著者
岡田 遥平 飯塚 亮二 喜田 たろう 杉本 憲治 高原 美貴
出版者
京都第二赤十字病院
雑誌
京都第二赤十字病院医学雑誌 = Medical journal of Kyoto Second Red Cross Hospital (ISSN:03894908)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.26-31, 2018-12

2017 年9 月から開始された日本赤十字社のバングラデシュ南部避難民救援事業のEmergencyResponse Unit(ERU)のメンバーとして医療支援に従事する貴重な機会を得た.その活動の概要について報告し,医師として有意義であった経験や課題について考察する.筆者はERU 第2 班,第3 班で避難民キャンプ内の巡回診療に従事した.患者は不衛生な環境を反映し感染性の呼吸器疾患,消化器疾患,皮膚疾患が多数みられた.助産師の行う妊婦健診のサポートや栄養失調の幼児のスクリーニングなどを併せて行なった.国際赤十字・赤新月社の世界的な支援活動の一端を担うことができ貴重な経験となったが,その一方で医療の限界と先進国とのギャップに悩まされることもあった.こうした国際救援の経験は医師として視野を広げる成長の機会となりうると思われる.今後ともさらなる準備をし,支援に参加できるように修練につとめたい.
著者
福田 アジオ
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-81, 1983-03-15

This chronological table was compiled to indicate the development of Japanese Folklore Studies since the Meiji era. Important literature related to Japanese Folklore, significant events and activities in the Japanese Folklore Society are arranged in chronological order and divided into two columns: (1) Matters related to Yanagita Kunio, and (2) Others.Principal events and related items were included in the table to illustrate the interrelation between events, e.g.: criticism and refutation passed upon articles, publication of monographs and research papers based on field work.
著者
青山 徹 八木 勲
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.331-332, 2015-03-17

資産運用の1つである株式投資では,これまでにさまざまな投資手法が開発されてきた.その1つに酒田罫線法という投資法がある.これは日本古来の投資法であるが,その他の投資法と比べると認知度が低く,その信頼性について確固たる検証結果が示されたことがなかった.そこで本研究では,酒田罫線法の売買シグナルの精度を調査するシステムを開発した.そして,本システムを用いて,株価が上昇するときのシグナルと言われている「三本戻し,二本押し」が発生したとき,発生時からどれくらいの確率で株価が上昇するかを,上場銘柄(東証一部,東証二部,東証マザーズ,JASDAQ, その他)6年分のデータを用いて検証した.
著者
勝田 英紀
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 = Shokei-gakuso: Journal of Business Studies (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.37-59, 2019-03-25

[要旨]日本の農業および食品関係企業の大半が中小零細企業であることから,海外展開はきわめて低調である。農作物の国内取引は JA 全農が農家をまとめているが,それ以外の農業法人はまだ小規模であり,海外経験が非常に乏しい。このような現状により,今後日本国内で農業および食品産業が衰退せず,発展してゆくため,何が問題なのかを見直し,現在輸出している農業団体,食品業者の活動をしっかり検討し,より多くの農家,農業団体,食品業者が海外に目を向け,海外市場を開拓しやすくする方策を検討する。特に,農産物の輸出拡大を後押しするため,政府が2017年4月に日本貿易振興機構(JETRO)内に設置した日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO=ジェイフードー)を中心とした,日本産品の輸出プログラムについて検討する。[Abstract] The overseas expansion of Japanese agriculture and food industry is extremely sluggish. The reason behind this is that the majority of food-related companies are small and medium-sized enterprises. As for farm produce, JA ZEN-NOH organizes farmers, but other agricultural corporations are still small and lack significant over seas experience. Under these conditions, in order for the agriculture and food industry to not de cline domestically, but instead develop, we must review where the issues lie and thoroughly examine the activities of agricultural organizations and food businesses that are currently exporting, and examine ways to make it easier for more farmers, agricultural organizations, and food businesses to look overseas and explore overseas markets. In particular, we will examine the export program for Japanese products centered around The Japan Food Product Overseas Promotion Center(JFOODO)founded by the government within Japan External Trade Organization(JETRO)in April 2017 to promote the expansion of agricultural product exports.
著者
西田 良輔 中山 雅紀 藤代 一成
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.119-120, 2020-02-20

