著者
伊豫田 旭彦 佐野 諭 渡邉 浩一
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2009-HCI-135, no.14, pp.1-5, 2009-11-05

これまで放送では、視聴者が番組に参加するに際し、一体感が不足している問題があった。それを解決するものとして、インターネット放送にコメントを入力するシステムがある。筆者らはそのコメントシステムを用いて、英語教育のための参加型放送、視聴者の入力に操作できるカメラ、AR 技術を用いた多人数参加ボードゲームなどを作成した。各番組は非常に一体感のあるものとなり、それぞれ異なる対話が生まれることがわかった。
著者
瓜巣 由紀子
出版者
浦和大学・浦和大学短期大学部
雑誌
浦和論叢 (ISSN:0915132X)
巻号頁・発行日
no.53, pp.21-48, 2015-08

わが国では、社会的養護を必要とする児童が増加している。しかしながら、社会的養護の施設の区分には、障害児でありかつ被虐待児である児童が利用する施設である障害児入所施設が含まれていない。障害児でありかつ被虐待児の児童については、児童福祉法に規定される同じ「児童」でありながら、施策の適用の違い、児童福祉施策の対象あるいは障害児施策の対象となるのかにより、施設への入所制度に矛盾があるのが現状である。 そこで本論文では、児童福祉施策と障害児施策の視点から社会的養護の現状と課題について考察した。その考察からわが国の社会的養護は被虐待児をその主たる対象とし、障害児であり被虐待児についての視点は乏しいものであるという知見を得た。この社会的養護の課題解決のため、わが国の「すべての児童」を対象とした政策立案を形成するシステムの構築について提言した。
著者
上村 朋子 本田 多美枝
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report = The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing, intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.194-207, 2005-03-01

本稿では、「概念分析」の手法について概観し、それぞれの手法が生み出されてきた背景について論じた。「概念分析」は1960年代の看護理論の開発に伴い、その構成ブロックである「概念」を明らかにする必要性から、欧米を中心に探究が進められているものである。看護の分野で使用されている「概念分析」の手法は、高校生の概念分析スキルの向上を意図して導かれたウイルソンの方法から展開している。その主なものは、システマテイックな方法として評価され、先行研究において最も採用されているウォーカーとアーヴァントの方法、また時間や状況による概念の変化に着目したロジャーズの革新的方法、実践現場で概念がどのような意味で使用されているのかを重視したバイブリッド・モデル、さらには、いくつかの概念を多面的に分析する同時的概念分析などである。「概念分析」は、これまで曖昧に使用されてきた「概念」を明確にすることを通して、看護の現象に迫る方法を提示している。それぞれの手法の活用にあたっては、分析の目的に適した手法を選択して、クリティカルな思考を展開することが重要である。
著者
朴 浩烈
出版者
多摩大学経営情報学部
雑誌
経営・情報研究 多摩大学研究紀要 = Tama Uiversity journal of management and information sciences (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-16, 2016-02-01

There are some ethnic groups in Japan. Their self-consciousness and identity such as language, blood relationship, culture, and recognition of history are often different from the dominant group in the society. Koreans belong among the big ethnic groups in Japan. I will consider their ethnicity as the psychological and social phenomenon, depending on questionnaires and hearing investigations in this report.
著者
濱 真一郎 Shinichiro Hama
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.3443-3462, 2018-03-31

本稿の目的は、法理論は一般的であるというH. L. A. ハートの見解を念頭に置きつつ、法理論は普遍的であるというジョセフ・ラズの議論について検討することである。
著者
三浦 雅展 青山 容子 谷口 光 青井 昭博 尾花 充 柳田 益造
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.1176-1187, 2005-05-15

和声法におけるソプラノ課題に対する正解生成システムSoprano Donn´ee System(SDS)を拡張した和声付与システムについて述べる.このシステムはポピュラー音楽系の旋律に対応するために,対応する和音を古典西洋和声からポップス用に拡張し,さらに旋律に対して刺繍音,経過音,先行音などのアプローチノート処理を施すように拡張されている.このシステムはポップス系の考えうるオリジナル旋律に対応するように構築されており,AMOR(Armonizando Melodias ORiginales)と名付けられている.AMORは産学連携の枠組みの下で携帯電話用サービスのために開発され,電子メール文から自動的に旋律を生成するシステムとともに稼動している.自動生成される旋律はメール文内の「明るい」「暗い」名詞の出現数の多さに応じて,長調あるいは短調として生成され,AMORによって和声付与され,和音付きの着信メロディが生成される.自動生成される旋律だけでなく,ユーザによって入力された旋律のどちらについても,AMORは適切な和声を付与することができる.AMORは評価実験の結果より,従来の和音付与システムよりも高い性能が得られていることが確認されている.
著者
鵜久森 将隆 島野 達雄 望月 久稔
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第70回, no.人工知能と認知科学, pp.509-510, 2008-03-13
著者
中村 眞
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.121, 2020-11-26

小中学校児童生徒に一人一台端末を用意し,学校に高速インターネットを実現する「GIGAスクール」は,教育の変革・深化・転換のチャンスとなる.新型コロナによる臨時休業時,児童生徒と学校を ICT によりつなぐ「止めない学校プロジェクト」を推進し,その経験が奈良市の GIGA スクール構想に引き継がれれている.家庭への持ち帰りを前提とし,家庭学習でも活用する「端末を文房具として活用する新しい学びのスタンダード」と,これを支える学校ネットワークの再構成について報告する.
著者
鈴木 大助
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.79-84, 2020-11-26

