著者
石戸谷 晃二
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.633-636, 2013-06-01

王子製紙(株)米子工場では,省エネ目標『総エネルギー使用量の1.5%削減』に向けて工場全体で省エネに取り組んでいる。しかし,新規案件や大きな省エネ効果を生む案件を発掘することが,年々厳しい状況となってきている。その中で工場ではテーマを絞り込んで,エネルギー使用量の削減を継続している。<BR>本稿では,工場で実施した以下の省エネ事例を紹介する。<BR>1)過剰能力設備の省エネ<BR>2)発電設備運用見直しによる省エネ<BR>3)無負荷時の駆動電力の省エネ<BR>4)生産に寄与しない電力の省エネ<BR>取り組みは,設備費が高額となる機器交換やインバーター化は採用せず,安価に短期間で施工可能なアジテータのプーリー小径化,ポンプのランナーカットを実施。また,既存設備の信号を活用したシーケンス改造を積極的に実施したことで,大きな省エネ効果を発現した。<BR>今後も設備が必要で運転が当たり前といった既設概念にとらわれずに,案件を掘り起こしていきたい。

1 0 0 0 OA 内科学会NEWS

出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.News6-News6, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
著者
津田 知春 高橋 登
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.95-106, 2014 (Released:2016-03-20)
参考文献数
42

日本語を母語とする日本人中学生の英語の音韻意識と英語語彙,スペルの知識との関係が実験的に調べられた。スペルの知識は,オンセット・ライムが実在の単語と共通の偽単語を聴覚呈示し,それを書き取らせた。また,音韻意識はStahl & Murray(1994)を参考にして,英単語からの音素の抽出,音素から単語の混成,および日本語の音節構造を持つ単語・偽単語の音素削除課題が用いられた。全体で73名の中学校1年生,2年生が実験に参加した。その結果,語彙課題は学年によって成績に差が見られたが,その他の課題では学年差は見られなかった。また,音韻意識課題の誤りの多くは音素の代わりにモーラを単位として答えるものであった。語彙を基準変数とした階層的重回帰分析の結果,語彙は学年とスペル課題の成績で分散の50%以上が説明されることが確かめられた。また,スペル課題を基準変数とした階層的重回帰分析では,学年は有意な偏回帰係数が得られず,音韻意識の中では混成課題で有意な偏回帰係数が得られた。このことから語彙力を上げるためには,スペル課題で測定される英単語の語形成に関する知識が必要であり,語形成知識は,日本語の基本的な音韻の単位であるモーラではなく,音素を単位とする音韻意識を持つことによって身につくと考えられた。最後に,本研究の今後の英語教育への示唆について議論した。
著者
細野 恵子 堀岡 恒子 久光 雅美 井垣 通人
雑誌
臨床体温
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.8-13, 2010-08

雑誌掲載版下腹部への長時間の温罨法による、便秘症状の強い高齢入院患者の便通改善の有効性を検討した。寝たきりの高齢患者(平均年齢85±10歳)23名(男性4名、女性19名)を対象に、下腹部への温罨法施行前後の便通状態とバイタルサインの変化を測定した。温罨法には蒸気温熱シート(めぐりズム蒸気温熱パワー、花王)を使用し、1日平均6.7時間を7日間連続貼用した。便通状態の評価には『日本語版便秘評価尺度(CAS-ST版)』4項目と『ブリストル便形スケール』を使用し、温罨法施行前ならびに施行中7日間での排便状態を計測した。また、下剤使用量を比較した。温罨法の施行により、便通状態尺度の有意な改善、7日間の排便回数の有意増加が示された。下腹部への長時間加温による便秘症状の有意な改善効果が確認され、貼付部位・循環器系への悪影響がないことから、高齢入院患者での有効性と安全性が示唆された。
著者
富川 盛光 鈴木 直仁 宇理須 厚雄 粒来 崇博 伊藤 節子 柴田 瑠美子 伊藤 浩明 海老澤 元宏
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1536-1542, 2006
被引用文献数
3

【目的】エビアレルギーの患者背景をまとめ,エビの主要抗原のトロポミオシンと交差抗原性のある他の甲殻類・軟体類・貝類の摂取時の症状,特異的IgE抗体価の相関を検討した.【方法】各施設に質問紙を配布し,エビ摂取で確実に症状を呈した99症例について検討した.【結果】エビアレルギーは20歳代までの発症者が多く,1時間以内に症状が発現する症例は87.9%であった.皮膚症状が最も多く,以下OAS様症状,呼吸器症状と続き,アナフィラキシーが61例,ショックも2例みられた.エビアレルギーを有しかつカニを摂取したことがある患者68例中44例(64.7%)がカニアレルギーで,イカ摂取では63例中11例(17.5%)とカニに比べ少なかった.特異的IgE抗体価はエビとカニで相関係数は0.954(p<0.001),エビとイカは0.582(p<0.001)と強い相関を認めた.【結論】エビアレルギー患者では,トロポミオシンの相同性が高く交差抗原性を持つカニ摂取でアレルギー反応を認める例が多いが,軟体類や貝類とはカニほど臨床的な相関はないと思われた.

