著者
近藤 憲久 河合 久仁子 村野 紀雄
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.39-45, 2011-06-30
参考文献数
23
被引用文献数
1

札幌市手稲区(43&deg;07&prime;N,141&deg;11&prime;E)で2007年11月9日に拾得されたコウモリは,クロオオアブラコウモリと同定され,日本において8番目,札幌においては4番目の報告となった.日本でこれまで報告されているクロオオアブラコウモリ標本と本拾得個体の頭骨を精査した結果,これまで指摘されてきたように,上顎第二前臼歯が消失傾向にあることが明確となった.また,キタクビワコウモリとクロオオアブラコウモリを比較すると,上顎犬歯咬頭後稜の向きおよび下顎犬歯の高さと第四前臼歯の高さの比率が種識別に有効であることがわかった.<br>
著者
片岡 栄美
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.15, pp.30-43, 2002

Why is that many sociologists say that the theory of cultural reproduction coined by Bourdieu has no applicability to Japan? I have shown that there is a structural mechanism that conceals cultural reproduction in Japanese society. Most high status men become cultural omnivores who are familiar with both popular culture and high culture, but overall men are not major consumers of high culture. Because the public field is occupied mainly by men, their patterns of cultural consumption are taken to stand for the Japanese pattern as a whole and thus Japanese culture is seen as popular and equalitarian. High culture and its reproduction receives little attention because it is largely concealed in private domains dominated by women.
著者
松島 周一
出版者
青木書店
雑誌
歴史学研究 (ISSN:03869237)
巻号頁・発行日
no.625, pp.p71-74, 1991-11
著者
兒嶋 昇 升 佑二郎 上村 孝司
出版者
法政大学スポーツ健康学部
雑誌
法政大学スポーツ健康学研究 (ISSN:21853703)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.33-39, 2014-03

本研究では、日本トップレベルの大学バドミントン選手におけるスマッシュ、クリア及びドロップストローク時の上肢筋活動について検討した。その結果、各ストローク時のiEMGmaxは、橈側手根屈筋および尺側手根伸筋はスマッシュとドロップ、クリアとドロップ間に有意差が認められ(p<0.05)、棘下筋はスマッシュとドロップ間に有意差が認められ(p<0.05)、三角筋はスマッシュとドロップ、クリアとドロップ間に有意差が認められた(p<0.05)。これらのことから、スマッシュやクリアといった瞬間的に大きな力発揮を要するストロークでは前腕及び三角筋の活動が高くなり、大きな力発揮を必要としないドロップではこれらの筋活動が小さくなることが示された。また、クリアとドロップ間では棘下筋への負担に差はなく、それ程大きな負担が生じない場合もあるものの、より速いクリアショットを打ち放つ場合には、スマッシュと同程度の負担が生じる可能性があることが示された。
著者
山田 恵吾
出版者
筑波大学教育学系
雑誌
筑波大学教育学系論集 (ISSN:03858979)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-18, 2000-09

本稿は、民俗学者宮本常一(1907-81年)の民俗学受容における問題関心の所在を1930年代の「民俗学的郷土教育」論の形成過程を通じて検討するものである。1930年代半ばに一学問領域としての輪郭をほぼ整えた日本民俗学 ...
著者
勝木 秀治 今屋 健 園部 俊晴 内間 康知 山口 光國
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.517, 2003

