著者
丸山 温 松本 陽介 森川 靖
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.427-432, 1996-11-16 (Released:2008-05-16)
参考文献数
21

樹冠上部の葉は,重カポテンシャル差によって常に下部と比べて乾燥状態におかれている。'この乾燥に対する適応を明らかにするため,スギ成木の梢端部と最下部の葉について,水分特性と形態的特徴の季節変化を調べた。梢端部の葉では,圧ポテンシャル(Ψp)を失うときの水ポテンシャル(ψWtip),飽水時の浸透ポテンシャル(ψSsat)が最下部と比べて低く,Ψpを維持しやすい特徴を持っていた。また,梢端部の葉では空隙の発達が抑制され,葉の単位体積当りの水分量も最下部と比べて多かった。すなわち,水分特性だけでなく,形態的にも梢端部の葉は乾燥に適応しており,このことがスギが高い樹高まで育つ重要な要因になっていると考えられる。
著者
関 喜史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3O2OS1b04, 2018

<p>近年,日本では若年層の政治的関心の低さが問題になっている. しかしアンケートを用いたような調査は存在するものの, 若年層の政治的関心がどのように他の世代と異なるのかについて, 実際の行動に基づいた調査はほとんど行われていない. 本研究では情報キュレーションサービスであるグノシーにおけるユーザ行動履歴を用いて, 政治に関するニュース記事の閲覧傾向が世代によってどのように異なるのかを分析する.</p>
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1617, pp.3-4, 2018-07-16

オンラインサービス、広告 総合情報アプリの「グノシー」を展開するGunosyの代表取締役COOの竹谷祐哉氏(2018年8月24日付で代表取締役CEOに就任予定)は、2018年7月12日の事業戦略発表会において、今後のメディア事業の方針について述べた。 竹谷COOはメディア事業の3…
著者
中村 聡史 鈴木 正明 小松 孝徳
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.32-39, 2014-09-12

綺麗な文字を書くということに日本人の多くは興味を持っている.さて,綺麗な文字とはどのような文字だろうか?本研究では,人の手書き文字をフーリエ級数展開によって数式化し,その式の平均を計算することによって,平均的な文字を生成することを可能とした.また,その平均文字を利用した実験により,実際に書いた文字よりユーザの平均的な文字が高く評価されること,ユーザの平均文字より全体としての平均文字高く評価されることを明らかにした.さらに,ほとんどの人が自身の文字を高く評価する傾向があることも明らかにした.
著者
高橋 理喜男 前中 久行
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.24-37, 1977-02-20
被引用文献数
2 3

自然環境の管理保全の目標に適合したレクリエーション利用の適正密度基準を求めるため,奈良公園若草山の自然草地を研究対象として,レクリエーション利用密度と草地植生の群落的形質との生態的関連性を解析した。もっとも利用者の集中する春秋2季のうち,1973年1月初旬の休日2日間をえらび,地上各出入口において,30分単位で入退山者数を記録するとともに,合計6回にわたって,草地における滞留者の分布状態を空中写真によって捉えた。その結果を25mメッシュに切った1/2500の地形図上に,各撮影時刻毎にメッシュ当り利用密度分布図を作成した。利用密度と植生タイプとの関連性を,空間的広がりの中で考察していくためには,利用密度階級によって分けたメッシュ群が,ある程度安定した恒常性をもっていることが条件となる。その点を「平均相対利用密度」を用いて検証を試みた結果,空からの調査回数が少いため若干のフレを伴っているけれども,恒常性の条件をほぼ満たしていると判断された。一方,春と秋の2回にわたって植物社会学的植生調査を実施し,草地の群落的組成を明らかにするとともに,その空間的配分を示す植生図を作成した。さらに利用密度との比較検討ができるように,1つは相観タイプにより,もう1つは群落タイプによって,それぞれメッシュ単位から成る植生図に編成した。相観タイプについては,ススキ優占草地とシバ優雨草地とがメッシュ内に占める被度の割合に応じて,ススキ型,シバ型それぞれ3種類と裸地化型の計7タイプを設定した。また群落タイプの方は,ススキ群落を除外し,ススキ群落からシバ群落への移行帯を特微づけているチカラシバ型と,シバ草地を形成しているネズミノオ型,典型シバ型,ギョウギシバ型の4タイプに分けた。そこで,年間を通じて,入山者の最も多いクラスに属する11月3日の,しかも最高滞留者数を記録した13時の5,512人を基準にして,前述の「平均相対利用密度」階級を具体的な利用密度階級に換算して植生タイプとの比較を試みた。その結果,ha当り20人以下の利用密度にとどめておく限り,ススキ草原としての景観的存続は保証され,400人ぐらいまでなら,ススキ優占がつづく。しかし,500人を境として,シバ型へ転向し,900人を超えると典型的シバ草原が成立する。さらに,1,300人以上になると,激しい踏圧によって裸地化の前駆相ともいえるギョウギシバ型がとって代ることになる。
著者
清水悟 奥田隆史 井手口哲夫 田学軍
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.191-192, 2012-03-06

企業が生き残るためには,組織的知識創造を効率的におこなう必要がある.そのためには,知識創造に適した組織を設計する必要がある.これまで,組織設計を科学的に決定する手法は存在しなかった.そこで,本研究では効率的な組織的知識創造のための組織設計手法を提案することを目的とする. 本研究では,組織構成員をエージェントとして,組織設計をマルチエージェントシステムで表現している.各エージェントは,ソーシャル・キャピタル(紐帯,人脈),消費者価値観分析モデル(4Cs)により表現される. また,4Csを開発したヤング&ルビカム社は,世界各国で消費者分析をおこなったデータを公開しており,本研究でもこれを利用して,日本と世界各国との組織的知識創造の効率性を比較する.
著者
島田 有紀子 森 源治郎 今西 英雄
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.617-623, 1995-12-15
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

1. <I>Ornithogalum arabicum</I>の自然条件下における花芽の発育経過を観察するとともに, 花芽の発育および開花に及ぼす温度の影響について調べた.<BR>2. 花芽形成は9月上旬に始まり, 10月下旬には第1小花が外花被形成期から内花被形成期の般階にまで進み, 12月下旬に雌ずい形成期に達した. その後, 花芽の発育は緩慢となり, 4月中旬に四分子形成期に達し, 5月中旬に開花した.<BR>3. 花芽の発達, 開花には10月下旬以降の低温経過を必要としなかった. 花茎伸長のためには低温が必要で, 花茎の長い切り花を得るためには, 1月下旬頃まで自然低温に遭遇させる必要があった.<BR>4. 5&deg;~13&deg;Cの低温は後作用して開花および花茎伸長を促進し, その効果はりん茎を処理する際の乾湿条件に関係なく認められた. さらに, 9&deg;~13&deg;Cは直接的に作用して雌ずい形成期までの花芽の発育を促した. また, この低温は茎頂が生殖生長に転換した初期段階から有効に作用した.<BR>5. 6月中旬入手のハウス栽培球を用いた場合, 100%の開花率を得るためには, 花芽形成に先立って30&deg;C12週間の高温遭遇が必要であった.

1 0 0 0 OA 例書 20巻

出版者
巻号頁・発行日
vol.[20] (雑之部),