著者
一門 惠子 古閑 法子 佐々木 順二
出版者
九州ルーテル学院大学
雑誌
応用障害心理学研究
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-12, 2012-03

自閉症児を対象とした療育キャンプ(通称やまびこキャンプ)における参加児の活動状態に応じた支援担当学生の「思い」について分析, 検討した。参加児17名は, 8~18歳の男児13名, 女児4名であった。調査対象は, 直接子どもを担当した本学学生24名で, 男子9名, 女子15名であった。自由記述式のアンケート調査をキャンプの1週間後に実施した。回収率は100%であった。学生の「思い」のカテゴリー分析は著者らの合議によった。結果は454のカテゴリーが抽出されたが, 内訳は, ポジティブな思い(喜び・安心・安堵など)229(65.9%), ネガティブな思い(不安・心配・苦慮・困惑など)199(43.8%), 中立的思い26(5.7%)であった。学生たちの「思い」には子どもの逸脱行動の生起が大きく関与していた。
著者
喜多 泰代 Ralph Highnam Michael Brady
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.3209-3218, 1999-08-15

異なる角度から撮影された乳部X線画像 Cranio-Caudal(CC)画像とMedio-Lateral Oblique(MLO)画像間の対応を撮影中の乳部の変形を考慮して求める手法を提案する. この異種画像間の対応は 初期癌の早期発見 またその後の生検のため病変位置を決定するのに非常に重要である. これら乳部X線画像は 乳部をフィルムカセット板と圧迫板で各々のカメラ方向に圧迫しながら撮影される. 異なる方向への圧迫による撮影時の乳部の形状の違いにより 対応点は しばしばステレオ画像の通常のエピポーラ線から大きく離れた位置に現れる. 本論文で提案する手法では CC画像上の1点に対応する3次元空間上の存在可能位置を表す線分の乳部圧迫による変形と投影のシミュレーションを行うことにより MLO画像上の対応線("ゆがんだエピポーラ線")を算出する. 複雑なうえに必要条件がすべて既知でない状態でのシミュレーションを可能とするため 物理的変形の原理を考慮した多くの近似を工夫している. 多数の実画像を用いた実験により その有効性を示す.
著者
安藤 公彦 宮坂 秋津 稲葉 竹俊
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-118, no.16, pp.1-7, 2013-02-01

近年、コンピュータ支援学習の研究分野において、協調学習でのグループ編成・グループ内のメンバーの役割・学習活動の流れ・手順などをシナリオ化した、協調スクリプトの研究が注目されてきている。協調スクリプトは、学習者自身にゆだねられた自発的活動のみでは、しばしば支障をきたす可能性のある協調学習のプロセスの強力な外的支援として、その有効性を報告している研究が多い。本研究では、相互教授法をデザイン指針とする 「相互問題作成協調スクリプト」 を提案し、提案スクリプトを大規模教室で実行可能とするための協調学習システムを構築する。本システムの特徴として、スクリプト開始時点でログインしている学習者の特性からグループ分けを行う機能と、インタラクションの属性を指定するインターフェースを備えたグループ内チャット機能が挙げられる。最終的には、 500 人程度のクラスにおいて実験を行い、スクリプトのどのフェーズでどのようなインタラクションが行われたのかを明らかにすることを目指す。
著者
呉 洋 小崎 真寛 岡田 謙一
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2012-GN-83, no.15, pp.1-8, 2012-03-14

情報セキュリティ対策としてのセキュリティログ解析が,情報セキュリティインシデント発生後の迅速な原因究明のために重要となっている.しかしながら,従来は 1 人の専門家に対する解析作業支援に重点が置かれ,複数の専門家による協調解析を十分に支援できていなかった.そこで,本研究では 2 人の専門家による情報セキュリティインシデントの解析を対象とし,壁方タッチパネルである SMART Board 上に構築したシステムよりセキュリティログ協調解析支援を行う.その際,共有解析画面と専門解析画面という 2 つの画面を交互に入れ替えることで,一画面上で協調解析作業を完結可能なシステムとした.本提案システムの有用性を実証するために,情報セキュリティインシデントの解析を行うというタスクを 2 人 1 組の被験者に実施した結果,従来の専門家が個々に解析用 PC を持った上で紙やホワイトボード,口頭で情報共有を行っている場合と比べて,解析時間が共有解析画面を用いたタスク 1 で 39.4%,専門解析画面を用いたタスク 2 において 49.3% 短縮した.
著者
森 博志 白鳥 和人 星野 准一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1453-1464, 2011-04-15

表示と通信にデジタル技術を活用した広告媒体であるデジタルサイネージは,近年パブリック空間の様々な場所で活用例を見ることができる.しかし,客の商品に対する注意や関心を喚起する機能は,人間の店員による能動的な働きかけによる宣伝活動と比較すると,いまだ十分ではないと考えられる.そこで本稿では,パブリック空間における往来者に対して能動的に注意喚起と情報提示を行うことができるヴァーチャルヒューマン広告提示システムを提案する.本システムでは,人の注意を引き付ける役割を持つ,人の非言語的コミュニケーションの要素に着目し,商品の説明を行うヴァーチャルヒューマンに注意を引き付けるうえで重要なコミュニケーション要素であるアイコンタクトと身体的距離に応じた接客行動を導入する.
著者
森川 和哉 鵜川 始陽 岩崎 英哉
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.27-27, 2013-01-24