コロナ禍下での対応のため,大学では公正公平なオンライン試験を実現するための方法が模索されている.筆者はオンライン CBT 試験における不正行為防止策について検討し,担当科目「ネットワーク論Ⅰ」において実践した.資料参照・インターネット検索・他者との相談を防止することは困難であるため,許容することを前提とし,問題解決能力・実践力を測定する問題を出題する方針とした.一方で,替え玉受験と答案のすり替えについて重点的に防止するよう努めた.試験問題には,受講生個人のネットワーク設定情報とネットワーク経路情報の調査報告を含めた.また,受講生個人の情報に依存して正答が変わるネットワーク構築問題を出題した.Web カメラは本人確認の目的で利用した.受講生は中国からの留学生 18 人で,うち 6 人は未入国のため中国本土からインターネット経由で受験した.得点は 37.5 %~50 % の得点率にあたる区間をピークとした広い範囲に分布しており,本試験は受講生の達成度を識別する能力を有すると考える.また,受講生によるオンライン CBT 試験に対する評価は教室試験と同等以上であり,コンピュータを利用した実践的な問題であることが好意的に受け止められている.オンライン CBT 試験は,出題の工夫を含めた適切な不正行為防止策を実施することで,教室試験を代替する公正公平な試験となりえる.
著者
森 公希 新城 靖 中井 央 三宮 秀次 佐藤 聡
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.71-78, 2020-11-26

サイバー攻撃の対策として,IDS の導入が挙げられる.IDS はネットワークに流れる通信パケットを監視し,攻撃シグネチャを検知するとネットワーク管理者に通知するシステムである.しかし,IDS はホストの環境と関連のない脆弱性への攻撃であったとしても検知するため,一般的に大量の検知アラートが発生するという問題がある.本稿では,IDS の攻撃シグネチャと脆弱性スキャンのログを関連付けることで,ホストの脆弱性や環境に基づいて調査すべき IDS アラートを減らす手法を提案する.また,脆弱性識別子による機械的な関連付けができない場合については,自然言語を用いて関連付けを支援する.
著者
小野 大地 和泉 諭 阿部 亨 菅沼 拓夫
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.63-70, 2020-11-26

不正アクセスやマルウェアによるサイバー攻撃の脅威が増大しており,それらへの対策は喫緊の課題となっている.一方,ネットワークをソフトウェアによって柔軟に制御・管理する技術として Software Defined Network(SDN)が注目されており,具体的な実装として OpenFlow が広く用いられている.OpenFlow はスイッチからトラフィックに関する統計情報を収集することが可能であることに加え,スイッチレベルで通信の遮断が可能であることから,ネットワークのサイバーセキュリティ対策に有用であることが過去の研究で示されている.本研究ではサイバー攻撃の準備段階として行われるポートスキャンの検出に注目し,OpenFlow 環境下におけるポートスキャン検出に関して,オーバーヘッドの増加や検出遅延に関する課題を解決するための手法を提案する.具体的には,既存の周期的にポートスキャン検出処理を行う手法に対して,Packet-In メッセージの特徴を考慮したイベントドリブンな検出手法の設計・実装を行い,より迅速かつ低いオーバーヘッドでの検出の実現を目指す.また,実験により,実際の正常なトラフィックにおける誤検出の頻度に関する評価や,既存手法とのパフォーマンスの比較,検出遅延の測定を行い,提案手法の有用性を示す.
著者
江川 悠斗 谷口 義明 井口 信和
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.56-62, 2020-11-26

Wi-Fi ネットワークを介して様々な IoT 機器がインターネットに接続されているが,小規模組織や家庭では IoT 機器が適切に管理されておらず,十分なセキュリティ対策が講じられていない場合がある.我々はこれまでに IoT 機器の把握を支援することを目的に,IoT 機器から送信される無線フレームを利用した IoT 機器一覧表示システムを開発してきた.本稿では,IoT 機器から送信される無線フレームを受信する際の受信電波強度を利用して,所在が不明な IoT 機器の設置位置にユーザを誘導するナビゲーション機能を新たに提案,本システムに導入する.また,研究室内に設置した IoT 機器を利用した実験により,ナビゲーション機能を用いて IoT 機器の設置された位置にユーザを誘導できることを示す.
著者
山浦 亘平 井口 信和
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.49-55, 2020-11-26

ネットワークの構築や構成変更を実施する際,作業者は作業手順書に基づき作業を実施する.作業手順書は一般的に手作業で作成されるため,作業手順書に記載されている内容に誤りが含まれる可能性がある.要件を満たしていない作業手順書に基づき作業を実施した場合,構築したネットワークは要件を満たさないことになる.そこで我々は,要件を満たすネットワークを構築するための作業手順書の作成を支援することを目的に,システムを開発してきた.開発システムは,仮想的に構築したネットワークの情報を用いて,要件を満たしている作業手順書を作成する.開発システムは,既存ネットワークの再現,仮想ネットワークの動作検証,作業手順書の自動作成ができる.本稿では,開発システムを評価するための実験について述べる.
著者
誉田 雅彰 池永 剛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.738-743, 2016-07-15

2019年のラグビーW杯や,2020年の東京オリンピックなどのビッグイベントの日本開催を契機として,スポーツへの関心が高まっている.一方,近年のスポーツ分野における情報処理技術が果たす役割は,スポーツ動作解析をはじめとしてゲームの戦略分析やコーチング分野などにも広がりを見せている.それらは,トップアスリートの競技力向上に資するだけでなく,最近のスマートフォンによるランニングアプリに見られるような一般人の健康スポーツにも広がっている.本稿では,球技スポーツを対象としたスポーツ映像処理とセンサ技術を利用した自動コーチングシステムについて,技術的現状と課題について解説した.