著者
杉島 夏子
出版者
国際交流基金
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 = The Japan Foundation Japanese-Language Education Bulletin (ISSN:24359750)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-15, 2021-03

近年インドネシアの中等教育においては、21世紀型スキル等のコンピテンシーを高める教育が重要視されているが、知識伝達型の教育を受けてきた教師にとって、それらを教育実践に取り入れていくことは容易ではない。そこで高校で日本語を教えるインドネシア人教師を対象に、教師ら自身が21世紀型スキルを取り入れた学びを経験してみた上で、教室での実践を考えるという7週間のオンラインコースを実施した。本実践研究においては、実践の概要と成果を報告するとともに、教師の学びを変容的学習理論の枠組みから捉え、インドネシア人高校日本語教師らが21世紀型スキルを取り入れた学習を経験することで、学びに対する考え方をどのように変容させていくのかというプロセスを、コース実施後の参加者への半構造化インタビューから明らかにする。
著者
近畿大学 人権問題研究所
出版者
近畿大学人権問題研究所
雑誌
近畿大学人権問題研究所紀要 (ISSN:18808417)
巻号頁・発行日
no.35, 2021-03-31

[注記]近畿大学人権問題研究所紀要, 第35号,総目次
著者
松本 義信 津崎 智之 奥 和之 小野 章史
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.147-152, 2017

日本食品標準成分表2015年版において,ひじきの項目は下処理の加熱時に用いる材質がステンレス 製と鉄製に分類されて表記された.しかし,この時の加熱時間は考慮されなかった.そこで,本研究 ではひじきの下処理時の加熱時間が鉄含有量に及ぼす影響について検討した.実験は鹿児島県沿岸 ならびに静岡県沿岸で収穫された下処理等が行われていない未加工のひじきを用い,加熱時間を30~360分間とした.その結果,鉄含有量は両ひじきともステンレス製に比べて鉄製の鍋を用いた方が 高値となった.また,鉄製の鍋を用いた場合,加熱時間が30分間に比べて360分間では30倍以上の高 値となった.日本食品標準成分表2015年版の値に比べてこれらの値は加熱時間が30分間では低値を,360分間では高値を示した.以上の結果から,本研究でひじきの鉄含有量がステンレス製より鉄製の 鍋で高値となったことは日本食品標準成分表2015年版と同様であったが,加熱時間によっても値が異 なることが明らかになった.
著者
加藤 チイ 吉田 侑加 佐藤 幸子 奈良 一寛
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 = Bulletin of Jissen Women's University Faculty of Human Life Sciences (ISSN:24336645)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-7, 2020-03-09

実習で提供した食事の栄養評価を行った。2 種類の献立の栄養量(エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物)について化学分析値、近赤外分光法測定値、食品成分表計算値の3 つを評価した。化学分析値に対する近赤外分光法測定値の割合(%)、化学分析値に対する食品成分表計算値の割合(%)は、両者ともに80 ~ 120%の範囲内の傾向にあった。汁物、黒色の食品を含む「ひじきご飯献立」では炭水化物を過大評価していた。次に、26 種類の料理の栄養量について、近赤外分光法測定値、食品成分表計算値の2 つについて、回帰直線を評価した結果、エネルギーはR2 = 0.955 と高い相関性を示し、たんぱく質、脂質、炭水化物についても同様の傾向であった。近赤外分光法について献立の料理を混和した場合と料理別に測定し合計した場合の2 つの方法を比較した結果では、「鮭の味噌バター焼き献立」、「アジフライ献立」、「おから入りハンバーグ献立」は近似であったが、「大豆ご飯、豚肉と大根の煮物献立」は混和食のエネルギーを過大に評価していた。近赤外分光法測定は化学分析、食品成分表計算の結果と関連し、給食の栄養量評価に有用である。近赤外分光法で誤差が大きかったものには、海藻など黒色の材料を含む料理、スープ・味噌汁など水分の多い料理があった。
著者
銭 佑錫
雑誌
中京経営研究 = CHUKYO KEIEI KENKYU
巻号頁・発行日
vol.21, no.1・2, pp.19-32, 2012-03-15
著者
山岡 史享 神田 崇行 石黒 浩 萩田 紀博
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.3577-3587, 2007-11-15

最近,遠隔操作型のコミュニケーションロボットが用いられ始めてきた.本研究のねらいは,このような遠隔操作型のロボットと人が相互作用する際,人はロボット自身と相互作用しているように感じるのか,それとも背後の人と相互作用していると感じるのか,またそのような感じ方の違いは,相互作用にどのような影響を与えるのだろうか,ということを検証することである.そこで本研究では,ロボットはプログラムによって自律的に動いていると被験者に教示する条件と,ロボットは操作者によって遠隔操作されていると被験者に教示する条件の2 つの実験条件を設定し,2 つの条件間における被験者のロボットに対する印象の差異を検証した.実験では,被験者は人型ロボットと,アイコンタクトや接触行動などお互いの身体を使った相互作用を行い,そのときのロボットの印象を評価した.実験の結果として,2/3 の被験者は,ロボット自身と相互作用していると感じており,彼らの感じた楽しさは,ロボットが操作されているのかどうかといった事前知識には影響されていなかった.また,残りの1/3 の被験者はロボットの背後の人と相互作用しているように感じており,彼らの相互作用は事前知識に影響されていた.ロボット自身ではなく,背後の人間と相互作用していると感じていた被験者は,自律型ロボットと相互作用すると教示された場合には,より相互作用が楽しいと感じ,相互作用時間も増えていた.一方で,操作型ロボットと相互作用すると教示された場合は,よりつまらないと感じ,相互作用時間も減少していた.
著者
李 潤玉
出版者
近畿大学語学教育部
雑誌
近畿大学語学教育部紀要 = Kinki University Department of Language Education bulletin (ISSN:13469134)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.97-118, 2007-07-01

