著者
久保田 喜裕
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.567-582, 1988-08-15
被引用文献数
3

In the Green Tuff region, holocrystalline-hypabyssal rocks which have been called "Tertiary granitoids" occur often. Many of these bodies are volcano-plutonic complex composed of plutonic, hypabyssal, and volcanic rocks with felsic to intermediate composition. The porphyritic intrusive bodies in the Yuzawa district and quartz-dioritic bodies in the Tanigawa district are one of the best examples of this kind, and thus they were studied. The Kiyotsukyo intrusive body in the Yuzawa district is concordant to the surrounding strata, thus forming a laccolith. This body is well jointed. The jointing system is interpreted as the cooling-columnar joint. Analysis of the system was useful for reconstructing the shape of the intrusive body (cf. Fig. 13). The Kiyotsukyo intrusive body and the other porphyritic and andesitic bodies in the Yuzawa district intruded concordantly to the fine-grained, marginal facies of sedimentary basin at the maximum subsidence stage of the Green-tuff disturbance. On the other hand, the large quartz-diorite body in the Tanigawa district is discordantly intrusive into the uplift area where the initial volcanism of the Green Tuff activity took place at the end of the Geen-tuff disturbance.本論では,越後湯沢地域に分布する「清津峡石英閃緑ひん岩体」の迸入形態の復元を行い,さらに谷川岳地域の石英閃緑岩体も含め,グリーンタフ変動における第三紀花崗岩類の活動様式について検討した.その大要は,以下のようにまとめられる.(1)清津峡岩体は,餅盤状の調和的(concordant)な岩体である.迸入形態の復元には,この岩体全域に発達している冷却柱状節理の性質を応用した.(2)清津峡岩体をはじめとする越後湯沢地域の層状火成岩は,中新世中期の最大沈降期に堆積盆地の縁辺部の細粒岩層(頁岩・細互層)中に,調和的(concordant)に迸入したものである.一方,谷川岳地域の大規模な石英閃緑岩類は,中新世末期にこの地域の初期火成活動の場が著しい隆起に転じた部位に,非調和的(discordant)に貫入したものである.
著者
有賀 智也 渡辺 みどり 千葉 真弓
雑誌
日本看護福祉学会誌 (ISSN:13444875)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.101-114, 2014-03

本研究は、精神科病院に入院した認知症高齢者のBPSDに対する症状の軽減を図る精神科看護師の具体的な関わり方を明らかにすることを目的とした。認知症高齢者看護に携わる10名の看護師を対象とし、BPSDを軽減させるために具体的にどのような関わりを実施しているのかを調査した。その結果、BPSDの症状を示す『幻覚への対応』、『妄想への対応』、『徘徊への対応』、『興奮・暴力への対応』の4領域が得られた。重度BPSDを有する認知症高齢者への対応は、入院前からの経験、生活史に関する情報の収集、観察、アセスメントを継続する。それをもとに、適切な対応方法を個別に見出し、非薬剤的介入を実施する。しかし、個別的な対応を尽くしてもBPSDの軽減や消失が図れない場合は、適切な時期、適切な量の薬剤の使用、興奮を助長する過剰刺激を遮断しBPSDを鎮めるための隔離・拘束が必要となる。このような手順を経た関わりが重要となる。(著者抄録)

1 0 0 0 IR 亀ヶ丘の植物

著者
木戸 伸栄
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.61-78, 2016-07-01

亀ケ丘は南さつま市大浦町にあり、標高約360mの草原の丘で、角れき凝灰岩の奇岩が見られる。特記すべき植物として、ツメレンゲ、コゴメイワガサ、オンツツジ、ノヒメユリ、オキナワチドリがある。3回の調査で、79科209種(シダ植物11科24種、裸子植物3科3種、被子植物双子葉57科144種、被子植物単子葉8科38種)の植物を観察した。 調査日:2011年4月23日 2011年8月29日 2011年10月23日Plants of Kamegaoka are 79 family 209 species (Pteridophyta 11 family 24 species, Gymnospermae 3 family 3 species,Dicotyledoneae 57 family 144 species, Monocotyledoneae 8 family 38 species) in three investigation.Special plants are Rhododendron weyrichii, Orostachys japonicas, Spiraea blumei var. amabilis, Lilium callosum, Amitostigma lepidum
著者
石田 信伍 藤村 義和 藤吉 加一 若松 盈
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1042, pp.326-327, 1982-06-01

