著者
春日 真由美 京坂 紅 黒澤 永 余宮 きのみ
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.524-528, 2015

<b>【症例1】</b>81歳,女性.噴門部胃がん.消化管内に空気が溜まってくると心窩部の重苦感が増強していたが,曖気にて症状軽減を認めていた.曖気がすっきり出ない苦しさが続いていたため,メトクロプラミドの持続皮下注を開始したところ,曖気が出やすくなり,上腹部の膨満感は緩和された.<b>【症例2】</b>57歳,男性.膵頭部がんにて消化管通過障害を認めていた.腹部膨満感を伴った上腹部の不快感を訴えており,曖気にて改善を認めていた.メトクロプラミドの持続皮下注を開始したところ曖気がスムーズに出るようになり,上腹部の不快感が軽減した.<b>【考察】</b>がんによる消化管通過障害に伴った曖気がすっきり出ない苦痛症状に対して,メトクロプラミドの持続投与が有用な選択肢の1つであることが示唆された.消化管通過障害がある場合,メトクロプラミドによる蠕動亢進作用により胃に溜まっていたガスが上昇逆流し,曖気が促進されやすくなることが推測された.
著者
野澤 彰夫 佐藤 基明
出版者
栃木県林業センター
雑誌
研究報告 (ISSN:03899950)
巻号頁・発行日
no.18, pp.43-61, 2003-03

日光杉並木は,生育環境の悪化等により本数が年々減少しており,樹勢の衰退も進行している。道路敷確保のため掘り下げられて,根系生息域が犠牲になっている杉並木内において,道路機能を満たしつつ,根の張る領域を最大限に確保するため,新たな樹勢回復事業を実施することとなり,実際に事業で適用するための工法について検討した。根系生息域の拡大と道路機能を両立させる方法として,例えば,道路を橋梁構造にして,道路下に根の張る領域を確保し,道路機能との両立を図る方法がある。しかし,PC杭工法による橋梁の施工は,杭打機を含めた作業ヤードの確保が困難であり,単価も高く,施工性と経済性の両面から実施が困難である。そこで種々検討した結果,路床の支持体として中空コンクリートブロック既製品(商品名:ポカラ)を利用することにより,施工性・経済性が改善され,支持強度・根系生息域の確保とも十分な性能が得られた。このブロックは,一辺が120cmの立方体のコンクリートを,三方から直径95cmの円柱でくり抜いた形状をしている。一方,樹勢回復のためには,吸収根の生息域として深さ約1m程度確保されればほぼ十分と考えられる。並木内の道路の不透水層である舗装と側溝を破砕・除去し,砂基礎を固め,ポカラを敷設し,ポカラの内外を改良土壌で充填し,ポカラの上にコンクリート有孔床版を設置し,路盤に砕石を敷いた上を透水性舗装で仕上げる。ポカラの中と周囲は,改良土壌(牛糞堆肥10%,杉皮土壌改良材10%,粒状木炭5%,黒ボク土75%混合)を充填する。本工法の施工により,切土された部分を盛土・復元し,昔の道形に近づけられるため,街道景観の復元の観点からも,望ましい工法であると考えられる。中空コンクリートブロック工法による樹勢回復事業は,平成10年度~12年度に,日光杉並木保護財団により,今市市瀬川地区において,総延長255mが施工された。掘り下げられていた旧道敷部分が復元され,事業施工後には自然な杉並木街道に見えるようになった。
著者
野澤 彰夫
出版者
栃木県林業センター
雑誌
研究報告 (ISSN:03899950)
巻号頁・発行日
no.18, pp.83-88, 2003-03

日光杉並木の樹勢回復工法検討の一つとして,畜産堆肥による土壌改良効果について検討した。杉壮齢木(並木杉クローン)の根元の土壌を試験土壌に入れ替えて,2年経過後に掘り取り,試験前後の根量を太さ別に測定した。畜産堆肥として,牛糞堆肥・馬糞堆肥・豚糞堆肥・鶏糞堆肥を用いた。根量測定の結果,畜産堆肥を配合した場合客土中に細根の発生量が多く,土壌改良効果が高いと考えられた。その中でも牛糞堆肥は効果が安定して高く,高齢木等の樹勢回復には最も使いやすいと言えよう。
著者
野澤 彰夫
出版者
栃木県林業センター
巻号頁・発行日
no.18, pp.83-88, 2003 (Released:2011-03-05)

