著者
松橋 朋子 村上 照子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.16, pp.11-18, 2011

本研究は、高齢者施設における災害対策の実態、災害介護教育に関する意識を把握することを目的とし、A県内の特別養護老人ホーム96ヶ所の介護職員480名を対象に無記名の質問紙調査を実施した。263名から回答が得られ、以下のことが明らかになった。1.被災経験がある人は36.5%であり、災害の種類としては地震が多かった。2.91.6%の施設が年2回以上の防災訓練を実施していた。訓練の種類としては「避難訓練」「災害種類別防災訓練」「消火訓練」「通報訓練」「非常食調理訓練」「救護訓練」であり、97.3%が訓練が実際に活用できると答えていた。また、防災マニュアルについては91.3%の施設で整備されていたが、14.6%がマニュアルを読んでいなかった。3.防災体制・設備の把握状況では「災害発生時の連絡体制」「避難経路」について認知度が高く、介護職歴で有意な差は見られなかった。4.災害や防災に関して感じていることとしては、「不安」「訓練・日頃の備えの必要性」「防災意識の向上」の順に多くあげられた。5.介護職員の79.1%が介護福祉士養成施設における災害介護教育の必要性を認識していた。介護職員の73.8%が高齢者施設における災害介護研修の必要性を認識していたが、災害に備えた研修を受講していたのは27.8%であった。
著者
渡辺 牧
出版者
共栄学園短期大学
雑誌
共栄学園短期大学研究紀要 (ISSN:1348060X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-13, 2004

沖縄の苦難の歴史を踏まえ、現地でのフィールドワークに基づき、新聞ジャーナリズムへの視点を検討し、沖縄の地方紙2紙の歴史と、読者との結び付き、経営、新聞販売などの実態に関して考察する。戦争と戦後の基地の島としての受苦の歴史に耐えてきたウチナンチュの思いをヤマトンチュが理解するための架け橋として、ジャーナリズムの在り方が問われている。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア21 (ISSN:13463799)
巻号頁・発行日
no.162, pp.84-88, 2003-04

徳島市の郊外にある医療法人若葉会・近藤内科病院は、内科、消化器科、循環器科、神経内科などを標榜する55床の小規模病院だ。病院の前身は、1983年に開設した19床の有床診療所。87年には40床に増床して病院に転換したが、95年に病院の目の前を通る県道の拡幅工事が計画され、立ち退きを迫られることになった。
著者
上田 祥平 池井 寧 広田 光一 北崎 充晃
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.15-22, 2016

We developed a walking recording and experiencing system. For the recording system we captured stereo motion images from two cameras attached to a person's forehead with synchronized data of ankles' accelerations. For the experiencing system we presented 3-D motion images with binocular disparity on a head-mounted display, and presented vibrations to user's soles of feet at the same time. The vibration was made from a footstep sound when a person walked. We found that users subjectively reported that the 3-D motion images with synchronized foot vibrations elicited stronger feelings of walking, leg motion, stepping, and telepresence than without vibrations. These results suggest that our walking experiencing system gives users somewhat active walking feelings.
著者
吉利 宗久 吉海 真澄
出版者
京都教育大学
雑誌
教育実践研究紀要 (ISSN:13464604)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.101-109, 2006-03-31

小学校校長の特別支援教育に対する取り組みの実態を明らかにするために,A市内における質問紙調査を実施した(回収数62校)。その結果,多くの校長が特別支援教育の理念を支持する一方で,学校の準備状況や自らの知識に不安を抱いていた。また,特別支援教育を推進するために重視する学校経営の方針として,保護者との連携や校内体制の整備が高い割合を示した。そして,ほとんどの学校が校内研修を実施しており,その内容は障害理解と児童の実態把握が中心となっていた。ただし,盲・聾・養護学校との連携や,保護者への働きかけは今後の課題となっており,専門性の高い教員を配置し,個別の教育支援計画の作成などの具体的な取り組みを進めることが必要であると考えられていた。
著者
大田 啓一 半田 暢彦
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.25-32, 1985
被引用文献数
8

西部北太平洋上で粒径別に採集したエアロゾル試料の有機炭素, アルカンおよび多環芳香族炭化水素 (PAH) を分析した結果, 次のことが明らかとなった. すなわち, これら有機物の大気中濃度は, 日本あるいはユーラシア大陸からの距離が遠くなるにつれて減少しており, 減少の度合いの大きさは, PAH>>アルカン>有機炭素の順であった. またこれら有機物は, 粒径1μm以下の小粒子に主として含まれていた. アルカンとPAHについての分析結果は, 日本の沿岸海域のエアロゾルに含まれる炭化水素は陸上の人間活動に由来するものであり, その寄与は, 日本から約1,000kmの海域におよんでいることを示した. 一方, 遠洋のエアロゾルについては, 1μm以下の粒子の炭化水素は陸上の自然源起源であり, それより大きい粒子中のそれは海洋起源であることが明らかになった.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.363, pp.28-29, 2004-11-12

