著者
白地 孝
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.73, no.12, pp.1479-1494, 1976 (Released:2007-12-26)
参考文献数
34

閉塞性黄疸時のビリルビンの腎よりの排泄機序, 閉塞性黄疸時の腎障害, 尿排泄障害時における血中ビリルビン値の変化, ビリルビンによる腎障害などについて, 臨床的, 実験的に検討し, つぎの様な結果を得た.1) 尿中へのビリルビンの排泄量は, 血清総ビリルビン値および直接型ビリルビン値と正の相関々係を示し, また血清アルブミン予備結合能と負の相関々係を示すことから, ビリルビンの尿中への排泄には, アルブミンと結合していない遊離の直接型ビリルビンが尿中に排泄される可能性が強いことが示された.2) 片側尿管の結紮その他によつて尿排泄障害をおこし, あるいは腎障害を有する例では, 尿中排泄ビリルビン量が減少し, 血清ビリルビン値がより高値を示すことから, 血清ビリルビンの値は, 腎機能と密に関係していることも明らかになつた.3) 黄疸発現よりの期間が長くなるにつれ, 腎障害が増強し, 尿中へのビリルビンの排泄量が減少した.
著者
郭 信子 上田 悦範 黒岡 浩 山中 博之
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.453-459, 1992 (Released:2008-05-15)
参考文献数
9
被引用文献数
2

ウンシュウミカンをポリエチレン包装し, エチレンあるいはCO2処理, エチレン除去剤あるいはCO2除去剤封入処理を行い, 20°, 8°, 1°C貯蔵中における異臭および異味の生成を調べた. 対照区として有孔ポリエチレン包装を行った.1.食用時に感じる異臭は有孔区について官能検査により測定したところ, 20°Cでは15日, 8°Cでは1か月後に感じられた.2.異臭の原因物質であるdimethyl sulfide(DMS) の果実空隙中の濃度は20°Cにおいてすべての貯蔵区で15日貯蔵後最高値になった。8°Cでは有孔区とCO2吸収区において徐々に増加した. 1°Cではどの処理区もDMS濃度は低かった.3.CO2吸収剤を封入すると, 20°および8°CではDMS濃度は有孔区ならびに他の密封区に比べて大きくなった. 1°Cではその効果はあまりみられなかった.過マンガン酸カリウム系エチレン吸収剤を封入すると,20°CではDMSも吸収し, 空隙中のDMS濃度を低くした.4.貯蔵開始時に100%CO2処理すると各温度区とも食味の劣化が速く, 腐敗も速く起こった. エチレン処理区もやや食味の劣化と腐敗果の発生を促進した.他の処理区では果実貯蔵中食味は徐々に劣化した. 果汁のエタノール濃度はCO2処理区およびエチレン処理区で急増した.
著者
川口 実
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.610, 2017-05-24

定義 “白色扁平隆起”は筆者ら1)が2007年に報告したもので,その通常内視鏡所見の特徴は,①白色,②扁平隆起,③多発性,④胃体部に認める,⑤周囲粘膜に萎縮がない,などである(Fig. 1,2).病理組織学的特徴は,①腺窩上皮の過形成,②胃底腺萎縮,③炎症細胞浸潤は軽度で,単核球主体などである(Fig. 3). その後,春間ら2)が多数例を検討し,“多発性白色扁平隆起(春間・川口病変)”として報告している.
出版者
日経BP社 ; 1999-
雑誌
日経Linux : Nikkei Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.91-94, 2015-05

余ったディスプレイやデジタルテレビがあれば、「ミニPC」を買うだけでLinuxパソコンにできます。ミニPCには、完成品と、メモリーなどを追加しないと使えない半完成品(ベアボーン)があります。

1 0 0 0 OA 琴と笛

著者
中島吉太郎 編
出版者
田沼書店
巻号頁・発行日
1902
著者
河村 圭 長谷川 達哉 塩崎 正人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_83-I_92, 2016
被引用文献数
5