日光杉並木の樹勢回復工法検討の一つとして,畜産堆肥による土壌改良効果について検討した。杉壮齢木(並木杉クローン)の根元の土壌を試験土壌に入れ替えて,2年経過後に掘り取り,試験前後の根量を太さ別に測定した。畜産堆肥として,牛糞堆肥・馬糞堆肥・豚糞堆肥・鶏糞堆肥を用いた。根量測定の結果,畜産堆肥を配合した場合客土中に細根の発生量が多く,土壌改良効果が高いと考えられた。その中でも牛糞堆肥は効果が安定して高く,高齢木等の樹勢回復には最も使いやすいと言えよう。
著者
野澤 彰夫 佐藤 基明
出版者
栃木県林業センター
巻号頁・発行日
no.18, pp.43-61, 2003 (Released:2011-03-05)

日光杉並木は,生育環境の悪化等により本数が年々減少しており,樹勢の衰退も進行している。道路敷確保のため掘り下げられて,根系生息域が犠牲になっている杉並木内において,道路機能を満たしつつ,根の張る領域を最大限に確保するため,新たな樹勢回復事業を実施することとなり,実際に事業で適用するための工法について検討した。根系生息域の拡大と道路機能を両立させる方法として,例えば,道路を橋梁構造にして,道路下に根の張る領域を確保し,道路機能との両立を図る方法がある。しかし,PC杭工法による橋梁の施工は,杭打機を含めた作業ヤードの確保が困難であり,単価も高く,施工性と経済性の両面から実施が困難である。そこで種々検討した結果,路床の支持体として中空コンクリートブロック既製品(商品名:ポカラ)を利用することにより,施工性・経済性が改善され,支持強度・根系生息域の確保とも十分な性能が得られた。このブロックは,一辺が120cmの立方体のコンクリートを,三方から直径95cmの円柱でくり抜いた形状をしている。一方,樹勢回復のためには,吸収根の生息域として深さ約1m程度確保されればほぼ十分と考えられる。並木内の道路の不透水層である舗装と側溝を破砕・除去し,砂基礎を固め,ポカラを敷設し,ポカラの内外を改良土壌で充填し,ポカラの上にコンクリート有孔床版を設置し,路盤に砕石を敷いた上を透水性舗装で仕上げる。ポカラの中と周囲は,改良土壌(牛糞堆肥10%,杉皮土壌改良材10%,粒状木炭5%,黒ボク土75%混合)を充填する。本工法の施工により,切土された部分を盛土・復元し,昔の道形に近づけられるため,街道景観の復元の観点からも,望ましい工法であると考えられる。中空コンクリートブロック工法による樹勢回復事業は,平成10年度~12年度に,日光杉並木保護財団により,今市市瀬川地区において,総延長255mが施工された。掘り下げられていた旧道敷部分が復元され,事業施工後には自然な杉並木街道に見えるようになった。
著者
吉田 悟 吉田 直美
出版者
慶應義塾大学大学院社会学研究科
雑誌
慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
no.28, pp.p93-105, 1988

1. 序2. 社会復帰の2つの基準変数3. 基準率4. 院内プログラムの社会復帰への影響5. 障害者のデモグラフィック特性と社会復帰との関係6. 総括と考察論文
著者
合田 直樹 宇野 雄博 赤木 洋祐 宇野 理恵 小野 聡弓 志摩 智之 田邊 貴史 多保 智史 樋笠 正晃 吉村 崇光
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.175-179, 2014

12歳の猫の血清蛋白分画においてγグロブリン分画のモノクローナルガモパシーが認められ,尿蛋白分画においてベンスジョーンズ蛋白が疑われた。X線検査にて複数の長骨にパンチアウト像が認められ,骨髄生検にて形質細胞の腫瘍性増殖が確認されたことから,多発性骨髄腫と確定診断した。プレドニゾロン,メルファランにて治療を開始した。タンパク尿,低アルブミン血症,高コレステロール血症,および浮腫を呈し,ネフローゼ症候群を合併し,治療開始から20日目に死亡した。
著者
上出康二
雑誌
皮膚
巻号頁・発行日
vol.41, pp.511-517, 1999
被引用文献数
1