著者
水池 千尋 石原 康成 堀江 翔太 大谷 豊 水島 健太郎 久須美 雄矢 立原 久義
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0271, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】可動域制限を伴う肩関節疾患では,結帯動作が障害され,日常生活動作に支障をきたすことがあるが,その改善に難渋することが多い。肩関節の可動域制限に対するアプローチは徒手療法,物理療法などがあり,近年では機器を用いた運動もセルフエクササイズとして行われている。これまで我々は,機器を用いたディップ運動が肩関節可動域に及ぼす影響について調査し,肩甲上腕関節(glenohumeral joint:以下,GHj)よりも肩甲胸郭関節(scapulothoracic joint:以下,STj)の可動域が拡大すると報告してきた。しかしながら,男女では筋骨格系に違いがあるため,同様の運動を行っても効果に差が生じる可能性が考えられる。そこで,本研究の目的は,機器を用いたディップ運動による肩関節可動域の変化とその性差について検証することとした。【方法】対象は,肩に整形外科的疾患を有さない健常成人20名40肩[男性:11名,女性:9名,平均年齢:33(21-50)歳]とした。運動に使用した機器は,Hogrelディッピングミニ(是吉興業株式会社製)である。運動は,機器のシートに着座した状態で肩のディップ運動を実施した。速さは対象者自身のタイミングとし,回数は40回,負荷は約50N,時間は3分程度であった。運動前後に,肩関節自動挙上角度(以下,挙上角度),第7頸椎棘突起から母指先端までの距離(以下,指椎間距離)を測定した。指椎間距離は結帯動作の指標として用いた。また,上肢下垂位と挙上時における肩甲棘と上腕骨長軸のなす角度(spino-humeral angle:以下,SHA)を測定し,上肢下垂位と挙上時の値の差によって,GHjの可動範囲を評価した。挙上角度とSHAの測定はゴニオメーターを用い,指椎間距離の測定にはメジャーを用いた。統計学的処理は,運動前後の比較には対応のあるt検定,男女間の比較には対応のないt検定を用いた。なお,有意水準は危険率5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,ヘルシンキ宣言に基づき,対象者には事前に研究の目的や手順を十分に説明し,口頭にて同意を得た。また,本研究は所属する職場の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】男女の比較では,運動前のSHAは男性:103.9±12.7°,女性:106.8±12.9°であり,女性が大きかった(p<0.05)。その他の値に差はなかった。すなわち,女性ではGHjの可動範囲が大きかった。運動前後の比較では,挙上角度は男性:運動前158.2±8.5°,後162.3±7.4°,女性:運動前157.5±8.3°,後160.3±7.8°であり,男性は運動後に拡大した(p<0.05)が,女性は差が無かった。すなわち,男性で挙上角度が拡大していた。指椎間距離は男性:運動前150.9.±57.9mm,後137.5±52.7mm,女性:運動前120.8±37.7mm,後111.1±38.0mmであり,男女ともに短縮した(p<0.05)。すなわち,性別によらず結帯動作は改善していた。SHAは男女とも運動前後で差はなかった。すなわち,性別によらずGHjの可動範囲は変わらなかった。【考察】本研究の結果,男女の比較では運動前の挙上角度は差が無く,SHAは女性が大きかった。すなわち,女性の方がGHjの動きが大きく,STjの動きが小さいことが示された。三次元CTを用いた解析から,上肢挙上時に女性では肩甲骨の上方回旋角度が小さいため代償的に肩甲上腕運動での動きが大きくなることが報告されており,本研究もこれを支持する結果となった。次に,運動後に男女とも指椎間距離は短縮し,挙上角度は男性のみ改善がみられた。ディップ運動では僧帽筋上部線維,菱形筋,前鋸筋,上腕三頭筋に強い筋活動がみられたという報告があり,これらの筋の反復収縮と相反神経抑制によって肩甲骨周囲筋の柔軟性の向上が引き起こされたと考えられる。女性の挙上角度は変化が無かったが,120°以上の挙上では肩甲骨の動きに加え,胸椎伸展運動の連動が必要とされる。元々胸郭と肩甲骨の可動性が低く,筋力が小さい女性にとって,本研究の負荷設定では,肩甲骨と胸椎周辺の可動性の改善度が少なかったと推察された。以上から,ディップ運動を実施する際は,男女の特性に適した負荷設定と効果判定を行うことで,より効果的な介入ができる可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】男女の筋骨格系の違いによってディップ運動の効果に差が生じることが示唆された。このことから,男女の特性に適した負荷設定を行うことが効果的な介入方法に繋がる可能性を見出したことに意義があると考えられる。
著者
松瀬 イネス倶子 上村 清 吉田 政弘
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.71-73, 1999
被引用文献数
1 7

