著者
佐世保市 編
出版者
佐世保市
巻号頁・発行日
vol.大正14年度 (大正15年刊行), 1926
著者
菅間 博 岡本 高宏
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.65-65, 2016 (Released:2016-07-28)

甲状腺癌取扱い規約の初版の序によれば,1966年にUICC(国際対癌連合)のConference on Thyroid Cancerが契機となり甲状腺外科検討会が発足し,その後UICCのTNM分類ではあきたらず,もっと詳しい臨床所見の記載と病理組織学的な分類の統一を図ることが必要となり,「甲状腺癌取扱い規約」を作ることになったとある。1977年に初版が発刊されて以来,甲状腺外科検討会の発展と共に改訂が繰返され,2015年10月に甲状腺外科学会に移行してからは初めて,第7改訂版が発刊された。甲状腺癌取扱い規約は甲状腺癌の臨床記録事項と病理組織学的分類からなる。臨床記録事項は,手術前ならびに手術時の所見を記録する事項を標準化統一し,甲状腺癌の進行度を評価する病期(Stage)を定めるものである。また,2011年から開始されたNational Clinical Database(NCD)による全国登録の前提となる。今回の改訂では,UICC第7版(2009年)のTNM分類に準拠しつつ,これまでの取扱い規約の歴史を踏まえて妥当と思われる変更点が追加されている。甲状腺腫瘍の病理組織学的分類の世界標準はWHO分類で,2004年に第3版が刊行されてから10年以上が経過している。2005年の第6版甲状腺癌取扱い規約で,第3版のWHO分類に準拠して改訂がなされたが,乳頭癌の特殊型や低分化癌に関しては整合性が十分にとれていなかった。今回,これらの点が追加改訂されるとともに,より精確な甲状腺腫瘍の組織診断に資するように本文と図が大幅に刷新されている。さらに細胞診報告様式が,2007年の「米国国立癌研究所甲状腺穿刺吸引細胞診断学術会議」によりまとめられたべセスダシステムに沿って改訂されている。特集1では,甲状腺癌取扱い規約委員会委員長の岡本から第7版の甲状腺癌取扱い規約の臨床記録事項の変更点について,同規約病理委員会の各委員から病理組織学的分類について解説する。甲状腺癌取扱い規約が日本国内の医療施設において的確に運用され,わが国における甲状腺腫瘍診療の質向上に資するために,本稿が会員諸氏の理解の一助となれば幸いである。
著者
岡本 幹彦 松永 英一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア = The journal of the Institute of Image Information and Television Engineers (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.913-919, 2012-11-01
参考文献数
5

視聴者の皆さんにテレビ放送を快適にご覧いただくために,国際標準化されたラウドネス測定法を用いて番組の音の大きさ(ラウドネス)を管理する"ラウドネス運用規定"を,国内のテレビ放送に導入する.本稿では,国内ラウドネス運用規定策定に至った経緯とその仕組み,NHKと民放連における取組みと運用ルールについて紹介する.
著者
喜多 悦子 江藤 節代 本田 多美枝 上村 朋子 青山 温子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

「人間の安全保障」は、個々の人間は暴力/紛争と、適切な保健サービスの利用・就学・就業・移動など、身近な欠乏から護られるべきとする概念だが、世界人権宣言など、古くから理念の集約とする意見もある。しかし、本理念が新たに必要になったのは、近年、多発する地域武力紛争(Complex Humanitarian Emergency、CHE)や国際武力介入、併発するテロ、巨大自然災害・新たな感染症、格差や貧困など、現在の地球上の人間の安全を脅かすものは、これまでの「国家安全保障」の範疇にはなく、改めて個々人の安全が問われているからといえる。一方、世界で最大多数を占める保健医療者として、人々の安全における看護者の役割は明確でない。本研究では、わが国の看護教育をふくめ、類似の概念があったかどうかを検討し、近隣諸国における看護およびその教育での扱いを調査してきた。これまで、わが国および近隣諸国の保健医療面、特に看護者に「人間の安全保障」の概念があるかどうかを調査したが、明確な認識があるとの確証は得られなかった。アジア随一のドーナーでもあるわが国には、160を超える看護大学と数百看護専門学校があり、看護職養成施設数は充足している感があり、また、その多くで国際保健/看護を扱っているが、国内的にも国際的にも、「人間の安全保障」の概念が取り入れられているとは云い難い。近隣諸国の看護職は、なお、その社会的地位の確立がなされていない上、教育においても、技術的に終始していることが多く、理念、ことに「人間の安全保障」の概念すら明確に理解されていない。国際看護師協会(International Council of Nurses,ICN)の謳う看護者の役割とも矛盾しない保健面における「人間の安全保障」の実践に看護職者の関与が期待されることを、研究報告書としてまとめた。
著者
戸丸国三郎 著
出版者
赤城神社々務所
巻号頁・発行日
1911
著者
松本 勇
出版者
長崎県立大学
雑誌
長崎県立大学論集 (ISSN:09188533)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.111-186, 2007-12
被引用文献数
1

