- 著者
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西村 公雄
後藤 昌弘
- 出版者
- 社団法人日本家政学会
- 雑誌
- 日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.7, pp.713-721, 1999-07-15
- 被引用文献数
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1
90℃加熱中に生じる鶏もも肉浸出液によるホワイトソースの分離は,2.4 m_M N-ethyl-maleimide (NEM)または,10 m_M ethylendiaminetetraacetic acidの添加により抑えられた.一方,浸出液中のタンパク質は,ホワイトソースのクリーム層と結合せず,また,加熱凝集した浸出液をホワイトソースに加えて再加熱しても分離は生じなかった.以上のことは,加熱中に浸出液中のタンパク質分子間にSS結合と2価カチオンが関与する相互作用が生じ,その結果ネットワークを形成する際にカゼインミセルや油滴をトラップすることが,分離の原因であることを示している.さらに,浸出液中のタンパク質表面疎水性の加熱による増加にNEMは影響を与えなかった.このことは,NEMが存在してもしなくても,浸出液中のタンパク質の凝集が同程度であることを示している.