大阪府下で採取したセアカゴケグモの耐寒性について調べた。成体および幼体を4&acd;-10.5℃の温度範囲下に置き, その生死を確認した結果, 耐寒性は齢期, 雌雄などで異なり, 雄成体が最も低温に強く, 本実験で約半数が-10℃において30分間耐えられた。2齢幼体がそれに次いで, ほぼ半数が20分強耐えられた。従って, 本種は北海道を含め, 日本における分布拡大の潜在能力を持っている。
著者
UMETANI Kenji YOKOYAMA Tadashi
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.15-21, 2015-12

The mono-polar concentration of population in Tokyo has been intensifying steadily in Japan since the mid-1990s. This demographic movement stands in sharp contrast to the tri-polar (Tokyo, Osaka and Nagoya) demographic movement in the high growth era before the oil crisis of the early 1970s. Mono-polar in-migration reflects the change in industrial structure after the rapid yen appreciation and the two decades of stagnation caused by the bubble burst in an atmosphere of demographic aging and declining birth rate. One noteworthy recent feature of the population inflow into Tokyo is the increasing inflow of young females with post-secondary education, leading to even gloomier economic and social prospects in most outlying regions. This economic externality should be dealt with by means of well-designed policies which, benefitting from the experience of events several decades ago, avoid throttling the benefits of the market mechanism.
著者
藤田 勝也
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.636, pp.455-461, 2009-02-28

The purpose of this study is to clarify the realities of Heian revivalistic style of the court-noble's residence at the early modern period. In this paper, the residences of the Nijo-family especially were taken up and the history of the residences at the early modem period was confirmed. The shinden existed in the Shin-zaike-cho residence, the Imadegawa residence before conflagration at Tenmei, and Imadegawa residence after conflagration at Tenmei, and all these shinden had the Heian revivalistic style. As a result the construction of the shinden having the Heian revivalistic style was a running tradition in the residence of the Nijo-family at not the one limited after the conflagration Tenmei but the early modern period.
著者
中西 正和
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, 1970-10-15

2 0 0 0 OA 胡砂吹く風

著者
半井桃水 著
出版者
今古堂[ほか]
巻号頁・発行日
vol.前編, 1893
著者
児玉 公信
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.147-153, 2005-06-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
9

連続加算課題における計算エラーの研究では, これまで単体の計算行為だけに注目していた. しかし, 被験者は, 連続作業の条件でできるだけ多く計算を行うために下位作業を巧みに並列化する. 計算エラーの一部には, こうした並列作業の同期の失敗に起因するものがあると仮定して, それを検証するために後ろの小問をマスクする装置を用いた条件 (マスク条件) と, そのマスクを取り除いた装置を用いた条件 (透過条件) とで連続加算課題を課した. その結果, 透過条件では計算回数および同期の失敗に起因すると見られるエラーがマスク条件よりも多かった. また, 計算エラーはなんらかのアルゴリズムに起因するのではなく, 認知的難問に起因する可能性が見いだされた. このことから, 連続加算課題における計算エラーの分析には, 作業の並列性および認知的難問の観点を導入する必要性が示唆された.
著者
長富 優
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤史学 (ISSN:04506928)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.46-61, 1973-03
被引用文献数
2
著者
小松 彦三郎
出版者
東京理科大学
雑誌
理学専攻科雑誌 (ISSN:02864487)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.176-203, 2001-04-22
被引用文献数
1
著者
旭 洋一郎
出版者
東洋大学
雑誌
東洋大学児童相談研究 (ISSN:02885247)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.109-125, 1996-03

本稿は障害者のセクシュアリティ問題の解決・援助に関して障害者福祉,ソーシャルワーカーの役割と方法,その課題について論じた。その議論の材料として,ゴールドスミスの提案(性教育の実行者の役割,セックスカウンセラーの役割,権利擁護の役割)とオランダのセクシュアルなケアを行っているボランティア団体の活動を紹介し,わが国における解決すべき課題に論究した。
著者
諸星 利男
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.585-590, 1990-12-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
7
著者
倉田 有司 佐々 敏信 斎藤 滋 桂 了英 吉田 茂 大野 修司 宮原 信哉
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.204-204, 2004

加速器駆動核変換システム(ADS)に関する技術開発で必要となるポロニウムの移行挙動に関連する基礎データを取得するために、鉛ビスマスを材料試験炉(JMTR)で照射し、蒸発実験に必要となるポロニウムを生成させ、生成量を評価した。