著者
藤井 叙人 佐藤 祐一 若間 弘典 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.26-33, 2013-09-27

概要:ビデオゲームエージェント(COM)の振る舞いのデザインにおいて,『強い』COM の自律的獲得は「熟達者に勝つ」という目標を達成しつつある.一方で,獲得されたCOM の振る舞いは,過度に最適化され機械的に感じるという課題が浮上している.この課題を解決するため,著者らは,『人間の行動原則』を課した強化学習や経路探索により,人間らしいCOM を自律的に構成するフレームワークについて提案してきた.しかし,それらのCOM が本当に人間らしいと解釈されるかどうかの検証が不十分であった.本論文では,自動獲得されたCOM の振る舞いについて主観評価実験を実施する.
著者
横田 治夫 北上 始 服部 彰
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1-9, 1990-10-15

本稿では 知識ベース処理の1つとして 項関係上での単一化検索(RBU : Retrieval by Unincation)演算の繰り返しによりホーン節推論を行うアルゴリズムを示し その理論的な定式化を行う.項関係とは 関係データベースにおける関係(テーブル)の格納対象を 述語論理で用いられる項に拡張したものである.またRBU演算とは 項を取り扱うために関係代数演算の比較処理に単一化を導入し 条件と単一化可能な要素を項関係から検索する演算である.ホーン節を二進木表現にして項関係に格納し RBU演算を繰り返すことにより 後ろ向きおよび前向きの推論が可能であることを示す.ホーン節に対する後ろ向き推論の演繹方法としては Prolog等で採用されている節中の最左端負リテラルを選択するSLD演繹を対象とし RBU演算を使ってSLD演繹を実現するアルゴリズムを示す.一方 前向き推論としては SLD演繹と同様の選択関数を用いるようにした単位演繹であるSUD演繹を提案し RBU演繹による実現アルゴリズムを提案する.最左端の負リテラルを選択するSLD演繹およびSUD演繹は 探索規則が均等であれば 健全であり完全である.対象とするホーン節の集合が充足不能の場合には 提案したアルゴリズムは それぞれ反駁を求めて停止する.
著者
桜井雄介 増井俊之
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-154, no.5, pp.1-4, 2013-07-29

タブレット計算機の QWERTY ソフトキーボード上でのフリック操作を利用した日本語入力システム 「Blossom」 を提案する.タブレット計算機で広く利用されている QWERTY ソフトキーボードにおいて,キーを普通にタップすると英数字が入力され,タップしてからスライドする 「フリック操作」 を行なうとひらがなが入力されるようにすることにより,キーボードを切り換えることなく英数字と日本語の入力が可能になった.
著者
一松 信
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, 1970-11-15
著者
三谷 尚 井手 詩織
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-92, no.5, pp.1-3, 2011-10-04

楽曲に関連するフーリエ・スペクトルを求めるために、一旦、相関関数を求め、Wiener-Khintchin の定理でスペクトルを求める方法に利点を見出した。なお、この方法によるスペクトルと、直接的スペクトル計算は比較し、妥当性をチェックしなければならない。これまでに音圧関数について、この方法を適用したが、近似を用いていた。今回、この近似の妥当性を明らかにし、かつ、音高関数についても、相関関数経由の方法を適用する。音高関数のスペクトルは、いわゆる 1/f ゆらぎとして知られるものであり、楽曲構成の点からこの本質に迫り得る。
著者
井崎 浩
雑誌
研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集- (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, 2008-09

この論文は査読を経て『研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集-』Vol.2, No.1(2008/09)に受理されたものである。『宮崎大学教育文化学部紀要.人文科学』18号(2008/03)p.1-12に修正前別版あり。
著者
新原 敦介 小川 秀人 鷲崎 弘宜
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.922-938, 2014-02-15

複数機器を組み合わせて機能を提供するシステムにおいて,各機器の仕様は定義されているが,機器の組合せによって表出するシステム仕様や,システム仕様と各機器の仕様との関係は暗黙知となっていることがある.またそれらのシステムテストでは,テスト項目ごとに適切な機器を組み合わせてシステム構成を導出しテストを実施する必要がある.ここで,機器の組合せ作業は,前記の暗黙知を必要とし,多くの時間がかかり,テスト項目に対して漏れのリスクが生じる.本報告では,各機器だけではなく,機器が組み合わさり生じる仕様に対してもフィーチャ分析を行い,その結果を用いてテスト項目を分析し,充足可能性判定を利用してテスト項目を網羅するシステム構成群を導出する方法を提案する.また,ケーススタディとして,提案手法を仮想の多店舗向けPOSレジシステムに適用した.ケーススタディにおいて,従来のシステム構成導出に比べ提案手法では,テスト項目を網羅する妥当なシステム構成の導出が少ない時間で可能であった.
著者
川口 淳一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, 2014-02-15
著者
三村 守 大坪 雄平 田中 英彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1089-1099, 2014-02-15

今日,機密情報や個人情報の搾取を目的とする標的型攻撃は,多くの組織にとって脅威である.標的型攻撃の初期段階では,攻撃者はRAT(Remote Access TrojanまたはRemote Administration Tool)と呼ばれる実行ファイルをメールで送付し,コンピュータの遠隔操作を試みることが多い.近年ではRATが文書ファイルに埋め込まれることが多くなっており,検知はより困難となってきている.よって,標的型攻撃を防ぐためには,悪性文書ファイルに埋め込まれたRATを検知する必要がある.本論文では,RATがどのように悪性文書ファイルに埋め込まれているのかを調査し,その方式を体系化する.さらに,悪性文書ファイルへのRATの埋め込み方式を解読し,RATを検知する手法を提案するとともに,実験により提案手法の有効性を定量的に示す.
著者
中江 信行
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.12(1988-PRO-020), pp.1-9, 1989-02-10

関数型言語Standard MLは、簡潔なセマンテイクスと同時にパターン・マッチング、例外処理をはじめとする強力な表現能力をもつ実用的言語である。この言語の効率的なコンパイラは、strict semanticsに関連した実装法の有望なアプローチであるCAMに、上記のような機能を効率的に実行する命令コードが追加されたECAMを用いることにより実現できる。本論文では、この拡張されたCAM(ECAM)のアーキテクチャ、及び、ECAMへのコンパイラのアルゴリズムを、副作用のないStandard MLの中で簡潔に与える。
著者
吉田 雅治 天海良治 山崎 憲一 中村 昌志 竹内 郁雄 村上 健一郎
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.98(1995-ARC-114), pp.17-24, 1995-10-19

記号処理システムの核となるプロセッサSILENTのアーキテクチャ,実験機構成,及び簡単な性能評価について述べる.SILENTは記号処理のみならず,知能ロボットやコンピュータグラフィックス等の分野への適応も考慮し,画像生成計算機SIGHT?2で提案したTARAI演算器と密結合マルチプロセッサを構成することを前提としている.SILENT?CPUは0.7μCMOSゲートアレーで作成した.LSIの回路規模は97kgates,33MHzで動作している.SILENTアーキテクチャの性能評価のために実験機を作成し,マイクロプログラムでLispの処理系を実装した.関数呼び出しのオーバーヘッドを計測するtarai関数の実行時間を比較したところ,SILENTはELISの10倍以上の性能を得た.