[Summary] This paper is intended to reveal the mechanism in terms of cognitive linguistics in which why so many expressions of various weather states are mapped on those of human emotions in Japanese and English. This mechanism works very well for Korean and it will appear in the next Volume.
著者
堀口 真宏
出版者
東洋学園大学
雑誌
東洋学園大学紀要 = Bulletin of Toyo Gakuen University (ISSN:09196110)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.48-62, 2021-02-15

本論文では,救援・支援者の心理的負担に関する先行研究についてバーンアウトとPTSD という観点からレビューを行い,その中でも海岸救援者,東日本大震災の災害支援者の立場における心理的負担について考察を行った。まず,救援・支援者は日々の仕事の業務に持続的に関わることから生じうる業務上のバーンアウトが考えられる。また,持続した緊張感の下で業務が行われる状態の中で「衝撃的な救助・出来事」に対峙したとき,同じ救援・支援者の立場にいる彼らには,PTSD 傾向も考えられ,彼らの心理的負担を理解する上で双方の概念からの理解が不可欠と考えられる。このようなことから,まずバーンアウトとは何か,PTSD とはどのような症状を呈するのかのついての概観を行った。そして第3節では,救援・支援者における心理的負担について主にどのような研究がなされてきたかレビューを行い,彼らの心理的負担の意味付けについての捉えなおしという点から考察を行った。
著者
山本 欣司 大橋 毅彦 永井 敦子 Kinji Yamamoto Takehiko Ohashi Atsuko Nagai
雑誌
武庫川女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09163115)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.11-21, 2014-03-31

We, the Society for the Research of Modern Culture of Kobe, have been studying the cultural formation of the port city of Kobe from various aspects. In this paper( which will form the first part of our whole research) we deliver a report on the trend of movies, theater, performing arts, fine arts and photography in the city, by scrutinizing a series of articles, Zassô-en, written by the Kobe correspondents, in the newspaper Kobe Furoku, Osaka Asahi Shimbun, issued in 1923. Through the Zassô-en articles we can see not only various incidents reported by the correspondents but also their love for their hometown, which encouraged them to plan and carry out diverse cultural and artistic events in the town. We can also find the trend of the picture houses and moviegoers in Shinkaichi, Kobe, in those days, especially the way the entrepreneurs attracted people. Concerning the theater, the articles tell us that the things gladly accepted then were comedy and Shinkokugeki.
著者
亀山 光明
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ (ISSN:24343110)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.93-110, 2021-03-31

2000 年代以降の近代日本宗教史研究において、「宗教 religion」なる概念が新たに西洋からもたらされることで、この列島土着の信念体系が再編成されていったことはもはや共通理解となっている。とくにこの方面の学説を日本に紹介し、リードしてきたのが宗教学者の磯前順一である。人類学者のタラル・アサドの議論を踏まえた磯前によると、近代日本の宗教概念では、「ビリーフ(教義等の言語化した信念体系)」と「プラクティス(儀礼的実践等の非言語的慣習行為)」の分断が生じ、前者がその中核となることで、後者は排除されていったという。そして近代日本仏教研究でも、いわゆるプロテスタント仏教概念と親和性を有するものとして磯前説は広く取り入れられてきたが、近年ではその見直しが唱えられている。 こうした研究史の動向を踏まえ、本稿は明治期を代表する持戒僧・釈雲照(1827 ~ 1909)の十善戒論を考察する。歴代の戒律復興運動の「残照」とも称される雲照は近代日本社会において戒律の定着を目指した幅広い活動を展開し、その営為は明治中期に全盛期を迎える。さらに本論では従来の「持戒―破戒」という従来の二元的構図に対し、在家教化のために戒律実践がいかに語られたのかに着目する。ここで雲照は儀礼や日々の勤行などの枠組みで「心」や「信」などの内面的領域を強調しながら、その実践の体系化に努めている。さらにその語りは、伝統的に非僧非俗を貫き易行としての「念仏」を唱えてきた浄土系教団に対抗しながら、十善戒こそが真の「易行」であり、文明の道徳社会に相応しい実践とするものであった。本稿はこの雲照の戒律言説の意義を近代日本宗教史に位置付けることを試みるものである。
著者
大籔 良祐 川合 誠 野口 拓
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第71回, no.ネットワーク, pp.95-96, 2009-03-10