著者
村上 博巳 山岡 憲二 山本 武司 田阪 登紀夫
出版者
同志社大学
雑誌
同志社保健体育 (ISSN:02864118)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.17-36, 2007

卓球競技は、瞬時に多くの情報を入力し、判断を求められる競技である。従って卓球競技において視機能は競技力の優劣を決定する重要な因子の1つである。卓球競技の競技力向上に小学生期からの選手育成は不可欠である。しかしながら競技力に重要な役割をもたらすと思われる視機能の小学生期の特性が明らかにされていない。そこで日本卓球女子ホープスナショナルチームの選手(HNTP群)を対象にスポーツビジョンの測定を実施し、関西学生リーグ所属のトップクラス女子卓球選手(UVP群)と比較し、卓球女子ホープスナショナルチームの選手にどのような視機能の特性がみられるのか検討した。各測定項目を平均値で見ると、HNTP群がUVP群よりOMS, VRT,E/H に有意に劣った値を示した。その他の測定項目(SVA,KVA,DVA,CS,DP)の平均値には有意な差は見られなかったが、SVA,CSを除いて劣った値を示した。HNTP群の視機能の貢献度はKVA動体視力、コントラスト感度、静止視力、深視力が、UVP群は静止視力、深視力、眼と手の協応動作、コントラスト感度が重要な視機能であり差異が認められた。以上の結果から、小学生期の視機能は成熟した機能と未成熟な機能が共有しており、年齢による評価の必要性が認められた。このことは小学生期の視機能は神経系の発達と密接な関係があり、今後、スポーツビジョンの測定は縦断的に追跡していく必要性が示唆された。
著者
小田部 貴子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.45-49, 2011-07-30 (Released:2011-10-25)
参考文献数
18

This study developed and validated a scale that assessed the memory representation of everyday life types of trauma (ELTT). University students (N=275) participated in the survey study. Factor analysis of the data yielded the following three factors: Situationally Accessible Memories, Degree of Verbalization, and Nega-tivity of Verbally Accessible Memories. The internal consistencies of each factor were high. The ELTT scale showed most of the predicted correlation patterns with the Impact of Event Scale and the Posttraumatic Growth Inventory, which supported its validity.

1 0 0 0 OA 義経記

巻号頁・発行日
vol.巻7, 1635
著者
福池 秋水 Akimi Fukuike
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.123-138, 2018-03

本研究は、共通語と首都圏方言のスタイルシフトについて、漫画を題材として観察したものである。首都圏方言とは、首都圏に住む人が使用する方言を指す。本研究では、漫画『海街diary』から一組の男女の会話場面を抜き出し、共通語と首都圏方言とのスタイルシフトを観察した。その結果、首都圏方言のくだけた文体は、話者の心内文や「相手に聞かせるための独り言」に見られ、人間関係の距離が縮まると使用されるようになる一方、意識的に距離を縮める場合にも用いられることが観察された。また、一まとまりの談話でも、話題によって共通語と首都圏方言を行き来するスタイルシフトが見られた。このような言語使用は、作者がその登場人物の状況や人物設定、ストーリー展開にふさわしいと考えて創作したものであり、現実の話し言葉と完全に一致するものではないが、首都圏方言の実態をある程度反映したものであると考えられる。

1 0 0 0 IR かわら版4号

出版者
別府大学附属図書館
雑誌
ARGONAUTES
巻号頁・発行日
no.4, 2009-11

巻頭言 1ワロンルームOPEN 1オープンキャンパス 2選書ツアー 3紀要について 4レポート・論文講座 4レフェラルサービス 4編集後記 4
著者
縫田 清二
出版者
横浜国立大学
雑誌
エコノミア (ISSN:00129712)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.115-132, 1958-01
著者
SeongJin YUN Seonmi KANG Kangmoon SEO
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.17-0114, (Released:2018-05-04)
被引用文献数
1

A 5-year-old castrated male poodle presented with blindness. Ophthalmic examinations including slit-lamp biomicroscopy, tonometry, ultrasonography, and electroretinography, were performed. The anterior lens capsule of the right eye (OD) was totally pigmented, with persistent pupillary membranes (PPMs). Ultrasonography of the same eye showed severe lens atrophy and retinal detachment. Electroretinography revealed flat a- and b-waves in OD, but normal amplitudes in the left eye (OS). No ocular defects were detected in OS except mature cataract. In this case, it was determined that hypermature cataract with PPMs, caused both lens-induced-uveitis and total anterior lens capsule pigmentation. This condition needs to be differentiated from absent pupil. Notably, PPMs with total anterior lens capsular pigmentation are extremely rare in dogs.
著者
西垣内 泰介
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究委員会
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.151-169, 2018-03-05

本論文ではSells (LI 18, 1987) のいわゆる「主観表現」に関わる分析に関連し、Nishigauchi (JEAL 23, 2014) による「視点投射」(POV-projections) を含む統語構造の観点からの分析を提示する。本論文の分析では下位の視点投射が上位の視点投射の位置へ主要部移動し、それによって下位の視点投射の「一致」領域が広がることによって捉えられる言語現象を示す。さらに、「理由」「原因」という従来「非飽和名詞」と呼ばれているものを含む構文の中で見られる「視点」現象を考察し、「理由」「原因」などを「関係を表す名詞」と考えることで、まったく次元の異なる分析の展望が開けることを示す。

1 0 0 0 OA 船山遺書

著者
清王夫之撰
出版者
曾氏金陵刊
巻号頁・発行日
vol.第24册, 1865
出版者
熊本県水産研究センター
雑誌
熊本県水産研究センター研究報告 (ISSN:09181210)
巻号頁・発行日
no.8, pp.89-99, 2008-12

アサリは、かつて熊本県の総漁獲量の40〜50%、総漁獲金額の20〜30%を占め、熊本県の水産業において最も重要な魚種であった。最盛期を知る年配の漁業者にその状況について聞くと、「アサリが3層になって生息していた」、「2時間も操業すれば船1杯のアサリが獲れたので、寝て潮が満ちてくるのを待っていた」、「1日に2回ある干潮時に、それぞれ船1杯、合計2杯のアサリを獲っていた」といったような今では信じられない回答が返ってくる。しかし、そのように豊かだったアサリ資源も、急激に減少し、ほとんど獲れない状況にまで至った。幸いなことに、一時の枯渇状態を脱し、増加傾向を示すようになってきたが、まだまだ最盛期と比較すると非常に少ない状況である。本報告では、全国的にアサリ資源の減少が認められる中、増加傾向を示し始めた熊本県のアサリ漁業の現状について報告すると共に、その課題について検討する。