12 0 0 0 放送教育

出版者
日本放送教育協会
巻号頁・発行日
vol.51(1), no.576, 1996-04
著者
佐藤(佐久間) りか
出版者
独立行政法人国立女性教育会館
雑誌
国立女性教育会館研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.45-57, 2002-09-30

本稿は,マスメディアによって形成された"強く自由な主体"としての<女子高生>イメージが,同年代の少女たちのセルフ・イメージにどのような影響を及ぼしているのかを,1999〜2000年に杉並区と浜松市で実施した質問紙調査とインタビュー調査の結果をもとに分析したものである。少女たちは,マスメディアの<女子高生g&t;イメージが,一部の「ギャル系」と呼ばれる少女たちによって代表されていると見ており,「女子高生=ギャル系」「ギャル系=援助交際」といった画一的・一面的な捉え方に不満を抱いている者が多い。しかし「ギャル系」の強さ,個性,仲間意識に対する肯定的な意見も多く,「ギャル系」に対する共感の存在も確認された。さらに今の時代に「女子高生であること」にどんなよい点があるかを聞いたところ,「自由気ままで楽しく,流行発信などを通じて社会に対して強い影響力を持てる」という回答が多く見られ,そうした"強く自由な"セルフ・イメージの背景に「ギャル系」への共感があることが示唆された。そこで「ギャル系」情報に特化した雑誌3誌の購読者を非購読者と比較したところ,「ギャル系」へのアイデンティフィケーションが強いと思われる購読者の方が,「女子高生であること」をより肯定的に捉える傾向があり,成人男性に声をかけられたり,お金で誘われたりする率も高く,援助交際をより普遍的な現象と捉えていることが明らかになった。しかし,少女たちは自分たちが謳歌している自由や力を,高校時代だけの期限付きのものとして自覚しており,女性として真に"強く自由な"主体形成には必ずしもつながっていない。彼女たちに「今が人生で-番いいときであとは下り坂」と思わせてしまうジェンダーのありようを問題化していくためにも,これまで成人男性と思春期女子が作り上げてきた<女子高生>言説の生成装置に,成人女性がより積極的に介入していく必要があろう。
著者
岩元 修一
出版者
宇部工業高等専門学校
雑誌
宇部工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03864359)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.A1-A6, 2006-03

本稿は、賦、壁書、内訴、端裏銘について、史料と新たな写真版の掲出を通して、従来の理解を補おうとするものである。
著者
Masato Koda Hiroyuki Okano
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.469-485, 2000 (Released:2017-06-27)
参考文献数
17
被引用文献数
4 4

A new stochastic learning algorithm using Gaussian white noise sequence, referred to as Subconscious Noise Reaction (SNR), is proposed for a class of discrete-time neural networks with time-dependent connection weights. Unlike the back-propagation-through-time (BTT) algorithm, SNR does not require the synchronous transmission of information backward along connection weights, while it uses only ubiquitous noise and local signals, which are correlated against a single performance functional, to achieve simple sequential (chronologically ordered) updating of connection weights. The algorithm is derived and analyzed on the basis of a functional derivative formulation of the gradient descent method in conjunction with stochastic sensitivity analysis techniques using the variational approach.
著者
商業興信所 編
出版者
商業興信所
巻号頁・発行日
vol.第44回(昭和11年), 1936
著者
西城 卓也 伴 信太郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.7, pp.1987-1993, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
13
被引用文献数
1

良き教育を提供する意義に疑いの余地はないが,その具体的改善策の理解は難しい.それらを裏付けする教育理論のうち,内科指導医に役立つと思われるものを抽出し概観した.成人である学習者の特性を理解できる"成人学習理論",学習者を動機付ける"TARGETモデル",経験が学習の基盤であることを示す"経験的学習モデル",人は如何にしてエキスパートに成長するかを説明する"熟達化理論",身の丈に合う練習の重要性を説く"Vygotskyの発達理論",人の知識がどのように構築されるかを示す"構成主義",競争的学習を脱却し,より成人らしい学習の在り方を提示する"協同的学習",先輩やロールモデルが存在する環境で学ぶことの重要性を説く"状況的学習",今後目指すべき新たな専門家像である"反省的実践家"について,これらのエッセンスを要約した.今後このような理論に基づき,内科臨床教育がより活発に推進されることが期待される.
著者
藤井 雅子
出版者
日本女子大学
雑誌
日本女子大学紀要 文学部 (ISSN:02883031)
巻号頁・発行日
no.66, pp.71-84, 2017-03-20
著者
上西 勝也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.400-413, 2014-09-01 (Released:2019-10-05)
参考文献数
33

本稿は明治初期に英国から導入された水準測量について導入過程を述べ,現地で水準点の残存調査を行い,さらに英国の水準点の実態調査により,形状の差異を確認したものである.当時の水準点は日本では内務省により設置され「几号高低標」と呼ばれ,主として構築物の垂直面に「不」の文字の形が刻されたものであった.これらの几号高低標は一部残存しており,東京,東北地方をはじめ154ヵ所で確認することができた.そのうち東京中心部を例にとると43ヵ所が残存しているが,もとは166ヵ所の設置が推定され,残存状況がよくない.一方,几号高低標と同等の英国測量局のカットマークと呼ばれる水準点については約50ヵ所の調査を行ったが,日英の形状を比較すると英国の方が多様である.英国は設置数も多く,構築物の残存状況にも大きな差がある.日本の近代化に貢献した測量に用いられた几号高低標の保存は急がれる課題である.
著者
柴田 徹
出版者
日本産業教育学会
雑誌
産業教育学研究 (ISSN:13405926)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.63-70, 2002-01-31 (Released:2017-07-18)

