著者
俵 浩三
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.73-83, 1987-11-15
被引用文献数
2

函館公園の成立史については、既に二、三の先学による論考があるが、まだ十分に解明されていない点も多い。ここでは主として開拓史関係文書を使用し、明治7年に函館公園が開設された直接的な動機、および明治11〜12年に函館公園が大整備された時の諸事情を、社会的背景を含めて明らかにし、函館公園の成立が、当時の日本の公園の歴史の中で、特異な地位を占めるものであったことを明らかにした。
著者
宮本 和英 砂川 真弓 齋藤 一樹
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.393-402, 2017-06-05 (Released:2017-07-12)
参考文献数
44

生体内のユビキチン化反応は,不要なタンパク質の分解,DNA修復,シグナル伝達など多くの機能を担っている.そのユビキチン化反応を構成しているE2(ユビキチン結合酵素)は,白血病,乳がん,大腸がん等,様々ながん疾患と深く関与していることが知られている.将来的に,E2活性を高感度・定量的に捉えることができれば,E2をバイオマーカとして活用できるはずである.これまでに著者らは,簡便にE2活性を検出するために,人工的なユビキチンリガーゼ(ARF)を分子設計・作製し,そのARFを活用する新しい検出システムを独自に研究してきた.ARFは,ユビキチン化反応に含まれるE3(ユビキチンリガーゼ)の活性部位(α-ヘリックス領域)を50残基程度のペプチドに移植して作製されるキメラ分子である.E3の活性部位のみを持つARFは,元のE3の分子サイズに比べ極めて小さくなっている.この分子設計法をα-ヘリックス領域置換法と名付けた.ARFは特異的なE2結合能を有し,また,それ自身が基質となってユビキチン化される機能を有する.したがって,ARFを用いることで,基質の同定を必要とせずに,E2活性を簡便に検出できる.本稿では,このARFの分子設計法,及びその立体構造,機能的な特徴について概説する.また,実践例として,抗がん剤ボルテゾミブを作用させたヒト急性前骨髄性白血病(NB4)において,ARFの検出システムを活用するE2活性の検出法についても紹介する.
著者
荷田春満
出版者
巻号頁・発行日
vol.[2],
著者
廣瀬 肇
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.121-128, 2001-04-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
53
被引用文献数
1 1

中枢神経疾患の臨床症状として構音・プロソディの障害とともに音声障害の存在が注目されている.わが国において, これらの障害は一括して運動障害性構音障害と呼ばれることが多い.ここでは各種の疾患における音声症状について最近の報告を中心に概説した.
著者
島 正子
出版者
一般社団法人 日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.77-85, 2014-12-01 (Released:2014-12-15)
参考文献数
23
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 庶物類纂

著者
稲生宣義
出版者
巻号頁・発行日
vol.[27],
著者
前川 亮 成山 雄也 朝倉 暢彦 乾 敏郎
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.20, 2017 (Released:2017-10-16)

他者感情の推定時に自分の中に相手と同じ感情を生じ、感情を共有することで行う感情推定を共感的な感情理解という。この共感感情の生起を、ミラーニューロンの働きによって生じる身体状態の模倣によって説明する試みがなされているが、まだ十分な証拠は得られていない。本研究では特に共感性の個人差に着目し、共感性の高低が模倣的な身体状態の変化に及ぼす影響を検討した。実験参加者は感情推定課題を行い、その際の表情筋活動・心拍・発汗・皮膚温を記録した。さらに質問紙によって共感性を評価し、身体状態の変化と比較した。その結果、共感性の高い群では模倣的な身体状態の変化がほとんど見られなかったのに対し、共感性の低い群では感情推定値と身体状態の間に相関関係がみられた。この結果は、ミラーニューロンの働きが社会的文脈によって抑制されるという知見と一貫しており、共感性の高い参加者はより抑制制御に優れていると考えられる。
著者
山崎 重人
出版者
公益社団法人 広島県理学療法士会
雑誌
理学療法の臨床と研究 (ISSN:1880070X)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.25-30, 2016

2006 年診療報酬改定にて、運動器疾患のリハビリテーション期間が150日を限度とされてはや9年が経過する。理学療法の実施は、自然経過あるいは理学療法士以外の職種が実施した治療と比較して、優位性があるかというエビデンス構築に関する進歩が乏しいように感じている。 手術の技術進歩は実感できるが、理学療法の技術進歩は実感できるか。理学療法が疼痛や拘縮の改善に貢献していることは間違いないが、凍結肩に至るなど反応に温度差があるのも事実である。確かな情報収集力と技術に裏打ちされた「治す」ことへの拘りを専門職として持ち、一症例に丁寧に取り組み、結果を出し続けることが必要であると感じる。その認識と、職種存続のための覚悟を持ち合わせているか。理学療法のかたちは『結果』である。確実に結果を提供しなければならない。
著者
古田 隆久 加藤 元嗣 伊藤 透 稲葉 知己 小村 伸朗 潟沼 朗生 清水 誠治 日山 亨 松田 浩二 安田 一朗 五十嵐 良典 大原 弘隆 鈴木 武志 鶴田 修 吉田 智治 芳野 純治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.1466-1491, 2016 (Released:2016-09-20)
被引用文献数
2

2008年(平成20年)より2012年(平成24年)の5年間における消化器関連の偶発症数は,総検査数17,087,111件に対して12,548件(0.073%)であった.観察のみの偶発症の発生率の0.014%に対し,治療的な内視鏡検査での偶発症発生率は0.67%と約50倍高かった.死亡事案は220件あり,特に70歳以上の高齢者での死亡が164件と全体の3/4をしめた.