著者
石川 勝博 イシカワ マサヒロ Masahiro ISHIKAWA
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 = Educational Studies
巻号頁・発行日
vol.50, pp.11-20, 2008-03-31

本稿の目的は,大学生のケータイ・メールによるコミュニケーションでの相手との親密度(親しい友人,それほど親しくない友人,メル友)と自己開示との関連を探索的に明らかにすることであった,その検討のために,茨城県と埼玉県の大学生548名を対象とした調査を2004年1月と2月に実施した.そのうち,542名が分析対象者となり,「メル友がいる」回答した者は106名であった.彼らについて,親しい友人,それほど親しくない友人,メル友それぞれに対する自己開示的なコミュニケーションを一元配置分散分析によって,探索的に明らかした.今回の調査は,基礎的なものと位置づけられ,今後も検討を進めることが必要である.This paper investigates the relationship between intimacy of acquaintaces (close friends, friends who were not so close, and e-mail friends) and self-disclosure in mobile e-mail communication by university students. A survey was conducted in order to investigate the RQs through a written questionnaire during January and February 2004. The subjects were 548 Japanese university students from Ibaraki and Saitama prefecture. The total of valid responses was 542. 106 respondents answered that they have friends that they contact through e-mail. Analysis of variance was utilized for analyzing the data. Further investigation is necessary as the findings in this study are from a preliminary survey.
著者
村田 真一
出版者
The Japanese Association for Russian and East European Studies
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13486497)
巻号頁・発行日
no.38, pp.47-59, 2009

Russian society has been drastically changing for the past ten years, especially because of the terrible financial crisis that has struck the worlds' economy in 2009. Due to this process of change, it is very difficult to provide a graphic illustration of today's Russian literature and proffer a treatise on its future. It is nonetheless important and necessary to give a detailed analysis of the current state of Russian literature in order to investigate the direction in which the profound changes occurring in Russia and in Russian art are headed.<br> This paper is aimed at analyzing the novels of the most important Russian writers from the 1990s to the present day and examining how they are perceived by the public of readers in Russia. Many of these novels have yet to be translated into Japanese and are not widely known.<br> In the post-Communist era, a select number of Russian writers began to publish a myriad of works under the banner of "here and now". These works were written using many expressions taken from everyday slang without any direct reference to classical literature. Rather, the writers aimed at representing what they saw "in front of their eyes" and depicted themselves in the micro-cosmos of their own literature.<br> Readers can access all of these works on the Internet. Literature has greatly changed from what we knew it to be a decade ago. Even the Internet has become a great library that anyone can approarch. For example, until the 1990s, writers would argue what the revolution meant for Russia, and politics were often discussed in their works. Nowadays, issues like these are not considered as important in contemporary literature.<br> It is possible to consider "post-realism" as the most appropriate definition of Russian literature from the 1990s hitherto. This concept has been proposed by N. Lejderman and M. Lipovitsky, who worked to combine realism and post-modernism.<br> In terms of analyzing the style of contemporary Russian writers, we can regard V. Erofeev and O. Slavnikova as the representatives of the 1990s and the 2000s. The text of "Overshoes" and "Encyclopedia of Russian Soul" by V. Erofeev, "2017" and "Love in the seventh Coach" by O. Slavnikova show that the same writers can compose in different styles. "Magic-realism", observed in their novels, is also a characteristic of Russian literature which derives from the 1990s.<br> In addition to popular B. Akunin, L. Petrushevskaya, L. Ulitskaya and aforementioned authors, the most important Russian writers today must be D. Rubina, A. Gelasimov, V. P'etsukh, Z. Prilepin, and also M. Shishkin, E. Limonov as the writers of "diaspora".<br> Traditionally, Russian literature has always tried to blaspheme authority, drawing largely on poetry and metaphors to slander establishment. Does today's Russian literature dare to do this? Does censorship still exist in Russia? These are the questions for us to answer.<br>

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著者
不著撰人
出版者
[臺灣商務印書館]
巻号頁・発行日
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著者
並河 洋
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.57-62, 2006