ウルトラマリンはソーダライト型のケージが最密充てんしたものであり, このソーダライト型ケージはまたLinde Aモレキューシーブ (MS) の構造中の主要な要素である. この理由で, MSからのウルトラマリンの生成は容易なはずであり, 実際に以下の (1)-(4) の過程を経てMS 5A及びMS 4Aからウルトラマリン・ブルーが合成できた. (1) Na<sub>2</sub>S飽和水溶液中でMSにNa<sub>2</sub>Sを含浸させ, このMS-Na<sub>2</sub>Sを乾燥 (N<sub>2</sub>ガス中), (2) 500℃におけるMS-Na<sub>2</sub>S上の硫黄蒸気の吸着 (N<sub>2</sub>ガス中), (3) MS-Na<sub>2</sub>S-Sを820℃まで加熱 (N<sub>2</sub>ガス中, 加熱速度17℃/min), (4) MS-Na<sub>2</sub>S-Sを820℃から500℃まで冷却し, これを500℃で空気酸化.<br>MS 5A及びMS 4Aからの酸化生成物はそれぞれ空色及び緑色であったが, 820℃で2-3時間空気中で再加熱したら青色になった.<br>MS 4Aからのウルトラマリンの生成は, ソーダライト類似構造を有していないNaAlSiO<sub>4</sub>組成のカオリンとNa<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>間の焼結生成物からのウルトラマリン生成に比較して, ずっと容易であった. 上述の結果から, ウルトラマリン・グリーンの生成はMS 4A中の多硫化物がソーダライト型ケージへ侵入することによって引き起こされたと推論された.<br>今のところ, モレキュラーシーブが高価格であることと, 生成物中の発色団濃度が低いために, このウルトラマリン・ブルーの合成法は実用的でないが, この方法はウルトラマリン合成に含まれている反応機構の研究のためには利点を有している.
著者
山本 藍子
巻号頁・発行日
2017

筑波大学修士(図書館情報学)学位論文 ・ 平成29年3月24日授与(37751号)
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3] 武士方綴込 天保九戌年 鞘番所,
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.1123, pp.56-63, 2018-07-12

「街と駅をつなぐ0番線」。プランツアソシエイツ(東京都中野区)の宮崎浩代表が、新山口駅ターミナルパーク整備事業公開プロポーザルで提案したコンセプトだ。「駅と街の境界に歩道を設け、そこに利用者のアクティビティーを入れることを目指した」と宮崎…
出版者
秋田県内務部
巻号頁・発行日
vol.第63号, 1900
著者
高橋 忠伸 紅林 佑希 大坪 忠宗 池田 潔 南 彰 鈴木 隆
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.689-701, 2016-12-05 (Released:2017-01-12)
参考文献数
67

インフルエンザA型及びB型ウイルスや一部のパラミクソウイルスは,ウイルス受容体のシアル酸を糖鎖末端から切断する酵素「シアリダーゼ」を持つ.これらのウイルスの感染細胞上には,ウイルス遺伝子に由来するシアリダーゼが豊富に発現する.著者らが開発したシアリダーゼ蛍光イメージング剤「BTP3-Neu5Ac」は,シアリダーゼ活性の存在部位を組織化学的に蛍光染色する.BTP3-Neu5Acを利用することで,ウイルス抗体や細胞の固定化操作を必要とせずに,これらのウイルス感染細胞を簡便迅速に蛍光イメージングできる.さらに,インフルエンザ治療薬であるシアリダーゼ阻害剤をBTP3-Neu5Acと併用することで,薬剤耐性化インフルエンザウイルスの感染細胞を選択的に蛍光イメージングして,薬剤耐性化ウイルス株を高効率に単離することができる.本稿では,BTP3-Neu5Acを利用したウイルス感染細胞の蛍光イメージングについて概説する.
著者
萩庭丈寿 坂井 進一郎 相見 則郎 山中 悦二 新間 信夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.448-452, 1973-04
被引用文献数
2

In the reinvestigation of the constituents of Uncaria rhynchophylla MIQ. (Japanese name "kagikazura"), the presence of two oxindole alkaloids, corynoxeine and isocorynoxeine, was demonstrated, besides the reported rhynchophylline and isorhynchophylline.^<3)> Furthermore, four indole alkaloids were newly isolated ; hirsutine, hirsuteine, dihydrocorynantheine, and corynantheine. A chemical structural evidence of hirsutine was obtained from its epimerization to dihydrocorynantheine with acetic acid catalysis.
著者
中島友文 [著]
出版者
中島友文
巻号頁・発行日
vol.[16], 1885
著者
相見 則郎 PONGLUX D. OBITZ P. STOCKIGT J. 北島 満里子 高山 廣光 坂井 進一郎 STOCKIGT Joachim PONGLUX Dhavadee DHAVADEE Pon CARL M Ruyte JOACHIM Stoe
出版者
千葉大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

