著者
鈴木 一永
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稻田法學 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.169-210, 2015-10-10
著者
生田 泰章 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2016-HCI-168, no.6, pp.1-8, 2016-05-26

文章作成過程において、執筆者は考えや思想の表出と表出内容の修正を繰り返し行う。その際、執筆者は不用と判断した本文の一部を棄却する。本稿では、棄却された本文の一部(棄却テキスト断片)を知的資源として捉え、棄却テキスト断片を収集可能な文章作成支援システムText ComposTerを提案する。Text ComposTerは、ユーザがカード状のエレメントに「作成対象の文章の一部を記入し、このエレメントを二次元平面上に配置することで本文を形成することができ、文章作成の上流工程から執筆者の文章作成を支援することができる。エレメントを配置するための二次元平面には、配置されたエレメントに記入された内容を本文に反映する領域と、反映しない領域が含まれる。Text ComposTerは、本文に反映しない領域に配置されたエレメントに記入されたテキスト断片を、後に知的資源として活用すべく収集する機能を有する。本稿においては、Text ComposTerを用いた実験を行い、有用性を確認することができた。
著者
伊藤 裕子
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.3-15, 2018-12

東日本大震災を契機として,我が国の科学技術コミュニケーションは,専門家と非専門家との双方向のコミュニケーションの推進に対しても効果的であることが期待されるようになった.しかし,専門家と非専門家との間には,知識量のみならず認知や行動においても非対称性があり,この非対称性がコミュニケーションの不具合を引き起こしている可能性がある.本研究は,医薬品情報を対象とし,双方向のコミュニケーションに影響を与える非対称性の特徴及び状況や背景を明らかにすることを目的として,専門家及び非専門家の両方にアンケート調査を実施し,非対称性を分析した.その結果,医薬品情報のコミュニケーションには,コミュニケーションの不具合の認知や解釈において非対称性が生じていることがわかった.さらに,非対称性を生じ易い背景として,非専門家では情報収集をしないこと及び専門家とのコミュニケーションを諦めていること,専門家では尋ねられた情報が知らない情報であることを非専門家に伝えないことが示された.したがって,医薬品情報における双方向のコミュニケーションを成功させるためには,専門家と非専門家のそれぞれに対する情報教育,質の高い情報のオープン化,非専門家が利用し易いコミュニケーションツールの開発が必要と考えられる.
著者
風巻 春子
出版者
関西大学国文学会
雑誌
國文學 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.160-166, 1960-10-20
著者
岡部 光明

大学は、先端研究を担うほか、将来における一国の中核的人材を養成する社会的組織である。そのあり方を考える場合には、学生が大学で学び身に付けるべきことは究極的に何なのか、そしてそれをどのようにして学生に身に付けさせるべきか、という二つの原点に立ち返って考えることが大切である。本稿は、筆者の国内外で大学教育に関わった体験、ならびに関連する学問領域(教育学、心理学、人格形成論、経済学など)の動向を踏まえて大学教育のあり方を考察したものである。その結果、(1)大学教育の目標は三つ(日本語力、インテグリティ、向上心)に集約できる、(2)そうした整理の仕方は関連する学問分野の最近の研究動向(批判的思考力や非認知能力の育成重視)に照らしても整合的といえる、そして(3)そうした視点とその実践結果は筆者が接してきた学生諸君の声からも支持されている、などを主張した。
著者
岡部 光明

大学教育の目標は、日本語力、インテグリティ、向上心の三点に集約できることを別稿(岡部:2018)で指摘した。本稿は、リベラルアーツ教育という観点からその発想を評価するとともに、そうした目標を達成するにはどのような学習方法と制度的な仕組みが相応しいかにつき、国内外の3つの大学における教育のあり方に照らして考察した。その結果、(1)上記3 目標はリベラルアーツ教育という観点にも合致している、(2)その教育効果を挙げるには「講義+少人数クラス(ゼミや研究会)」という制度がふさわしく、この点を含めて米プリンストン大学の学部教育に学ぶべきことが多い、(3)大学教育においては仲間と共に学ぶという環境(人間的きずなの形成)が在学時だけでなく卒業後の人生にとっても大切である、(4)日本の大学生の学習時間はアメリカ等の大学生に比べて著しく少ないが、その理由は大学教育が本来どうあるべきかが日本では正面から問われることがなかったことを反映しているので、いまその根本的な議論が必要である、などを主張した。
著者
Song Jaehyun 善教 将大 宋 財泫 Masahiro Zenkyo
雑誌
法と政治 (ISSN:02880709)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.67(611)-108(652), 2016-08-30
著者
奥本 素子
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.17-30, 2018-12

本研究は科学技術コミュニケーター養成教育がもたらす教育効果,特に対話・参加型コミュニケーションに対する意識がどのように変化したのかを評価するために,科学技術コミュニケーション活動への意識を調査する質問紙を開発し,本質問紙を用いて北海道大学にある科学技術コミュニケーション教育研究部門(通称CoSTEP)の受講生の受講初期・後の意識を調査した.その結果,受講後に受講生は全体的に参加型の科学技術コミュニケーション活動への意識が高まったことが分かった.さらに調査していくと,受講生の受講後の意識は3つの型があることがわかり,最も多かったのは科学技術コミュニケーション活動全般への意識が高い型であった.このことから,CoSTEP における科学技術コミュニケーション養成教育は,対話・参加型に限らず,全体的な意識を高めることが示唆された.