相模湾産ヒドロ虫類については,東京大学に在籍していた稲葉昌丸が1890〜1892年に三崎で研究を行ったのが始まりである.その後,相模湾産ヒドロ虫類についての研究は,ドイツ人研究者E.Stechowに受け継がれた.彼は,F.Dofleinが1904年に相模湾で精力的に採集しドイツに持ち帰った数多くのヒドロ虫類標本について研究したのである.さらに昭和天皇は,相模湾産のヒドロ虫類について1929年から約60年にわたってライフワークとしてご研究を続けられた.この約110年におよぶ相模湾産ヒドロ虫類についての研究史についてはHirohito,his Majesty the Emperor Showa (1988)や山田(1996)により概観されている.これらの研究の結果,相模湾からは無鞘類67種,有鞘類184種のヒドロ虫類が報告された(Hirohito, 1988, 1995).久保田(1998)によると日本から無鞘類141種,有鞘類276種,計417種がこれまでに記録されている.つまり,相模湾から日本産ヒドロ虫類の約60%にあたる種が報告されていることになる.このことは,相模湾がヒドロ虫類相の豊かな海域であることを示すものであると考えられる.本調査研究は,21世紀初頭の相模湾のヒドロ虫類相を把握することを目的として,国立科学博物館の調査研究プロジェクト「相模灘およびその沿岸地域における動植物相の経時的比較に基づく環境変遷の解明」の一環として2001年から2004年にかけて実施された.そのために,本研究では,過去に重点的に調査された相模湾東部海域を中心として,相模灘までの広範囲な海域に調査範囲を拡大し,ドレッヂ調査による標本収集を試みた.しかし,一方で,人工漁礁の造成による人為的な海底環境の変化や多数の商業船の往来する航路の存在等により,過去に重点的にドレッヂ調査がなされた海域において調査が十分に行えなかった.また,今回得られた標本については,類別形質として最も重要である生殖体がみられないものが多数あった.このうち一部の無鞘類については,生体標本として実験室に持ち帰り,生殖体を形成させるために飼育を行うことで類別形質を得ることができた.しかし,多くの種については十分な同定ができず,結果として同定された種は無鞘類6種,有鞘類13種の29種にとどまった.これらのうち14種が属までの同定でしかない.このことから,現時点では過去の調査のデータと比較し,相模湾のヒドロ虫類相について十分な議論をすることはできなかった.しかしながら,今回の調査では,1新記録種Merona cornucopiaeを得ることができ,また,Hydractinia cryptogoniaの標本を70年ぶりに採集することができ,相模湾のヒドロ虫類相についての新たな知見を加えることができた.このことから,今後も相模湾とその周辺海域において生物相調査を継続することにより,特に類別形質を持つ多くの標本を収集することにより,さらに新知見を得ることが期待される.
著者
喜多 了祐
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.366-374, 1958-10-01

論文タイプ||書評
出版者
勢英舍出版部
巻号頁・発行日
1904
著者
タハ ハイデ メイエア アラン 高 偉俊 尾島俊雄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.529, pp.69-76, 2000
被引用文献数
1 7

This paper presents results from energy, meteorological, and photochemical (air quality) modeling for the Los Angeles Basin, one of the largest and smoggiest urban regions in the U.S. and the world. Our simulations suggest that by mitigating urban heat islands, savings of 5 to 10% in peak utility load may be possible. In addition, heat island mitigation can reduce smog formation by 10-20% in summer, which is as effective as controlling emissions from all mobile sources in the region. For a typical late-August episode, our simulations suggest that implementing cool cities in the Los Angeles Basin would have a net effect of reducing ozone concentrations. Peak concentrations at 3 pm decrease by up to 7% (from 220 down to 205 ppb) while the total ozone mass in the mixed layer decreases by up to 640 metric tons (a decrease of 4.7%). Largest reductions in concentrations at 3 pm are on the order of 50 ppb whereas the largest increases are on the order of 20 ppb. With respect to the National Ambient Air Quality Standard, domain-wide population-weighted exceedance exposure to ozone decreases by up to 20% during peak afternoon hours and by up to 10% during the daytime.
著者
成澤 修一 峯松 信明 広瀬 啓吉 藤崎 博也
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.2155-2168, 2002-07-15

藤崎らによる音声の基本周波数パターン($F_0$ パターン)生成過程のモデルは,少数のパラメータから実測の $F_0$ パターンにきわめて近いパターンを生成しうることが知られており,音声合成に広く用いられている.一方,実測の $F_0$ パターンからモデルのパラメータを抽出することは解析的には解けない逆問題であり,初期値を与え逐次近似を行う必要がある.この場合,高精度のパラメータを迅速に抽出するには適切な初期値の設定が不可欠であるが,従来はこれを人手によって行っていたため,大量の音声資料の自動的処理は困難であった.本論文では,実測の $F_0$ パターンからパラメータの初期値を自動的に決定し,さらにそれに基づいて高精度のパラメータ抽出を自動的に行う手法を提案する.この手法は,実測された $F_0$ パターンをいたるところで連続かつ微分可能な曲線によって近似するための処理,得られた曲線からアクセント指令とフレーズ指令のパラメータの初期値を決定するための処理,さらにそれらの初期値をもとに逐次近似によりパラメータの最適値を求める処理,の3段階の処理からなる.共通日本語の男性・女性話者各1名の朗読音声を対象とした実験の結果,男性の朗読音声について,以前に提案された手法では,パラメータ抽出の性能として,指令の再現率78%,精度67%であるのに対し,提案手法によればそれぞれ82%,80%であった.また,女性の朗読音声については,従来手法では再現率60%,精度51%であるのに対し,提案手法ではそれぞれ83%,72%であった.この結果から,本手法の有効性が実証された.
著者
岡部 敏弘 斎藤 幸司
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.30-34, 1997-01-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