【はじめに】第20回神奈川県理学療法士学会において、我々は肩関節可動域制限が上肢に与える影響を調べ、肘関節の伸展制限が生じやすいなど上肢の末梢への影響を報告した。しかし、一連のストレスメカニズムを言及するには至らなかった。今回は対象を保存的加療中の肩関節疾患患者とし、肘関節の屈伸運動タイプの違いに着目して、肩関節の可動域制限をもとに上肢の運動連鎖のメカニズムを検討した。【対象及び方法】対象は保存的加療中の一側肩関節疾患患者20名(平均年齢51.4歳)とし、自動運動での両側肩関節の前方挙上(以下、前挙)、外旋可動域を計測した。また、両側肘関節、前腕の可動域、及びCarry angleをそれぞれ計測した。尚、回内外可動域計測にはスラントを用いた。得られた計測値をもとに健側を基準として各計測値の左右差(制限角度)を求めた。また、症例をKapandjiの言う上腕骨滑車の前方関節面の違いから起こる肘関節の屈伸運動の違いを参考とし、健側を測定肢としてI型群(屈曲時同一面上で上腕と前腕が折り重なる)、II型群(上腕の外側で前腕が折り重なる)、III型(上腕の内側で前腕が折り重なる)の3群に分類した。全症例、及び症例数の多かったI型、II型について各群内で各左右差間の相関係数を求め、肩関節の可動域制限が影響する上肢の分節を調べた。【結果】肘関節の屈伸運動による分類の結果、I型8名、II型9名、III型3名であった。統計処理の結果、症例全体では前挙制限と肘関節伸展制限が正の相関を示した(r=0.67,p<0.01)。しかし、I型では、前挙制限とCarry angle(r=0.80,p<0.05)、外旋制限と肘関節伸展制限(r=0.80,p<0.05)がそれぞれ高い相関を示した。また、II型では 前挙制限と肘関節伸展制限(r=0.88,p<0.01)、前挙制限と回外制限(r=0.76,p<0.05)がそれぞれ高い相関を示した。【考察】下肢の運動と同様に上肢の運動でも運動連鎖は存在している。例えば、前腕の回内運動は肩関節の内旋運動に、回外は外旋にそれぞれ運動は波及する。今回は、肩関節の可動域制限からこの運動連鎖の影響について調べた。実験の結果、I型では外旋制限が大きいと肘関節の伸展制限が生じ易く、II型では前挙制限が大きいと肘関節の伸展制限が生じ易いなど、今回の分類で用いた肘関節の屈伸運動軸の違いにより、肩関節の可動域制限に伴い可動域制限を生じやすい部位や関節運動が異なるという興味深い結果となった。実際には上腕骨での代償か、前腕での代償か、また筋肉の走行が影響しているのかなど細かくは言及できない。臨床では、肩関節疾患で肘関節や前腕に痛みや愁訴を訴える症例を経験することは少なくない。今回の結果は、肩関節の可動域制限による二次的な上肢の障害を予測する一助になると考える。今後細かな検討を加えていきたい。
著者
劉 振業
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
雑誌
コンタクト・ゾーン = Contact zone (ISSN:21885974)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2019, pp.172-206, 2019-08-31

本稿では、中国広東省広州市、X社区「星光老年の家」利用者の麻雀賭博を事例として、「正の賭博」ともいえる「社会的熱」の生成について考察する。星光老年の家とは、中国政府が高齢化社会に対して打ち出した福祉政策である「星光計画」によって建てられた施設である。しかし、建設資金のみが出され、運営資金が考慮に入れられていなかったため、星光老年の家の多くが麻雀遊びのみしか残っていない「福祉的雀荘」へと変化したのである。これに対して、中国の学術的、社会的言説では、星光老年の家を「健康的」に発展させるためには有力な監督システムを作り、麻雀賭博を星光老年の家から排除しなければならない、という主張が繰り返されてきた。星光老年の家の実態を知るため、筆者は2016年9月から約6ヶ月、広州市X社区星光老年の家において、利用者の日常的実践である麻雀賭博に注目し、フィールドワークを行った。その中で、筆者が特に目を向けたのは、利用者の麻雀賭博に対する個人的言説とかれらの麻雀賭博の具体的実践である。既存の研究や新聞記事において、星光老年の家の雀荘化は、老人を賭博に耽溺させるものという負の意味づけがされる。しかし、X社区星光老年の家の利用者たちは、麻雀賭博に明け暮れるどころか、麻雀賭博を利用者たちに適した形態に改良していた。本稿では、そうした独自のルール改変とその分配や贈与関係を記述し、麻雀を通じて生まれた「社会的熱」を考察する。社会的熱とは、賭博によって生成され、賭博が一定の境界内に止まる限り、それが「社会的沸騰(socialeffervescence)」の望ましい形態のことである[Steinmüller 2011:263]。X社区星光老年の家の麻雀賭博を分析することで、利用者の麻雀賭博の実態を把握し、社会的熱を検討することと、「負の賭博」と表象されてしまう行為の中に「正の賭博」としての意義を見出すことを通じて、中国社会のありかたを解明することが本稿の目的である。
著者
樋口 孝之 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1-10, 2004-01-31
被引用文献数
2

「意匠」の語としての由来は、3世紀後半に、文章の構成の進めかたを説いた陸機『文賦』という漢籍にあり、8世紀に、杜甫が詩のなかで画の構想を苦心して構想する描写に用いた用例が広<知られる。それらの解釈は、作文や絵画の制作における「構想」「旨趣」として理解される。日本では、漢籍からの解釈が学ばれる一方で、字義の訓から、「こころだくみ」「こころのたくみ」としての解釈がなされる。このときの「たくみ」は、「匠」の字義からではなく、ヤマトコトバの語義で理解されたものとみられる。明治初期に、作文や絵画の制作に関する表現以外に、普遍的な思考・思想の上での「考案」や「工夫」といった意味で用いられたことが確認された。「意匠」は、明治の初期には多用されることばではなかったが、明治中頃になって、一般的に用いられるようになっている。Designの対訳語として用いられる以前に、日本語語彙のなかで使用された漢語としての語義の構造があきらかになった。