著者
杉原 久仁子
出版者
桃山学院大学
巻号頁・発行日
2016-03-17

2015年度
著者
福池 秋水 Akimi Fukuike
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.123-138, 2018-03

本研究は、共通語と首都圏方言のスタイルシフトについて、漫画を題材として観察したものである。首都圏方言とは、首都圏に住む人が使用する方言を指す。本研究では、漫画『海街diary』から一組の男女の会話場面を抜き出し、共通語と首都圏方言とのスタイルシフトを観察した。その結果、首都圏方言のくだけた文体は、話者の心内文や「相手に聞かせるための独り言」に見られ、人間関係の距離が縮まると使用されるようになる一方、意識的に距離を縮める場合にも用いられることが観察された。また、一まとまりの談話でも、話題によって共通語と首都圏方言を行き来するスタイルシフトが見られた。このような言語使用は、作者がその登場人物の状況や人物設定、ストーリー展開にふさわしいと考えて創作したものであり、現実の話し言葉と完全に一致するものではないが、首都圏方言の実態をある程度反映したものであると考えられる。
著者
西垣内 泰介
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.151-169, 2018-03-05

本論文ではSells (LI 18, 1987) のいわゆる「主観表現」に関わる分析に関連し、Nishigauchi (JEAL 23, 2014) による「視点投射」(POV-projections) を含む統語構造の観点からの分析を提示する。本論文の分析では下位の視点投射が上位の視点投射の位置へ主要部移動し、それによって下位の視点投射の「一致」領域が広がることによって捉えられる言語現象を示す。さらに、「理由」「原因」という従来「非飽和名詞」と呼ばれているものを含む構文の中で見られる「視点」現象を考察し、「理由」「原因」などを「関係を表す名詞」と考えることで、まったく次元の異なる分析の展望が開けることを示す。
著者
吉江 真 大石 彰誠 尼岡 利崇
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010-HCI-138, no.5, pp.1-4, 2010-05-07

本論文は汎地球測位システム(GPS)と社会的ネットワークサービス(SNS)を用いた聴覚による拡張現実感を体感できる情報提供システム(twiwave)を提案する.本システムを使用することで、ユーザーは現在地周辺で過去にSNSに投稿された情報を音声で聞きながら公共スペース内を移動することが可能となる.本システムを従来の拡張現実感と比較すると、音声により情報提供を行うことで文字などの視覚情報を注視する必要がなくなったことから、別の活動をしながらの使用に適しているという利点がある.
著者
佐々木龍之介 千種康民 服部泰造
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.651-652, 2011-03-02

本研究では、拡張現実感(Augmented Reality:AR)を利用して、避難訓練をより効率的なものとするための手法を研究した。具体的には、建築物内にARマーカーを設置し、3Dモデルにより火災や崩壊を視覚的に表現する。さらに、現実味・緊張感を増すために、サイレンなどの効果音を加える、タイムリミットやユーザの体力なども設定する。一般的な避難訓練というと退屈なイメージが強く、子供などの低年齢層に対しては訓練の意味を理解されることなく行われてしまうことが多々あると考える。そういった対象に対しても、本研究を利用することにより意欲的な訓練への参加を促せ、また実際の消火訓練などでは火を焚くなどの訓練内での危険が伴うが、そういったリスクを回避することも可能である。
著者
山本 和明
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802230)
巻号頁・発行日
no.32, pp.185-208, 2006-02-28

『松の栄千代田の神徳』は、仮名垣熊太郎を作者とする明治期正本写である。本作品を調査することによって明治十年代の一時期に、なぜ正本写が流行したのか、その要因を考察する。“Matsu-no-sakae Chiyoda-no-shintoku” is “Shôhon utsushi” (a novel like the scenario of kabuki) with which Kanagaki Kumataro is made into the author.By investigating this work considers the factor for why “Shôhon utsushi” was in fashion to one time of the Meiji 10s.
著者
王 夢 小川 剛史
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-4, no.7, pp.1-6, 2013-06-20

拡張現実感における現実世界に重畳表示した仮想オブジェクトのリアリティを向上させるためには,視覚的な提示だけでなく,触覚や聴覚など,より多くの感覚刺激を提示することが重要である.本研究では,聴覚刺激の提示のみで任意の場所に音像を定位することは困難なため,視覚と聴覚のクロスモーダル知覚を用いたシステムを提案する.本稿では,提案システムの実現に向け視覚刺激が音像知覚に与える影響を調査した初期実験について報告する.実験により,視覚と聴覚のクロスモーダル知覚を用いることで,聴覚刺激のみを与えたときと比較して,被験者が音像の位置をより強く認識できることが分かった.
著者
川古谷 裕平 岩村 誠 三好 潤
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

マルウェアの静的解析において,Windows APIはマルウェアの機能を効率的に読み取るための重要な情報源である.しかし,その有用性のため,マルウェア作者はマルウェアに難読化を施し,インポートしているAPIを隠蔽する傾向がある.本論文では,マルウェアが利用するAPI難読化手法とそれらを解析する既存手法を整理し,既存手法がAPIの配置場所を難読化する解析妨害に脆弱であることを示す.次に,この問題を解決するため,テイント解析により得た情報に基づき,メモリダンプ内のIATのAPIアドレス解決を行う提案する.本提案手法を用いることで,マルウェが配置場所難読化を施した場合でも,インポートしているAPIを正確に特定できることを実験にて示す.
著者
福武 まゆみ 岡田 初恵 太湯 好子
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.174-184, 2013

本研究は,在宅で生活している高齢者夫婦の自身とその配偶者の死に対する意識および準備状況を明らかにすることを目的とした. 調査には70歳以上の在宅で生活している夫婦10組が参加した.調査内容は,(1)基本属性,(2)自分自身の死についての考え,(3)配偶者の死についての考え,(4)自分自身の死を想定しての準備についての考え,(5)配偶者の死を想定しての準備についての考えについて半構造化面接を実施した.分析には質的分析手法であるSCATを参考に,(1)データ中の注目すべき語句,(2)それを言いかえる為のデータ外の語句,(3)それを説明するための語句,(4)そこから浮き上がるテーマ・構成概念の順にコードを付していき,(4)のテーマ構成概念を紡いでストーリーラインを記述し,そこから理論記述を行った.その理論記述を,サブカテゴリーとして位置づけ,高齢者夫婦の死に対する意識と準備状況をカテゴリー化し,それをもとにコアカテゴリーとして示した. 結果,対象者の平均年齢は77.9歳であった.健康状態は,90%の人が「よい」「まあよい」と回答していた.高齢者夫婦の死に対する意識は,『死の迎え方を考える』,『考えることの先延ばし』,『死を現実として捉える』の3つのコアカテゴリーを抽出できた.また,高齢者夫婦の死に対する準備状況は,『準備をすることの迷い』,『夫婦で整える死への準備』,『予測のできない配偶者の死 と準備』の3つに整理できた.
著者
石川 和雄
出版者
名古屋工業大学
雑誌
名古屋工業大學學報 (ISSN:03693171)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.380-384, 1965-12-25