1 0 0 0 OA 皇国必勝論

著者
蘇峯徳富猪一郎 著
出版者
明治書院
巻号頁・発行日
1944

1 0 0 0 OA 家庭小訓

著者
徳富蘇峰 著
出版者
民友社
巻号頁・発行日
1924

1 0 0 0 OA 中庸の道

著者
蘇峰徳富猪一郎 著
出版者
民友社
巻号頁・発行日
1928
著者
金崎 良三 徳永 幹雄 多々納 秀雄
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.205-215, 1987-03-28

ゲートボールの実施者および実施者のいる家族を調査することによって, ゲートボールをめぐる問題についてアプローチしてきたた。以下は, 研究結果の要約である。1. ルールの違いにより困ったという経験をもつ者は, 3割強とかなりみられ, 性別では男子, 経験年数別では年数の良い者, 地位・役割別では監督経験者, 審判有資格者に多い。したがって, 仮説(1)「ゲートボールの統括団体の乱立やルールの違いによる混乱がある」はある程度検証された。2. ルールや団体・組繊のあり方については, 全国統一ルールや全国組織としてまとまった方がよいとする意見が多い。この傾向は, 男子, 経験年数の良い者, 監督経験者, 審判有資格者に強い。3. 大会のあり方については, 全国大会を望む者が多いとはいえ全体的には多様な意見がみられた。したがって, 仮説(2)「ゲートボールの実施方法が勝敗を重視するようになり競技志向化してきた」は, 一部にはその傾向が認められるものの今回のデータからは検証されたとはいい難い。なお, 全国大会を望む者は, 男子は農村部, 経験年数の良い者, 監督経験者, 審判有資格者, 女子は監督経験者, 審判有資格者に多くみられた。4. 練習に対する不満, 対人関係や選手の選出で嫌になったことの経験, 審判やクラブ, リーダーに対する不満に関しては, ほとんどないという者が多い。しかし, それほど深刻というほど現実化しているとはいえないが, 嫌になった経験や不満を感じたことのある者が2割から最高4割近くみられ, クロス分析では男女経験年数の良い者と女子の審判有資格者に多かった。また, ゲートボールをやめたいと思ったことのある者は, 非常に少なかった。なお, 嫌になった経験や不満の内容, やめたいと思ったことの理由が具体的に明らかになったが, なかでも対人関係に関することが大きなウェイトを占めていることがわかった。5. ゲートボール継続のための条件としては, 健康であることと仲間との調和・親睦をはかることの2つが圧倒的に多かった。6. ゲートボール実施者のいる家族の調査から, 第1に大部分の家庭は実施者がゲートボールをしやすいように気を配り, 協力していること, 第2にゲートボールを実施するにあたり仕事がときどきおろそかになると評価される者が34%に達すること, 第3にゲートボール中心の生活を送っていると評価される者が2割を越えていること, 第4に家族の誰かがゲートボールを始めることによって迷惑に思ったり困ったりした経験があるという者が2割強いること, などが明らかになった。特に, ゲートボール実施による仕事への影響, 実施者の生活, 家庭への迷惑などについての調査結果から, 仮説(3)「家庭での役割遂行をめぐって問題がある」は, 検証された。7. 家族が指摘するゲートボール実施上の問題としては, 実施者の仕事や家庭での役割の問題に関係したものが多くみられた。最後に, 本調査研究において明らかになった傾向が, ゲートボール特有のものかどうかは他のスポーツの場合と比較しなければわからないが, 少なくともゲートボールをめぐる問題として従来指摘されてきたことのいくつかが実証的に示されたと思う。また, 自由記述式の調査によって多くの具体的で詳細な問題点が浮上してきた。これらの点についても, さらに仮説を構成し, 検証を加えていく必要があろう。この点は, 今後の課題としたい。