膝継手)が一般的になりつつある昨今,片側切断者に匹敵するレベルで歩行可能な事例が報告され始めている.その達成には要所を押さえた義肢部品の運用と,訓練全体のマネジメントが必須となる.第一報では二足実用歩行を獲得した一症例を報告した.今回は同様の方法で実用歩行を獲得した新たな症例から,時代に即した情報の一つとして,両大腿切断者の高活動ゴールの方向性を提示することを目的とする.【症例】34歳 男性 交通外傷による両側大腿切断.既往歴や合併障害なし.受傷後,前病院の断端形成術~装着前訓練を経て,義肢装具SC入院《断端長》右11.0cm,左24.0cm《受傷前身長》166cm,《義足装着》シリコーンライナー使用[初期評価:訓練開始時] 《ROM》左股関節伸展10°右股関節屈曲70°伸展-5°《筋力》左右股関節の伸展・外転筋MMT4《受傷~義肢装着の期間》約4ヶ月 [最終評価:18W終了時]《ROM》左股関節伸展15°右股関節屈曲80°伸展5°《筋力》左右股関節周囲筋 MMT5 《膝継手》固定⇒C-Leg⇒C-LegCompact【説明と同意】結果の公表を本人に説明し,個人情報の開示を行う旨を了解済みである。【経過と結果】[開始~10W]膝継手なし,または固定膝で訓練施行.船底型足部を利用したスタビーによる動作習熟が中心.移動範囲は前半が屋内,後半が屋外・屋内応用歩行を中心に行う.坂道下りが二足で可能になることを条件に,4段階で義足長を10cmずつ長くする.《10m歩行》11.5秒 《12分間歩行》500m 《TUG》19.2秒 《PCI》0.8 [10W~18W]C-Leg(Compact)変更後は膝屈曲位での二足坂道下り動作と歩行中の急激なブレーキ動作など,膝継手の立脚期油圧抵抗(イールディング機能)の習熟とその反復に重点を置いて訓練継続.杖なしでの坂道歩行や円滑な方向転換が2W~4Wで自立.最終では装着時身長が166cm、約1.5kmの屋外持続歩行や公共交通機関の利用がT杖携帯で自立となる。《10m歩行》8.5秒 《12分間歩行》660m 《TUG》14.3秒 《PCI》0.57【考察】従来の両大腿切断の訓練は到達目標が頭打ちになることが多いと推測する.両大腿切断者が義足で生活を送るには、多様な路面の攻略が必要になるが,特に坂道下り動作の自立が義足常用化の鍵になる.多くは手摺りを頼りに出来る公共の階段と違い,屋外の坂道に手摺りはなく,従来の膝継手では杖使用でも円滑な動作が困難だからである.この報告で提案する訓練の基軸は「安心感をもたらす膝継手選択による身体機能向上」と「高機能膝継手で引き出せる動作の習熟(坂道下り)」である.いずれも膝継手の理解無くして目的達成は困難といえる.高機能膝継手は,イールディング機能による立脚期制御と円滑な油圧抵抗のキャンセルによる遊脚期制御(良好なクリアランス形成)が独立して調整可能で,運用次第で多様な路面の歩行が可能になる.具体的には1.強力な油圧抵抗で大腿四頭筋の遠心性収縮を代用し,一方の膝が緩やかに屈曲しながら他方の足部接地を行う時間的猶予を与える 2.継手が完全伸展位,かつ設定した閾値以上の前足部荷重をしなければ油圧抵抗がキャンセルされず不意な状況で膝折れが起きない 3.C-Legをエネルギー効率の面で優位とする報告があり,義足歩行の継続が過負荷にならない等の特長がある。今症例では膝継手使用前に,膝折れのない安心できる環境の下で充分な時間を割き,二足歩行で多くの動作習熟を行った.これは股関節周囲筋群の強化と,多くの動作を獲得したという成功体験に繋がっている.この効果として,膝継手使用以降で動作習熟に時間を要する場面でも,かつて出来たことが基準となって,装着者本人に問題意識が芽生え,より動作習熟に尽力できる下地になったと分析する.立脚期を考慮すれば固定膝に利点もあるが,歩行速度や歩行効率等の評価から分かる通り,より高いレベルの目標達成には,遊動膝による良好な遊脚期形成が重要といえる.高機能膝継手はPC制御による製品が存在するが,これも良好なアライメント設定が前提になる. その他の検討事項として,床からの立ち上がりを考慮して重心位置(義足長)を低く保つために,低床型足部や,キャッチピンを用いない装着法も要検討である.(キスシステム,シールインライナー,吸着式)【理学療法学研究としての意義】公費対象でない製品は高額であるため,現制度内での運用は決して一般的でない.しかし,両側大腿切断者のQOL向上に大きく寄与する事実を公にすることで,同様の重度切断障害者が,膝継手の選択次第で屋内外を問わず義足で生活できる可能性を見いだせるきっかけとしたい.期限設定~動作達成度の評価や訓練施設の特定など,今後は条件付きで膝継手支給の仕組みが議論されることも必要である.
著者
鈴木 学 放生 雅章 小林 信之 篠原 有香 高崎 仁 吉澤 篤人 杉山 温人 工藤 宏一郎 豊田 恵美子
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.661-666, 2008-10-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

