著者
竹村 一夫
出版者
樟蔭女子短期大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

喫煙行動に関する資料・文献の収集および整理,データベース化について,前年度から継続して行った。収集した資料・文献の書名や出版年などをデータベース化し,一部については目次もデータ化した。目次については,今後もデータ化の作業を進め,内容の要約についてもデータ化の予定である。また,雑誌・マンガ雑誌からの画像データベースについて,画像の説明がキーワード程度では有用でないため,より詳しいコメントを付け加えた。テレビドラマ等の映像に関しては,編集にかなりの時間を要したため,データベース化は当初の予定通りにはいかず,分析には至らなかった。この点は,今後の課題である。これらの作業と平行して,大学生に対する聞き取り調査を実施した。その結果,単純に判断することは出来ないが,例えば,喫煙に関して,男性の場合は,直接的には友人の影響や周囲の大人,特に父親・兄の影響が大きかったといった回答がえられた。女性の場合も男性とそれほど異なるわけではないが,友人の影響が男性よりもより強く,喫煙について自分の意志で選択したことを強調するケースは,男性よりも多く見受けられた。メディアの影響については,特に意識されているわけではないが,映画やテレビドラマ等でタバコが小道具として有効に使われていることについて,多くの学生が理解しており,男性性の強調や自立した強い女性のシンボルとして使われていること,マンガのストーリー中に出てくるタバコ・喫煙行動については,特定のイメージの男女を登場させるときには必ず出てくるなど,一定のパターン化された使われ方がされていることについて,指摘した学生もいた。このように,喫煙イメージの形成および伝達に関して,親子や友人などの人間関係が大きな影響力をもっているだけではなく,特にステレオタイプ化されたイメージについては,メディアが一定の役割を果たしていることが指摘できる。
著者
末永 國紀
出版者
同志社大学
雑誌
經濟學論叢 (ISSN:03873021)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.696-659, 2010-01

論説(Article)松居久左衛門家(まついきゅうざえもん)は、江戸後期の近江商人を代表する商家である。本稿の目的は、江戸期から明治期にいたる150年間の松居家の資産蓄積の過程を明らかにすることと、受継いだ資産を10倍に増加させて、松居家に隆盛をもたらした三代目松居遊見(まついゆうけん)の経営理念を考察することである。遊見は、自分のみの富裕を望んだのではなく、商機を郷里の人々と共有しようとした。その考え方は、彼の信仰する仏教の教えに基づくものであった。この遊見の考え方は、自家に富をもたらしただけでなく、商人を目指す多くの後輩を育てることに結果し、地域社会へ貢献するものとなった。Kyuzaemon Matsui's family was a well-known Ohmi merchant family in the late Edo period. This paper aims to clarify the Matsui family's asset accumulation process over the 150 years from the Edo period to the Meiji period, and to examine the business management principles of Yuken Matsui, a third generation family member, who decupled the inherited family wealth and brought prosperity to his family. Yuken not only pursued the family's prosperity but also shared business chances with the local people. His attitude, based on the teachings of Buddhism, brought wealth to his family and contributed to the local society by successfully producing many new merchants.
著者
山根 啓輔
出版者
山口大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

ハイドライド気相成長法を用いて、高効率発光素子材料として期待される非極性{10-11}面、{11-22}および{20-21}面 GaN 基板の作製を行った。基板の作製には我々の独自技術であるサファイア加工基板上結晶成長技術を用いた。{10-11}面 GaNでは厚膜化に伴い、欠陥密度が急激に減少することが明らかになった。サファイア加工基板上と従来サファイア基板上において、厚膜成長した際の自発分離機構を明らかにした。最終的には発光ダイオードを試作し、我々が作製した GaN 基板がデバイスレベルで利用可能であることを示した。
著者
大蔵省 編
出版者
財政経済学会
巻号頁・発行日
vol.第2, 1925

2 0 0 0 OA 東京市史

著者
東京市 編
出版者
東京市
巻号頁・発行日
vol.外編 第5, 1932
著者
Richards Paul G. キム W.-Y.
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.78-86, 2009-06

2009年2月時点で,イランは自国の核計画に沿ってウラン濃縮能力を急速に拡大している。2008年11月にインドのムンバイで起きたテロはインド・パキスタン間の核戦争の危機をこれまで以上に高めた。
著者
田口 秀之
出版者
東京大学 工学系研究科航空宇宙工学専攻
巻号頁・発行日
2005-09-15

