著者
江藤 裕之
出版者
国士舘大学21世紀アジア学会
雑誌
21世紀アジア学研究 = Bulletin of Asian Studies (ISSN:21863709)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.75-94, 2019-03-20

はじめに1.シンガポールとマレーシアの英語環境2.香港の大学における英語教育と英語学習支援おわりに――日本人の英語を考える

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出版者
日本鉄道技術協会
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, 1959-03
著者
薬袋 淳子 野末 波輝 山田 裕加 福澤 大樹 橋本 廣子 成 順月 舩戸 恵子
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-10, 2022 (Released:2022-04-25)
参考文献数
14

要旨:本研究は,地域在住高齢者が認知症に移行しないことを目指して,地域包括支援センターと連携し,MCIの早期発見および回復に向けた取り組みを行う.方法は,日本の高齢者を対象に認知症関連リスク要因を検証した研究をシステマティックレビューし,その要点をチェック表にまとめ,本研究参加者約300名に1年間実施してもらう.同時にタッチパネルを用いて認知機能得点の変化を把握する.結果を分析し,取り組みの成果をまとめていく.認知症を薬により根本から治すことが確立されていない現在,地域在住高齢者が認知症に移行しないことが最重要となる.また,MCIからの回復が見込めない場合は,域包括支援センターに繋げていく仕組みを作る.これらの流れについて,本総説で概説する.
著者
氏家 章次
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.47-52, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
1

高校の化学(有機化学分野)の授業において、光学異性体についての実験や観察は旋光度を測定する器具の購入や作製を伴うなど、従来なかなか実施されにくい面があった。そこで、旋光度測定の実測VTRの観察、有機プラスチックモデルの活用などを行い、光学異性体の違いによる光の振動面の逆転を視覚的に理解させることができた。また、臭覚(匂い)や味覚(味)の違いとして体感させることなどにより、ほとんどの生徒に、より深く光学異性体の性質の違い等を理解させることができた。
著者
宇佐川 智也 赤池 泰子
出版者
日本緬羊研究会
雑誌
日本緬羊研究会誌 (ISSN:03891305)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.39, pp.9-16, 2002-12-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
11

雑草の防除草にめん羊を利用する可能性を探るために, めん羊を繋牧した時の行動および食草量について調べ, めん羊の繋牧という方法の有用性について検討した。繋牧には, 比較的従順なタイプと幾分神経質なタイプの2頭の成雌めん羊 (平均体重 : 65.4kg) を供試し, ロープが絡まない程度の近い位置に繋いだ。繋牧時間は10 : 00から15 : 00までの日中5時間とし, 計6回繰り返して行った。供試しためん羊は繋牧試験の前日の夕方から畜舎に入れ, 畜舎内では水だけを給与した。繋牧は供試めん羊に犬用の首輪を装着し, 2mのロープで繋いで行った。供試めん羊の繋牧中の行動はビデオ録画し, その連続映像を用いて食草行動, 飲水行動, 休息行動, 探査行動について検討した。繋牧に先立って, 繋牧時と同じ時間帯に成雌めん羊3頭を用い, 紙オムツを装着しての放牧を2回繰り返して糞尿排泄量を予め測定しておいた。繋牧中の食草量は繋牧後のめん羊の体重増加量を求め, これと糞尿排泄量から算出した。食草行動に費やした総時間数では, 1号羊で3.35-4.57時間, 2号羊で3.03-4.55時間であった。2号羊では0.6-2.1分の範囲で1号羊より短い食草行動を頻繁に繰り返していた。休息行動は, 比較的従順なタイプの1号羊では4回目の観察日を除いて1-3回観察されたが, 幾分神経質なタイプの2号羊では2回目の観察日に2回観察されただけで, 探査行動についても1-5回目の観察日において1号羊では1時間あたり0.4-6.6回であったが, 2号羊では6.6-27.8回となり緊張して警戒している様子を示した。5時間の繋牧中の体重増加量は, 1号羊では3.0-4.8kgであったが, 2号羊では1.2-6.8kgと変動幅が大きく特に前半の観察日においてわずかであった。4回目の観察日では1号羊, 2号羊いずれも十分に食草しており, 予め測定しておいた糞尿排泄量から算出した推定食草量はそれぞれ5.5kgと7.5kgであった。幾分神経質なタイプの2号羊においても4回目の観察日以降, 繋牧に慣れて十分食草できたようであり, 6回目の観察日では周囲が少し騒がしかったが推定食草量は3.7kgであった。以上のように, 2頭を近くに繋牧することによってめん羊は繋牧という状況に次第に慣れること, 繋牧への順応性には個体差が見られること, 日中5時間の繋牧において4kg前後とかなりの食草量があることが示され, めん羊を繋牧することの有用性が十分に示された。
著者
Lucia S. Yoshida Tomie Kawada Kaoru Irie Yasukatsu Yuda Toshiyuki Himi Fumihiko Ikemoto Hiromi Takano-Ohmuro
出版者
The Japanese Pharmacological Society
雑誌
Journal of Pharmacological Sciences (ISSN:13478613)
巻号頁・発行日
vol.112, no.3, pp.343-351, 2010 (Released:2010-03-19)
参考文献数
32
被引用文献数
16 23

