著者
岡谷 英夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.257-264, 2015-01-06 (Released:2015-01-06)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

Sensory words such as onomatopoeia are difficult for students of Japanese because their cultures are different. How onomatopoeia are dealt with in elementary school compulsory education has been reviewed with the aim of considering how it can be applied to students of Japanese as a second language. Five Japanese textbooks that are currently in use at elementary schools for native speakers of Japanese were examined to see which onomatopoeic words appear and to what extent. A total of 6,443 onomatopoeic words were listed in these textbooks. Of the vast range of 6,443 words from the originally wide variety of words as counted from grade 1 to grade 6 from all the Japanese language textbooks, 92 were high-frequency onomatopoeic words which are proposed as the “basic onomatopoeia for beginners” as well as what kind of onomatopoeia and to what extent. These 92 high-frequency onomatopoeic words appeared 3,416 times, or 53.02% of the total 6,443 onomatopoeic words. If these 92 onomatopoeic words were studied, then over 50% of onomatopoeic words would be comprehensible to learners of Japanese. In addition, which verbs appear in conjunction with these onomatopoeic words together with their frequency are indicated.
著者
村上 晶子 井上 淳 吉川 周作 山崎 秀夫
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.11-18, 2004 (Released:2005-01-07)
参考文献数
42
被引用文献数
5 5

大阪城外堀堆積物に含まれる微粒炭・球状炭化粒子 (SCPs) の分析と球状炭化粒子の表面構造の観察を行った. 微粒炭分析からは, 粗粒の微粒炭濃集層準を見出し, この層準が1945年大阪大空襲の火災であることを指摘した. 球状炭化粒子分析では, 球状炭化粒子の時系列変化の解読から, 化石燃料 (石炭・石油) 使用量の歴史的変化が解明できることを示した. 球状炭化粒子は堆積物中に極めて良好に保存され, 短時間・簡単に分析できる利点を持っていた. この球状炭化粒子は過去の化石燃料の燃焼を解読する上で重要な役割を果たすと考えられる. 今後, 球状炭化粒子に関する研究は, 産業革命以降を示す「Anthropocene (Crutzen, 2002)」の時代の地質学的研究を行う上で重要な指標となることを指摘した.
著者
白川 清治
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.119, no.2, pp.111-118, 2002 (Released:2002-12-24)
参考文献数
36
被引用文献数
5 6

ゾルピデム(商品名マイスリー)は,フランスのサンテラボ社(現サノフィ·サンテラボ社)で開発された非ベンゾジアゼピン構造(イミダゾピリジン誘導体)を有する超短時間型睡眠薬である.本剤は,従来のベンゾジアゼピン系薬剤とは異なり,GABAA受容体のサブタイプであるω1受容体(ベンゾジアゼピン1受容体)に選択的に作用することにより,催眠鎮静作用に比べて,抗不安作用,抗けいれん作用,筋弛緩作用などが弱いという特徴を有している.一般に,ゾルピデムはベンゾジアゼピン系薬剤と同等の有効性を示すとともに,翌日への持越し効果は少なく,長期投与における耐性や中断後の反跳性不眠が少ないという臨床的特性を有している.また,睡眠ポリグラフィーによる検討において,ゾルピデムは,従来のベンゾジアゼピン系薬剤とは異なり,睡眠の質を変化させない,すなわち生理的な睡眠に近い睡眠パターンを形成することが示されている.以上,ゾルピデムはユニークな薬理学的特性を有し,従来のベンゾジアゼピン系薬剤の副作用の軽減が期待される新しいタイプの睡眠薬である.

7 0 0 0 OA 東京府史

著者
東京府 編
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.行政篇 第4巻, 1937
著者
和氣 加奈子 田中 利幸 多氣 昌生 川澄 正史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

磁気閃光現象は、低周波磁界に頭部をさらすことにより閃光が知覚される現象であり、再現性のある低周波磁界の生体作用の中で最も弱い磁界で生じる現象のひとつである。磁気閃光現象は誘導電流による網膜への刺激作用だと言われている。そのため磁気閃光現象は、磁界の神経や筋への刺激作用の機構を検討するための例として用いられることがある。しかし実際は、磁気閃光現象の機構はまだ解明されていない部分が多い。これまでの磁気閃光現象における誘導電流密度の推定は、人体頭部を均一な球で代用するなどの簡易な方法で行なわれており、人体の複雑な形状や電気的特性の不均一性を考慮していない。そこで本研究では、人体頭部の解剖学的な形状と電気的特性の不均一性を考慮した数値計算により、磁気閃光現象のしきい値程度の入射磁界により作用部位とされている網膜付近に誘導される電流密度の大きさと分布を明らかにすることを目的とする。
著者
佐々木 雅也
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.637-642, 2012 (Released:2012-05-10)
参考文献数
18
被引用文献数
4

経腸栄養剤の種類が多様化し、疾患や病態に応じた使い分けが可能となっている。クローン病の経腸栄養療法、あるいは短腸症候群や膵外分泌不全などの吸収不良症候群における成分栄養剤・消化態栄養剤の使用は病態別経腸栄養法として有用性が確立されており、経腸栄養法が適応となる代表的な疾患である。近年、経腸栄養剤の種類が多様化し、病院で特別食を提供するのと同じように、病態別経腸栄養剤を選択することが可能となった。しかし、医薬品の病態別経腸栄養剤は肝不全用のヘパンED®配合内用剤とアミノレバン®EN配合散の2剤に過ぎず、それ以外は全て食品扱いの経腸栄養剤である。これらは、糖尿病、腎不全、呼吸不全など種々の病態に適した組成となっている。また近年、免疫調整栄養素を強化したimmunonutritionも注目されている。しかし、なかには組成上の特徴だけで病態別経腸栄養剤に位置づけられ、十分なエビデンスがない栄養剤も少なくない。病態別経腸栄養剤の使用においては、個々の症例において確かな有用性を評価して用いるべきである。
著者
酒井 恭高
出版者
名古屋文理大学短期大学部
雑誌
名古屋文理短期大学紀要 (ISSN:09146474)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.109-114, 1993

体脂肪量の直接測定は現在の測定技術ではほとんど不可能であり,その試みは間接法による推定の域を説し得ない.多くの間接的推定法が開発されている中にキャリパー法とBI法がある.キャリパー法は,常にその妥当性や再現性等について信憑性が指摘されている.一方,BI法は再現性も高く,測定時間も2分程度で終了し極めて信頼性も高い測定法とされている.本研究は,BI法から算出される体脂肪量の推定を妥当と仮定し,キャリパー法の妥当性を検討した.被検者は健康で形態も日本人として標準的な18歳〜23歳の女性57名である.キャリパー法とBI法から算出されたF%の平均±標準偏差は. 28.21土7.04%, 29.77±4.77%でその差に有意差は認められなかった.しかし,キャリパー法の皮脂厚の計測は,被検者それぞれの皮膚の張り具合や測定誤差としての妥当性等にかなり問題があった.それは,キャリパー法とBI法の間に個々の差として,28.66〜-12.52%の差がみられたからである.また,皮脂厚腕(X_1)・皮脂厚背(X_2)を説明変数,BI法によるF%を従属変数とした重回帰はY=0.15(0.12)X_1+0.21(0.08)X_2+22.30〔()内推定標準誤差〕(r=0.48 P<0.01)を得たが,この推定式への寄与率は23%であった.従って,BI法を妥当と仮定した場合,キャリパー法によるF%の推定にはかなりの問題があることを強く指摘するものである.