落雷や放電現象の際に,電荷が絶縁体に対し絶縁破壊を引き起こすことで発生する樹状のパタンを抽象化したリヒテンベルク図形が知られている.リヒテンベルク図形はフラクタルの一種であり,規則的な形状を示すが支配方程式は存在せず,また既存の研究において空間に分布する気体がもつ絶縁破壊の閾値や耐電率などの特性を考慮して形状を生成する例は少ない.さらに,リヒテンベルク図形は絶縁破壊が発生する全ての場合に確認される汎用的な現象であるため,その形状生成は放電現象のエフェクトでの利用だけでなく,アートとしての価値もあると考えられる.本研究では絶縁破壊の閾値や耐電率などの値が空間的に存在し,それらの特性を与えることで3次元リヒテンベルク図形を制御し生成する手法を提案する.

1 0 0 0 OA 神話論の位相

著者
山村 満衛
出版者
東洋大学大学院
雑誌
東洋大学大学院紀要 = Bulletin of the Graduate School, Toyo University (ISSN:02890445)
巻号頁・発行日
no.54, pp.15-26, 2017

Lévi-Strauss’s “Mythologiques”is exactly a consideration of “Primitive Thinking”.“Primitive Thinking”, or, “The Savage Mind” is the thought of people without writing.The thought of people without writing, has been interpreted in two different fashions.The first way was consider such thinking as of a somewhat coarser quality, and the example is the work of Malinowski. Malinowski was that the thought of people he was studying was,and generally speaking the thought of all the populations without writing which are the subject matter of anthropology was entirely, or is, determined by basic needs of life. If we know that a people, whoever, they are is determined by the bare necessities of living ―finding subsistence, satisfying the sexual drives, and so on ― the we can explain their social institution, their beliefs, their mythology, and the like. This very widespread conception generally goes under the name of functionalism.The other fashion is not so much that theirs is an inferior kind of thought, but a fundamentally different kind of thought. This approach is exemplified by the work of Lévy-Bruhl, who considered that the basic difference between “primitive thought” and modern thought is that the first is entirely determined by emotion and mystic representations. Whereas Malinowski’s is a utilitarian conception, the other is an emotional or affective conception;and what Lévi-Strauss tried to emphasize is that actually the thought of people without writing is, or can be in many instances, on the one hand, disinterested ―and, on the other hand, intellectual ― a difference in relation to Lévy-Bruhl. The theme of “Mythologiques”is to explain how peoples produce “Primitive Thinking” Based on the recognition that there is no society that does not cook food so that the world without words can not exist, we will develop discussions mainly on the subject of cooking. “The culinary triangle” summarizes propositions throughout “Mythologiques” It is pointed out that the conflict relationship of <nature/culture> arising from the difference between “RAW” and “ROTTEN” is deeply rooted in society, life, and religion. The principle is that it also regulates the internal order of the world.
著者
鋤柄 俊夫
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.161-239, 1993-03-25