斜張橋ケーブルの一般的な点検方法は,大きく二つに分類され,高所作業車を用いた目視点検,または,クライミング技術等の特殊高所技術による目視点検で行われている.しかし,点検時に高所作業車を使用する場合は,橋面上約30mの高さまでが点検の限界であり,点検中は交通規制が必要である.また,特殊高所技術による目視点検の場合は,作業者の安全性の確保が問題となる.これらを背景として,著者らは,ロボットを用いた斜張橋ケーブル点検装置の開発を進めている.特に,本研究では,USBカメラ,ミニPC,さらに画像処理技術の活用により,1度の撮影でケーブル全周の撮影画像展開図を作成可能とする点検記録システムのプロトタイプを開発した.
著者
大島 芳樹 脇田 建 佐々 政孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.62-77, 2000-11-15
参考文献数
16

高機能なSmalltalk処理系であるSqueakを携帯情報端末Zaurusに移植し,Zaurusの持つ独自のハードウェアにあわせて拡張を施したので,システムの実現方法,性能,可用性の評価について報告する.我々の行った実装作業は大きく2つに分類される.まず,基本的な機能の性能を向上させるために,Zaurus上でのイベント処理方式やビットマップ変換方式の性能について定量的評価を行い,それに基づいて最適化を行った.さらに,Zaurus独自の拡張を施すことによって,ペン入力,音声機能,デジタルカメラ,TCP/IPネットワーク,シリアル・IrDAポート,電力消費制御,およびフラッシュメモリファイルシステムのようなPDA独自のハードウェアをSqueakから操作可能とした.この移植および拡張はZaurus依存の部分を記述した4000行程度のC記述および600行ほどのSqueak記述によって達成された.我々は大小各種のベンチマークによる性能評価およびいくつかのアプリケーションによる可用性評価を行った.Zaurusシリーズの最上位機種であるMI-EX1上のSqueakは,400MHz G3 Macに対して最高1/8程度の性能を示した.このベンチマークの数字および実際の使用テストから,このシステムは十分実用に耐える性能を持つことが分かった.我々の実装によって,さまざまな周辺機器を操作できる実用的なプログラミング環境を手のひらサイズの機器上で運用できることが示された.This paper reports our effort to implement Squeak Smalltalk on a family of personal digital assistant ({エit PDAエ/}) devices called Zaurus. The Squeak on Zaurus ({エit Squeak/Zaurusエ/}) offers programmable interfaces to various Zaurus specific devices. The system is evaluated in terms of its usability and performance. Two important issues in implementation of Squeak/Zaurus are as follows. Firstly, we measured performance of several implementation strategies for event-handling and bitmap conversion, which are dominant performance issues, and adopted the best ones in Squeak/Zaurus. Secondly, we have extended Squeak to support PDA specific hardware such as pen input, audio, digital camera, TCP/IP network, serial and IrDA communication, power consumption control, and file I/O on flash memory. These PDA specific devices are made directly accessible to the programmer. Those Zaurus specific functions are written in 4,000 lines of C code and 600 lines of Squeak code. The performance of Squeak/Zaurus has been evaluated by various micro- and macro-benchmarks and its usability has been tested by applications. MI-EX1, the highest model of Zaurus family, marked 1/8 of the performance of Squeak running on 400エ,MHz G3 Mac at best. This result and the usability tests indicate that it performs sufficiently well for practical use. The Squeak/Zaurus implementation demonstrates feasibility of practical programming environment on palm size devices that can operate PDA specific hardware.