1 0 0 0 OA 浮世画手本

著者
蝶園国盛 筆
出版者
精華圃
巻号頁・発行日
1881
著者
六角 香 大中 浩貴
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第40回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.2002091, 2013 (Released:2013-08-14)

【目的】CHL/IU細胞はチャイニーズハムスター肺由来の線維芽細胞である。当細胞は,培養方法に難しい技術を必要としないこと,染色体数が少なく,染色体標本の観察が比較的容易であることから,遺伝毒性試験(特に染色体異常誘発性を評価する試験)において汎用されている。通常,培養細胞をこれらの試験に用いる際,あらかじめ継代培養を行った細胞を適宜使用するが,継代培養操作を繰り返すことによる品質の変化についての基礎データは少なく,とくに数週間から数箇月以上に及ぶ試験において,試験使用時毎にその細胞の品質の劣化の有無を確認することは容易ではない。今回,継代操作を多数回繰り返した細胞について,その特性の変化及び劣化の程度を検討した。【方法】CHL/IU細胞を,10%牛胎仔血清含有MEMアール液体培地を入れたシャーレを用いて,5%CO2,37℃の条件で継代培養した。継代回数が10回未満,20回,40回,60回の細胞を用い,各々について特性検査を行った。検査は1)細胞の倍加時間,2)染色体数,3)自然発生による異常細胞出現頻度,4)既知の染色体異常誘発物質(マイトマイシンC,ジメチルニトロサミン及びシクロフォスファミド)で処理した際の異常細胞出現頻度の各項目について実施した。【結果及び考察】細胞の倍加時間,染色体数(異数性異常細胞の増加)並びに自然発生による異常細胞出現頻度(構造異常・数的異常)は,いずれの継代回数の細胞にも差は認められなかった。一方,既知の染色体異常誘発物質で処理した際の異常細胞出現頻度は,いずれの物質においても継代回数40回以上の細胞において減少したことから,継代操作の多数回の繰り返しは染色体異常誘発性の検出精度を低下させると考えられた。
著者
度會延賢稿
出版者
[書写者不明]
巻号頁・発行日
0000
著者
青柳幸一著
出版者
尚学社
巻号頁・発行日
2009
著者
松本 康嗣 川崎 秀和 鵜飼 啓史 長壁 円 内藤 浩一
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.C4P2222-C4P2222, 2010

【目的】我々は先行研究において内反捻挫後の背屈動作で足趾伸展を伴う足関節外反と関節軸のずれを報告した。実際に臨床で内反捻挫後の症例をみると足関節機能の低下に加えスポーツ動作時にマルアライメントを呈する例が多い。そこで今回の目的は捻挫による足関節・足趾への影響と動作時アライメントとの関連を検討し、リハビリテーションの一助とすることとした。<BR>【方法】内反捻挫後の症例(うち男性3名、女性7名、平均年齢19.1歳、身長164.6cm、体重59.7kg)を対象としビデオカメラを用いフォワードランジ動作を前額面・矢状面で撮影した。得られた映像をアニマ製二次元動作解析装置に取り込み、動作時アライメントとして足趾伸展角度、足関節背屈角度、舟状骨高、膝関節外反角度を計測した。同時に足関節機能として、背屈・底屈・内反・外反のROM・筋力を測定した。背屈、底屈の筋力に関して、背屈では自然背屈と足趾屈曲位での背屈筋力を、底屈では母趾球と小趾球での底屈をそれぞれ測定した。筋力の測定にはHOGGAN製MICROFET2を用いた。検討項目は足関節機能・動作時アライメントの健側・捻挫側の差と、足関節機能・動作時アライメントの相関関係とした。それに加え、先行研究の結果より内反捻挫後の足趾伸展に着目し、接地時に足趾伸展が見られる例を足趾伸展タイプ、その他の例をノーマルタイプとし、足関節機能・動作時アライメントでそれぞれ2群間の差を検討した。<BR>【説明と同意】被検者にはヘルシンキ宣言に基づき本研究の目的、方法、危険性について十分に説明し同意を得ておこなった。<BR>【結果】足関節機能に関して、ROMでは捻挫側で背屈、底屈、内反、外反すべてにおいて低下が見られた。筋力では足趾屈曲位での背屈、小趾球での底屈、内反、外反で有意に低下が見られた。動作時アライメントでは足趾伸展角度、足関節背屈角度、舟状骨高において有意差は見られなかった。膝関節外反角度に関しては捻挫側で有意に増大が見られた。足関節機能と動作時アライメントの相関では足趾伸展角度と内反ROMとの間に負の相関が見られた(r=-0.79、p<0.01)。舟状骨高と内反筋力・外反筋力(r=0.68・r=0.835、p<0.05)それぞれに正の相関が見られた。足趾伸展タイプ・ノーマルタイプの2群間の比較では足趾伸展タイプで母趾球での底屈筋力と膝関節外反角度が有意に高値を示した。<BR>【考察】足関節捻挫後の影響として足関節外反筋力の低下や腓骨筋反応時間の遅延などが報告されており、今回の結果からも外反筋力の低下が見られた。今回の結果ではそれに加え、内反筋力の低下が見られることや、足趾屈曲位での背屈筋力・小趾球での底屈筋力に低下が見られることから、内反筋の活動低下が著明であると考えられる。<BR>内反筋力と舟状骨高では正の相関が見られており内反筋力が低下することで内側縦アーチの低下に繋がると考えられる。内側縦アーチの低下に伴い、足関節の回内が増大し、捻挫側の膝関節外反の増大に繋がったと考える。足趾伸展タイプではノーマルタイプと比べ、母趾球での底屈筋力で高値を示しており、底屈動作で外反の要素が大きいと考えられる。足趾伸筋は足関節外反作用があることから足趾伸筋の過活動によって足関節外反を伴う底屈が起きていると考える。足趾伸展の過活動が起こる要因としては足関節内反角度の減少が考えられる。今回の結果より、足趾伸展角度と足関節内反ROMに負の相関がみられたことから、内反捻挫の症例では外側組織が炎症・瘢痕化し内反ROMが減少することで、内反時の疼痛が起こり、疼痛回避のため外反位を保持するため、外反の作用を持つ足趾伸筋にスパズムが起こり過活動に繋がると考える。足趾伸筋の過活動により、接地時の背屈筋での遠心性収縮時に前脛骨筋の活動が減少し内側縦アーチの保持が困難となる。アーチの低下により足関節回内が増大し足趾伸展タイプでは動作時の膝関節外反の増大が著明に見られたと考える。以上のことから、足関節内反捻挫後の治療として従来のアプローチに加え、内反筋である前脛骨筋・後脛骨筋へのアプローチが重要だと考える。特に足趾伸展を伴う例においては、足趾伸筋の過活動に注意し足趾や足部アーチの機能低下に対するアプローチを行い、動作時アライメントの改善を行うことが重要であるといえる。<BR>【理学療法研究としての意義】足関節内反捻挫後の理学療法評価、治療を行う際、足関節機能に対するアプローチだけでなく、動作時アライメントや足趾の機能への選択肢が拡大する可能性が示唆された。<BR>
著者
観世織部 著
出版者
桧常之助
巻号頁・発行日
vol.土車, 1894
著者
Jungmin SOHN Sookyung YUN Jeosoon LEE Dongwoo CHANG Mincheol CHOI Junghee YOON
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.16-0003, (Released:2016-09-05)
被引用文献数
8

