著者
吉村 紳一 内田 和孝 髙木 俊範 山田 清文 白川 学 立林 洸太朗
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.17-22, 2018 (Released:2018-07-24)
参考文献数
20
被引用文献数
2

我々が行っている急性期脳梗塞の予後改善を目指した基礎・臨床研究とその展望を紹介する.1)血栓回収療法普及プロジェクト(RESCUE-Japan Project):本治療の有効性は確立したが,未だ十分に普及していない.このため,全国調査の結果をもとに,治療の推進に取り組んでいる.2)救急隊用脳卒中病型予測スコア開発:脳梗塞患者の予後改善のためには迅速かつ適切な搬送が必須である.我々が開発したこのアプリケーションは診断率が高く,救急搬送に応用していく.3)急性期脳梗塞および頸部・頭蓋内動脈狭窄に対する脂質低下療法に関する臨床試験:スタチンを用いた研究をベースにPCSK-9 阻害薬を用いた研究を開始する予定である.4)急性期脳梗塞に対する細胞療法の基礎・臨床研究:梗塞後の機能回復を目指した再生医療研究として,骨髄単核球,傷害誘導性多能性幹細胞,羊膜由来間葉系幹細胞を用いた臨床研究を行う予定である.
著者
向井 晃
出版者
法政大学史学会
雑誌
法政史学 = 法政史学 (ISSN:03868893)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.115-125, 1970-03-20
著者
山田 康二 工藤 崇博 大塚 未来子
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.130, 2005

【はじめに】当院は2002年10月、日本医療機能評価機構による病院機能評価(一般病院B)を取得し、5年後の更新時Ver.5.0の評価を受ける為、各部署患者サービスの向上への取り組みが展開されている。<BR>今回、総合リハビリテーションセンター(以下、センター)では、病院機能評価の大項目にある「リハビリテーション体制の整備」に注目し、その小項目である"リハビリテーションの必要性の検討と方針の確立"をテーマに、センターでの業務機能分化を行い、外来リハビリテーション(以下、外来リハ)チームとして、関わりのシステムを検討し、業務改善を行ったので以下に報告する。<BR>【現状把握】まずは月1回行われる外来リハチーム会議にて、病院機能評価で取り上げたテーマについて確認し、現状の問題点について話し合った。<BR>現状の問題点として、1)外来リハの長期化 2)外来リハの効果判定 4)患者満足度の視点の3点が上がった。また3)については、外来患者を対象にアンケートを実施し結果を分析した。<BR>1)については、外来リハ継続期間は疾患によって異なるが、全体の54%が1年を超えている。<BR>2)については、必要に応じて医師に報告する程度で、カンファレンス時間も取れない状況である。<BR>3)については、待ち時間が長い・担当休日時の対応が不十分・スタッフ接遇(言葉づかいが良くない)についての問題点があがった。<BR>【改善内容】1)については、外来リハ処方時に今回のリハビリ実施期間設定及び週何回行うかの頻度設定を行うよう、医師に依頼した。<BR>2)については、今回のリハビリ実施期間がきれる前、各セラピストが指定の用紙に、期間内行った訓練内容と効果判定評価について記載し、その評価内容によって、医師が終了か継続または他施設への連携の判断を行う事とした。<BR>3)については、当院は2002年11月より電子カルテ導入へ向けてコンピューター委員会が立ち上がり、2004年4月よりまずオーダリングシステムから開始された。オーダリングシステムは、処方オーダー・予約オーダー・入院病棟オーダー・食事オーダーを基本機能とし、各検査オーダー・投薬チェック・診療予約の拡張機能から構成される。外来リハについても、診療予約機能を利用し、完全予約制にする事により待ち時間の軽減・担当休日時のトラブルを回避する事とした。<BR>【改善後外来リハの流れ】患者来院後、各科の医師は外来リハ処方箋発行と同時に、別紙にて今回のリハビリ実施期間と頻度を設定し開始となる。担当はリハビリ終了時、予約台帳を提示し次回の日時・時間予約を行い、コンピューターに入力し予約券を発行する。この作業にて担当のスケジュール管理へ連動し、他の部署からの閲覧も可能である。またその場で予約できない患者についてはコールセンターで電話予約するシステムである。コールセンターへの連携はすべてオーダリングシステム上で行う。<BR> 再来時は、予約券にあるバーコードを読み取り受付を行い、リハビリ科ではコンピューターにて、再来時間や外来診療記録等を確認する。特に検査・画像についてタイムリーな情報を収集できる。効果判定評価については、有効期間内に各担当者が目標設定・訓練内容・評価内容・本人(家族)の希望を記載しカルテへ添付する。その後、医師はリハビリの必要性を検討し、継続または終了の判断がなされる。<BR>【結果及び考察】まず外来リハ1年を超えている患者には、医師より、再度リハビリの目的や期間など説明を受け、今後のあり方について方向性が明確化された。また効果判定評価についても、医師との連携手段の1つに位置付けされた。<BR>完全予約制については、何のトラブルもなくスムーズな流れで運用されている。予約をとることで、患者にとっては、その日の生活時間を有効に活用する目安となると同時に、スタッフにとっても1日の仕事量を把握し、空いた時間に別の予定を組み込むなど、業務の効率化を図ることができたと考える。何より、訓練待ち時間が軽減された事は、患者満足度に大きく反映されるものだと確信している。この事については、今後もアンケート調査を実施したいと考える。<BR>また2005年4月より当院リハビリシステム(リハッシュ)も導入され、日々の業務書類・データ管理・レセプト等が電子化された。今後、電子カルテへリンク体制を整備し、個人情報保護や改ざん防止等の管理面を充実させ、より良いシステムの構築へ向けて改良していきたいと考える。
著者
望月 聡司 中川 隆
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.390-392, 2019-09-13

