著者
林 博史
出版者
関東学院大学経済学部教養学会
雑誌
自然・人間・社会 (ISSN:0918807X)
巻号頁・発行日
no.37, pp.51-77, 2004-07

本稿では連合国の戦争犯罪政策の形成過程について、連合国戦争犯罪委員会に焦点をあて、同時に連合国の中小国の動向、役割に注意し、かつイギリスとアメリカ政府の動向を合わせて分析する。枢軸国による残虐行為に対してどのように対処するのかという問題を扱うために連合国戦争犯罪委員会が設置された。委員会は従来の戦争犯罪概念を超える事態に対処すべく法的理論的に検討をすすめ、国際法廷によって犯罪者を処罰する方針を示した。だがそれはイギリスの反対で潰された。その一方、委員会の議論は米陸軍内で継承されアメリカのイニシアティブにより主要戦犯を国際法廷で裁く方式が取り入れられていった。委員会における議論はその後に定式化される「人道に対する罪」や「平和に対する罪」に繋がるものであり、理論的にも一定の役割を果たすことになった。だが当初の国際協調的な方向から米主導型に変化し、そのことが戦犯裁判のあり方に大きな問題を残すことになった。
著者
田島 稔 瀬戸 孝夫
出版者
日本測地学会
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.150-157, 1970

国土地理院所属の鹿野山測地観測所における地磁気観測業務の一部が房総西線の直流雹化により支障をきたしたため,岩手県水沢市東方に新たな観測所(水沢測地観測所)を設置することになつた.この際,ごく小数の職員で地磁気連続観測を維持できるように,観測器械の改良を下記の如く行つた. (1)従来の地磁気変化の印画紙記録方式を三成分とも電流帰還型の直視方式にし,記録紙取り換えの手間を省いた. この原理は,H,.D,Z三成分変化計の感度試験用ヘルムホルッコイル枠に,もう一組の変化磁場補償用巻線を加えたものである.光源から出た光はmoving magnetの鏡で反射され受光部に入る.受光部はシリンドリカルレンズを2個はり合せたもので,光路が2つに分けられ,それぞれがCdS感光体に入射する.磁場変化によるスポットの変位は,CdSブリッジに誤差電圧を生じ,増幅されてサーボモーターを駆動し,可変抵抗を調整することにより変化磁場を打ち消す電流を得る.磁場変化に対応した電流は標準抵抗を通し,電圧出力としてERB型の多点記録機に記録される. (2)プロトン磁力計によるF,Hの測定を1分ごとに行い,アナログ記録と同時に,ディジタル記録もとることにした.特に観測所業務で従来多くの時間を要した三成分の毎時平均値を自動的に求めるようにするために,プリンターに,1分ごとの値とともに,毎時間の60回分の積算値も印字させるようにした.しかし三成分のうち偏角についてはプロトン方式よりもD変化計をセンサーに使用する方が簡単なため,直視型D変化計(Suspension magnet type)の出力をA-D変換し,プロトンからのF,Hとともに同じ方式で印字させるようにした.印字の最少単位はF,Hについては0.1γまで可能であり,Dは0.1である.またこれらの印字と並行しテープ穿孔装置も取付けが可能になつている. (3)偏角についてはF,Hと異なり絶対値を獲得しているわけではないので,絶対観測室にてGSI型磁気儀による地磁気ベクトルの方向観測を定期的に行ない,変化計の出力電圧に,基線値に対応する半固定電圧を加えることにより,その時々に対応した値の表示と印字,積算を行なつている. 以上の改良により,すべての装置の記録状態を事務室に隣接した記録計室で直視できるとともに,時間平均値の読み取りは半自動化され,少数の職員による観測業務の維持が可能となつた.
著者
永井 聖剛
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.42-53, 1997

明治四〇年三月に『文章世界』は「写生と写生文」という特集を組んだ。「写生と写生文とは、今の文壇を動かしつゝある一問題である」と特集の序文は敬意と親近感を表明しているが、その内実は「写生文」と「今の文壇」との間に横たわる断絶を強調するものであった。また同時に、その時期は、高浜虚子が「写生」に限界を感じ、それを「小説」において克服しようとしていたときでもあった。本稿は、同時代の虚子の試行を考慮に入れながら、自然主義の牙城ともいわれた『文章世界』が「写生と写生文」について物語ることの意味を探ろうとするものである。
著者
小股 憲明
出版者
京都大学人文科学研究所
雑誌
人文学報 (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
no.73, pp.p201-241, 1994-01

英文目次誤植修正済. (原文) An Lese Magesty Affair in 1898 : The Speech of Republic by the Minister for Education Ozaki Yukio