大阪府南河内郡美原町とその周辺の地域は,特に平安時代後期から南北朝期にかけて活躍した「河内鋳物師」の本貫地として知られている。これまでその研究は主に金石文と文献史料を中心にすすめられてきたが,この地域の発掘調査が進む中で,鋳造遺跡および同時代の集落跡などが発見され,考古学の面からもその実態に近づきつつある。ところで従来調査されてきた奈良時代以降の鋳造遺跡は,寺院または官衙に伴う場合が多く,分析の対象は梵鐘鋳造土坑と炉または仏具関係鋳型とスラグなどが中心とされていた。一方河内丹南の鋳造遺跡についてみれば,鍋などの鋳型片および炉壁・スラグ片は一般集落を構成する遺構群の中から出土し,炉基部をはじめとする鋳造関連施設の痕跡もその一部で検出される。これらは鋳造施設をともなった中世集落遺跡の中の問題なのである。そしてこの地域の集落遺跡は,河内丹南の鋳物師の本貫地であったという記録と深く関わっている可能性が強いのである。小論はこの前提に立ち,丹南の中世村落を復原する中で特に職能民の集落に注目し,それが文献史研究の成果により示されている河内鋳物師の特殊な社会的存在とどのように関わってくるのかを考えたものである。考察は中世村落研究と鋳造遺跡研究の2点に分けられる。前者では,灌漑条件を前提とした歴史地理と景観復原の方法から村落の成立環境を,文献記録と遺跡の数量化分析から村落の配置と規模および古代から近世にかけての移動を復原した。後者では,全国の鋳造遺跡の整理から遺構の特徴,日置荘遺跡の検討から遺物の特徴を抽出し,鋳造作業における不定型土坑と倉庫空間の重要性および,鋳造集団がもつ特殊な流通について指摘した。これらの分析から,丹南の村落は成立環境の異なる条件により,少なくとも2つの異なった変化過程を示す可能性があり,それぞれに付属する鋳造集落においても同様な傾向のみられることがわかった。この仮説について,小論では日置荘遺跡をモデルとした鋳物師村落の景観復原を例に提示しておいたが,丹南鋳物師の2つの系統との関連の問題とあわせて,今後社会史的に復原検討されるべき課題とされよう。
著者
菊地 達夫
出版者
北翔大学
雑誌
北方圏生活福祉研究所年報 = Bulletin of Northern Regions Research Center for Human Service Studies (ISSN:1342761X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-6, 2003-10-01

本研究では,学校教育におけるアイヌ文化学習の実践をみながら,児童の反応をもとに学習意義を明らかにする。具体的には,アイヌ文化学習の実施状況について,先行研究に依拠しながら整理する。次に,小学校総合的な学習の時間における教育実践を取り上げ,アイヌ文化学習の導入の可能性について考察する。さらに,児童の反応を分析しながら,アイヌ文化学習の意義を浮き彫りとしたい。アイヌ文化学習の実践は,その居住が多い地域で芽生え,それ以降,行政機関(北海道教育委員会・札幌市教育委員会)の後押しがありながらも,なかなか浸透する姿勢がみえない。小学校の教育実践では,指導教諭の熱心な働きかけにより,多様な文化理解のアプローチができることを確認できた。また,それを受講した児童は,4つの観点で良好な評価を下した。
著者
廣安 知之 西井 琢真 吉見 真聡 三木 光範 横内 久猛
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2010-MPS-80, no.24, pp.1-6, 2010-09-21

本研究では,2 本以上の時系列データに対して類似部分の抽出手法を提案している.提案手法は,時系列データを再量子化し,文字列検索アルゴリズムを用いて類似部分を抽出する方法である.文字列検索アルゴリズムには,相同性検索を利用する.相同性検索を利用することで,将来,既存の並列アルゴリズムを利用することで高速に処理が可能である.数値実験を通じて,再量子化手法の違いによって抽出される類似部分にどのような差異が生まれるか検討した.また,既存の時系列データの距離測定手法である DTW とどの程度一致する類似部分を抽出するのかについて検討した.実データへの適用として,fNIRS を使った脳機能実験を行い,提案手法による時系列データの抽出を試みた.
著者
小泉 真也 濱田 百代
出版者
稚内北星学園大学
雑誌
稚内北星学園大学紀要 (ISSN:2189244X)
巻号頁・発行日
no.17, pp.33-44, 2017-03-31

プログラミングの土台は情報科学であり、情報科学の土台は数学である。数学の視座に立つ者と情報学の視座に立つ者それぞれが、斯様な関係を理解しながら互いの「スマートさ」の差異を「なんとなく」実感している。筆者らの関心は、プログラミング教育の必修化が迫る中、その対象として数学が適するかにある。プログラミング・ソースが「数学の解説者」たりうるかを議論するにあたっては、それ以前の問題として「プログラミング」と「数学」の差異を具体的に追及することが必要となるであろう。本稿では、プログラミングや数学、そしてそれぞれの教育に関する事例を四散的に取り上げることによって、両者の違いや、数学科におけるプログラミング教育の可能性を考察した。

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雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, 2021-01-15