1990年代に流行した渋谷系音楽は音楽シーンだけでなく多方面に多大な影響を及ぼした。一方、アーカイヴ手法の一種にヴァーチャルミュージアムがあるが、昨今のVR技術の進展は、アーカイヴ空間への没入体験の可能性を拡げている。本制作は、渋谷系の特徴として指摘されている「“過去の文化情報”を編集的に組み合わせた産物」という点に着目し、この特徴をVRによるヴァーチャルミュージアム体験として再編集し再現する試みである。
出版者
天文同好會
雑誌
天界 = The heavens
巻号頁・発行日
vol.6, no.65, pp.275-315, 1926-05-25
著者
石綿 寛
出版者
中央大学大学院事務室
巻号頁・発行日
2016-03-18

【学位授与の要件】中央大学学位規則第4条第1項【論文審査委員主査】横山 彰(中央大学総合政策学部教授)【論文審査委員副査】イ ヒョンナン(中央大学総合政策学部教授),梅村 坦(中央大学総合政策学部教授),デヴィッド・イーウィック(東京女子大学現代教養学部教授)
著者
藤田 和生 黒島 妃香 服部 裕子 高橋 真 森本 陽 瀧本 彩加 佐藤 義明
出版者
一般社団法人 日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.241-263, 2009-03-31 (Released:2010-06-17)
参考文献数
85
被引用文献数
2 1

Capuchin monkeys are one of the most important primate subjects in understanding the evolution of kokoro (mind and heart), because of their outstanding intelligence and gentleness despite their phylogenetic distance from humans and apes. Here we report a series of experimental studies on various aspects of the kokoro of tufted capuchin monkeys (Cebus apella) conducted at the comparative cognition laboratory, Graduate School of Letters, Kyoto University. Briefly, for the physical intelligence, the monkeys amodally completed partly occluded figures basically like humans do. They also perceived never-presented contours by spatially and temporally integrating a sequence of fragmentary information just like humans do. They understood physical causality in a type of tool-use task involving tool, goal, and environment. In the social intelligence domain, they spontaneously took actions interpretable as tactically deceiving the conspecific opponent in an experimental food-competition contest. They also cooperated by dividing a sequence of actions leading to rewards. This cooperation continued when only one of the participants obtained a reward at a time. They were sensitive to attentional states of humans shown by eyes, though they might not try to control human attentional focus. They inferred a conspecific's behavior that they never directly observed and adaptively modified their next behavior based on the predicted consequence. They were also able to correct their actions by observing unsuccessful actions of their conspecific partner. One monkey of this species showed evidence that she recognized the knowledge status of humans suggested by their preceding actions toward the items in question. In the affective domain, this species was shown to utilize affective reactions of a conspecific against a hidden object to regulate their own actions toward it. Finally, the monkeys were sensitive to the benefit of their conspecific partner. They sometimes took thoughtful actions toward a low-ranking individual and in other times spiteful actions against a high-ranking individual. All of these results show that this New World species shares many characteristics of kokoro observed in humans.
著者
関 なおみ 貞升 健志 甲斐 明美 中島 由紀子 渡瀬 博俊 上田 隆 前田 秀雄 小林 一司 石崎 泰江 広松 恭子 岩下 裕子 本 涼子 神谷 信行 栗田 雅行 田原 なるみ 長谷川 道弥 新開 敬行 林 志直
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.238-250, 2015