国内航空輸送の参入規制及び運賃規制に対する規制緩和はまず参入規制について昭和45年(1970)からのいわゆる「45・47体制」が昭和61年(1986)に廃止されたのを手始めに,高需要路線の「ダブル・トリプルトラッキング化基準」の緩和,平成9年(1997)の同基準の廃止により弾力的な路線設定が可能となるなど段階的に進められた。平成10年(1998)の需給調整規制の廃止に向けた「運輸政策審議会交通部会」の答申により平成11年(1999)6月航空法の一部改正法の成立を見て,平成12年(2000)2月需給調整規制の廃止により市場原理と自己責任の原則により事業経営を行うこととなった。運賃規制についても認可制から平成2年(1990)の標準原価の導入,平成7年(1995)5月の「営業政策的割引運賃設定の弾力化」,平成8年(1996)の「幅運賃制度」の実施を経て平成12年(2000)2月には需給調整規制の廃止に併せてすべての運賃が認可制から事前届出制へと移行した。離島航空路線など市場原理のみでは日常生活に不可欠な航空輸送サービスを確保出来ない分野については,平成10年(1998)の同答申でも生活路線の維持方策の確立を確認し,その必要性とコストとを勘案した上で,一定の範囲内でその確保に配慮することが必要との考え方を示している。需給調整規制の廃止による航空会社間の競争の激化は航空会社内の内部補助の幅を狭め,航空会社の市場からの撤退を招く。しかし離島航空路線はナショナルミニマムの観点から,たとえ不採算であっても生活路線についてはその維持を図る必要がある。このための補助政策としては従来から航空機購入補助,空港使用料軽減,固定資産税の軽減などが実施されて来た。これらの補助の他に平成11年(1999)新たに運航費補助が追加された。しかし離島航路で実施されているような財政的にも安定した補助政策である「離島空路整備法」の制定は未だなされていない。またその支援については支援制度の設計は国が行うが,具体的な対象路線の選定や維持などは地方公共団体が主体的に行うことを求められている。航空輸送の特性は高速性にその利便性があり,長距離輸送にその優位性を発揮出来る。しかし「航空ネットワーク機能」もまたそれらと同様重要である。離島航空路線は比較的短距離なものが多く,その輸送特性が必ずしも十分に発揮出来ないだけではなく,近年代替交通機関である船舶の高速化が飛躍的に向上している。一方離島は人口の減少,経済の低迷などを背景に旅客需要の減少を招いている。需給調整規制の廃止は不採算路線の集中する離島航空路線を直撃し減便,休廃止,内部補助の期待できないより小規模な航空会社への移管,航空機の小型化などを招いている。このような離島航空路線の環境変化を背景として長崎県にある離島航空路線でも減便,休廃止,航空会社の移管,航空機の小型化が進んでいる。特に9人乗りのアイランダーなど小型機で運航されていた上五島空港と小値賀空港は平成18年(2006)4月の路線の全面廃止と共に空港ターミナルビルは解散し,空港そのものの「廃港」を余儀なくされる状況にある。新上五島町と小値賀町は両町主導のもとで2年間の猶予期間のうちに空港の機能を何とか維持し,廃港を避ける方策を現在模索している。本稿では上五島空港および小値賀空港を中心に長崎県における5つの離島空港とそれぞれの路線の沿革と現況を高速船との競合という視点からまず分析する。高速船との競合は壱岐空港,福江空港でも見られる。たとえ船舶の高速化によって離島住民の利便性は改善されているとはいえ,離島住民の移動手段は船舶と航空機のみである。特に離島の地域振興は観光に支えられる部分が大きい。航空のネットワーク機能はこの点でも重要である。次に上五島・小値賀空港の廃港問題と県及び関係市町村の路線維持に対する対応を長崎県の翼であるオリエンタルエアブリッジ(旧長崎航空)の沿革と会社がかかえる問題点を詳細に振り返えると共に,その将来を展望することにより人口減少,高齢化,経済の疲弊,競争の激化という離島がおかれている非常に困難な社会経済情勢の中で今後どのような方策をとれば離島の航空路線を維持していけるのかについて,ナショナルミニマムと地域活性化という視点から考える。
著者
小池 仁治
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, 1995-05-31
著者
清水 信善 田村 今男
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.2375-2390, 1975-08-01 (Released:2010-10-12)
参考文献数
13
被引用文献数
4

In this investigation, the pearlitic transformation behaviour of steel with the cooling rate discontinuously altered during continious cooling was studied in relation to the CCT diagram of the steel. The main results are as follows:(1) The pea litic transformation behaviour with the cooling rate discontinuously altered during continuous cooling was diffe-ent from the transformation behaviour illustrated by usual CCT diagram.(2) The pearlitic transformation behaviour and the critical cooling rate with the cooling rate altered at a point during continuous cooling were observed to be related to the incubation period consumed before changing the cooling rate.(3) Including the degree of consumed incubation period in usual CCT diagram as a parameter, the transformation behaviour and the critical cooling rate can be estimated from a conventional CCT diagram.(4) If the same amount of the incubation period was consumed by either continuous cooling or isothermal holding, the transformation behaviour was virtually the same in subsequent cooling when the cooling started from the same temperature.
著者
大西 道一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.147-152, 2004