Recently, an isomeric mixture of herbal anti-inflammatory naphthoquinones shikonin and alkannin, and their derivatives, have been found to impair cellular responses involving nitric oxide (NO) and NO synthesis, like the acetylcholine-induced relaxation response of rat thoracic aorta and NO release from murine RAW 264.7 macrophages. However, the mechanisms of such effects, including whether NO synthase (NOS) activity is affected, remained unclear. We herein investigate possible targets of shikonin in these NOS-related events. Shikonin by itself dose-dependently inhibited the rat thoracic aorta relaxation in response to acetylcholine (pD′2 value: 6.29). Its optical enantiomer, alkannin, was equally inhibitory in the aorta relaxation–response assay. In RAW 264.7 cells, shikonin inhibited the lipopolysaccharide-induced NO production by 82% at 1 μM. A cell-free assay to verify direct effects on NOS activity showed that shikonin inhibits all isoforms of NOS (IC50s, 4 – 7 μM), suggesting NOS as an inhibition target in both the events. Further possible targets of shikonin that might be involved in the inhibitions of the acetylcholine-induced aorta relaxation response and the NO generation by RAW 264.7 cells are also discussed. It is shown for the first time that shikonin inhibits NOS activity.
著者
中野 祐司 榎本 嘉範 東 俊行
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.346-354, 2022-06-05 (Released:2022-06-05)
参考文献数
75

80–90年代に加速器施設に建設された原子分子物理用のイオン蓄積リングは,重イオン物理や分子科学において多大な成果をあげてきた.近年,これらのリングの多くが当初の役割を終え,姿を変えて第二の生涯を歩み始めている.その背景には,原子分子物理の研究の場が,高エネルギー(MeV~GeV)の磁場型リングから低エネルギー(keV)の静電型リングへ移り変わってきたことがある.原子分子の反応は素粒子や核物理のように高エネルギーを必要としないのでビームのエネルギーはkeV領域で十分であり,この程度のエネルギーであれば電場で制御することができる.磁場型リングではイオン質量に応じて磁場を強くする必要があったのに対し,静電型リングで必要な電場強度はイオン質量に依存しないため,多様なイオンビームを蓄積することが可能である.さらに電磁石が不要なため装置を実験室サイズに小型化することができる.大型の国際計画へと巨大化していく加速器や宇宙科学とは好対照に,大型加速器から生まれた蓄積リングの技術が多様化と小型化を遂げた結果,世界各所でバラエティ豊かな研究が展開されるようになった.原子,分子に関する基礎研究をはじめ,クラスターや生体分子を対象としたダイナミクス研究,星間分子反応の実験研究など,様々な研究分野にまたがる新しい発見がたくさん得られた.このようななか,電子,振動,回転状態がいずれも基底状態に冷却された「単一量子状態の分子イオン」による新しい物理の探索を目指して次世代リングの検討が始まり,3つの拠点で極低温静電型イオン蓄積リングDESIREE(Stockholm大学),CSR(Max Planck原子核研究所),RICE(理化学研究所)の開発が進められてきた.いずれのリング開発も真空容器そのものを10 K以下にまで冷却することで熱輻射を遮断し,さらに10-10 Pa以下の極高真空を実現して長時間のイオン蓄積を実現しようとする野心的な計画であった.各リングとも5~10年にわたる開発期間を経て,2010年代に入って装置温度10 K以下を達成し,数100秒以上の長時間にわたる分子イオンの安定蓄積に成功した.2017年,極低温リング内での分子の冷却が初めて観測された.DESIREEとCSRのグループは,蓄積したOH-分子イオンの光電子脱離スペクトルから振動回転状態の占有率を見積もり,最大で99%以上もの分子イオンが基底状態に冷却される様子を捉えた.我々の開発した極低温リングRICEでは3原子分子イオンN2O+の高分解能分光によって,孤立分子の状態分布が刻々と変化する過程を追跡することに成功した.極低温リングの登場によってこれまで見ることのできなかった孤立分子の冷却ダイナミクスが明らかになってきたとともに,冷却分子イオンビームを利用した実験研究が現実のものとなった.冷却分子およびその量子制御を利用した研究展開として,RICEでは中性原子ビーム,DESIREEでは負イオンビームとの相互作用を観測するためのセットアップが進行中である.CSRでは冷却分子と電子の衝突実験が行われ,初期宇宙の原子分子過程として重要なHeH+の解離性再結合反応および回転状態依存性が初めて観測されるなど,重要なマイルストーンが達成された.
著者
中島 祥 山本 淳
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.525-530, 2009-12-20 (Released:2012-09-26)
参考文献数
20

近年の遺伝子診断の発達に伴い,Anisakis I型幼虫は1種類ではなく様々な同胞種で構成されており,少なくともA. simplex sensu stricto,A. pegreffii,A. simplex C,A. ziphidarum,A. typicaの5種が存在することが知られている。しかし,これらの同胞種の日本近海における地理的分布や疫学については知見が少ない。このため,日本近海(東シナ海)と南シナ海(中国,フィリピン)のAnisakis I 型幼虫をrDNAのITS1-5.8S rRNA-ITS2領域におけるPCR-RELP法を用いた分子生物学的特徴の点から識別し,地理的分布を調査したところ,A. simplex sensu stricto,A. pegreffii,hybrid genotype,A. typica-like larvaeの存在を確認した。A. typica-like larvaeについては,さらにITS領域のシークエンスを行い,A. typicaであることを確認したが,塩基配列にわずかな相違が認められた。また,アニサキス症患者から得られたAnisakis I 型幼虫は,A. simplex sensu strictoであった。