著者
田中 敏文 伊藤 克亘
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.315-316, 2020-02-20

日本の伝統音楽の音階は、西洋音楽のオクターブ音階とは異なる。小泉文夫は20世紀半ばに世界各地の民族音楽を採集し、完全4度を枠組みとするテトラコルド音階が東アジア中心に広く分布することを発見した。さらにテトラコルドが積み重なるとオクターブ音階に変遷する傾向を確認した。能の謡の代表的な音階の一つであるヨワ吟は、上、中、下という完全4度間隔の核音とその中間音で構成され、典型的なテトラコルド音階である。著者は長年の能楽師としての経験から、ヨワ吟の音階にオクターブ音階に変遷する兆候を感知し、その一例として上で終止する時の実際の音高が流儀によって異なることをピッチ解析により検証した。
著者
矢野 邦夫
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.25-32, 2006-06-25
参考文献数
20
被引用文献数
2

最近、各医療施設において栄養サポートチーム(NST)や院内感染対策チーム(ICT)が活発に活動している。これらの対策チームは一見関連性が薄いと思われがちであるが、院内感染対策においてはNSTが重要な役目を果たしている。NST活動によって、中心静脈カテーテルのような感染性合併症を頻回に引き起こす医療器具の使用頻度を減らすことができれば、当然のことながらカテーテル関連感染症を低減できる。また、MRSA感染症のような抵抗力が低下した人に発生する疾患の患者の栄養状態を改善させれば、抵抗力の向上によって感染症がコントロールされる。このように、NSTとICTは強く関連しているので、両者の連携が重要である。
著者
田中 敏文 於久 光輔 永原 正章 山本 裕
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2017-MUS-114, no.5, pp.1-5, 2017-02-20

日本音楽 (伝統音楽) では,西洋音楽に比べ,和音の意識が希薄でその代わりに音色を重視する.西洋音楽が “クリスタルボイス” として透明感のある声を好むのみ対して,日本音楽は “渋い声” として太い声,かすれた声,こもった声を好む.このことに注目して謡 (うたい) の声のスペクトルを解析した結果,西洋音楽の声に比べて,非整数倍音が多いことを確認し,さらに非整数倍音の発生要因を考察した.
出版者
日経BP社
雑誌
日経automotive
巻号頁・発行日
no.53, pp.58-63, 2015-08

新型ステップワゴンに続きホンダは、新型の乗用ミニバン「ジェイド」に1.5Lのターボエンジン車を追加し、2015年5月に発売した。ジェイドの発売時点(2015年2月)ではHEVだけを用意していたが、新たに追加したエンジン車の「ジェイドRS」には、動力性能と低燃費の…
著者
尾原 裕康 原 毅 阿部 瑛二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1246-1256, 2021-11-10

Point・保存的治療抵抗性の腰部脊柱管狭窄症に対して,後方除圧術は非常に効果がある術式であるが後方支持組織に対しては侵襲的である.・後方支持組織温存のためさまざまな術式が報告されているが,通常の病態ではどの方法も良好な結果が期待できる.・変性が高度な症例では脊柱安定性に最も貢献している要素が何かを考察し,その要素を損傷しない術式を選択することで十分な除圧を行いつつ,将来のすべり症の悪化防止が期待できる.
著者
田中 健士郎 横山 裕之
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.683-686, 2019-05-31 (Released:2020-05-27)
参考文献数
14

高マグネシウム(以下,Mg)血症は,多くが腎機能障害患者へのMg含有製剤の過剰投与が原因とされている。今回,クエン酸Mg(マグコロールP®)服用後に高Mg血症と糞便性腸閉塞をきたした1例を経験したので報告する。症例は66歳女性。肛門痛と便秘症の精査で注腸検査予定となった。前処置としてクエン酸Mgを内服したところ,意識障害をきたし当院の救急外来へ搬送された。精査で高Mg血症および糞便性の腸閉塞を認め,緊急透析となった。翌日もMg値の再上昇,腸閉塞の悪化を認め,緊急S状結腸人工肛門造設術を施行した。術後,すみやかに血清Mg濃度は正常化した。腎機能障害を有さない患者でもクエン酸Mg製剤投与により重篤な高Mg血症を発症したとの報告がある。重度の高Mg血症は致死的な経過をたどることもあり,その投与に際しては十分な配慮と患者指導を行うとともに,発症時には迅速な対応が重要であると思われた。