<b>目的</b> 2014年 8 月,代々木公園が感染地と推定されるデング熱が発生した。これに対し,東京都の各担当部署が関係自治体と協力して対策を講じた。本経験は公衆衛生活動として他自治体や関係機関に共有すべき貴重な事例であると考え,報告する。<br/><b>方法</b> 8 月26日~11月 5 日に東京都が国内感染のデング熱流行に対して実施した対策について,1)リスクコミュニケーション・情報共有,2)患者への対応,3)蚊への対策,4)検査対応,の 4 分野について経過をまとめ,得られた結果について分析を行った。患者の疫学情報については2014年第 1~44週保健所受理分を対象とした。デング熱の国内感染が疑われる患者の血清および蚊検体の検査は東京都健康安全研究センターで実施した。<br/><b>結果</b> 都庁内に設置されたデング熱専用相談電話窓口に寄せられた相談件数は3,005件であった。東京都が実施した報道発表回数は,患者届出受理数および専用相談電話実績について39回,蚊の対策について 9 回であった。<br/> 東京都における国内感染症例は108件(男性62.7%,年齢中央値31.1(3~77)歳)で,2014年 第35~44週に報告されており,第36週がピーク(35件)となっていた。推定発症日の分布は 8 月 9 日~10月 7 日,推定感染日の分布は 8 月 3 日~10月 3 日であった。このことから,7 月下旬には代々木公園内にデング熱ウイルスに感染した蚊が複数生息していた可能性が示唆された。<br/> 代々木公園で週 1 回実施された蚊の調査(全11回のべ200トラップ)で捕集された蚊の総数は1,152頭で,種の同定においてヤブカ属が73.7%(856頭)であった。ヤブカ属を対象としたデングウイルス検査では,9 月 2 日,9 月 9 日,9 月16日分について陽性となった。<br/> デング熱の国内感染が疑われる患者の血清241件について確定検査を実施し,うち78件が陽性(国内感染症例73件,輸入症例 5 件)となった。ウイルスが検出された国内感染症例の血清および蚊検体の遺伝子解析では,すべて血清型 1 型 遺伝子型I型であり,全株の相同性が埼玉県在住の初発患者から分離されたウイルスの遺伝子配列と99%以上一致し,都内で感染したデング熱患者の原因ウイルスは単一のデングウイルスであった可能性が高いと考えられた。<br/><b>結論</b> 2020年のオリンピック,パラリンピック開催を予定している東京都としては,デング熱をはじめとした蚊の媒介する輸入感染症の国内発生について対策の強化が必要と考えられた。
著者
沖中 友秀 山口 浩樹 小松 真成 佐伯 裕子
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.94, no.6, pp.839-843, 2020-11-20 (Released:2021-06-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Klebsiella pneumoniae subsp. ozaenae (K. ozaenae) has been reported to cause urinary tract infections and rhinosclerosis, but it has rarely been reported as a cause of lung abscess. Therefore, the clinical course and optimal antimicrobial treatment for lung abscess caused by K. ozaenae remain unclear. It has also been reported that infections caused by hyperviscous Klebsiella species are more likely to become invasive. We report a case of lung abscess caused by hyperviscous K. ozaenae. A 68-year-old woman presented with fever and right shoulder pain, and was referred to our hospital as a suspected case of pneumonia. Chest CT showed an abscess in the right S3, and we started the patient on intravenous ceftriaxone (CTRX) treatment. However, as the fever persisted and the patient became delirious, the antimicrobial agent was changed to meropenem (MEPM), based on the findings of sputum smear examination. K. ozaenae was isolated on sputum culture, with a positive string test. Although this bacterial strain is considered to be susceptible to CTRX and MEPM, the patientʼs fever and delirium failed to improve. The symptoms eventually improved with the addition of levofloxacin (LVFX). The patient was discharged without any sequelae on day 48 of hospitalization.