1 0 0 0 OA 日本文明史略

著者
物集高見 著
出版者
文部省編輯局
巻号頁・発行日
vol.1之巻, 1887
著者
松木善右衛門編
出版者
松木善右衛門
巻号頁・発行日
1924
著者
畑 竜也 宮田 昌明 吉成 浩一 山添 康
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第38回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.20018, 2011 (Released:2011-08-11)

胆汁酸の肝内濃度上昇は細胞を障害し、肝障害を誘起する。このため、肝内の胆汁酸レベルは厳密に制御されている。肝内胆汁酸レベルは、肝臓におけるコレステロールからの胆汁酸の合成調節によって維持されている。近年、胆汁酸合成を抑制する因子として、回腸で発現するfibroblast growth factor (FGF) 15/19が注目されている。最近当研究室では、マウスへの抗菌薬投与時に認められる肝内胆汁酸レベルの上昇に、ヒトFGF19の相同分子種であるFGF15の発現低下が関与することを明らかにした。FGF15/19の発現は胆汁酸によって調節されると考えられているが、転写レベルの発現調節の機序に関しては不明な点が多い。そこで、本研究では、胆汁酸による転写レベルのヒトFGF19の発現調節を検討した。FGF19遺伝子のプロモーター領域約9 kbを含むレポーターコンストラクトを作製し、ヒト結腸がん由来LS174T細胞を用いてレポーターアッセイを行った。ヒトの主要胆汁酸のchenodeoxycholic acid (CDCA)を単独処置した時、コントロール群に比べて明確な応答が見られなかったが、同時に胆汁酸をリガンドとする核内受容体のfarnesoid X receptor (FXR)を細胞に発現させると、CDCA処置時に応答が見られた。次に、約9 kbのプロモーター領域を段階的に欠失させ、応答を解析したところ、複数の胆汁酸/FXR応答領域の存在が示唆された。また、ゲルシフトアッセイによりFXRの結合が確認された。さらに、本研究で見いだした胆汁酸/FXR応答領域とこれまでに報告されているFGF19遺伝子の第2イントロン上のFXR結合配列が胆汁酸によるFGF19遺伝子の転写活性化に対しどの程度寄与しているかレポーターアッセイにより検討した。その結果、本研究で見いだした胆汁酸/FXR応答領域を含むプロモーター領域のコンストラクトではCDCA/FXRで約8倍、第2イントロンを含むコンストラクトでは約4倍活性が上昇した。さらに、両コンストラクトを同時につなげた時は約16倍活性が上昇し、相乗的な作用が見られた。以上の結果より、胆汁酸はFXRを活性化し、第2イントロンのFXR結合配列のみならずプロモーター領域の複数のFXR応答領域を介して相乗的にFGF19遺伝子の転写を亢進している可能性が示された。
著者
金城 正英 Kinjo Masahide 名桜大学事務局
出版者
名桜大学
雑誌
名桜大学紀要 (ISSN:18824412)
巻号頁・発行日
no.19, pp.85-95, 2014

本稿においては,戦後沖縄の高等教育行政制度の中で設立された私立大学の設立経緯について言及するとともに,沖縄大学と国際大学の統合に関し,日本政府・琉球政府及び大学関係者との間でどのような検討がなされたのか,その一端を明らかにした。 「日本復帰」に際して琉球大学は国立大学に移管された。一方,沖縄大学と国際大学の統合は,沖縄の私立大学が大学設置基準を満たすために教育内容の充実と教育水準の向上を図り,新たな大学の設置を求めるものであった。この大学統合により二つの問題が認識された。一つは,戦後沖縄の大学設置認可行政は,教育研究条件の改善向上を図る機能が働かないチャータリング機能(大学設置認可)だけであったことである。二つ目は,大学の統合に関して,関係者相互のコンセンサスが不可欠であるということである。本稿で取り上げた事例において,統合問題は,沖縄大学と国際大学のそれぞれのアイデンティティをいったん解体し,新たな大学として再構築するプロセスであったということが理解される。大学の統廃合は,教員・職員・学生を含む利害関係者への説明責任を果たしコンセンサスを得ることが最も重要であることを戦後沖縄における私立大学の統廃合の事例が示唆している。本稿は,沖縄県公文書館に所蔵されている文部省・琉球政府私立大学委員会等の一次資料を分析しつつ,戦後沖縄の私立高等教育機関の統合について論じた。