〔背景〕わが国の結核罹患率は近年減少傾向にあるが,外国人結核は増加傾向(2000年5.1%から2003年6%)を示している。在日外国人登録数も年々増加しており,今後も外国人入国が増加することが予想される。〔目的〕当センターにて入院加療を行った外国人結核症を対象に,臨床的特徴について検討し,過去の報告と比較することにより,現在の外国人結核対策の問題点を明らかにし,今後とるべき対策についても提言を行う。〔対象〕当センターで2004年1月から2007年4月の間に結核症の診断にて入院加療を行った52症例を対象とした。〔結果〕男性29人,女性23人,年齢は31.8±8.8歳。出身国は中国,韓国が多く,有空洞症例は54%で,薬剤耐性は8.2%に認められた。治療完遂率は92%であった。〔考察〕以前の報告に比べて,耐性率は減少し治療完遂率は増加していた。治療完遂率の向上は日本版DOTSの推進,医療費の公費負担や言語の問題への対応など,社会全体的な体制の整備が大きく寄与したと考えられる。今後も結核蔓延国からの入国が増えることが予想されるため,新たな対策により,新規結核症を早期発見,早期治療することに加えて入国後の健康増進支援に努めることで罹患率の低下,治療完遂率の上昇を図るべきであると考える。
著者
長井 嗣信 藤本 正樹 町田 忍 篠原 育
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1.人工衛星Geotailによる観測をもとに、34の磁気リコネクションのイベントと174の南向き磁場をもつ反地球向きの高速プラズマ流について解析を行った。イベントの起きる数時間前からの太陽風の状態を調べることにより、太陽風の何が磁気リコネクションに関係しているかが明らかになった。もっとも重要な因子は、太陽風の電場(速度x南向き磁場)であり、磁気リコネクションは、この積分値が大きいほど、より地球に近い所(地球半径の20倍以内)で起こり、小さい時には、より遠方(地球半径の20倍以上)で起きることがわかった。太陽風の電場が強い時は、磁気圏対流が地球の近くで磁気圏赤道面方向に流れ、磁気リコネクションを引き起こすと考えられる。さらに、近い所で起きる場合は、遠方で起きる場合に比べて、電場の積分量、すなわち太陽風のエネルギーの流入量の積分値が大きくなることを示した。2.磁気リコネクションのトリガーについて、電流層の厚さがイオン慣性長程度の電流層の安定性について,電流層の厚さ,ガイド磁場の効果,初期温度異方性の効果を研究した。素早い磁気リコネクションのトリガーはほとんどの場合において電流層の厚さがイオン慣性長よりも薄い場合のみにしか発生しないことを示した。3.磁気リコネクションの標準モデルは、ジェットを駆動するエンジン部分(Xライン)をひとつだけ想定する。電子慣性を考慮した二流体方程式系を用いて「自然に」磁気リコネクションを駆動する状況を数値実験し、複数のXラインが共存する可能性が高いことを示した。4.磁気リコネクションが大規模に発展する時、背景にある低温電子と加速されたビーム電子との間で励起される電子二流体不安定性に伴う電子加熱・混合が、その領域で頻繁に観測されるフラットトップ型の電子の分布関数を形成し、さらに、電子二流体不安定性が非線形的に発達することによって静電孤立波(ESW)が生じることを見出した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.489, pp.38-40, 2014-11

都内を中心に今、続々とオープンしているのが餃子専門店。 ひと昔前にはやった変わり種の餃子を提供するタイプの専門店ではなく、居酒屋的な利用を前提とした"酒場色"が強くなっているのが特徴だ。餃子は誰からも好まれる人気料理だが、だからこそ、お客…
著者
佐藤 宣明
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.59-67, 2011

直線に関する対称移動を表す行列は固有値±1 をもち、不動直線と関係している。行列が昭和45 年(1970)告示の高等学校学習指導要領の科目「数学IIB」に登場して40 年以上経ち、当然、「固有値からみた不動直線」という見方が定着しているものだと思っていたが、教育現場ではそうでもないようだ。平成21 年(2009)告示の高等学校学習指導要領では、行列の内容がすべて削除されてしまうが、将来「行列」が復活するとき、若手教員たちが勉強するために「固有値」の考え方による解法を残しておく必要がある。
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.316, pp.68-71, 2002-07

北海道北見市で、小さなスーパーを25年間経営してきましたが、業績悪化のため、飲食店への転業を決意。昨年10月、餃子専門店を開店しました。ホタテやキムチなどを具材に使ったオリジナル餃子を10種類作り、ライス付きのセットメニューで出していましたが、月商は開店月の73万円を最高に、減る一方。次第に餃子だけでは厳しいと考えるようになりました。