雑誌『初歩のラジオ』の草創期(1948〜52年)の記事内容の特質の一端を,常連の科學寄稿家・泉弘志著作の一連の入門記事に着目して分析したところ,総じて,子どもの知識・理解の程度や,一定の順次性,系統性に配慮した内容構成・配列であることが明らかになった。よって草創期の『初歩のラジオ』には,当時の学校教育だけでは不満足だったエレクトロニクス技術の学習機会の,単なる創出・拡大という意義のみならず,提供内容の体系的側面における,同時代の学校教育内容との相補性においても,小さくない意義を見いだすことができる。
著者
齋藤 駿介
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.1-26, 2022 (Released:2022-04-19)
参考文献数
28

本稿では,近代仙台における法定都市計画の展開と市域拡張の関係を,周辺町村の動向に着目しながら明らかにする。仙台都市計画の主眼は周辺町村の市街化・工業化に置かれ,その展開に呼応して市域拡張が3次にわたって実施された。仙台市主導の第1次市域拡張は先行して指定された都市計画区域と同域を対象としており,直近の法定都市計画に必要な領域を取り込むという目的が明確であった。一方,第2・3次市域拡張は,隣接村からの強い要望の下で実施された。この背景には,法定都市計画の進展が周辺地域に都市計画・市域拡張の恩恵を意識させ,それと同時に周辺地域内での競争意識を駆り立てたことがあり,仙台では先行する市域拡張が次なる市域拡張を惹起させていた。さらに,都市計画は一貫して市域拡張の必要性を主張する根拠として引用されたが,合併の必要性が差し迫ってはいなかった第2・3次市域拡張ではその役割がより強調された。こうして法定都市計画と市域拡張の実施による「大仙台」建設への期待は高まり続けたが,実際には都市計画事業の進捗は大幅に遅延していた。以上の考察から,近代仙台における法定都市計画は実際の都市空間を改変する技術としての意義以上に将来的な近代都市「大仙台」建設のビジョンを示す意義が重視されており,市域拡張は「大仙台」の展開領域を具体的に提示することで遅延しがちな法定都市計画を補完する役割を果たしていたと考えられる。
著者
森 晃爾 石丸 知宏 小林 祐一 森 貴大 永田 智久
出版者
公益財団法人 産業医学振興財団
雑誌
産業医学レビュー (ISSN:13436805)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.179-198, 2022 (Released:2022-01-13)

感染症、特にヒト-ヒト感染を伴う感染症では、ワクチンによる集団免疫の獲得が、感染症制御のために極めて有効な手段である。しかし、ワクチンに強い反感を持っている一部のグループだけでなく、ワクチンに対する不安やその他の要因でワクチン接種を躊躇する層の動向によって、十分なワクチン接種率が得られないといった、Vaccine Hesitancy(ワクチン躊躇)の問題が存在する。本稿では、ワクチン接種行動に影響を及ぼす要因のうち、社会人口学的要因や心理社会的要因について紹介するとともに、ワクチン接種意思に与える職場要因および職域でのワクチン接種プログラムに関する知見についても検討する。
著者
関根 達人
出版者
弘前大学人文学部
雑誌
人文社会論叢. 人文科学編 (ISSN:13446061)
巻号頁・発行日
no.32, pp.1-26, 2014-08-29
著者
妹尾 春樹
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.309-316, 2008-03-30 (Released:2008-05-09)
参考文献数
37

Nobu Shirase (born in Konoura in Akita Prefecture) was a pioneer of polar expedition. He reached 80° 5' south latitude in 1912 after Amundsen and Scott reached the South Pole. White bear (polar bear) is a unique animal in the Arctic, and stores a large amount of vitamin A in the liver. Hepatic stellate cells (vitamin A-storing cells, lipocytes, interstitial cells, fat-storing cells, Ito cells) exist in the space between parenchymal cells and sinusoidal endothelial cells of the hepatic lobule, and store 80 % of vitamin A in the whole body as retinyl palmitate in lipid droplets in the cytoplasm in mammals such as human or rats. In physiological conditions, these cells play pivotal roles in the regulation of vitamin A homeostasis; they express specific receptors for retinolbinding protein (RBP), a binding protein specific for retinol, on their cell surface, and take up the complex of retinol and RBP by receptormediated endocytosis. Hepatic stellate cells in top predators in arctic animals such as polar bears and arctic foxes store 20-100 times the levels of vitamin A found in human or rat. Nuclear deviation in hepatic parenchymal cells, degeneration of Glisson's sheath, inflammation of the intestine, and a shift of vitamin A-storing site from the liver to the kidney were found in the arctic top predators. These findings were not reported in the wild animals and alarming to the human beings.