Kidney size may be altered in renal diseases, and the detection of kidney size alteration has diagnostic and prognostic values. We hypothesized that radiographic kidney size, the kidney length to the second lumbar vertebra (L2) length ratio, in normal Miniature Schnauzer dogs may be overestimated due to their shorter vertebral length. This study was conducted to evaluate radiographic and ultrasonographic kidney size, L2 length and the kidney length to aorta diameter ratio in clinically normal Miniature Schnauzers and other dog breeds to evaluate the effect of vertebral length on radiographic kidney size and to reestablish radiographic kidney size in normal Miniature Schnauzers. Abdominal radiographs and ultrasonograms from 49 Miniature Schnauzers and 54 other breeds without clinical evidence of renal disease and lumbar vertebral abnormality were retrospectively evaluated. Radiographic kidney size, mean kidney length to the second lumbar vertebra ratio, in the Miniature Schnauzer (3.31 ± 0.26) was significantly larger than that in other breeds (2.94 ± 0.27). Relative L2 length, the L2 length to width ratio, in the Miniature Schnauzer (1.11 ± 0.06) was significantly shorter than that in other breeds (1.21 ± 0.09). However, ultrasonographic kidney sizes were within or very close to normal range both in the Miniature Schnauzer (6.75 ± 0.67) and other breeds (7.16 ± 1.01). Thus, Miniature Schnauzer dogs have breed-specific short vertebrae and consequently a larger radiographic kidney size, which was greater than standard reference in normal adult dogs. Care should be taken when evaluating radiographic kidney size in Miniature Schnauzers to prevent falsely diagnosed renomegaly.
著者
Fumitaka TAKAHASHI Takaharu HAKOZAKI Nobuo KANNO Yasuji HARADA Shinya YAMAGUCHI Yasushi HARA
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.16-0160, (Released:2016-09-04)
被引用文献数
2

We evaluated comparatively the mechanical strength in three kinds of surgical fixation techniques for canine atlantoaxial joint. Atlantoaxial plate fixation (APF), polymethylmethacrylate (PMMA) fixation (PMF) and transarticular fixation (TAF) were applied to the atlas and axis harvested from healthy beagle dogs, and then the specimens were tested. The PMF group had significantly higher resistance to flexion than the APF group (P=0.030) and the TAF group (P=0.004). There were no significant differences in resistance to torsion between the APF group and the PMF group, while the APF group had significantly higher resistance to torsion than the TAF group (P=0.037). Considering the possible drawbacks of using PMMA, the APF method is proposed as an alternative to the PMF method.