- 著者
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萩谷 昌己
- 雑誌
- 第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.2016, pp.171-177, 2016-01-08
本稿の前半では情報学分野の参照基準について紹介し,参照基準に関連してJ17について簡単に触れる.参照基準の要点は,文系と理系に広がる情報学を定義していることと,情報学をメタサイエンスと捉えていることの二つにまとめられる.二つの要点に関連して,情報学に固有の知識の体系の中から,情報一般の原理と,情報を扱う人間と社会に関する理解(社会情報学)について簡単に説明する.本稿の後半では情報教育改革について議論する.まず,情報教育改革は社会イノベーションであり,情報教育改革を目標とする活動は情報学の研究であると主張する.次に,情報教育の目標として求められる人材像について述べ,そのための教育体系について簡単に触れる.最後に,情報教育改革を達成するためには,理想とする社会像を描き,その中に情報教育を位置付けるべきことを述べ,文系と理系に広がる情報学がそれらの課題へ挑戦する期待を本稿全体の結論とする.