日没時太陽は上下にひしゃげた疑似楕円形になる。太陽からの光線は水平線に近づくほど上方に大きく曲がる。これを大気差というが、その数値はラドー、ベッセルなどにより研究されている。本論文ではラドーの大気差の実験式を使用して水平線近くの太陽の形状を作図する大気差曲線線図を開発し、この線図を使用して太陽が水平線に没するまでの形状の変化を追跡した。<BR>また日没時、大気の異常によりダルマ型、Ω型などの変形太陽が出現する。このときの大気差曲線がどうなっているかを、変形太陽から大気差曲線を逆に求める方法を開発した。これにより変形太陽の経時変化を追跡でき、よく出現する形状をシミュレートすることができた。<BR>古来北欧の伝説にもなっているグリーン・フラッシュの現象もこの大気差曲線線図で解明することができた。1992年、バード隊が南極観測基地リトル・アメリカでグリーン・フラッシュを35分間観測したという記録があるがこれを図学的に解明した。<BR>この研究のために日没時の連続写真を撮影した。狭い瀬戸内海で対岸の山脈に邪魔されなく太陽が完全に水平線に水没するという写真が得られた。常識で考えられないこの理由を天文航法で用いる視地平距離と視達距離の考え方を瀬戸内海周辺の地形図に適用して図学的に解明した。
著者
青木 淳一
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学環境科学研究センター紀要 (ISSN:0286584X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.141-145, 1998

A soil zoological investigation was done under the Legacy Project of USA and 82 species of oribatid mites were collected from forest soils in the US Marine Corps located northeastern part of Okinawa Island. They contain one species new to Japan, Arborichthonius styosetosus Norton, and 28 species new to Okinawa Prefecture.
著者
初貝 安弘 笠 真生 丸山 勲
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

現代物理学においては「対称性の破れ」とそれを記述する「秩序変数」の概念が基本的であると考えられてきた。主たる現代物理学の目的の一つはこれらを用いた物理的な「相」の分類、理解であったと言えよう。特にその相の質的変化としての「相転移」においては臨界点における局所的ゆらぎ時空間的な発散的振る舞いの正確な記述のために局所的場の理論を用いた繰り込み群ならびにその再帰的階層的概念が極めて有効であり、Landau-Ginzberg-Wilsonによる一つの認識論的パラダイムが構築されるに至った。一方近年の研究の進展により、量子効果が古典論に対する摂動であるにとどまらず、新たな物質相としての「量子相」が広く存在することが認知されるに至った。物性論に例をとれば種々の量子ホール相、強相関電子群におけるスピン液体相、近藤格子系等における量子液体相、整数スピン鎖におけるHaldane相等がその典型例となる。これらは、如何なる対称性の破れを伴わず、古典的秩序変数によっては特徴づけることのできない古典的対応物の存在しない真に量子的な新物質相である。これらの相は「量子液体相」と近年総称され多くの興味をあつめている。これらの新奇な「量子相」「量子液体相」の存在とその重大な意義の認識は上述の古典的パラダイムからのパラダイムシフトの必要性を強く示唆し、あらたな自然法則の理解、発見を要求する。その要求に応えるべく提案されたのが、「トポロジカル秩序」「量子秩序」の概念であり、共同研究者とともに、私もその概念形成を行ってきたものである。このトポロジカル秩序の概念はLGWを越えた新しいパラダイムを目指すものではあるがその正確な定義は現在、まだその建築途上にあるといえる。以上を歴史的背景として本研究において私は量子系の特徴である「幾何学的位相」を用いたベリー接続を直接の手段とし、ベリー位相、チャーン数等により多体の電子論、物性論におけるトポロジカルな秩序変数を構成する理論的提案を行い、それに基づく大規模数値計算機による具体的な数値計算により、シングレット液体相の分類、グラフェンでの量子ホール相の確定等に成功した。また一般化されたVBS状態等におけるエンタングルメントエントロピーを具体的に計算することによりその量子液体相における意義をまた明確にした。
著者
井上 久夫
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.16, pp.23-32, 1979-06-30

端脚目,ヒメハマトビムシOrchestia platensis KROYERの胸部第7節背面に見られる斑紋が,4種の基本的斑紋型に分類された。斑紋の安定性を調べるため,長期間にわたって飼育観察が行われた結果,第一斑紋型は一貫して安定性を保つこと,また他の3種の斑紋型は,ときに相互移行をすることが明らかにされた。さらに,種内構造の分析の一端として,4種の斑紋型について第2触角の基部末端節と鞭状部の長さが測定され,両者の相対関係が各斑紋型の間で比較された。その結果,雌雄共に第1斑紋型と他の3種の斑紋型の間には,第2触角の相対成長に関しても明らかに相違が見られた。しかし,後者すなわち他の3種の斑紋型の間でははっきりした違いを見い出すことができなかった。これらの結果は,曰本の海浜に生息するヒメハマトビムシ個休群は,少なくとも二つの異なる形態型からなっていることを示唆するものと思われる。