多くの生物種が医薬品資源としての潜在的価値を持ったまま環境破壊などのため姿を消して行く現在、「遺伝子資源の持続可能な利用」は極めて緊急度の高い研究課題である。本課題研究に於いては、ドイツ、タイとの緊密な協力態勢のもと、主として熱帯産のアルカロイド含有医薬資源植物について細胞培養による物質生産を目的とする国際共同研究を行った。1.キョウチクトウ科植物に関する研究-(1)Rauwolfia serpentinaとRhazya strictaのプロトプラスト融合細胞の生産アルカロイド-標記懸濁培養細胞について生産アルカロイドの精密分離を行った結果モノテルペノイドインドールアルカロイド2種(16(R)-18,19-E-Isositosirikineと5(S)-5-Carbomethoxystrictosidine)、β-カルボリン系化合物3種、(β-Carboline,1-Acetyl-β-carboline,1-carbomethoxy-β-carboline)、を得た。この結果種間融合細胞に於いてもアルカロイド生産機能が保持されていることを明確にすることが出来た。(2).タイ産キョウチクトウ科植物Hunteria zeylanicaの含有アルカロイド-本植物の葉部配糖体画分から、新規アルカロイドHunteriosideを得た。本物質は、Strictosidinic acidの糖部6'位に更にもう一分子のD-グルコースがα-型に結合しているものであることを明らかにした。Strictosidineはモノテルペンインドールアルカロイドの共通生合成中間体で古くから注目されているところであり、現在ではその生合成酵素の精製を経てc-DNAのクローニングまで行われている。Strictosidine関連の天然アルカロイドは現在まで30種以上知られているが、その糖部分に二糖結合を有するものは全く知られていず、今回のHunteriosideの天然界からの単離は極めて興味ある事実である。Hunteria zeylanicaにはHunterioside以外にも同系列の配糖体アルカロイド数種の存在が認められており、それらの追求、或いはHunteriosideの化学合成、更に植物からのカルス誘導などが今後の研究課題となる。2.アカネ科Ophiorrhiza属植物のアルカロイド-(1)アカネ科Ophiorrhiza属植物含有アルカロイド-チャボイナモリ(Ophiorrhiza pumila)はわが国鹿児島県島嶼部から沖縄県琉球列島にかけて分布する小型草本であるが、我々は先にこの植物にカンプトテシンが含有されることを明らかにした。沖縄県石垣島の一部に自生するクロタキカズラ科の木本植物、クサミズキと並んで、我国の貴重なカンプトテシン含有植物である。チャボイナモリについて特に注目されるもう一つの点は、カンプトテシン生合成の仮想中間体として存在が予想されながら天然から見出されないできた鍵分子を特異的に含有することである。1992年に本植物から得られた新規物質Chabosideについて全合成を達成した。(2)チャボイナモリの組織培養、懸濁細胞培養と器官再分化の研究-ドイツ側分担者Stoeckigt博士との共同研究の結果、本植物のカルス化、組織培養、つづいて懸濁細胞培養の条件確立に成功した。更に最近カルスの器官再分化により幼植物体を得る試みに成功した。この結果はチャボイナモリの大量増殖に道を開くものであり、更にウイルスフリー株の取得などを通して関連研究への展開が期待される。(3)チャボイナモリ培養細胞のアルカロイド生産機能の発現に関する研究-マインツ大学に於いて取得された培養細胞について千葉大学で二次代謝産物の究明研究を行ったところ期待されたカンプトテシン関連含窒素化合物の検知には成功せず、代わりにアントラキノン系色素3種を得た。これらアントラキノンは野生種には全く含有されない物質であった。類似の事実が同じくアカネ科の資源植物Chinchona属植物の培養細胞についても報告されていて両者の類似性に興味が持たれる。現在この培養細胞系について、アルカロイド生成機能の発現に関する研究を継続して行っている。
著者
井原 勝介
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1346, pp.125-128, 2006-06-19

米海兵隊が駐留する山口県岩国市は、米海軍空母搭載部隊の移駐計画の撤回を要求してきました。今年3月12日に行った移駐の是非を問う岩国市の住民投票では、投票者の9割が反対票を投じたのです。また4月23日に行われた新・岩国市の市長選挙で、計画の撤回を訴え続けている私が、県の自由民主党連合が推薦する受け入れ容認派の候補に勝利しました。