国土交通省道路局は2004年10月4日から8日まで,東京都小平市の国土交通大学校で道路行政マネジメントの研修を実施した。実践を重視した同研修には,各地方整備局の課長補佐や実際に事業を担う各事務所の課長など,計34人が参加した。 同省道路局では2003年度から,他の公共事業に先駆けて成果主義を柱とする道路行政マネジメントを導入し始めた。
著者
上原 厳
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.493-496, 2001-03-30
被引用文献数
1 1

ドイツ国内には,クナイプ療法地という自然保養地が多数存在するが,本論では,そのクナイプ療法の発祥地であるバイエルン州バート・ウェーリスホーフェン市がどのように保養地として発展したのか,その特徴を明らかにすることを目的とした。調査の結果から,同市は前身が農村田園地帯であり,自然保養地としての基盤条件を備えていたこと,中世にカトリック教会が待ちの造成基盤をなし,19世紀中頃に同教会修道院にセバスチャン・クナイプ司祭が赴任して自らのクナイプ療法を同地に伝えたことにより保養客が増加し村の施策転換をもたらしたこと,そしてその後の各施設建設と行政による環境整備が保養地形成を進めてきたことなどが明らかになった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.975, pp.89-92, 2008-04-07

「こんな分かりにくい不具合の原因をよく突き止めたな」。その場に居合わせた約20人のハッカーは一様に感嘆の声を上げた。 フリー・ソフトウエア(自由ソフトウエア)の正しい概念を広めることを目的とする特定非営利活動法人,「フリーソフトウェアイニシアティブ(FSIJ)」。
著者
工藤 裕美
出版者
上智大学
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.157-185, 2003-12-27

<特集>南アジアの宗教・政治・文化(The Religion, Politics, and Culture of South Asia)
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.887, pp.24-25, 1997-04-21

ジョンソン・エンド・ジョンソンがシェアを独占する製品がある。狭心症の治療に変革をもたらした「ステント」と呼ばれる治療器具で,ノーベル平和賞受賞者のマザー・テレサ氏もこれで救われた。「ステンレススチール製の金属を心臓近くの血管に移植する」という非常識なアイデアを常識にするため,ある1人の人物が起業家となって働いた。
著者
神谷 潤子
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.189-196, 2015

インドのコルカタには、マザー・テレサが貧しい中の最も貧しい人々のために設立した多くの施設がある。それらの施設の活動は、マザー・テレサの死後も「神の愛の宣教者会」の修道女・修道士、世界各国から集まったボランティアによって維持され、今もなおスラムの人々の受け皿となっている。著者は2002 年と2011 年に、マザー・テレサの活動の原点であり、スラムの路上で瀕死の状態にある貧しい人々を温かく看取るための施設「死を待つ人の家」と、障害児を養育する「ダヤ・ダン」のそれぞれでボランティア活動を行った。本稿ではマザー・テレサの施設とコルカタの現状、そこで行われているボランティア活動を紹介する。そして、マザー・テレサの施設で行われていた「その人に関心を向ける温もりのあるケア」に患者の生命力を支える看護の原点を感じたこと、などの学びを報告する。
著者
向後 千春 岸 学
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.161-166, 1996-12-20
被引用文献数
3

映像と文字情報の提示についてのデザイン原則への示唆を得ることを目的として,外国映画の字幕つきビデオを視聴するときの眼球運動を分析した.実験材料として,字幕版のビデオ,「JFK」と「マルコムX」を用いた.それぞれから5分間程度のシーン4つを選び,編集したものを,アイマークカメラを装着した被験者に視聴してもらい,そのときの眼球運動を記録した.1行6文字,1行13文字,2行13文字,2行20文字の4種類の字幕パターンに注目し,それぞれにおいて,眼球運動を,字幕への反応時間,先頭への移動時間,実質的な読み時間,(2行字幕の場合)改行時間,に分解し詳細に調べた.その結果,字数が増えれば増えるほど文字あたりにかかる時間が長くなり,そこでは行数の要因と文字数の要因とが効いていることが明らかにされた.
著者
佐藤 藍子
出版者
東京大学文学部国文学研究室
雑誌
東京大学国文学論集 (ISSN:18812139)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.115-127, 2008-05-25