Jikes RVM上で,ビットマップマーキングを利用したマークコンパクトごみ集めを実装し評価した.マークコンパクトごみ集めで広く使われているLisp 2アルゴリズムでは,オブジェクトの移動処理のために,生きているオブジェクトをアドレス順に2回探索する.本手法は,オブジェクトの生存情報をビットマップを使って保持し,そのビットマップをスキャンすることによって,生きているオブジェクトを探索する.生きているオブジェクトが少ない場合,ビットマップ上ではゼロビットが連続しているため,この探索を高速化することができる.提案するごみ集めの性能をDaCapoベンチマークを用いて評価したところ,プログラムによっては,ヒープの使用率が低い場合に,Jikes RVMに標準で搭載されているマークコンパクトごみ集めよりも優れた結果を示した.
著者
長谷川晶一
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2012-EC-26, no.6, pp.1-4, 2012-12-08

本稿では、遊びの場の表現について、表現のリアリティや美しさと、表現内容の人生における意味の重要性を指摘し、これらが人が遊びの場への入りやすさと留まりやすさに影響するという視点を提示し、この視点から既存の遊びや研究を説明する。提示する視点が遊びの場の設計に役立つことを期待しているが、検証はしていない。
著者
舘 知宏
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.114-120, 2013-01-15

折紙は紙を折ることでさまざまな形を作る伝統的な遊び・創作活動ですが,近年ではORIGAMIとして国際的に広まっています.本稿では,折紙のファブリケーションへの応用について,その可能性とデザインの基礎となるコンピュテーショナルな手法について概観します.折紙の「かたち」の応用として,一枚のシート材からの成形とそれを可能とする可展面の幾何学,曲線折り,デザインのためのアルゴリズムを紹介します.折紙の「うごき」の応用として,立体形状の折り畳みと変形機構に関連した,平坦折り可能性,剛体折り紙という折紙の数理モデルを紹介します.最後に関連するソフトウェア・ツールを紹介します.
著者
濱崎 雅弘 武田 英明 西村 拓一
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2009-MUS-80, no.11, pp.1-6, 2009-05-14

本研究では,Web を介して多くの人が集い,創発的・協調的に行われる創造活動の分析を行う.ニコニコ動画は国内でもっとも人気の動画共有サイトであるが,投稿された動画の多くに協調的な創作活動が見られる.特に初音ミクという合成音声ソフトウェアを用いた動画は,作詞作曲をする人たちだけでなく,絵を描く人やビデオ編集をする人たちなど,異なるタイプの作者が参加することで新たなコンテンツが作り出されている.本論文では,そのような異なるタイプの作者が互いに影響を受けながら新しいコンテンツを作っていく様子のネットワーク分析を用いて解析する.
著者
古賀 信哉 布川 博士 野口 正一
雑誌
情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.11(1989-PRO-024), pp.39-48, 1990-02-09

本稿では我々がすでに提案,実現している戦略の表明をもつ項書き換え系A-TRSを用いてトークンモデルに基づくストリーム(並行プロセス)の記述を行なう.ストリームは項書き換え系のような,いわゆる関数型言語に順序関係を導入するものであり,プログラムの構造化手法としても重要である.さらに,ストリームを並行に動作するモジュール間のデータの流れとして捉えることで,プログラムの中に並列性を陽に表現することが可能となる.本稿で述べるプログラムはプロセスの動作をすべてリダクションでシミュレートしており,処理系に対して通信機能を加えるなどの変更をなんら施すことなく実行が可能であるという特長をもっている.
著者
佐藤 和洋 田坂 光伸 山本 洋一 浪岡 美予子 茂木啓次
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.63(1990-DBS-078), pp.41-51, 1990-07-19

我々は、人間の知的活動、そしてそれに伴う意思決定の曖昧な情報処理及び管理を効果的に支援するためのファジィ情報処理機能について検討を進めている。その中で本稿では、データベースに対する問合せの曖昧性を対象としたファジィ情報検索システムINDAS/ffについて論じる。ファジィ間合せはSQLにファジィ述語を導入することで実現し、ファジィ間合せに対する新たな適合度評価方式を提案する。また、ユーザの情報取得過程のフォーカシングを効率的に支援するために、適合度分布に基づいた概略結果情報表現であるサマリボックスや、またその極め細かい適合度状態を表示する適合度マップ等からなる視覚的インタフェースVFN(ew Focusing Navigat)を提示する。
著者
佐藤和洋 金子格 中村史朗
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.41(1982-DBS-033), pp.1-10, 1982-11-18