報告番号: 乙16335 ; 学位授与年月日: 2005-09-15 ; 学位の種別: 論文博士 ; 学位の種類: 博士(工学) ; 学位記番号: 第16335号 ; 研究科・専攻: 工学系研究科航空宇宙工学専攻
著者
藤田 比左子 吉谷 須磨子 樋之津 淳子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,看護職及び看護部門による感染予防対策(スタンダードプレコーションの主要項目)の実践の現状を明らかにし,スタンダードプレコーションの普及に向けたガイドライン作成を検討することを目的とした。全国の医療施設のうちの一般病院を対象とした質問紙調査を実施し,以下の結果を得た。1)方法第1段階調査は,500施設(2006年3月1日〜3月27日),第2段階調査では,2400施設(2006年9月15日〜10月15日)を対象とし,自由回答欄を一部含む選択回答肢から構成される自記式質問紙を用いた郵送調査を実施した。調査項目は,第1段階調査の質問紙は,感染予防対策に関する実践内容,施設の属性とし,第2段階調査の質問紙は,第1段階調査にて使用したものに準じ,一部を改訂したものを使用した。最終解析対象は,第1段階調査では281施設,第2段階調査では,998施設であった。2)結果感染対策委員会を構成する看護師数は,病院規模に関わらず,関東から近畿地方にかけて少なく,九州・沖縄地方が有意に多かった。感染予防対策マニュアルへの記載項目では,白衣・カーディガンの着用に関する記載がなく(約90%),手袋の使用方法に関して記載があるとした施設は,70%に満たなかった。特に,全患者に手袋の使用を規定している項目は,排便と蓄尿バッグの取り扱い時(排泄)が約90%,創処置・採血時は約70%程度であった。重要視されている感染対策項目は,手洗いが最も多かった(791施設,79.3%)が,その教育は入職時の新人教育にとどまっていた(839施設,83.9%)。3)考察感染予防対策に必要な体制の整備・感染対策マニュアルの具体的な内容の充実と機能性の向上・感染予防に関する継続的な教育推進活動が重要な中核として示唆され,今後はこれらの内容を明確に示すガイドラインの構築が必要である。

2 0 0 0 朝日

出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.(10月號), 0000
著者
和田 直也
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.205-212, 2008
参考文献数
51

北緯35°から北緯80°までの広い範囲に分布しているチョウノスケソウ(Dryas octopetala sensu lato)について、中緯度高山の立山個体群と極地ツンドラのニーオルスン個体群を比較しながら、生育環境、葉形質と花特性の変異や環境の変化に対する応答、集団内の遺伝的多様性について紹介し、諸変異の要因について論じた。夏季の積算温度は、立山の方がニーオルスンに比べ3.1倍高かったが、日射量はほぼ同じであった。但し、ニーオルスンにおける日射量は初夏に高く、夏至以降急激に減少していた。このような生育環境の違いに対応して葉形質に違いがみられ、立山を含む中緯度高山帯におけるチョウノスケソウの葉は、ニーオルスンを含む寒帯や亜寒帯の集団に比べてLMA (leaf mass per area)が小さく窒素濃度が高かった.また、雌蕊への投資比(雌蕊重量/雄蕊と雌蕊の重量)は花重量との間に正の相関を示したが、その変化率は立山個体群の方が低く、ニーオルスン個体群に比べて集団内における性表現の変異幅が小さい傾向にあった。さらに、立山個体群における遺伝的多様性は、これまで報告されている北極圏の個体群と比較して低かった。最後に、気候変動に対する本種の応答反応を予測する上で、いくつかの課題を指摘した。
著者
清水 慶一 中島 久男 久保田 稔男
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館研究報告E (ISSN:03878511)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.43-49, 1991
被引用文献数
1

It is well known that iron was applied to construction material in 19th century, and this application of iron was a factor of modern architectural development. At the first time, iron used to rather the other construction, for example ship makng, than building construction in Japan, as same situation as westrn countries. An old iron tank remains in Tomioka Filature which was built in 1872 by Japanese Government. Though this tank was recognized the old iron work, had no opportunity to conform it's age of construction. We conformed the fact that this tank was original tank to be built in 1874 by physical survey. And we researched the building process of it. This tank was made in Yokohama Factory which was build by Japanese Government (originally by the Tokugawa shougunate in 1860's), and operated by French engineers in government employ. As a result we can say, existing iron tank is a historical structure that was built before introduction of application of iron for material of building structure, and a significant material to see the process of western technology that foreign engineers had transplanted to Japan.
著者
竹井 かおり 星野 大地 市村 匡史
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.98-103, 2012-09 (Released:2013-10-08)

本試験では養液栽培において,育枯病の発病抑制効果が期待できるスイートバジル,オレガノ,ローマンカモミールを用いて,ハーブの栽植密度を変えてトマトとの混植試験を行い,ハーブの混植が青枯病発病ならびに培養液中の青枯病菌密度に及ぼす影響を調査した。その結果,対照区と比べて,スイートバジル混植区では青枯病発病が4日遅れ,オレガノ,ローマンカモミール混植区では,青枯病の進行が5~8日抑制された。さらに,スイートバジル,オレガノ混植区では培養液中の青枯病菌密度が検出限界以下(約10 2cfu/mL以下)に減少した。以上のことから,ハーブの混植により,青枯病発病抑制,青枯病進行抑制,培養液内の青枯病菌密度低下効果などが得られる可能性が示唆された。