著者
馬 穎瑞
出版者
北海道大学文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.129-148, 2016-12-15

日常会話では,われわれは疑問文を用いて,聞き手に自分の知らない情報を求めたり,何らかの依頼を表したりしている。情報要求は疑問文発話によって生じる言語的要求で,依頼などによって生じる行動要求は非言語的要求である。そして,情報と依頼は,いずれも疑問文による発話の内容を指している。発話内容とは違うレベルから考えてみると,話し手が疑問文を用いて発話することは,一種の言語行動である。その言語行動自体によって生じる聞き手への言語的要求は,話者交替の要求である。話し手が疑問文を用いて聞き手に回答を求めるという言語行動は,従来の談話分析では発話権の委譲として捉えられ,聞き手が話し手から委譲される発話権を受けとることになる場合,話者交替が起こる。しかし,従来の先行研究では,発話文の形式を話者交替の形成に関連づけて詳細に論じるものがほとんど見当たらない。そこ で,本稿は,話者交替の形成に関わる理論知識と先行研究を踏まえながら,話者交替における聞き手の捉え方を提示する。そして,本稿の考察対象を限定し,話者交替の要求を有している疑問文発話の言語形式の分析を通じて,それらにおける話者交替の要求性の強弱を考察する。考察資料は,比較的に文脈がわかりやすく,かつ文末イントネーションの上昇・非上昇を聞き取れるテレビドラマのセリフを文字化して用いる。考察の結果,話者交替の要求の有無は聞き手の捉え方に関わるため,従来の先行研究と異なる本研究の聞き手の捉え方を規定する必要があることがわかった。そして,疑問文発話における話者交替の要求性の強弱は「疑問詞」「文末形式」「文末イントネーション」という疑問文の3つの言語形式要素によって決められることもわかった。
著者
藤田 喜久 都築 章子 今宮 則子 平井 和也 ストラング クレッグ ハルバーセン キャサリン 平賀 伸夫 FUJITA Yoshihisa TSUZUK Akiko IMAMIYA Noriko HIRAI Kazuya STRANG Craig HALVERSEN Catherine HIRAGA Nobuo
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.315-324, 2012-03-31

COSIA (Communicating Ocean Sciences to Informal Audiences) is one of two versions in “Communicating Ocean Sciences (COS)” series developed by Lawrence Hall of Science (LHS), University of California Berkeley.COSIA provides learning opportunities for both undergraduates and graduate students to understand theory andinquiry-based pedagogy in science education. This paper describes the overview of COSIA and its Japanese version development process.
著者
中川 さつき
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.389-406, 2015-03

『ウティカのカトーネ』(1728)はメタスタジオにとって3 作目の音楽劇である。主人公カトーネは共和政ローマの理念を守るために,和平を拒んで名誉ある死を選ぶ。カトーネの高潔なモラルと,ライバルであるチェーザレの寛容の徳との対比がこの劇の核である。簡潔で力強い台詞と劇的な緊張感に満ちた傑作であるが,同時代の観客は愛国的なテーマにそれほど心惹かれず,また主人公が呪詛の言葉を吐きながら死んでゆく場面は激しい反発を巻き起こした。メタスタジオ自身はこの作品を偏愛していたが,『アッティリオ・レーゴロ』(1740)で一度だけ英雄悲劇に立ち戻ったことを例外として,その後は宮廷の人々の好みに従って,君主と臣下の理想的な関係を描いたハッピー・エンドの劇を書き続けたのであった。

1 0 0 0 OA 後記

著者
後藤 乾一
出版者
早稲田大学アジア太平洋研究センター
雑誌
アジア太平洋討究 (ISSN:1347149X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.403-407, 2013-02-28
著者
中村 俊定 雲英 末雄
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.105-131, 1967-03-01